無理は時にはしなきゃね。
無茶は絶対しなさんなよ。
/ 永六輔
■
土曜日に思い立ったので携帯を買いました。
LYNX SH-10B
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/smart_phone/sh10b/
早く行かないと売り切れちゃう!と、ビックカメラに電話して「今から行っても有りますか?」って聞いたら「SH-10B の白ですか?在庫は沢山あります。今日明日で売り切れるなんてことはありません」と笑顔(予想)で即答されたり。人気無いのかな。
アドレス帳とかの関係で FOMA カードは以前の機種に差したまま。今のところはWifi専用機。
ちなみに前回も「SH702iD」シャープ。4年も使っていてバッテリーも膨らんで一度交換した機体だけど、未だ健在。音声通話用の予備として待機してくれたまえ。
■
で、LYNXのレビュー。
キーボード
>見た目より打ちづらい。
>キーが柔らかくて周辺のキーを巻き込む感じになりやすい。
>でも通常のケータイ入力するよりは圧倒的に効率がイイ。
>昨今の若い人の入力速度は知りません。
Android
>全体的にモタモタする。
>あくまで「iPhoneと比べて」という話なので、比べなければ大変快適。
>クラウド系は連携を含めて気持ち悪いくらい便利に出来てる。
ブラウザ
>iPhone と比べると若干遅いが、通常使用としては大変快適。
画面が広いので強烈に使いやすいというかスマートフォン用サイトに
勝手に移動しないで欲しい逆に使いづらいよ。
各種アプリ
>縦持ち携帯を前提に作られたアプリが多いので微妙に使いづらいキモチになる事も。
>iPhone と比べると以下略
トラックボール
>別に使いやすいとも使いづらいとも思わず。
電話機能
>未使用の為不明。
まるでダメ!みたいに見えますがそうでもない。
褒めろよという話ですが、比較するのが自分の 702iD と周囲の iPhone なので、機能面を比べると「702iDと比べると大変素晴らしいが、iPhone と比べるとアラが目立つ」という感想にしかなりません。
■
じゃあ、LYNX の良いところはどこか?
まあキーボードがくっついているところ。
しかもスライドではなくクラムシェル。
携帯である事からギリギリでこぼれ落ちたハードウェアデザイン。
誰に見せても「でけえ!」と言わせるマッチョなボリューム。
素晴らしい。
肉体が精神を定義するように、筐体が「俺はPCだぜ」って事を主張している訳です。
iPhone や Xperia が「スゴイ携帯ですよ」ってアピってるのに対して、LYNX は「ヘボイPC」になっちゃってる。それでも実装する、そのヤリきった感。
原付なのにカウルを付けた YSR50 や、無理矢理ウィンドゥシステムを載せた TOWNS-OS のような背伸び感に無意味な高揚を感じずには居られません(判りづらい)。
つまり負けると判っていても、やらなきゃならない時も有るって事ですよ!
■
それにしても mixi の宣伝サイトはどうなんですかね。
http://mixi.jp/pr_sharp_lynx.pl?type=man
http://mixi.jp/pr_sharp_lynx.pl?type=woman
LYNX に限らず、ケータイの「うわーこんな素敵なライフスタイル見て見て」広告はダメな感じでいっぱいなんですが、プロダクトデザインとかのプレゼン方法の一つにこういう手法(組み込んだらどんな一日になるの?的な)があるので、なかなか脱却出来ないんだろうなー。
スペック並べるだけじゃあ仕事にならないし、広告屋さんも大変。
■
ということで、ヨコオが眼鏡ケースを耳に当てて通話している姿を目撃した場合は、そっとスルーして頂けると嬉しいです。
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まず自然に従え、そして自然を征服せよ。
ノーヴム・オルガヌム / フランシス・べーコン
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暑い……絶対的猛暑。
ククク……だが、所詮はこの程度。これが地球の作れる気温の限界……
倍プッシュだ(ダメー)
という感じで暑い訳ですが、変な講習とか面接とか普段と違う仕事が続いてなんだかダルイなーと思っていたら昨日の夕方に突然発熱。もうね、夏バテを通り超えてなんか風邪とかひいてる場合。
ちなみに薬飲んだら速効で熱は収まりました。
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てな訳で体力回復にタイ料理を食べに行ってきました。
タイ王国 宮廷料理 ゲウチャイ 目黒
http://r.gnavi.co.jp/e155500/
「マナガツオの梅風味蒸し」が、セロリなどの香草と酸味の効いたソースが淡泊な白身と合っていて夏に相応しい一皿。食器も魚の形で可愛いらしい事この上ない。
メニューが多くて目移りする店ですが、積極的に普段と違うメニューを頼みたいお店でした。※ものすごく辛いメニューが地雷で混じっているらしいので要注意。
■
で、食っている時に「最近こんな事があったんだよねー」とマネージャ研修の資料を出して面白エピソードを聞かせようとしたら、テーブルに座ってる人々が涼しげな顔で口々に「それ Twitter で読みました」とコメント。ムギュー。
大体、どこで何書いたかなんて憶えてないヨ!
