らーめんむつみ屋(中野)

中野と言えばサンプラザやブロードウェイが有名だが、宝仙寺や新井薬師、哲学堂などの歴史的建造物も多い。
新宿まで2駅の割には家賃が安いアパートなどが多く、バンドマンを始め駆け出しで衣食住にお金をあんまりかけたくないアーティスティックな方々の巣窟になっている。
その影響か、こじんまりとしていてリーズナブルなお店が多いのは気のせいではあるまい。商店街なんかも古くから栄えていて、南側は新中野駅の近辺まで断続的にアーケード商店街が軒を連ねており、かなり好きな部類の街である。
#中野の名前の由来:武蔵野の中央、だそうです。割と地元なのに今日初めて知った…だから何?って感じですが!
さて、らーめんむつみ屋に話を戻そう。
狭い階段を下りると、これまた穴倉のような店内にカウンターがうねり、にんにくの匂いと熱気で包まれた「いかにも」な雰囲気。戦闘意欲がわいてくる。
8時間煮込んだスープが自慢!でかつ赤白の味噌が週替りという「みそスペシャル」を注文。
および細切れチャーシューをマヨネーズで和えた「チャーマヨ丼」というのを発見し、マヨラー気味な自分としては思わず券売機に100円玉×3を装填。
そして数分後、戦闘開始!
みそスペシャルはスペシャルの名の通り野菜たっぷり+大判チャーシュー×3+のり3枚+煮卵+コーンという豪華さである。
自分的はスープはとんこつかしょうゆが好みではあるのですが、たまには味噌もいいかもね。あと本筋とは違うがチャーマヨ丼はかなりヒットです。
しかし、食いすぎだろ。これは。
汗まみれで「ふ~う!」とか声に出ちゃうぐらい激しい戦闘終了。
隊長!スープに沈んだコーンが取りきれないであります!
うーん。暑い!腹が苦しい!撤退セヨ。
みそスペシャル ¥1,000-
チャーマヨ丼 ¥300-
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本丸

1Fは鰻卸の作業場所チックになっていて、店は2Fです。
ての字と言えば信長丼が有名ですが、もともとこのひつまぶしを手ごろに食べられるように、とここの社長さんが考案したものだそうです。
信長丼、或いはオーソドックスに鰻丼、も強烈にコストパフォーマンスが良くお勧めですが、やはりここはひつまぶしをいっときます。
食券出して待つこと数分。お茶碗3杯分オーバーはあろうかというおひつに入って、登場。海苔とねぎを大量にぶっかけていただきます。
回転がよいためか出てくるのが早めなのもイカしてますね。
肝心の味のほうも、細切れのウナギが適度に炭火であぶってあってハリがあるので、しゃもじで混ぜながら盛ってもさほど崩れず、海苔とねぎと香ばしい鰻がよく絡まって、うまい!
勢い余って、お茶を使わずに全部かっこんでしまいそうになりますが、最後の一杯は忘れずにお茶漬けにします。
満腹…シアワセってこういうことなんだな。
ひつまぶし ¥2,100-
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CUBE

ポニーキャニオン
CUBE ファイナル・エディション
密室版"漂流教室"。
↑別にぜんぜん似てないですけど何故か連想して思い出しました。荒唐無稽度合いとラスト近辺の展開から誘発されたんだと思われる。
さて内容は…
気がつくと、ワケの分からない立方体の部屋が上下左右に並んだ"立体カプセルホテル"みたいなところにまったく見ず知らずの男女6人が放り込まれている。
各面にドアがあり、隣の立方体に移動できるが、立方体によってはワイヤーだとか硫酸?といったバラエティ豊かな殺人トラップが仕掛けられている。トラップを回避するカギはドアの境目に刻印された3桁×3の数字だ。
ゲームが始まった。トラップにかかったら死あるのみ。
出口はどこだ?この部屋トラップ有り?無し?そもそも誰がオレ達をこんな目に…次第に皆平常心を失い始め、お互い疑心暗鬼になり始める…
この作品のキーポイントは、表情と音。
登場人物達の恐怖と疑いの表情、極限状態で顕在化する人の醜い本性が強烈に浮かび上がる。
アップ主体のカメラワークと、ひたすら金属の無機質な室内という背景映像が、否が応でも登場人物の顔の演技に注目させるのだ。
あと音が秀逸。静まり返った室内で、DTSサラウンドでトラップ作動の音がなり始める。
…シイーーーン…カチッ!とか言って。これはコワいですよ。
逆に、"音を立てるとトラップ作動"という部屋のシーンなんかがあり、当然ながらほんとに無音状態で映像が進行するのだが、あまりに緊張感たっぷりで観ているこっちも音を立てちゃいけない気になってます。
いや~脈拍があがるよ。
そんなシーンで部屋の冷蔵庫がブーン!!っとか、携帯電話がビリリリ!とか言い始めたら心臓止まっちゃうかも。
最後に助かるのは…
ああ作者はコレが言いたかったのね…と妙に納得しつつ、せっかくココまで世界観を考えたのだからもうちょっと長い間"シュールな恐怖"の世界に引きずり込んどいてくれよ、と物足りなさも感じる。
いや怖いもの観たさって怖いですね。終わってみれば「もっといろんなトラップを観たかったぞ」とか舌打ちしてるんだもんな…
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山家

