この記事は大変長いので マツ枯れの原因に関心のある方だけお読みいただければと思います。日本の山が病んでいる状態に国はどのように対応しているのか、政治家の国会での審議のやり取りを議事録から 花咲爺が一語一句、転写し作成しました。
松枯れ、ナラ枯れ等の被害が増大している原因を解明します。
第80回国会
衆議院農林水産委員会議録第四号からの転載です。
昭和40年代後半より拡大を始めた「松枯れ」に対し、「松枯れ」の被害軽減を行うとして80回国会に、昭和52年に林野庁から提案されたのが「松くい虫防除特別措置法」です。この法案が基で、現在の「松枯れ等」の被害対策が行われております。
この「松くい虫防除特別措置法」は、5年間の時限立法で提案されましたが、三度延長され、現在は恒久法である「森林病害虫等防除法」にこの被害対策は編入され、実施されております。
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第80回国会衆議院農林水産委員会内容
提案理由
1、昭和52年3月10日衆議院農林生産委員会議事録第3号(40p)から
松くい虫が運ぶ線虫類により松林に異常な被害が発生している状況にかんがみ、松くい虫の航空機による薬剤防除を緊急かつ計画的に推進する措置を講じ、もって森林資源として重要な松林を保護する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
肝1.(花咲爺さんのコメント:この法案は5年間でマツ枯れを終息させるという5
年間の時限立法でした。)
2.この法律案は昭和52年3月15日に、第80回国会の農林水産委員会に於いて審議が開始された。(会議録第4号)なお、この「松くい虫防除特別措置法」は5年間の時限立法であったにもかかわらず、以後3回の延長が行われ、平成9年に廃案となり、この法律の内容は「森林害虫等防除法」に引き継がれております。
(実際の答弁の転載より)
審議内容
馬場昇委員
農林大臣に質問します。(マツは紅葉をしない樹の種類ですが)マツが変色(紅葉?)をし、その果てには枯れてしまう。こういう状況でございますが、この状況を見ますと、マツは今日までの日本の林野、森林行政というものの見ておるような気がします。
マツが紅葉(変色?)するこの事態は、林政に対する天の警告ではないか、こういう具合に行政をするものは素直に受け止める必要があるのではないか。私はそう思うのです。日本の林野、森林行政というものは、経済性追求の視点が多くて、人減らし、山荒らし行政といわれてきたのですが、人命の尊重や自然環境保全を軽視したと私は見るわけです。あの悲惨な振動病がたくさん起きており、労働災害も非常に多発しておるわけであります。これはまさに人命軽視のあらわれです。更に一方、大面積皆伐だとか、大規模林道とか、更に除草剤の空中散歩など、自然環境を破壊してきたと言っても言い過ぎではないと思いますが、今日の農林大臣はどう反省しておるのかお尋ねしたい。
鈴木善幸農林水産大臣
(前略)林業に従事する方々の振動病その他の障害発生等つきましては、できるだけこれを未然に防止するという対策を講じます同時に、白狼病等にかかった方々の医療についても、今後とも一層努力を致してまいりたいと考えております。
馬場昇委員
いま答弁を聞いておっても、マツが紅葉して枯れて死んでいく、また、人命軽視の振動病などがたくさん起こっている。更には自然環境破壊も起こっている。このような日本の林政に対して厳粛な反省がない限り今後の林政の発展はあり得ない、そのことをどういう具合に反省しておるのかお尋ねしたわけです。端的にお答えいただきたい。
更につけ加えて言えば、自民党政府の高度経済成長政策は、農村から労働力を取りあげ、あるいは山村からも、漁村からもそうでした。とりわけ、土地については開発が行われ、その経済成長政策の中から山の採算性が失われ、林家、林業労働者からさえも山を愛するという心を奪ってしまったとさえ私は思っています。林家、林業経営者、この人たちからも森林を放棄したと言っても過言ではないと思います。
マツについて言いましても、松くい虫も恐らく何万年、何千万年前からマツと共存しておったと思います。ところが、今日、突如として異変が起きて松を全滅させるようなことは今までなかったわけです。ところが、今日は全滅しそうな状況で蔓延しているわけです。しかし、害虫によって動植物が全滅したという歴史を私は知りません。やはり乱獲だとか乱開発だという人為的な要因が非常に多いと思います。(途中略)もう多くを答弁してもらう必要がないが、大臣の今日までの林政に対する反省とか、責任とかについて端的に一言お答えいただきたい。
