今回は、大阪中之島美術館で見た「驚異の部屋の私たち、消滅せよ。」より、第3室と第5室を振り返ります。
第3室 坂道のオード(賛歌)
「坂道のオード(賛歌)」と題された本室では、やなぎみわ氏による映像作品《黄泉平坂(よもつひらさか)》と《大姥百合》と関連資料を見ました。
《黄泉平坂》あらすじ
「男神イザナギ 黄泉平坂にいたりしとき 女神イザナミ 追いきたり」
『古事記』によれば、火神を産んで亡くなった女神を追い、あの世に向かった男神は、変わり果てた妻の姿に怖れ逃げ出し、桃の実を投げつけたという。
火や鉱物、土や水を産み出した女神は、死の国へ追いやられることになる。
《黄泉平坂》展示作品
姥山(多眼)
姥山(炎)
姥山(滝)
女神と男神が桃の樹の下で別れる
女神イザナミの腕をモチーフにしたブロンズ彫刻
桃の実を抱える女神イザナミ
火と鉱物を産み贈るイザナミ
土壌の中で分解し、変容したイザナミ
《大姥百合》あらすじ
旅僧・一遍上人が山中で出会う老女はオオウバユリの精霊。ユリは蝦夷の地の記憶を語り、僧はそれを慰めるために舞う。語りや踊り、音楽が重なり合うことで、作品は演劇であると同時に、祈りの場として立ち上がる。
大姥百合(オオウバユリ)は、北海道・東北に自生する植物。
展示室では、「六甲ミーツ・アート2025 beyond」で上演された舞台の記録映像を見ました。フィクションは苦手なので難しかったです。
第5室「絶望するな。では、失敬。」
第5室は、作品が存在しない消滅美術館。森村氏が展示した絵画3点はいずれも白いまま。ヤノベ氏は顕微鏡と望遠鏡を提示しましたが、どこにも置かれていません。
やなぎ氏は巨大な展示台を用意しました。
この見えないステージに、浪曲師・真山隼人氏と、曲師・沢村さくら氏が登場。
真山氏の言葉に耳を傾けながら、存在しない作品を「見る」体験。とても頭を使う15分間でした。この演出が「すごく良かった」と言っていた人に、一体何が見えたのか聞いてみたいです。
つづく



