でも東口は駅を出ると商店街が三方に広がり、ソニックシティでハイテク化された西口と比べると生活感というか、安心感が漂う。
さて、山家。大宮駅東口ロータリーを横断して、ちょっとノスタルジックなアーケード商店街を数十m歩くとその店はある。
ココの売りは創業130年の秘伝のタレを使った鰻のほかにも、季節の料理、お酒が楽しめるところ。
特に酒には力を入れているようで、新潟の銘酒「越乃寒梅」「〆張鶴」や本格焼酎の「百年の孤独」「森伊蔵」なども飲めるらしい。
席に着くなり目についたのがアサヒのプレミアムビール「琥珀の時間」の置きメニュー。少量生産で小売はしていない、名前の通り琥珀色のビールだ。
むむ、これは珍しい…仕事前だが飲まざるを得ないだろう。
うな重のほうはというと、身が細めだが引き締まっていて白焼で酒を飲むのに丁度良いようにチューンされている感じだ。もちろんタレでご飯と食べても旨いが。
タレはテーブルに置いてあるのでお好みでかけられる。
らっきょうが含まれているところが変わっているが、さりげなく漬物も旨い。
ビールのつまみで出される和え物もなかなか。
細かいところでセンスが光る。やはり酒飲みのための店か?
ちっ。仕事のない日に来れば良かった…
鰻重 ¥2,100-
琥珀の時間 ¥577-
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【小説】起業前夜


高任 和夫
起業前夜〈上〉
起業前夜〈下〉
バブル崩壊後、意気消沈の真っ只中にある日本中を更に奈落の底に叩き落した驚愕の大事件「山一證券 涙の自主廃業」をMotifにした傑作企業小説。
慢性的な「飛ばし」が徐々に会社を蝕み、静かにゆっくりと崩壊しつつある大企業に身をおく主人公。会社はどうなってしまうのか?何故こんなことに?自分は何をしたいのか?自分の幸せとは何だったのか?を自問自答しつつ、悩み考えぬいて、かつて自分が輝いていたころの愛すべき会社を取り戻すべく、ついに会長に「会社改善計画」なるものを直言するに至る。
が、その計画は評価されつつも実行には移されず、逆に主人公を飲み込んだのは事なかれ主義と醜い足の引っ張り合い。
上司の俺を差し置いてよりによって会長に直訴するとは何事だ!ってオイオイ上司なんだから部下をサポートしてやれよ!
自分も中小企業ながら組織に属するサラリーマン、あなたの苦悩は痛いほど分かります。
上司との軋轢、左遷、ヘッドハンティングなどの各種イベントを経て、主人公が何となく頭の中に描いていたある計画が輪郭をくっきりと浮かび上がらせてくる。
そしてついに、Xデーが訪れた…
遠く離れた左遷の地で、自分の会社の本社ビルに捜査官がどかどかと乗り込んでゆく光景をTVで見る。逮捕される上層部の面々、興奮して実況するアナウンサー、フラッシュの渦…
上層部が去って会社の実権を握りつつある元上司に「一緒に会社を再建しよう。本社へ戻ってほしい」と呼びかけられるが、主人公が出した回答は-
「この会社での経験を活かして独立します」 予定調和ながらも、様々な胎動を経ての、この物語のクライマックスシーンである。
そしてこの物語のもうひとつの魅力は、それはまさに個性的で魅力あるキャラ達の活躍。
一代で都内有数の居酒屋チェーンを築き上げた強烈な行動力を持つベンチャー社長、才色兼備で主人公にゾッコンの凛とした女性部下、かつて主人公が最強軍団を率いて活躍していたころの中心メンバであり今も主人公を慕ってやまない関西男。
他にも悪役、端役に至るまで、「あーこんな奴いそうだよね確かに」というキャラが多数出演します。
ちょっとありえねーだろ、この人脈の恵まれ度合いは!って気がするけど、それはそれ。ぐっと感情移入して一気に読めるのでまあオッケーでしょ!
特に独立を悩んでいるそぶりの主人公に対して才色兼備女性部下が「川を渡りましょう」と決断を促す部分、結構好きです。こんな部下がいたら絶対ホレるね。
最後は主人公もふっきれたのか、銀行頭取や外資のヘッドハンターをも唸らせる深遠な計画の一端をかいまみせつつ、独立後の取引関係を担保する交渉、キレ者っぷりを魅せます。
いや~もやもやがふっとぶ、いいラストですね。
「起業前夜」というタイトルも絶妙。夜明け前が一番暗い。しかし夜明けは必ず来る。
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