というかミンナ Twitter 見過ぎだヨ!ギャンス!
というキモチに。
「どこで何を話した(書いた)か?」を確認出来るサービスを誰か作ってー
■
そういえば Twitter が流行ってから周囲の mixi とかのブログ系日記が激減しましたね。みんなの日記量が減った訳ではなく、もともと「○○行った」的なヒトコト日記を書いていた人が Twitter に移行して、ある程度の文章量のある人だけブログ系日記が残ったと。棲み分けが出来て両方幸せに。
mixi(SNS) もブログっていう大ジャンルから「知り合い向け」っていうサブジャンルに分かれたようなものですし、これからもどんどんメディアのサブジャンル化が進んでいくんでしょう。なんとなくの想像では「○○食った」的な食系メディアが増えるんじゃないかなーと予想。
そうやってどんどん細分化されていくと「△△さんのコンテンツをまとめて読みたいんだ!」となって、それをまとめて読ませるようなブログ的サイトが出来て……アレ?これ最初に戻った?みたいな未来。
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そんなゆめみたいな話、きらいなの。
お金は、自分で働いてもうけるものよ。
ドラえもん / 藤子・F・不二雄
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前回「ソーシャルゲームの熱いレビューが読みたい!」と書いたところ「あるよ」とサラっと教えてもらったレビュー↓
ブラウザ三国志17鯖 - プログラマー同盟の軌跡その1 (黎明編)
http://blog.livedoor.jp/lalha/archives/50297603.html
むはー。熱い。男いや漢達のムーフー言う吐息を感じますよ!
脳内で銀英伝のキャラで補間したら異様に盛り上がりました。
オススス。
■
ソーシャルゲームと言えば、話題になっているらしいのが↓
エルディ、iアプリ向け農場ゲーム「畑っぴ」のサービスを開始
収穫した農作物の現物が自宅に届くユニークな農業体験ゲーム
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20100607_372765.html
サービス案内 農業体験携帯ゲーム「畑っぴ」
http://ld-inc.jp/service.html
「ソーシャルゲームで野菜を育てたら実際に野菜が届いた!」って面白いなあ。なんかコントみたい。
どういう仕組みになっているんだろうか?課金ユーザーから一定の収益を得て年に一度くらいに野菜を届ける感じかな。だとしたら1年簡はユーザーを留めておく良いアイデアだなー。上手く行けば全方位に幸せなサービスになりそう……だけれど、上手く行くのかな。いろいろ難しい事が起きそう。
オマケ。
↓作った会社の社長さん
人気ケータイゲーム「畑っぴ」運営会社の社長がかわいいんだが
http://togiushi2nd.blog54.fc2.com/blog-entry-1818.html
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金なんていくらあっても天国まで持っていけやしないよ
映画「我が家の楽園」 /
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ソーシャルゲーム。流行ってますな。
ソーシャルゲームが語られる時には「流行ってる」「儲かった」「そのうちダメになる」「いやいやこれからだ」みたいなビジネス話が多い気がします。しませんか?僕の周囲りだけですかね?
