【ビジネス】進化する日本的経営

吉村 久夫
進化する日本的経営―全員リーダーの時代へ
AMAZONで買ったので手元に届いてから偶然知ったんですが、ここの社長も素晴らしい本だと言っている、と帯に書いてありました。流石、有名人ですね。
確かに良書です。
現在の日本がどのようにして出来上がったか、企業というテーマを通じてその歴史的成長過程を振り返りつつ、現在我々が置かれている状況や世界情勢を再確認したうえで、これからの新しい日本企業のあるべき姿、ひいては日本人のあるべき姿を語っています。
これまでの歴史の振り返り、現状分析、これからどうすべきかの示唆、がバランスよく散らばっていて、かつ200頁弱で文字量も若干少なめであり、非常に読みやすく分かりやすかったです。逆にあるテーマで深く知りたい人には物足りないかも知れません。
一読して印象に残るのは、日本が明治より昔の江戸、ひいては頼朝の時代から本格的な企業経営とも言える営みを始めていたという事実や、その他古き日本文化の良さが再確認できる紹介の数々。
武士は優れた経営者である、とか、江戸時代は見習うべき点が多数ある環境適合循環型社会である、だとか、明治維新後、なぜ日本がこんなにも西欧に急速に追いついて世界の経済大国になったのか、その歴史的背景に基づく分析を通じて、先人達の賢さを知ることが出来ます。
そして、この本で更にオイシイのが、文中で引き合いに出される名著の数々。
巻末の「主な参考文献」だけでも50冊!
ビジョナリーカンパニーからドラッカー、さらには武士道、孫子まで、企業経営に関するあらゆる参考書、指南書が網羅されているといっても言い過ぎではないでしょう。
実は企業経営をするにあたりどんな書籍を読むべきかについては、この参考文献が本当に参考になるような気がします。
この本で企業経営の理念とか原理原則、グランドデザインの重要性を認識し、さらに深いところや細かいテクニックは紹介されている膨大な参考文献をあさる、という風に活用するのが良いでしょう。
また日本人としてのあるべき姿、歴史的に重んじるべき事柄が分かるので、経営と書いてあるからといって臆せず新入社員など若手にも読ませるべきですね。
この先何度か読み返す予感がします。それが良書の良書たる所以。
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伊勢定

当時はウォーターフロントだったみたいで、日本橋川沿いには市場が多数あり日本最大の商業地であったそうです。
その日本橋も現在は、橋および日本橋川の上に上品さのかけらもない首都高がうねうねと覆いかぶさり、街中の商店も徐々に端に追いやられて無骨なオフィスビルがにょきにょきと生えており、昔の面影さらになし、といったところ。
しかしここは国の名前を冠する橋を持つ街、そして国道の起点(道路案内看板の「東京~km」というときの東京は日本橋のこと)である地です。
まだまだ渋谷や六本木のコムスメには負けませんわよ、ってな感じで老舗が多数ふんばっております。
さて前置きはこのくらいにして、日本橋の数ある鰻屋のなかでも第一弾はこの伊勢定です。
店構えからして老舗の貫禄。個室掘りごたつ部屋やカウンター部屋などいろいろあるらしい。お昼時なので1Fの通常席で。
最上級をいきたかったが流石老舗、吉野家豚丼×13.7ですわ。中途半端にびびって中の上程度の「あやめ」にしました。
重といいながらどんぶり風に出てきますが、味はなかなかのもの。
身はかなりふっくらしていて上品な焼き加減。
隣には割腹が良いけど上品そうな部長風と、ちやほや時期は過ぎ去ったが逆に妖しいキレーさが漂うOL風が、これまたビミョーな関係?を匂わせる静かな会話を展開しながら鰻をつついています。
実は、途中から耳ダンボ状態になってしまい、なんだか、いつもより味の印象が薄くなってしまいました。
ああ、すごくいいもの食べてんのに、すごく貧しい気分です…
やはり所詮自分も、隣が気になるゴシップ好きであったということか!
うな重あやめ ¥3,300外
赤だし ¥350外
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スクラップブック
スクラップブック始めてみました。
いいですね、こういうアイデア。
せっかくブロガーの皆さんが書かれた記事を掘り返して再発見・再利用しようというそのコンセプトが好きです。
身構えて書くのもかったるいけどせっかく書いたものが流れていってしまうのもつらいもんね。
T.B.スパム対策のほうも宜しく頼みます、ameblo様。
いいですね、こういうアイデア。
せっかくブロガーの皆さんが書かれた記事を掘り返して再発見・再利用しようというそのコンセプトが好きです。
身構えて書くのもかったるいけどせっかく書いたものが流れていってしまうのもつらいもんね。
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野方ホープ(野方)