鈴木善幸農林水産大臣
戦中戦後、さらに高度経済成長時代に乱伐、過伐あるいは乱開発、いろいろの問題が確かに起こりました。これは我々政治に携わる者として深く反省しなければならない。その反省のうえにたって、森林の重要性を踏まえて今後最善を尽くしたいと申し上げた次第であります。
馬場昇委員
この松くい虫防除、松枯れ防除に対する国民の要望は、この前の78国会で大石武一農林大臣に質問をし、要望もしました。結論を言えば、いま出ているような松くい虫防除特別措置法というものではなく、松枯れ対策特別措置法をつくってくれというのが国民の要望であると思うのです。(途中略)特別立法をしてくれというのが国民の要望であり、それについて大石武一農林大臣もその趣旨でやるという答弁があったところであります。
その中身は、大臣、やはり飛行機から農薬をまくということだけでなしに、やはり、発生源というのは枯損木から発生するわけですから、発生源対策が最も重要でないかと思うのです。その枯損木政策に大幅の国の助成をして、国営のというぐらいな気持ちで枯損木対策を重視する、こういう観点が法律の中に一つ必要じゃないか。もう一つは被害跡地、これはものすごいものがありますし、災害も起こっておるのです。この被害跡地に国の責任で、バランスの取れた立派な森林をつくる。これが当面急務の問題ではないかと思うのです。(以下略)
蘆原義邦林野庁長官
松くい虫発生のお話がございまし たが、松くい虫でこのような激甚な被害を受た事例は終戦直後にもございました。一時衰微しておりましたが、最近また急激に蔓延しております。その原因についてはいろいろあると思いますが、私ども現在松くい虫防除の特別な措置法を抱いておりますのは、この激甚的な被害を受けた松くい虫を何とか微害程度の抑え、そして経常的な防除方法で対応できる方途ないかと、林業試験場を中心にいたしまして研究した経過をもとにいたしまして、航空機による薬剤の散布が最も安全で、なお、最も適確に防除できるという考え方から、ただいまの特別措置法を国会に提案しております。
肝2:(花爺コメント:林業試験場を中心に研究した経過をもとにして、航空機による薬剤の散布が最も安全で、なお、最も適確に防除できるという考え方を、特別措置法を国会に提案しています。航空機による薬剤散布が最も安全で、最も的確に防除できると言い切っています。この結果は第96回国会であきらかになっています。これはこの法律の肝1となります。)
(途中略)
私どもも、この松くい虫防除の制度をどう考えてゆくかという過程におきまして、いろいろの問題を検討しました。しかしながら、私どもの考え方としては、現在森林病害虫等防除の法律があります。その法でやるには、どうしてもこの急激な被害を防止できない、やはりこれを急激に抑えるには何とか別途の方法をとらなければならない。そのため特別措置法というまのを提案いたしまして、緊急にこれを防除しようということでございます。(以下略)
馬場昇委員
私は、いまの答弁には納得できません。(途中略)具体的に質問に入りますが、その前に、この法律案の提案をめぐって、私は農林、林野当局の動きに非常に問題点を感じています。第一に、この法案が提出されるや、ものすごい市町村、県、森林組合なんかの陳情がございます。これは私は当然なことだろうと思いますが、具体的内容についてはこの場で申し上げませんけれども、その陳情が林野当局の、あるいは農林当局の指令、指示という形で動いている気がいたします。補助金を餌にして手下を使ってというと言葉は悪いですが、そういう陳情のさせ方をやっている気がいたします。
第二は、スパイとまでは言いませんけれども、情報を探って、それを下部に流して、長竿を使って運動させておられるようなことを感じております。(具体的内容は略)
もう一つは、この法律は問題があると言って問題を提起している学者とか団体があります。反対をしている団体もあります。そういう人たちに対して本当に敵対視しておるような態度をとっておる。こういう人々は、マツを守ろう、山を愛しよう、自然を愛しようということで動いておられる日本国民なんです。それを林野行政当局が敵対視するような態度をとっておる。こういうようなことは非常に残念に思うのです。林野当局がとっております態度については、私は、何か思い詰めた異常ささえ感じますし、行き過ぎを感ぜざるを得ないのです。このことは松くい虫から追い詰められておるということ以外に、何かから追い詰められておるような慌てた姿じゃないか、こういうことさえ私は疑わざるを得ない。そういう態度について、大臣の御見解、御感想をお聞かせ下さい。