そういう業界話じゃなくて「泣いた!」とか「熱くなれた!」とか「このキャラが好き」っていう内容を僕ぁ知りたいんですよ。なんていうか教えてもらう順番が逆だよ逆!なキモチで。
商売とか将来とかは置いといて、もっとユーザーの情動を教えてくれるような泥臭いレビューサイトとかないのかなー、と思う今日この頃です。
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判りづらいコンピュータ用語を飲食店で例える実験。
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アジャイル開発
どんな味にするか作りながら決めるファミレス。
クラウド・コンピューティング
何故か冷蔵庫が隣の町内にある寿司屋。
クラウド・ソーシング
近所の素人がよってたかって作るラーメン屋。
グリッド化
忙しい中華屋が、ヒマな隣のタイ料理屋のシェフに野菜を切らせる店。
UGC(user-generated content)
素人が作ったケーキを並べる洋菓子店。
CGM(consumer-generated media)
客のコメントが沢山書き込まれたメニューの事。
マッシュアップ
ケンタッキーのチキンをミスタードーナツに挟んで
路上で売るサービス。
オープンソース
レシピの紙が必ず付いてくるラーメン屋。
真似してもいいが、レシピの紙を付けないと怒られる。
ソーシャル化
近所のオバちゃんが強引に勧めてくる出前の店。
みんなでお総菜を持ち寄って売る店。ただし140円以内。
ブログ
素人が店を開ける貸店舗の事。
仮想化
扉を開けると中が2軒の店になっていたり、隣り合う店が実は同じ
店舗だったりして店の境界がアヤフヤな牛丼屋。
iPad
ファミレスがメニューと席数を減らして「次世代のカフェです」と言い切って
新装オープンした店。カフェの割にはメニューが充実して席も広いと話題に。
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途中で飽きた。
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WARNING!! A HUGE BATTLE SHIP GREAT THING IS APPROACHING FAST
DRIUS / TAITO
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暑いから今日はシューティングの話しかしません。モフー。
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この夏iPhoneで復活! 『怒首領蜂大復活』
http://www.kotaku.jp/2010/07/iphone_dodonpachi.html
『スペースインベーダーIG』に追加された『ダライアス』などを試してみた
http://www.kotaku.jp/2010/07/applie_invader.html
iPhone ヤバイ。
「大復活」はコンソールでもまだ移植されていない新作。
インベーダーでのツボを突きまくりのアレンジ機体もスゴイ。スゴイよタイトー!
iPad でやりたいけど、スペースインベーダーは拡大してボケた画面はイヤだなー。拡大してもボケないモードってあるのかな。
■
エスプガルーダIIで指タッチパネルとシューティングの相性の良さは個人的には実証されてしまいました。あの移動速度のコントロールは今までのコントローラーが実現出来ていなかった快適さ。あとは画面から指がはみ出す件と、左手がホールドでふさがってボムボタンを押せない件をなんとかすれば完璧なんですが……
■
ちなみに今日の画像は↓から。
『Twitter』のクジラが『ダライアス』のボスに!? ゲーム化もされて話題に
http://getnews.jp/archives/66063
■
【スチムー】Valveが変なシューティングゲームを無料でリリース
http://jin115.com/archives/51691324.html
こんなのフリーで作っちゃダメー!
■
Soldner-X 2: Final Prototype
http://www.ne.jp/asahi/hzk/kommander/soldner-x2.html
PCで一部のシューターの間で話題だった Soldner-X の続編。
今度はPSN専用。
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プリズマティック・ソリッド
http://www.heloli.com/PrismaticSolidTop.htm
キレー。
Xbox LIVE インディーズゲームでリリースされた。
ちなみに作ってる林さんはナムコ時代の先輩(先方は憶えてないと思いますが)。
もちろん曲の細江さん・佐宗さんもN時代先輩s。
■
【XNA】REVOLVER360【STG】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10243128
大東京トイボックスのアレを実際に作ってみました的な。
こちらは未だリリースされていない様子。
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【AMV】 戦闘妖精雪風 グラディウス風味 ”VG3 Project Track 21”
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8042416
あはは。ビックバイパーかわいー!
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横スクロールSTGが左から右へスクロールする理由
http://nesgbgg.seesaa.net/article/150260347.html
興味深い記事です。
ちなみに結構大きな理由として「ヒットしている他社製ゲームがそっち向きスクロールだったからパクリましたテヘ」という部分があると思うんですが、各社さんはそういう事には触れていないですな。当たり前ですけど。
でもそういう本質を言わずに上から目線でモノを言うのは読んでて恥ずかしいなー。自分もどこかでやっていそうだから気をつけよう。
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限界などない。
あるのは限界を口にしている自分だけだ。
ありもしない限界にこだわるな。
私に言わせれば「限界」なんて言葉はこの世にはない。
「限界」というから限界が出来るのだ。
/ アントニオ猪木
■
これまでのあらすじ。
「YOU、CG芸能事務所作っちゃいなよ」
■
では意味が分からない人は、これまでの関連日記を。
CGクリエイターの未来
http://ameblo.jp/yokota6/entry-10580165431.html
CGクリエイターの王国
http://ameblo.jp/yokota6/entry-10585953895.html
CGクリエイターの利権
http://ameblo.jp/yokota6/entry-10590210367.html
■
前回の日記以降、過去のCGアイドルの情報をいろいろいただきました。
伊達杏子 DK96(ホリプロに所属するバーチャルアイドルタレント)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E9%81%94%E6%9D%8F%E5%AD%90
テライユキ(Shade出身のバーチャルアイドル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A6%E3%82%AD
シモーヌ(CG女優の映画※実際は人間です)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%8C
あとはDの食卓のヒロインを飯野賢治が女優化しようとしたり、マックスがヘッドルームに居たりとか(古い)。
■
CG界では「美少女CG」が流行った時代もありましたな。
まさに"この世のもの"とは思えない!!「CGアイドル」の魅力に迫る!
