俳詩の習作作品集です。

俳詩として個人的に、俳句の「575の型」「季語」等や「口語体」を母体として、

より詩性、思想性、現代性などを表現、探究する試みです。

2025年10月から、

「俳句」と「俳詩」の2つに取り組みを分けたため、俳詩のほうでは個人的に、より自由な表現や詩性、工夫、挑戦などを探り行っています。

今回は記号等を用いた冬季の作品を集めました。

楽しんでご覧いただければ幸いです。




『寒昴』
俳詩作品集

「寒昴」

しろい息銀河は銀河呑みこみつつ

知と心 またたきとやみ 冬星座

寒昴──はてまでやみの夜の大気

我のつよい白波、珠のふゆかもめ

まだ無い言葉──南天の実が真紅

テーマ∶記号等・混合 1



「雪」 

船下り──手にもひとひら雪の川

日のはてへ少年、夜のはてへ寒星

「草々」の遠いやりとり炬燵蜜柑

雪の夜の秒針、対話と違うはやさ

集合的無意識──伸べた手にも雪

テーマ∶記号・句読点



「晩冬」

灯として地 星として天 聖夜劇

ホットウイスキー 夕明色ランプ

雪 誰も耳にとめないこえをきく

うしろ姿じぶんにつづく道 晩冬

敗戦 占領 独立 聖樹 親子供

テーマ∶分かち書き



「回廊」

寒くひとつ灯提げこころの回廊へ

生家小春なかば夢だと気づきつつ

噴きこぼすとおい日土なべ雑炊が

冬の鳩ふとじんせいのあしもとに

落ち葉焚むかしばなしのあとの灰

テーマ∶懐古・回想



「沈黙」

白鳥来る──北の沈黙つれて来る

坂 一灯 ニ灯 三灯 傘 氷雨

金の街──銀の街──灯の聖誕祭

オートロック全灯まもられて雪夜

ゆるゆるとバス、刻々と年のくれ

テーマ∶記号等・混合 2


終わり




 ◇ これまでの作品集 ◇

『春の自選』
一行詩的俳句集

『自然理と詩』
一行詩的俳句集

俳詩作品集 習作① 

俳詩作品集 習作②

俳詩作品集 習作③

俳詩作品集 習作④

◇書いてみた感想

俳詩の習作作品をまとめました。

俳詩とは「俳句を母体とした詩」という意味の個人的な呼称です。

俳句の「575の型」「季語」等や「口語体」を母体として、

より深い「詩性」や「思想性」「現代性」などを表現、探究する試みです。


2025年10月から、

「俳句」と「俳詩」の2つに取り組みを分けたため、俳詩のほうでは個人的に、より自由な表現や詩性、工夫、挑戦などを探り行っています。

個人的な探究を楽しんでいます。


今回は主に記号等を用いた冬季の作品を集めました。

よりよい作品を模索して、少しずつ揃えていくことが当面の目標です。



主に575の型、季語、口語体、現代仮名遣い等を用いて書いています。

また小説、詩、短歌などと同様に、主に「現代の書き言葉」表現をメインに書いています。

「現代の話し言葉」表現の作品も適宜詠みこんでいます。


これまでの取り組みから、575の型、季語、切れを用いて、

「伝統的な俳句」「様々な文体の俳句」を詠むほかに、「詩的な作品」を書くことも可能だと個人的にわかりました。


口語俳句の「俳句としての側面」「一行詩としての側面」という2つのあり方を、別々に突き詰めることで、

それぞれどのような作品や作品集が生まれるのかについて個人的に少しずつ探っています。


詩は、ものごとの表現の仕方や方法を作者・読者がともに楽しみ味わい、

また読者がその詩を自分なりに解釈して楽しむという側面を持った文学であるといえる。

詩の定義を広くとらえれば、俳句・川柳・一行詩も詩的表現の一種。

形式や目的の違いはあるものの、言葉による表現を通じて「詩的な感動」を生み出す点で共通している。 

解説文:ChatGPT



◇俳句、川柳、俳詩の大まかな特徴

俳句は発句。季語、切れ字、切れを常用して四季折々の自然とその暮らし、風雅さ、余情、感動などをより突き詰めて「詠む」傾向があるそうです。

川柳は平句。季語、切れ字、切れは常用せず人情や滑稽さ、機知、風刺などをより突き詰めて「吐く」傾向があるそうです。

俳詩は詩。575の型、季語、口語体等を用いつつ詩的な側面をより重視し、詩性、思想性、現代性、自己性、社会性、象徴性などを突き詰めて「書く」ことを試みています。



◇現在の主な活動内容

現代語・現代仮名遣い・現代的切れ字
を基本にして俳句を詠んでいます

① 現代俳句
俳句の「現代化」「現代文学化」
について実作を通して模索しています


② 多文体俳句
俳句の「使用文体の拡張」
について実作ととに探究しています


③ 俳詩
俳詩として、俳句の基本を母体に
「詩性」「現代性」なども探っています


④ AI共作俳句
生成AIを「制作助手」とした
俳句集づくりについて探究しています


個人的な
俳句の探究を楽しんでいます


*以前行っていた「一行詩的俳句」の取り組みを呼称を変えて引き継いだものです

*解説について至らない点、充分に書き尽くせていない部分もあると思いますがご容赦ください

*こうした取り組みについては個人・団体によって様々な考え方や見解があります



いつも
ご覧いただき
ありがとうございます



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