鈴木善幸農林水産大臣
端的なお叱りを頂戴したわけですが、もし、さような不謹慎なことがありますれば、これは極めて私の本意に沿わないところでございます。山を守り、森林を守っていくことは役所だけではできることではありませんで、本当にその地域の住民並びに森林関係者の心からなるご協力を頂いて初めてできることでございますので、今後そのような気持ちで進めてまいりたい。
馬場昇委員
次に、私は、松枯れ原因について、その徹底究明のあり方に御質問をいたします。これは長官で結構でございますけれども、マツ枯れの原因はマツノマダラカミキリを運び屋とするマツノザイセンチュウだけと思っておられるのですか。
蘆原義邦林野庁長官
一般的にマツが枯れます場合は、マツノザイセンチュウによります松枯れと、そのほか菌によります枯れ、あるいは自然枯死、その原因につきましてはいろいろな自然環境の変化による枯死もあろうかと思いますけれども、今回のような激甚な被害が出るようなマツの枯れにつきましては、マツノマダラカミキリが運びましたマツノザイセンチュウによる枯れと考えております。
(花咲爺コメント⇒激甚のマツの枯れの原因は、マツのマダラカミキリが運ぶマツノザイセンチュウと限定した答弁。)
肝3:(花爺コメント)今回のような激甚な被害が出るようなマツの枯れにつきましては、マツノマダラカミキリが運んだマツノザイセンチュウによる枯れと考えています。(マツの枯れの原因を、学者・研究者等が主張している大気汚染説を全く顧みることなく、国はマツのマダラカミキリが運ぶマツノザイセンチュウと限定しました。)
馬場昇委員
激甚な枯れ方をした枯れマツの中からの材線虫の検出率は、学者の研究によると52.2%という報告を私は調査した学者の方から聞いております。そしてまた材線虫の接種実験でもマツが枯れなかったという報告も聞いております。それから、空散した後にマツノマダラカミキリがの死骸があまりなかった、こういうことも聞いております。この点について林野庁の見解をお聞かせ願いたい。
蘆原義邦林野庁長官
今直ちに細かい資料をちょっと私手持ちがございませんが、いま先生がおっしゃいましたような空散をしても枯れが止まらなかった、あるいはマダラカミキリがいなかったというような事例につきましては、私どもにおいては、その事例事例につきまして調査をいたしまして、マダラカミキリに対します空中散布につきましては、適確な効果があるというふうにわれわれとしては判断いたしております。
(花咲爺コメント:全く質問に対しての答弁になっていない。もっと追求してほしかった。)
馬場昇委員
全然答弁になっていないわけです。私は幾つかの例を上げて学者の研究を申しましたけれども、いまの話によりますと答弁になっていませんが、さっきの答弁によりますと、激甚被害はマツノマダラカミキリが運んだマツノザイセンチュウだとおっしゃたわけですから、さっき言った学者の研究は間違いと考えているのかもしれませんが、この問題については全然調べていないようですから、調べてもらいたいということで結構です。
蘆原義邦林野庁長官
激甚のマツの枯損の原因は、まず第一点として最近エネルギー革命等で、マツが燃料として使われなくなった。また、農山村労働力の減少により枯れたものを適確に駆除していたものが、駆除する労働力の確保が困難になった。そのほかマツが用材として、あるいは坑木としての利用が少なくなった。従いまして、森林所有者そのものがマツの害が出ても防除する意欲が減退してしまったことがもろもろな問題が重なりましてマツノザイセンチュウを運ぶマツノマダラカミキリが発生しやすい松林の状況になりまして、ただいまの激甚な被害が出たものと考えております。
馬場昇委員
次に、大気汚染には関係はないのか、公害と関係があるのかについて御質問します。大阪営林局がつくりました姫路事業区での第二次地域施業計画の中で、次のように説明しております。「この被害の態様は、臨海重化学工業に近い林野に激害地が多く見受けられることから、被害の第一要因は大気の汚染により立木が衰弱すること。第二要因はマツノマダラカミキリによる材線虫の運搬、衰弱した松内での材線虫の異常な増殖、加害による養分、水分の不足ーマツの枯死という因果関係があると言われたいます。」これは大阪営林局つくった施業計画で説明した事項であります。第一の要因は大気汚染であると言っておるわけだあります。