http://media.excite.co.jp/News/weekly/040713/topics.html
今でもコンテンツとして存続している場所もあるっぽいですが。
バーチャルラブリーモバイル
http://vlmobile.net/pc/index.php
えーと、まあ、これはおいとこう。
■
ということで、CGアイドルはこれまでも「一時的には流行るんですが、その後が続かない」という状態を繰り返してきたわけです。
ツッコミをして下さった皆さん同様に、ちょっと手を出してみたホリプロも「こりゃダメだ」というキモチで。
と、CGアイドル界がそんなダウナーな気分になってる間に、アニメキャラがCG化されたり、アバター的な映画がバンバン出てきちゃったりして。
そうやって徐々にCGキャラが他のコンテンツに浸透していき、将来はCG俳優はもっとスタンダードな商品になります(断定)。その時に、生み出した栄誉は誰の手に入るのか?
このまま放っておけばTVや映画、アニメ、ゲームなんかの監督がCGスタジオ作って「はっはっはー俺の作った女優は(以下略)」みたいな話になるわけです。
■
じゃあその名声をCGクリエイターが手にするにはどうすればいいのか?
新垣結衣可愛いなー(←今テレビでCMに出ていた)
失礼。で、何でしたっけ?
ああそうそう。CG俳優を作った名声をCG制作者が手に入れる方法。
まずですね、CGアイドルなんてすぐに消費されちゃうわけです。渾身のCGアイドルを生み出しても、飽きられたらポイ。
だから普通のアイドル事務所同様に新しいアイドルを次々にリリースさせる必要があります。
その為には何をすべきか。
■
最初はCG会社さんが10社くらい集まって「基本人体モデル/モーション」のフォーマットを作ります。このデータには上位から下位まで相互に互換性を持たせておきます。
たとえば、表情までボーンで動かしているシェーダーが何枚も重なった最上位のモデルのダンスと、1000ポリゴンくらいのテクスチャーのみのローモデルのダンスがあったとして、そのモデルとダンスを相互に交換出来るようなフォーマットです。まあ、いろいろ課題はあるんですが出来るかと。
次にその「基本人体フォーマット」はサンプルデータと併せて一般公開します。
エディタは市販のものが使える訳ですし、モデルやモーションのレベルは上位から下位まで用意されているので素人さんもガンガン作る事が出来ます。
そしてこの「基本人体フォーマット」で作られたデータには「買い取りは不可能」という規約を盛り込みます。人間の俳優と同じで「お金を払えば一時的に使えるけど、買い取って永遠には使えない」とすると。
また、二次改変は可能ですが、三次改変は不可能なフォーマットにします。
■
次にCG会社10社が頑張っていくつかのデータを提供します。改変可能で、流用しやすい、そんなデータを。ここで欲目を出して利益を得ようとしちゃダメー。
そうこうしているウチに同人界では相互に利用出来るモデルとモーションが増加していきます。何せ二次改変が可能ですから、3Dのキャラクターを作る時は「基本人体フォーマット」を使う、という事が常識になっていきます。
もちろん、ゼロから作るユーザーも出てくるでしょう。そういう「一次モデル」を作れる人は作家として認められ始めます。
音楽を作る人は「一次モデル」を利用して映像で踊らせたり、ラブプラスみたいなゲームを作るプログラマーや、エロ動画を作る作家さんが出てくる訳です。
作る側は使用料を得る事が出来ますし、使う側は苦手なモデルを作る手間を省く事が出来る。
一方で、TVや映画やゲームなんかの旧来のビジネスモデルに引っ張られているキャラクター達は外部にリリースする事が出来ません。買い取り方式の場合「基本人体フォーマット」は利用出来ませんから、各CG制作会社さんは毎回全部作る必要がある訳です。
しかも、そうしたコストをかけても人気キャラを生み出せるかどうか判らない。それだったら既にヒットしている「一次モデル」の使用料を払ってゲームやテレビに出て貰った方がマシ……そう考える業界人が出てくる事に。
ここまで来れば、あとは「モデルを作る大多数の作家」と「利用するメディア」の間で好循環が……
■
というシナリオが成功するかどうかは判りません。
が、こんな風にCGクリエイター達が集まって「利用規約を折り込んだデータフォーマット」を作り、それを流行らせる事が出来ればCGクリエイターが作家として生きていける場になると思うんですが、どうでしょうか?
