自殺する受験生に共通する食生活の特徴とは?【受験の心療内科】
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今日のテーマは、自殺を図る受験生に共通して見受けられる食事についての特徴です。
実は、脳の中で食事をコントロールしている中枢は視床下部という部分です。
一方、自殺の原因になるストレスの中枢もやは視床下部・・・。
つまり、脳の中で同じ部分なのです。
だから、自殺と食事に密接な関係があるのは、脳の構造上、当然のことだと言えます。
今週は、松田聖子さんと神田正輝さんの娘さんの神田沙也加さんが転落死されたことで、子どもの自殺が心配だという親御様からの多くのお問い合わせを受けました。
芸能人の方の影響力の大きさを痛感するとともに、その影響が子どもにも向かって自殺が増えるのではないかと心配しています。
そこで、このブログでも、
こちらについても、ご一読いただければと思います。
今日は、自殺と食生活の関係がテーマです。
自殺を図る人は、食欲がなくなっているのでは・・・。
あなたは、そう思っていませんか?
40歳を過ぎた中高年の人が生活苦などで自殺する場合は、そういうケースが多いのは事実です。
もちろん、受験生の場合もそういうケースは少なからずあります。
でも、年齢的にも若い受験生の場合、むしろ正反対で、過食のほうが心配なのです。
なぜか?
受験生が自殺を考える場合、脳の扁桃体という部分が不安や不満の感覚を過剰に生み出し続けます。
一方、脳の前頭前野は理性的な歯止めを生み出す力を落としており、その不均衡によって自殺が生じるわけです。
摂食障害の研究で明らかになっているのですが、過食の場合、扁桃体が過剰に食べたいという原始的な感情を過剰に生み出し、一方で前頭前野がそれを抑制できないのです。
つまり、脳内の構造は、自殺と過食はすごく似ているわけです。
実際、自殺を図る前に過食がひどくなるというのは、心療内科クリニックでカウンセリングをしていると、日常的に経験することです。
特に女子の受験生には多いので、注意が必要です。
また、「ふっと自殺したいと思うことが、たまにあるけど、その程度だから、過食しても私は大丈夫・・・」と思っている受験生の方も、油断してはいけません。
その程度だと、実際に自殺を図るということは少ないかもしれませんが、入試に落ちやすい脳になっている可能性が十分に高いのです。
どういうことか?
扁桃体が過剰に食欲を生み出し、前頭前野が抑えきれなくなっている場合、入試の会場で問題が解けなくなる方向に作用することが多いのです。
入試の会場では、否応なく扁桃体が不安の感情を爆発させます。
その影響で、前頭前野の論理的思考力が誰でも多少は低下してしまうのですが、入試の直前期に過食を繰り返すと、この作用が増幅されてしまいます。
これによって、思考力を求められる応用問題や、高度なワーキングメモリーという前頭前野が生み出す機能が求められる英語や国語の長文読解の能力が壊滅的に低下してしまうのです。
では、これを防ぐにはどうしたらいいのか?
真っ先にやっていただきたいのは、朝食のときに、ちょっとだけ食事の取りかたを工夫していただくことです。
実は、自殺を図る受験生の方には、もう一つ、食事について、重大な特徴があります。
それは、朝食を取らない・・・、あるいは朝食を取るにしても、とってもテキトーで、朝食を大事にしていないということです。
なぜ、朝食をぞんざいにすることが自殺につながるかと言うと、冒頭でご紹介した脳の視床下部という部分に、脳の体内時計も組み込まれていて、ここの働きが悪化するのが主な原因です。
朝食をしっかりとることによって、ここを活動状態にしておく必要があるわけですね。
では、そのほかには、どうすれば脳の状態を改善させることができるのでしょうか?
食事中に、ちょっとだけ食事の取りかたを工夫するだけで、大幅に改善できるということがわかっています。
私のクリニックのホームページに掲載している、「受験ストレスによる食欲の異常(Exam stress Eating disorder)」のページでは、誰でも今日からすぐに実践できる、「合格するための食事の6か条」などを紹介しています。
もちろん、自殺を防ぐことにも役立ちます。
ぜひ、ご参照していただければと思いますが、まずは、以下の解説の要点だけでもご覧いただきたいです。
このページの要点は?
✓ 受験ストレスによる食欲の異常(Exam stress Eating disorder)が受験生の間で女子を中心に急増中です!
✓ 食欲がなくなる、逆に、とめどなく食べすぎてしまうのは、いずれも脳のSOSサインです。放置しておくと、思考力や集中力の低下を招き、入試の当日に大きな得点力ダウンにつながります!
✓ 脳の中にある視床下部(hypothalamus)という部分が、食欲の中枢とストレスの中枢を兼ねているため起こる病気で、試験を解いているときに集中力の低下をもたらします!
✓ 食事のときに、ちょっとしたことを心がけるだけで、食欲の異常は大幅に改善します。その方法をご紹介しています。誰でも今日から実践できる「合格するための食事の6か条」をご紹介します。
✓ 食欲の異常を抱えている方が陥りやすい脳の働きの低下と、その解決策についても、わかりやすく解説しています!
受験ストレスで食欲の異常をもたらす脳の視床下部(hypothalamus)
脳科学の視点で見ると、受験ストレスが食欲の異常をもたらすのは、当然のことだといえます。
受験ストレスは、脳の奥深くにある「視床下部(hypothalamus)」という部分が中心になって生み出します。
実は、食欲を管理する中枢も、まったく同じ「視床下部」にあるのです。
人間の巨大な脳の中で、「視床下部」は、オリーブの実と同じくらいの小さなものです。
ですから、受験ストレスと食欲の異常が連動するのは、解剖学的には必然的に起こることだといえるのです。
受験ストレスによって「視床下部(hypothalamus)」の機能が異常をきたすと、食欲がなくなる場合と、高まりすぎる場合と、どちらのケースも起こりうることです。
食欲が旺盛だったら健康だと思い込んでいる人が多いのですが、過食になってしまうのも脳の異常だということは、頭に入れておいてください。
合格するための食事の6か条
その1:食べ物の香りをよく嗅いでから食べる。
食事の香りが脳の視床下部に働きかけ、受験ストレスを緩和させます。
また、食べ物を飲み込む前に、胃腸の働きが整えられ、それが脳腸相関の作用で、脳機能も高めてくれます。
その2:食べ物をよく見てから食べる。
食べる前に食べ物をよく見たほうが、ストレス緩和作用が大きくなることも実証されています。・・・
「受験ストレスによる食欲の異常(Exam stress Eating disorder)」