パウル・クレー展が途中ですが…。割り込みで、5月13日(火)に中之島香雪美術館で見た「すべてを描く萬絵師 暁斎」。大阪で初の河鍋暁斎展らしく、平日なのに混んでいました。館内撮影禁止。以下の文章は中之島香雪美術館HPからの引用です。
『河鍋暁斎(1831〜89)は、江戸から明治時代前半に活躍した絵師です。確かな画技と古典学習に支えられ、神仏、美人、風俗、鳥獣など様々な画題を、ユーモアや風刺、妖艶さをも伴う画風で、肉筆画・版画・版本などの形式を問わず描き、その多彩さは”何でも描ける”と喝采されました。そうした画業の根底には、狩野派としての研鑽・矜持があることが、近年再確認されています。』
『暁斎は7歳で浮世絵師の歌川国芳(1797〜1861)から絵を学び、10歳で狩野派に入門、早くも19歳で修業を終えました。浮世絵と狩野派、二つの流れに与したことが、彼の画業をより彩り鮮やかなものにしているのです。』この文章から分かるように、末期の浮世絵師という暁斎のイメージが覆された展示でした。
それでは、展覧会で見た主要作品を貼り付けていきます。
風流蛙大合戦之図
元治元(1864)年
文昌星之図
文読む美人図
明治21(1888)年
美人観蛙戯図
吉原遊宴図
骸骨の首引き 下絵
鳥獣戯画 猫又と狸 下絵
枯木寒鴉図
明治14(1881)年
最後に公益財団法人河鍋暁斎記念美術館の紹介がありました。暁斎の曾孫・河鍋楠美氏が埼玉県蕨市に創設した美術館で、今回の展示物のほとんどが、この美術館所蔵の作品だったそう。
お土産に榮太樓黒飴を買いました。榮太樓總本鋪所蔵《枯木寒鴉図》をモチーフにした缶に入っています。飴は食べやすくて上品な味でした。
パッケージの絵を見て思ったのですが、《枯木寒鴉図》は、湾曲した枝を描くことで、烏に重みを感じられたんですね。枝の長さまで計算し尽くされていて、暁斎の画才が光る作品だと思いました。