そのデータフォーマット自体が「CG俳優の芸能事務所」として機能する訳です。
上下互換のあるフォーマット、三次利用を禁止する方法、利益を一次モデル制作者に還元する方法など、課題はあるんですけど解決出来ない事は無い。
しかも肝心のフォーマット策定はCG会社10社が牛耳ってる訳ですから、自分達の望む方向に誘導し放題です。
「バーチャルCGアイドル?もうダメだよ」と皆が思っている今こそチャンス!
各CG会社の社長さん、是非ご検討の程を!
■
という事でCGクリエイターの話はオシマイ。
なんか今回のシリーズは書いてて疲れました。
やっぱり慣れない他業界だからかなー。
ではまた。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
僕は夢はないんですよ。そんなこと言うと何だかわびしい人間みたいだけど、
僕は夢を作る側の立場だから。
/ ジャニー喜多川
■
ということで、CGクリエイター「だけ」が活躍出来る王国を作る事が出来るのか?を考えてみます。書きながら考えるので、結論が出るかどうかは不明。
■
各コンテンツの弱点をツラツラと書き出してみます。
あくまでパーッと思いついた内容という事で。
映画
・映画館というブランドに固執している。
・劇場でやれる事の限界を超えられない。
・全ユーザーに同じ物しか提供できない。
・操作出来ない。
・時間が2時間でほぼ固定。
・ストーリーを語る必要がある。
ゲーム
・操作しなくてはいけない。
・技量によってコンテンツを楽しめる度合いが変化しやすい。
・ユーザーに統一した体験を提供出来ない。
・ゲーム専用のハードウェアかPCが必要。
・プレイ時間が長め。
アニメ
・動画枚数を増やしづらい。
・完成したカットのアングルを変えるのに大きなコストがかかる。
・現実感を出すのが難しい。
・TVでは時間が30分でほぼ固定。
・操作出来ない。
上記弱点を突く要素にすればバッチリだけれど……うーっ。強いなー、こいつら。CGを取り込んだ上で相互補完しちゃってて、ツケ入る隙が無い。強いて言えば「アウトプットにテレビを使わない」とかか……むーん。
■
煮詰まったので、ちょっと気分転換(速っ)。
CG系でそれなりに成功している会社を考えてみます。
まあ、成功しているCGプロダクションと言えば Pixar ですか。
あれは「劇場向け子供向けアニメ」っていうディズニー独占の場所に、CGっていう武器で突っ込んでいった訳ですよね。想像ですけど「子供向けアニメはいつかフルCGになる」っていう考えの下にディズニーと手を組んで一気に独占しちまおうという腹だったと思います。
その思惑は成功して、Pixar は立派なディズニーの子会社に……あれ?取り込まれてるじゃん。いや、資本は資本として考えればいいか。
かくして Pixar はCGクリエイターの居場所を作ったと。
日本でこの仕組みを丸パクするとすれば、ジブリでフルCGアニメって路線でしょうか。宮崎駿はCG嫌いなので、死後に電通あたりが仕掛けてくる予感。
■
そういえば、の宮崎駿。
宮崎駿監督iPadについて「ぼくには、鉛筆と紙があればいい」と語る
http://blogs.itmedia.co.jp/yasusasaki/2010/07/ipad-ab70.html
自分が使わないのはいいけど他人が使ってるモノに対して文句を付けるのはなんかアレだなー……と思ったけれどじっくり考えてみると宮崎駿という巨大ブランドが便利な道具を一つ捨てる事を公言している訳だから使いこなしている若い世代にはメリットのある話かもーもしかしたらこれは宮崎先生から次の世代へのプレゼントかしら?さすが先生そこにシビレ(以下略
■
ああ、そういえば国内ではアップルシードとかベクシルがありましたね。
手がけている曽利文彦監督はTBSの社員だかプロデューサーだかの人。
確かに自分が出資側に近付けば居場所は確保出来るなー。それをやれる人はあんまり多くないと思いますけど。
オマケの過去日記
過去に書いたベクシル感想。
http://ameblo.jp/yokota6/entry-10427817980.html
その前に書いたベクシルの予想。
http://ameblo.jp/yokota6/entry-10045788953.html
ワガナ ハ ベクシル……
■
気分転換終了。
冷静に考えるとプロデューサーになったり宮崎駿大先生の死を待ったりしていられないので、新しい市場を作る必要があるわけです。あるわけですが、やっぱりいくら頑張ってもアウトプットがテレビである限りは限界があるなー。