凝ったHPがあります。本店のほかに3軒あり原宿、荻窪、目黒となかなか勢力拡大しているようですがここ以外は行ったことありません。
本店は環七内回り野方駅から5分、カウンターだけの割と小さなお店です。
中太ちぢれ麺。スープは一時期東京で一世を風靡したとんこつ風醤油+背油たっぷり。この背油は5段階調節が可能でここの特徴のひとつかも知れません。
なお、ホープ軒とは関係ないみたいです。
同じ環七沿いにあるホープ軒本舗の質実剛健系メニューと違って、こちらの店では割とウケの良いトッピングがいろいろあります。
もやし、海苔、味付半熟玉子、味付玉子、ネギ、ネギ辛、メンマ、角煮(2ケ)、チャーシュー、大盛、みそ味、とほんとに多数。
現在自分的上昇トレンドにある、角煮+ごはんで攻めます。
少々変わった味のキムチが取り放題でカウンターに。これでもごはんはかなりイケますが、やっぱりこってりスープにまみれた角煮で銀シャリを食う、これが至高の瞬間ですね。
角煮らーめん ¥940-
ライス ¥150-

【読み物】情報の文明学

梅棹 忠夫
情報の文明学
超々ベストセラーです。
1962年(!)に著者が発表した論文「情報産業論」を骨格にしつつ、さまざまな補助論文や関連するインタビューの記録などから構成されています。
この情報産業論というのが、すごい。
40年以上前に、ここまで現代を示唆するなんて。
1962年というのはどういう年だったか、ちょっと調べてみました。
キューバ危機がありました。
マリリン・モンローがハリウッドの自宅で睡眠薬を飲みすぎて死亡。
「無責任男」植木等が大流行。
ビートルズ、デビュー。
テレビ受信契約者1,000万突破(普及率48.5%)。
テレビがやっと大西洋間のテレビ中継に成功!とか言っているような時代に、この人は論文で何を語ったか。
まさに「今」「現代」。この多様性を重んじる時代、物質よりも精神の満足を追及する時代、インターネットによる情報伝達コストが極小化された時代、を完璧に捉えて、農業→工業→精神という文明の進化論的な見地で語っています。
更には、情報産業が全盛期を迎えたら、どうなるか。そのとき日本はどうやって生き延びていけばよいか。国土が狭い日本は情報伝達インフラを整備するコストも安くつくのでこれから有利である、とまで言い切っています。
お隣韓国が先行したブロードバンド化も、ご存知の通りここ日本では近年物凄い勢いで進み、今や世界でも有数のブロードバンド大国となりました。それがここ最近数年の話。この人がそれを言っているのは1960年代。
もはや予見とか予測とかいうレヴェルではなく、「予言者」の次元ですわ。
収録されている論文は多数あり、放送業に関する考察、情報産業時代の価格決定論理、五感の産業化、「第三の波」との対比などなど、珠玉の論説が満載。
この本を読んで、IT・インターネットが様々なビジネスに入り込んできた現在を眺めると、まさに目からウロコというか、現代のビジネス環境に起きているいろいろなことの意味・意義、そして今後の方向性が再発見出来ることうけあい。
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広告業は「企業がつくりあげたモノの宣伝広告」であって広告業は要するに工業の寄生虫的存在ではないかという見方がいまだにあって、少し不況になれば、まず宣伝広告費を削るという考え方、これは従来の工業的発想法の考え方がこれなのです。
わたしはこれが逆転するかもしれないと思っています。
広告宣伝がまず根幹にあって、それに応じて、それに合うようにモノをつくってゆくという時代がくるのではないか。
(本書より引用)
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たとえば、レジャーについて考えても、今日では、ただ「かんがえる」こと自体がものすごいレジャー活動ではないかというふうになってきた。
レジャー産業が、ボーリング場をつくったり、ゴルフ場を造成したりといった施設造りから、「なんにもつくらない」という空間設計をやるようになったら、それこそ大きなレジャー空間だとおもうのです。…そこにはいれば、静寂が確実に保証されている。そういった空間が、一種の知的生産基地になるのです。
(〃)
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かなり知的満足度高。少しでも知的に、クリエイティブに仕事をしようと考えるなら、必読です。
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