移民と国家と左翼と右翼の関係性 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

反新自由主義・反グローバリズムの立場での政経論、時事ニュースなどを解説。
ヤン・ウェンリー命は2ちゃんねるのコテハンです。

反新自由主義・反グローバリズムコミュニティ【ブルーオーシャン】の管理人もやっています。

>>ブログランキングで政治記事チェックor応援クリック  >>本日のレシピへ

人権と移民と国家

 私は完全に移民反対派の1人でありますけれども、なぜ移民政策が進められると後戻りができなくなるのか?というところに今日は焦点を当ててみたいと思います。昨日の三橋貴明さんの記事は奇しくも移民をテーマにしておりまして、拝見したところによると日本経済の黄金循環に害になるからという理由での移民反対を説いておられました。その記事は下記なので興味のある方はご参照を。

アジアの片隅にある貧困の移民国家

 移民反対論を唱える際に、わたくしは「日本の文化伝統」「外国人犯罪」といった用語はあまり使いません。理由は、この種のレトリックで移民反対を説く方は大勢いらっしゃるためです。

 私も拝見していて「ああなるほどな、確かに「文化」「外国人犯罪」等々で反対を説くレトリックというのはよくあるし、珍しくもないなぁ・・・それが悪いというわけではないのですけれども、そこだけにこだわりすぎると例えば「近代的な人権や自由」といった価値観を持ち出されたときに反論がしづらいのではなかろうか?などと思った次第。なので本日はそこについて少々触れてみようと思います。

 

 人権というのは基本的には国家が国民に対して保証するものです。これは例えばイスラム教の国家にいくとゲイの私が処刑されそうになるのという事実のみで明白でしょう。いやあ・・・日本に生まれてラッキーだったわけです。しかしながら少々複雑なのは国際社会は時として「非人道的だ!」という理由で何かの事柄を批判したりしながら押し付けてくることがある、ということです。この場合、体裁上は「人権を無視している!」と来るわけですね。

 例を挙げるとするのならば欧州の移民、難民騒ぎというのはまさにそれでしょう。寛容だかなんだか知りませんけれどもドイツは「我々も移民を受け入れるから、各国に分担してもらう!」などといっておりました。裏の事情としてはドイツ経済界のためなんでしょうけれども、兎にも角にも体裁上の大義として「かわいそうじゃないか!自由と寛容の精神で!」などと綺麗事をいうわけです。

 このような例がまかり通るために「人権とは国家が国民に対して保証するもの」という前提条件が、どうも忘れ去られがちになるわけです。

 

 実際には外国人を粗末に扱ってはいけないというのは、国際社会上その外国人の祖国なりと付き合っていかなきゃならないからしょうがない、というのがことの本質なのではないでしょうかね?他にも国際条約上の話ですとか、そ~いった縛りは当然あるわけでありますが。

 さらにいいますと「移民を受け入れる」と決定するのは国家でありますから、当該国家は「自分が決定したことにある程度責任を持たないといけない」わけで、自国内の国民だけでもややこしいのに、他国の移民まで入ってきたらこんがらがるのは当然であります。複雑奇っ怪な力学が発生するというわけですね。細々書くと面倒くさいのでここは脇に置きましょう(笑)

 要するに人権というものは国家が保証をしておりまして、普遍的価値感でもなんでもありません。お隣の北朝鮮では人権なんて無視しておりますし、またイスラム教の国家ではゲイの人権は保証されていないわけですから、やはりその国家や土地の慣習や習俗に依存して国家が決定すして保証する、保証しないを決めるわけです。

 従って「移民の人権が~」と人権を盾に取ってくる人に対しては「それは国家が決定し保証するものであり、我が国は民主制なのだから国民たる私が反対をしたっていいだろう!それとも何か?貴様は民主制国家における国民の権利を侵害するのか!それこそ人権侵害だ!」とでも反論しておけばよろしいわけです。

左翼が移民反対を積極的に打ち出せない訳

 我が国の左と右はこんがらがり、右往左往していることはご承知のとおりです。右は「新自由主義だ!グローバリズムだ!コミュニティが破壊されたって構うものか!」と自身のイデオロギーとは真逆に突っ走っておりますし、またそれに対抗する左は皮肉にも本来の保守的な主張にならざるを得ない(笑)保守的になりきれないので民進党などは瓦解したのでしょうけれども。

 そして共産党も同じようなジレンマを抱えているわけです。つまりは1991年にソ連が崩壊して共産主義というものの敗北が決定的になり、人権や弱者救済といった主張を主眼においたわけですけれども、日本の労働者の味方であると公言するのならばそれと競合する移民には反対のはずです。しかし「人権」「世界平和」「地球市民」といった主張から抜け出せないために、もっといえばそもそも国家を敵視していたために「日本の労働者を守るために国家に与する」という選択肢が取りづらいわけですね。