カメラ変更やデータ変更の簡単さを活かして「カメラ自由移動動画」「可変速動画」「着せ替え動画」なんかも考えてみましたが、そのアプローチだとゲームに勝てませんね。グラフィックのクオリティなんかも、もうゲームのリアルタイム映像でも十分に満足出来る状態ですし。
もう一回上の制約を見るか……
■
お、思いついた、気がします。
それは「CGキャラの芸能事務所」。
いやいや、そこ。まだ席を立つのは早い。まってー。
ハリウッドの俳優や、アニメのハルヒみたいにキャラクターが商品としてコンテンツから独立した価値を持つ事は良くあるじゃないですか。未来のコンテンツは仮想俳優が必ず市場の何パーセントかを占める訳ですよ。そんなの判っている話で。
なら、そこをCGクリエイターが牛耳る事が出来れば儲かる訳じゃないですか。
映画だって過去には映画会社が俳優を抱えていたのを、俳優供給はアウトソーシングに変えていった訳ですし。
幸いな事に、他のコンテンツはメディアの限界を超える事が出来ない。ゲームがアニメ放映された瞬間にそれはアニメになってしまう訳ですから。
だけど俳優ならそんな心配は杞憂な訳です。ゲームでも映画でもアニメでも自由自在に出られる。むしろ映画のように俳優が他のメディアを従える構図も期待出来る訳です。
時代は一周回ってバーチャルアイドルですよ。
仮想世界のジャニーズ事務所を作って利権を貪ろう!
■
じゃあ、どうやって牛耳るか?
そもそもそんな事は可能なのか?
については、長くなったので次回。
善悪において一個の創造者になろうとするものは、まず破壊者でなければならない。
そして、一切の価値を粉砕せねばならない。
この人を見よ / フリードリヒ・ニーチェ
■
CG業界の話は一旦休憩してニーア情報。
■
4Gamer さんにインタビュー載りました。
「ニーア レプリカント/ゲシュタルト」ロングインタビュー
http://www.4gamer.net/games/098/G009875/20100709053/
発売から結構時間経っていますが、その分一風変わった濃いインタビューだった様な気がします。というか、マフィア梶田さんが本職っぽすぎて気絶しそうでした。
ところで上のインタビューについて、はちまさんとオレ的さんに取り上げられていた様子。
「ドラッグ オン ドラグーン」,「NieR」の開発会社キャビアが解散してた
http://blog.esuteru.com/archives/556065.html
『ニーア』、『ドラッグオンドラグーン』の開発会社「キャビア」が事実上解散してた。
http://jin115.com/archives/51688705.html
4Gamer さんの記事に「ブランドは残る」って記載があった(※今は修正して頂いています)んですけど、別に残らないと思います。もう名刺にも残っていないですし。
もちろん何かのハズミでキャビア復活という事もあるかもしれませんが、今のところは無しという事で。形あるものはいつか壊れる。サヨウナラ。
■
Twitter とかで良く聞かれるので書いておきますが「ドラッグオンドラグーン」も「ニーア」もスクエニさんのIP(版権)なので、キャビアが消えてもゲームは消えないです。ドラクエとかでも開発会社が変わっているのと一緒で、いつかまたシリーズがどこかで出るかもしれないですね。出ないかもしれないですけど。未来は誰にも判らない。
でも、ドラゴンもニーアも作れたこの10年はいい10年でした。本当に。
■
という事で、これでニーア関係のインタビューは全て終了。
また何かあるかもしれませんが、とりあえず手持ちではこれで放出しました。
関係者&ユーザーの皆様おつかれ様でした~
■
オマケで教えて貰った動画など。
【MAD】ドラッグオンドラグーン1&2 × AMARANTH ~アマランス~
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10444684
【MAD】 inner universe 【ニーアレプリカント × 攻殻機動隊】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11125794
NIGHTWISH ってバンド面白いなー。知らなかったなー。CD買おうかなー。
Nightwish "The Phantom Of The Opera" with lyrics