次に、岡山県の場合でも、知事は最初、大気汚染説をとっておった。しかし最近それを引っ込めておる。また、学者、研究者の調査によりますと、大気汚染地帯にやはり激害地が多いという結果もデータとして聞いておるわけですし、また、マツの年輪解析を見ても大気汚染が影響してマツが衰弱している、このような調査結果を聞いております。このマツ枯れについての大気汚染との関係について林野庁はどう考えているのか、
蘆原義邦林野庁長官
まず最初に、大阪営林局の森林計画に、大気汚染説であるとのお話ですが、これについては大気汚染説があるという書き方になっておりまして、大気汚染と断定してしているものではありません。従いまして大阪営林局はその後のマツの枯損に対応して、薬剤散布、伐倒という形でやっております。
それから大気汚染とマツの枯れの問題ですが、確かに亜硫酸ガスに対して樹木の抵抗性を見た場合には、クロマツは中程度、アカマツはやや柔いと言われております。しかし、マツノザイセンチュウで枯れる場合には、枯れるマツは、夏の盛りから秋の初めにかけて一斉に大量に枯死する状況になります。大気汚染で枯れる場合は年間を通じて徐々に衰弱し、年間を通じて枯死が見られる状況でございまして、枯死の現況そのものが違っております。それから、松くい虫で枯れますものは、松やにが全然出なくなります。大気汚染で枯れます場合には、本当に枯れるまで松やにが出ております。こういう点、林業試験場の調査結果、研究結果により、わかっておりますので、今回の激甚の被害はマツノザイセンチュウによるものと考えております。
馬場昇委員
少なくとも、大気汚染というものでマツが衰弱するというのは事実、そういう衰弱したところにマツノザイセンチュウが入っていく、だから被害が多くなるのだ、この因果関係と言うのをお認めになりませんか。
それから次に、大臣にお聞きしますが、いろいろ質問をいたしますけれども、私が林野庁に聞いた範囲におきましては、すべて林野庁の試験場、こういうところで調べたものばかりでありまして、中立と言えば語弊がありますけれども、民間だとか研究者だとか、そういうところの調査結果というのは林野庁が採用しておられないような気がします。一方的なような気がします。だから疑問の提起があっているのですから、納得のできるような調査を公開で堂々と行うというようなことをやるおつもりはないのか。そして、国民を納得させるだけの研究成果を出す気持ちはないのかと言うことです。
この前の委員会で質問した時に、大石武一長官は「天然の中でいろいろな循環の輪がどこか壊われているのではないかと思う。各方面で広く研究してみたい。」こうおっしゃっていたわけですから、一方的な庁内だけの調査でなしに、公開の納得するような調査をする気持ちはないかということを、基本的な態度としてお聞きしておきたい。
それから、長官の方にお尋ねいたしますが、運び屋のマツノマダラカミキリの発生状況、現在の生息状況、こういうものの調査をした資料がるのか、あればこの資料を出していただきたい。
(コメント:マツ枯れ原因を、林業試験場内部のみですべての調査研究で、国民を納得させるための公開の場での調査を無視している。)
肝4:国民を納得させるための公開の場での調査要求を無視し、マツ枯れ原因を、林業試験場内部での調査研究のみで全て行っている。
鈴木善幸農林水産大臣
先ほどの問答を聞いておりまして、この因果関係は非常に判りにくい、難しい問題だと感じておりますが、この問題は林野庁並びに林業試験場の内部機関だけの調査なり研究なり、それだけで事足りるという具合に私は考えておりません。できるだけ各方面の御意見等も十分有力な参考意見として、あらゆる角度から研究されるべきものだ、こう考えております。林野庁の諸君も部外の意見を一切耳を貸さぬ、そういうことではないと思いますが、いま御指摘のように部内の資料や研究の結果だけでなしに、広く各方面の有力な意見について十分耳を傾けながら研究をしていきたい、こう思います。
蘆原義邦林野庁長官
ただいま大臣から御答弁がございましたが、私ども、何も林野庁だけで研究しようと思っておりませんが、たまたま被害が大きかったために、43年から46年までの4年間、林業試験場でプロジェクトチームをつくり研究開発をしたわけでございまして、これは国立林業試験場等が中心となりましたものでございます。けれども、その研究成果につきましては、日本応用動物昆虫学会賞あるいは読売農学賞、日本農学会賞、日本林学会賞等の賞を受けておりまっすので、専門家のお集りの学会等で賞をうけておる研究でございますので、これは一般的に評価をしてもいいものではなかろうかと考えております。
