六甲ミーツ・アート2018④ | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

 風の教会から一旦六甲山上駅に戻り、乗り換えて記念碑台で下車しました。

 

 建物にそぐわない派手な階段。これを見ただけで、この上に何かあると分かりました。


 

 記念碑は1955(昭和30)年に建てられたもので、碑文には、六甲山を開発した先駆者に対する感謝の言葉と、今後の発展を祈る言葉が刻まれています。

 

 アーサー・ヘスケス・グルーム(1846-1918)氏は幕末から明治にかけて日本で活躍したイギリス人実業家で、六甲山開発と景観保護に力を注ぎ、「六甲山開祖」と呼ばれました。

 

 グルーム氏は三国池付近の45坪ほどの土地に別荘を建て、その後外国人に土地を分譲しました。グルーム氏の別荘は、六甲山上に最初に建てられたため、「101番屋敷」と呼ばれました。


 

 これは今回の公募で準グランプリに輝いた「石の音を聴く」です。作者の黒川岳(1994-)氏は、京都芸大で音楽を学び、同大学院で彫刻を学んだという異色のアーティストです。この作品は、猛暑の中、1ヶ月を超える六甲山での滞在制作によって生み出されました。六甲山の自然石を素材に作られた彫刻には穴が開けられています。

 

 穴の中に頭を入れ、中から聞こえてくる音に耳を澄ませました。するとかすかに音が聞こえました。大学の授業で「楽器の音だけが音楽ではありません。ピアノの前に座って何も弾かない3分も何らかの音がします。それも音楽です。」と煙に巻いた環境音楽の講師を思い出しました。


 

 ビジターセンターの階段を上り、展望台に行きました。

 

 人生・希望

 

 人生・幻想。何かもがき苦しんでいるのでしょうか?佐川好弘(1983-)氏の「ロッキングライフ」は、大阪人らしいユーモラスな作品で、共感できました。

 

 展望台から六甲山ホテルが見えました。現在改装中で、来春以降営業を再開するそうです。