http://www.youtube.com/watch?v=8VgLKXD-BoY
↑オペラ座の怪人とか歌ってるし。
■
オマケの話。その2。
今週だか先週だかの電撃PSで「好きなソフトTOP20」で9位だったそうで。
ものすごい面子の中で9位ってのも素晴らしいですが、しかもドラッグオンドラグーンが19位に再浮上だとか。あんな古いソフトを取り上げて頂き、ありがたい限りです。
※「泣ける(ほど感動した)PS系タイトル」でもICOと同率で10位だったとか。畏れ多い。
恐れるな 未来は変えれる
ターミネーター3 /
■
前回の日記以来「続きはまだか!?」というコメントを多方面から頂いております。
嘘です。アニマの笹原さんからしか頂いておりません。でも続けます。読んでくれているヒトが一人でも居る限りこの日記は続けます!←良いこと言った気分。
※今日の日記はダラダラ長いだけなので注意。
■
Twitter などで頂いたコメントに「CGも表現の一種ですからCG監督の中からも(優れた表現が出来るのなら)映画監督になれるのでは」というものが複数ありました。
まったくその通りです。
確かにCGで素晴らしい映画表現が出来ればCG監督は映画監督として成功するでしょう。
が、僕が論じているのはもうちょっと志の低い話で「それなりに平凡な才能だけど、CG監督っていうだけで食っていけないか?」という話です。
■
たとえば映画。
業界の構造上、年間での邦画の上映本数は一定量保証されています。
理由はいろいろあると思うんですが、上映される邦画の数パーセントはダメな映画です。つまりは大した才能が無くても業界の構造的に数パーセントのダメ監督を許容する事が出来るのが現状です(将来は知りませんけど)。
マンガもゲームもアニメも小説も音楽も同じです。
数パーセントのダメコンテンツが存在する事については、皆さん賛同して頂けると思います。
■
でもその数パーセントのダメコンテンツでも、他の業界の優良コンテンツに置き換える事は出来ません。
物語の構造を語るのには小説は最も高度なメディアです。そもそも小説は物語そのものだから当たり前だとも言えます。
小説の名作から比べれば、多くのマンガや映画の物語構造は稚拙なケースが多い。
そりゃそうです。小説が物語にだけコストを払えば良いのに対して、マンガや映画は他の事にも注意を払わなくてはいけませんから。ヒトや集団のリソースは有限ですから、どうしても手が回らない部分が出てきてしまう。※その分、小説は物語の複雑化が進んでしまってコストがかかるんですが。
でも、マンガや映画は必要とされています。
それは小説には無い演出や快楽があるからです。
「他では代用出来ない」だからその業界構造での頂点のクリエイターになれば全てを牛耳る事が可能になる仕組みな訳です。
■
邦画業界の構造として、一定量のコンテンツを固定のクリエイターで回すというビジネスが成立している以上、映画監督は映画を撮り続ける事が出来ます。もちろんあまりにヒドイ監督は職を失うでしょうけれど。
ところがCG業界にはそれが無い。
CG業界のクリエイターが頑張って映画を作ったとします。それが映画として優れているうちは良いでしょう。優れた映像が観客を虜にする事もあるかもしれません。でも、少しでも失敗したら新しい「映画業界の監督」が現れて再び利用される側に落ちると思います。
CGはコンテンツジャンルとしては独り立ちしていないと思うんです。
だから、クリエイターが他の業界に依存せざるを得なくなり、一本立ちしづらい。
■
ということで、CG業界は新しいビジネスモデルを考える必要がある気がします。
ダメコンテンツを作っても他の業界に侵食されないようなやつを。
アニメにもゲームにも出来ない、新しい商売を。
そうする為には、
・アニメよりも優れている点。
・ゲームよりも優れている点。
・実写よりも優れている点。
これらを組み合わせて商品を作らないと「あーじゃあCG会社さんにお願いしようかな」という気にはなれない。
ではその答えとは一体何か!?
それを考えるのはCG業界の皆さんの課題なのです!
■
と、投げ出したくなりましたが、さすがに怒られると思いますので真面目に考えてみようと思います。
ちなみに先に書いておきますが、ここから先は全くもって実証されていない想像です。
あんまり深く反論しないでください。大して考えていないので。
CG業界がオリジナルのビジネス構造を持つには?