 

 逆に右は右でジレンマを抱えております。つまり1991年のソ連崩壊以降に「資本主義陣営が勝った」と「しょうがなく与していた事実」を忘れてはしゃいで新自由主義・グローバリズムを受け入れてしまったのですが、そうすると今度はコミュニティ、共同体の破壊が起こるわけです。つまりは口では「国家が大事なのだ!伝統だ!」といいながら実際には移民を推進し、伝統や文化を構造改革や規制緩和で壊していくという自己破壊的イデオロギーへと変貌してしまったわけです。

もはや右も左も時代遅れな時代

 結局のところ左右どちらのイデオロギーももはや時代遅れであり、矛盾を抱え、ジレンマに陥っているわけですから三橋貴明さんのように経済で語るというようなスタンスは、ある種きっぱりしていて私には好感が持てます。単に「人があまりこういった話題を取り上げてくれないので、自分で発信しているだけだ」ともいわれそうですけれどもね(笑)

 移民政策1つとっても右は自己破壊的イデオロギーに染まり、左は国家を肯定できないために身動きが取れない。もはやこれは「時代遅れ」としかいいようがなく、しかもどちらも空言、戯言、虚言で己をごまかしているというのが実態でありましょう。

 結果として移民政策や緊縮財政、規制緩和などの自己破壊的政策にブレーキをかける勢力というのが日本には存在しないとすれば・・・政治ショーとして些細な問題がクローズアップされることとなり、右と左はさも対立しているように見せながらお互いに依存しあうわけです。

 

 このような力学をどのようにすれば変えられるのか?変化せしめるのか?わかりませんが考え続ける以外にないのです。

 

↓↓最後にポチッとお忘れなくm(_ _)m

コテヤンの好きなブログ紹介

進撃の庶民:毎日、気鋭の論客が政治、経済、思想に切り込む!コテヤン(月曜担当。気鋭じゃないw)も寄稿メンバーの一人です。影法師氏の進撃の朝刊も情報盛りだくさん!
新聞の社説とかより全然こっちのほうがいいです。いやほんまに!

国家戦略特区blog:超人気ブロガーみぬさ よりかず氏による政治、経済コラムが毎日更新!ブログ名は新自由主義者を釣るためだとか(笑)
コテヤンの尊敬するブロガーの一人&先達です!コテヤンがファンって相当やで?

ずるずると道・郷・話を愛でる:重厚かつ濃密な論考をされるzuruzuru4氏が政治ブログランキングへ参戦!!
更新されたら必ず読みに行くブログの一つであり、氏の知的思考をたどることは大変に面白い!

ナスタチウムのブログ:ナスタチウム氏が海外の報道から、移民、難民、マスメディア、政治などに深く切り込んでいきます
特に移民、難民系の記事は「今そこにある危機!」として、皆様に是非とも見ていただきたいブログです。

うずらのブログ:うずら氏の記事ははっきり言って、そこら辺の社説よりレベル高い!
ストンと腑に落ちる言語能力、目の付け所が魅力的で、基本更新されたらいつも見るブログです!経済系が多いかも~

超個人的美学2~このブログは「超個人的美学と題するブログ」ではありません:ニュートラルに世の中を見る!という意味において大変に素晴らしい!若き論客が考え、思考する。
しかもかなりアカデミックな部分も多く、文章も分かりやすく親しみやすい。若い世代の「期待の論客!」としてコテヤンイチオシ!なのです!

三橋貴明オフィシャルブログ:はい、皆様ご存知の三橋貴明氏のブログ
毎日更新されているんですが、当然ながら私も毎日みています。多分見始めて7~8年くらい?むっちゃ勉強になりますから。

 

 

本日の男の料理 豚汁

 

最近はようやく寒い冬を脱しつつありますが、それでもまだ寒い。そんな日には豚汁です。

 

材料

・豚小間切れ肉

・人参

・大根

・白菜

・鰹出汁

・味噌

 

1)豚肉は適当な大きさにカット、人参、大根も短冊切りにカット、白菜も一口大にカット。

 

2)鰹出汁を火にかけて根菜類から入れる。火が通ったら白菜、その後に豚肉。豚肉に火が通ったらアクを取って、味噌を溶いて火を止めて完成!

 

豚肉は小間切れ肉なのであまり気にならないかもですが、柔らかく食べるには火をさっと通すか、それとも40分以上に込んで繊維を切るかの二つに一つ。今回は時短で前者を選択。

 

記事が参考になりましたら、ブログランキングをクリックお願いします