俳詩の習作作品集です。

俳詩として個人的に、俳句の「575の型」「季語」等や「口語体」を母体として、

より詩性、思想性、現代性などを表現、探究する試みです。

勉強不足な点も多々ありますが
楽しんでご覧いただければ幸いです。

*作品は既発表です

*以前の「一行詩的俳句」の取り組みを「俳詩」としてとらえなおしたものです



『原風景』
俳詩作品集

「鶴」 

こえのこすそらに最後尾のつるが

目にうかぶきみ目にのこる遠雪嶺

ふもとまちまでゆめのなか眠る山

ふゆりんごなかば陰手に落とす影

寒菊黄さす日のおくに死後も見え

テーマ∶心象・風景



「無尽」

遠くちいさくふりむく鹿に雪無尽

白鳥の水尾さかさ富士切りひらく

みきに手をあててすぐに陽大冬木

とんとんとふくらすずめの鞠可愛

枯草が春はぐくんでいるたそがれ

テーマ∶草木禽獣



「原風景」

原風景にいろづける筆雪しんしん

記憶の始まり記憶の終わり枯野星

寒林檎悔いわすれてもわすれても

照りかげる過去ひとつ月寒に入る

一つ一つきおくを燃やす寒木瓜が

テーマ∶思い出・記憶



「風花」

黙る目に雪たましいに雪しんしん

降りつづき雪国はととのってゆく

冬霧を踏むおと父子はすれちがい

地方都市ぽたぽたと垂れさむい霧

空ひとつだけ風花はひとひらだけ

テーマ∶大気水象



「流転」

くものおくやま生々流転ふゆの舟

月がさむいシルクロードの旅の列

臨済禅師のたたかいの喝雪がやむ

ふねに大波大波にふねゆきの富士

ふゆのきりもかすれては消え松林

テーマ∶名画と風景


終わり



◯名画と風景 感銘を受けた画

「生々流転」横山大観
「シルクロードシリーズ」平山郁夫
「臨済禅師『喝』」都路華香
「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」葛飾北斎
「松林図屏風」長谷川等伯



 ◇ これまでの作品集 ◇

『春の自選』
一行詩的俳句集

『自然理と詩』
一行詩的俳句集

『銀河の淵』
俳詩作品集 習作① 

俳詩作品集 習作②



◇書いてみた感想

俳詩の習作作品をまとめました。

俳詩とは「俳句を母体とした詩」という意味の個人的な呼称です。

俳句の「575の型」「季語」等や「口語体」を母体として、

より深い「詩性」や「思想性」「現代性」などを表現、探究する試みです。

個人的な探究を楽しんでいます。


今回は主に冬季の自然を中心に書いた作品を集めました。

よりよい作品を模索して、少しずつ揃えていくことが当面の目標です。


主に575の型、季語、口語体、現代仮名遣い等を用いて書いています。

これまでの取り組みから、575の型、季語、切れを用いて、

「伝統的な俳句」「様々な文体の俳句」を詠むほかに、「詩的な作品」を書くことも可能だと個人的にわかりました。


口語俳句の「俳句としての側面」「一行詩としての側面」という2つのあり方を、別々に突き詰めることで、

それぞれどのような作品や作品集が生まれるのかについて個人的に少しずつ探っています。


詩は、ものごとの表現の仕方や方法を作者・読者がともに楽しみ味わい、

また読者がその詩を自分なりに解釈して楽しむという側面を持った文学であるといえる。

詩の定義を広くとらえれば、俳句・川柳・一行詩も詩的表現の一種。

形式や目的の違いはあるものの、言葉による表現を通じて「詩的な感動」を生み出す点で共通している。 

解説文:ChatGPT



◇俳句、川柳、俳詩の大まかな特徴

俳句は発句。季語、切れ字、切れを常用して四季折々の自然とその暮らし、風雅さ、余情、感動などをより突き詰めて「詠む」傾向があるそうです。

川柳は平句。季語、切れ字、切れは常用せず人情や滑稽さ、機知、風刺などをより突き詰めて「吐く」傾向があるそうです。

俳詩は詩。575の型、季語、口語体等を用いつつ詩的な側面をより重視し、詩性、思想性、現代性、自己性、社会性、象徴性などを突き詰めて「書く」ことを試みています。



◇現在の主な活動内容

現代語・現代仮名遣い・現代的切れ字
を基本にして俳句を詠んでいます

① 現代俳句
俳句の「現代化」「現代文学化」
について実作を通して模索しています

② 多文体俳句
俳句の「使用文体の拡張」
について実作とともに探究しています

③ 俳詩
俳詩として、俳句の基本を母体に
「詩性」「思想性」なども探っています

④ AI共作俳句
生成AIを「制作助手」とした
俳句集づくりについて探究しています


個人的な
俳句の探究を楽しんでいます




*主にXで発表した作品です

*以前行っていた「一行詩的俳句」の取り組みを呼称を変えて引き継いだものです

*解説について至らない点、充分に書き尽くせていない部分もあると思いますがご容赦ください

*こうした取り組みについては個人・団体によって様々な考え方や見解があります



いつも
ご覧いただき
ありがとうございます



◇関連記事◇