という命題ですが、まずは敵に飲み込まれてしまってはいけません。
敵っていうのは他の業態のクリエイターの事です。
だから「映画監督がCG会社を雇えば出来る」なんて事はNGな訳です。いや、NGじゃないんですが相手の土俵で戦うんだからかなり辛い。
敵が取り込めるような要素を武器にしてはいけない。
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という事を言っていると、「CG業界に出来て映画(ゲーム)に表現出来ない事なんか無い」なんて言う人が出てきそうですが、それは誤解です。
各メディアを定義しているコアの部分、全てのコンテンツはそこを失う事が出来ない。
たとえば、映画には映像が必要。
映像の無いモノを映画と呼ぶ人は居ません。
音楽やラジオは映像が無い事で「視界を奪われない」という自由を獲得していて、映画はそれを手に入れる事は出来ません。
同じようにビデオゲームにも「インタラクティブ」という特質があって、それを奪われてしまうと「ゲーム」というアイデンティティが崩壊します。
つまり各コンテンツには「これを失うとそれでは無くなる」という複数の要素があり、それらを失った瞬間にそのコンテンツに関係する関係者の特権が失われる訳です。
そうした誰のモノでも無い場所を探し出して押さえてしまえば、CGクリエイターだけの王国を
作れるんじゃないでしょうか?
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散々書いてきて、何言ってるんだかだんだん判らなくなってきました。
ここまでを要約すると、
「映画やアニメや漫画やゲームは、それらが業界であると同時にコンテンツ媒体して成立いるのに対し、CGだけは業界だけが存在して独自のアウトプット先が無い。だから自分達で作ればいいんじゃね?」
です。短い。
ここから先、さらに業態のサンプル書こうかと思ったんです……が、ここまでの日記があまりにダラダラと長くなったので、もう付いてきている人が誰もいない気がします。
ということで、こっから先はリクエストがあったら書きます。
なんというインタラクティブ!マッシュアップ!ユーザージェネレイテッ(以下略)
ヘミングウェイが書いていた。
『この世は素晴らしい。戦う価値がある』と。
後半の部分は賛成だ。
映画「セブン」 /
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最近、気付かないウチに XSI が Softimage に戻っていて「SI ver2 時代から育ててやった俺に断りも無く!」と憤慨していたヨコオです。別に育ててないけど。
という事でCG業界のオハナシの続き。
今回はイロイロ考えてしまって書いた後に放置している時間が長かった……
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国内のCG業界の目に見える問題点として感じるのは
・オリジナル作品制作が大変難しい。
という事が一番大きいと思います。
結果として、パチンコ映像やCM映像などの「別の製品の為の映像」制作をして食っていくしかない。「別の製品の為の映像」を作っていると、CG映像に作家性は求められなくなっていく → オリジナル作品が作れない → 「別の製品の為の(以下略)」 というネガティブスパイラルに入ってしまっています。
だから一部の人を除いて「作家」という肩書きで食っていく事が難しい。
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オリジナル作品が作れない事で、
・宮崎駿や押井守みたいな「大御所」が出てきていない。
・ドラクエやFFのような「続編大作」が作られていない。
・深夜アニメのような「固定枠」が持てない。
こういう現象が起きています。
いや、これらが成立していないからオリジナル作品が作れないとも。
鶏とタマゴですが、まあこのあたりが上手く回らない結果いろんな方面にいいように使われちゃってると。
もちろん、自分のオリジナル作品じゃなくてもイイって人も居るとは思いますが、そうした職人的な立ち位置だと、いつまで経っても利用される側のままになってしまいがちで。
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海外では PIXAR やディズニーなんかはオリジナルで作れていますし、日本でもアップルシード→ベクシルとかでビジネスにはなっている様子。
逆に言うと、それだけしか成功例が無い。
「アバター」なんかは「映画監督のキャメロンすげー」とはなるけど、「コレ作ったCGディレクターすげー」とは思われない。トイ・ストーリーやアバターみたいなを日本でやろうとしたら「じゃあ監督は宮崎さんとか押井さんで」とかになる。
テレビアニメでもコスト的な観点からCGを使用した映像は増えていますけれど、あれでCGクリエイターが大ブレイクしてオリジナル作品を作れるかと言えばそうはならない。いずれはアニメ業界のテクニックの一つとして定着してオワリ。
果たしてCGクリエイターに未来はあるのか?
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「ではCGクリエイターはどこに向かえばいいのか?」
については次回。
えー続くの?→続くんです!(川平慈英っぽく言う)
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