2026年3月30日 卒業。
山手パーク歯科アート・ビデオ(2)

卒業シーズンである。
私は長年、専門学校の一年生に「衛生学・公衆衛生学」という教科の一年間かけて行う講義を担当している。
先日、卒業式に出席した。

卒業生の彼らに講義を始めた3年前はほとんどの学生たちが18歳の高校新卒で、新しい環境に戸惑っている印象だったが、今はすっかり逞しく成長し国家試験も終えてもうすぐ柔道整復師として社会に羽ばたこうとしている。
当たり前のことなのだが、社会的にド素人だった彼らが3年間でプロフェッショナルになる瞬間に立ち会うのは、何とも言えずいいものである。
みんないい笑顔であった。

私は毎年この時期になると見る動画がある。
卒業式におけるメッセージ動画である。

海外は卒業シーズンが夏だが、こういった動画を見るのは日本人の私としてはやはり3月がしっくりくる。
こういう動画を見るきっかけになったのはスタンフォード大学卒業式におけるApple創業者の故スティーブ・ジョブズ氏の有名なスピーチである。
(その動画はこちら↓)
iPhoneなどの新製品発表会におけるプレゼンが有名な彼の祝辞は、聞く者の意識を引きつけるユーモアがちりばめられているが、ウケを狙っているわけではないようで真顔である。
“Stay Hungry Stay Foolish” 「貪欲であれ 愚かであれ」が印象的な素晴らしいスピーチであった。

他にもいくつも卒業生への祝辞スピーチの動画があるが、私が最も好きなのはNYU TISCH(ニューヨーク大学ティッシュ芸術大学院)の卒業式における映画俳優ロバート・デニーロ氏のスピーチである。
(その動画はこちら↓)
卒業式の祝辞でありながら冒頭からシニカル(皮肉)な表現で卒業生たちを落としてゆくが、そのあまりの落差の大きさに出席者全員が爆笑に包まれる。
そしてその理由を説明してゆくと、社会的に後輩に当たる自分と同じ芸術分野を志す若者たちへの愛情に満ちた素晴らしいスピーチになってゆき、最後のオチも完璧でまたもや大爆笑。

すかさずのキレッキレのシメもあざやかに決まって温かい気持ちに包まれ、思わず「ブラボー!」と叫んでスタンディングオベーションしたくなる。
「拒絶を恐れるな」と ”NEXT”「次へ」が印象的だった。

ところでまた戦争が始まってしまった。
2月28日にアメリカとイスラエルがイランを攻撃したのである。
私は正義の戦争よりも、不正義でも平和の方がいいと思っている。

人間は歴史上、統合と分断を繰り返してきた。
グローバル化の統合の時期の次に、いま分断の時期を迎えたのかもしれない。
そんな今、私に響くのは2025年ハーバード大学卒業式における卒業生代表の中国系女子学生のスピーチである。
(その動画はこちら↓)
昨年2025年はハーバード大学が分断志向の大統領から圧力をかけられていることが、たびたび報じられていた。
その背景の下、世界各国から集まったクラスメイトたちと国際的な融合を学んでいた彼女は、途中感極まって涙ぐみながらもグッとこらえて厳しい現実を目の当たりにしながらも、胸に理想を抱くことの大切さを主張している。

若者たちがこういう考え方をしてくれているのならいずれこの分断の時期も終わり、きっとまた統合の時期がやってくるのだろう。
戦争がこれ以上拡大せずに、早期に終結することを祈ってやまない。
それにしても私たち人間は、いったいいつになったら戦争から卒業できるのだろう。





































































































