オーストラリアでヨガ講師をしている
佐々木はるかです。
多民族国家の環境の中で
ハタヨーガを指導しながら、
インドの学校を通して
クリシュナマチャリア伝統における
哲学を学んでいます。
数年前に書いた記事です、
今でも考えさせられるあの時の気持ち。

イラン人の
友だちのはなし
私のクラスによく来てくれる、
イラン人の友だち。
臨床心理士である彼女は、
オーストラリアに来る前は
ユニセフで働いていた程の心理学の専門家で、
心のことに関しては
誰よりも理解があると思う。
心の専門家であるはずの彼女だけど、
祖国イランで一人暮らしをする
病気がちのお母さんのことを考えると
パニック発作が起きるんだって。
コロナの影響で簡単に国に帰れない今、
彼女はギリギリの精神状態で
日々踏ん張っている。
彼女が子供の頃、
イランは9年間、戦争してたんだって。
敵の戦闘機が来るたびに、
隠れなくっちゃいけないらしい。
でも彼女は、毎日すごく楽しかったって。
友だちと遊んで、その瞬間瞬間しか
頭になかったって言ってた。
大人になるとどうやら、
過去の後悔とか未来の心配とか、
今この瞬間にいられなくなることが
多いらしい。
周りの環境は特に関係なく。
この瞬間を生きること。
子供の時にあれだけ簡単だったことが、
大人になったらできなくて。
大人って、学んで成長しているようで、
余計なもので心を
いっぱいにしているだけだったりして。
あなたはこのストーリーから
何を考える?
命の危険と隣り合わせなわけでもなければ、
敵の飛行機が飛んでくるような状況でもないのに、
私はあれやこれやと、
過去のミスや
未来の心配ごとに頭を悩ませ、
モヤモヤしている時間も多い。
子供の時は、もっと違った見方ができていたはず。
大人になって、経験を積んで、
知識を得て、
じゃあその結果、自分が成長しているかというと、
ハテナだなあと。
何かを得ることが
成長だって、
その概念は
社会から植え付けられたものに
他ならない。
本当に大切なものを
守るために、
手放すプラクティスをしよう。
頭も心も
要らないもので
いっぱいになる前に。