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当然といえば当然ですがやはり骨抜き制裁案
北朝鮮への制裁案が国連で全会一致され、そして全くの骨抜きになったようです。まずは北朝鮮に経済制裁で圧力をかけるとしていた中国が、絶対に石油だけは輸出し続けているという話はなぜでしょう？
簡単にいいますとロシアも北朝鮮への石油輸出国でありまして、中国が単独でとめたらロシアが一方的に利益をあげることが挙げられます。
また中国のいちばん恐れているのは、北朝鮮が崩壊してアメリカなどの手によって新米政権が樹立することです。
本日の日露戦争のポーツマス条約でも振り返りましたが、樺太の南北分割案がでたのもまさに安全保障のためであり、朝鮮半島も同様の話であるのです。
そして前々からお話していましたが中国、ロシアはユーラシア大陸というハートランド(ここを制すると覇権がにぎれる)という重要地域からアメリカの影響力を追い出したい。これも安全保障的にあたりまえの話です。
なにせロシアはクリミアにて欧米から火遊びをしかけられて、淡々と対応した経緯もありますしね。
発表された制裁案を見ていきましょう
核実験を強行した北朝鮮に対し、国連の安全保障理事会は日本時間の１２日午前７時すぎ、新たな制裁決議を全会一致で採択し、焦点となっていた北朝鮮への原油の輸出量は事実上、現状が維持されることになったものの、制裁の対象を広げる内容に北朝鮮が反発することも予想されます。
北朝鮮が今月３日に６回目の核実験を強行したことを受けて、国連の安保理では日本時間の１２日午前７時すぎ、北朝鮮に対する新たな制裁決議案が全会一致で採択されました。
ただ当初、草案に盛り込まれていた、北朝鮮への原油の輸出を全面的に禁止することやキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の資産の凍結は除かれ、このうち原油については過去１年分に相当する量の輸出を認める、事実上の現状維持に等しい内容に修正されました。
前々から「中国が石油を禁輸するはずがない」とももうしておりますし、そして「アメリカには中国と争う力はない」とももうしておりますが、アメリカが中国、ロシアに譲歩する形で国連決議が終了しました。
これがなにを意味するのか？
日本や韓国などの同盟国には「国連決議を通してやったぞ」とふるまい、中国やロシアには譲歩したわけで、事実上アメリカは国連にて何事もなしえなかったのです(！！)
そして過去の国力旺盛なアメリカであれば、国連決議を無視して北朝鮮への軍事制裁をしたかもしれませんが、この中国、ロシアへの譲歩のうらには「アメリカ単独ではもはや、北朝鮮に対してなにも出来ない」ということを、露わにしたと読み取れます。
これは期せずしてアメリカの同盟戦略の弱体化と読み取れますし、そして残念なことに日本はこれからアメリカとの安保一本槍ではもはやもたない、将来は暗いということを示唆しております。
経済・軍事の失われた20年
本日のエントリーで三橋氏も同じようなことを仰っておりますが、私も前々からいってます(笑)今回の国連決議はアメリカへの幻想を「常識的な知性があるならば」打ち砕くに十分でした。
しかし日本人の大半はこれからも「日米同盟！これがあるから大丈夫！」と言い続けるんじゃないでしょうかね？なにせ「不都合な現実は見たくない」というのが戦後、日本の国民性であるわけですから。
不都合な現実に蓋をしなければ、日本は経済3位に転落し、中国とますます差を広げられるという現実を突きつけられ、もはや安穏の太平を貪ることは許されず対応しなければならないという話になってしまいますから、当分は現実に蓋をしたままでしょう。
現に政府は「敵基地攻撃能力(反撃)は議論すらしない！検討しない！」と言っているのですから。
もし韓国が滅びるとしたら、それは地政学的要因でありますが、日本が亡国にいたるというならそれは完全に国民の責任といえますでしょう。さて、どうします？
本日の本記事日清、日露の軍事と外交とその目的とは何だったか？はこちら。
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