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受験生の自殺が1月14日に激増?親にはわからぬ意外な理由!【受験専門の心療内科】
正確に言うと、14日の深夜から自殺を図る受験生が増え始め、15日の未明にピークを迎えます。
なぜ、そんなことが言えるのか?
それら、受験生のメンタルを専門に扱う私のクリニックで、10年以上も前から、その現実を目の当たりにしてきたからです。
自殺が1月14日未明に集中する理由とは?
では、受験生が自殺を図るのは、どうして、このタイミングなのでしょうか?
それは、以前はセンター試験、一昨年度からは大学入学共通テストの1日目に試験のできが悪かった受験生が自殺を図ろうとするからです。
共通テストは土日に行われるため、曜日がずれるため、毎年、日付は少し前後しますが、今年度の共通テストは1月13日と14日に行われます。
ですから、今年の場合は、14日の未明が危ないというわけです。
ただし、カウンセリングを行うと、このタイミングで自殺を図る受験生の大半は、本人は意識していない場合が多いのですが、本気で自殺しようとは思っていません。
だから、正確にいうと、自殺をはかるというより、自殺の素振りをするという言い方のほうが適切かもしれません。
自殺に追い詰める受験生の心理とは?
では、受験生は、どうして1月14日の未明に、このような行動をとることになってしまうのでしょうか?
その本当の動機は、翌日というか、日付が代わって、その日に共通試験の二日目の試験が行われるわけですが、その試験を受けたくないということです。
心の奥底で、一日目の成績が悪くて、ゲームのように、リセットしたいという衝動が湧き上がってくるのです。
でも、入試はリセットできません。
だから、二日目の試験を頑張ろうという意欲がわかない・・・。
でも、自分の意志で試験をサボるということは、プライドが許さないわけです。
そこで、自殺を図る・・・というか、正確にいうと自殺を図るフリをして、受験に行くのを周囲の人に止めてもらいたいわけです。
これなら、悲劇のヒロインみたいな感じで、入試を受けるのをサボることより、はるかにプライドが守られるのです。
だから、本当に命を落とすような自殺は、しないのが普通です。
でも、本人はそのつもりでも、アクシデントで命を落としたり、後遺症が残ることはあります。
やっぱり、ご家族は油断してはいけません。
自殺を招く「認知のゆがみ」とは?
もう一つ、受験生を自殺を図る行為に追い込む原因があります。
それは、「認知のゆがみ(Cognitive distortion)」と呼ばれている現象です。
受験ストレスが増すと、極端に非合理的な思考パターンに陥ってしまう精神病理の現象をもたらすことがあり、これが「認知のゆがみ」と呼ばれているのです。
脳がこうした状態に陥ると、認知機能をさらに低下させることで、記憶できなくなったり、深く思考するのが困難になったりします。
「認知のゆがみ」それ自体は、かなり以前から知られていたことですが、これが、受験で失敗してしまう大きな要因になっていることも明らかになってきているのです。
さらに、「認知のゆがみ」によって、柔軟なものの考え方や判断ができなくなります。
二日目の試験を放棄するために自殺を図るという極端な行動にでてしまうわけです。
「認知のゆがみ」から脱するには、まず、受験生がどのタイプのゆがみに陥っているのか、自分で知ることが必要です。
そのために開発されたのが、以下の「認知の歪みを見抜く受験生セルフチェックシート(Cognitive distortion questionnaires )」 です。
こちらについては、以下のページをご参照ください。
解説記事 ⇒ 本郷赤門前クリニックホームページ「認知のゆがみ(受験ストレス)Cognitive distortion」
受験生の親の見守りポイントとは?
私は、自殺を図った受験生のカウンセリングを数多く経験していますが、必ず、幼い子どもの時期から、どのような生育状況なのか伺うようにしています。
さらに、自殺を図る前についても、生活に変化がなかったか、ご家族から詳しく問診をしています。
そんな中で、なんの前兆現象もなく、受験生が突然に自殺を図るということは、これまで一度もありませんでした。
必ず、前兆となる何らかのSOSサインが発せられているのです。
ご家族は、それを見逃さないことが、尊い受験生の命を守る上で、とても大切なことです。
精神的に追い詰められた受験生は、具体的には、どのようなSOSサインを発するのか?
親御様は、どのような部分を重点的に見守って上げればいいのか?
こちらについては、以下のページで詳しく解説しています。
ぜひ、ご一読ください。
受験生の心の危機
親の見守りポイント
心療内科医が解説
自殺を予防するメンタル医学
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✓ 若い世代の脳がメンタル面でデリケートになった影響で受験生の自殺が増加しています。必ず行動を起こす前に自殺衝動を示す兆候が表れますので、親はポイントを絞って見守っていただきたいです。
✓ 落ち込んだ表情はもちろん、怒りの表情や笑顔であっても、自殺衝動を示すポイントがあります。親は受験生の表情を日々確認し、兆候を見逃さないでいただきたいです。
✓ 試験の成績が下がった受験生が「もうダメだ」と口にした場合も、単なる弱音に過ぎないのか、自殺衝動を示しているものなのか、見極めるポイントがあります。
✓ 「トンネル効果(Tunnel-vision)」が生じた場合、ケアレスミスが増加するため、これも自殺衝動を見抜くポイントになります。
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