それから、マツノマダラカミキリの発生状況、過去の資料と現在の生息状況でございまが、マツの枯損のメカニズムにつきましては最近解明されたものでございまして、古くからの発生密度は残念ながらございませんが、最近和歌山県の潮岬のクロマツの平地林での調査結果から推計しますと、全発生期間を通じまし1ヘクタール960本の枯死木から10,949の成虫が脱出したことになっており、このような激害地は極めて少なく、通常は大体5千頭前後でないかと推定されています。それからまた、いま申し上げた調査によりますと、全発生期間中の一日当たりの最大羽化率は5,6%であり、これから推定すると、一日当たりの最大発生数は630頭ぐらいと考えております。しかしながら、いま申し上げたのは極めて激甚な林分での調査ですので、通常では100頭から400頭と考えられます。
馬場昇委員
林業試験場で研究したのが何とかの賞をもらったとえらい威張っておられますが、確かに、例えばマツノマダラカミキリが運んだそのセンチュウが入って枯れる、このメカニズムを発見したのはやはりいい研究でしょう、それで賞をもらったのだから。私の言ったのは、例えば大気汚染とかその 他に関係がないか、このようなことの研究が不十分じゃないかということですから、そういう面については、大臣がやはり公開で広く研究したいと言われますから、ぜひそのようにやっていただきたいと思うのです。
肝5:スミチオンの原液は住○化学が製造していた。この会社は、過去に別子銅山で周辺の山々の樹木を枯死させた原因を、社史で「亜硫酸ガスが酸性雨となり森林や農村に被害を発生させた」と認めている会社です。マツ枯れに対し効果のない薬剤をつくっているという現実が残念です! (住○さん、この記事を読んで、過去の事実を認めた社史の内容を変更しないでください。)
次に空散するスミチオンですが、その有機燐剤の人体に与える影響、散布をしている農薬の種類、製造会社、そして51年に使用した量を端的にお答えいただきたい。
蘆原義邦林野庁長官
松くい虫の防除に使用しておる薬剤は、MEP剤、それからNAC剤でございます。MEP剤の製造会社はヤシマ産業株式会社およびサンケイ化学株式会社で、NAC剤は北興化学工業株式会社でございます。それから51年度に使用します見込み量はMEP剤で154トン、NAC剤で25トンでございます。
馬場昇委員
このスミチオンはどこでつくっているのですか。
蘆原義邦林野庁長官
MEP剤が商品名でスミチオンと言われておりますけれども、現役は住友化学でつくり、最終的に農薬としてとしてつくっておりますのが、先ほど申し上げて二つの会社であります。
(コメント:スミチオンの原液は住友化学が製造、え、あの別子銅山で周辺の山々の樹木を枯死させた原因を、社史で「亜硫酸ガスが酸性雨となり森林や農村に被害を発生させた」と認めている会社が、マツ枯れに対し効果のない薬剤をつくっているなんて! 住友さん、この記事を読んで、社史の内容を変更しないでください。肝5)
以下の質疑は人体に与える影響、生物等に与える影響等の質疑ですので、ここでは割愛させていただきます。
(第80回国会 衆議院農林水産委員会議録第四号 10~11p)
馬場昇委員
(前略)それからまた、一時的に効果がたとえあったにしてもー私は岡山に調査に行きましたけれども、操山という山なんかも3年まいた、まだ枯損木があるのですよ。枯れているのがあるのです。これは今年枯れたのだ、結局毎年、だから四年目もまくのだと言っておられる。だから、これは散布をやめたらまた発生する。またまかねばならぬ。ずっとスミチオンをまいて農薬づけにしなければ松枯れは退治できないのだ、こういう具合に言われておるのですけれども、五年で効果があるのかどうか、その後はどうなるのか、具体的にお答えください。自然というものはやはり非常に長い目で見なければならないわけであり、性急に自然の営みをに何か働きかけようとすると必ず被害がそこから出てくるのではないか、こういう具合に思います。マツ枯れも本当を言えば10年ぐらい前から、こんなようなやつでも10年前からきているわけであります。だから、こういうことについては性急にいろいろ疑問があるのをやるのではなしに、やはり長い年月をかけて根本的に研究を続けながら退治した方がいいのではないか、こういう気がします。
されに基本的な考え方として、危ないのだ、危なくないのだ、それがはっきりわからなければ行政をする者は安全のサイドに立って行政をすべきではないかと私は思うのですが、行政の基本についていかが考えているのかお尋ねしたい。
蘆原義邦林野庁長官
(前略)それから、五年まいて本当に効果があるのかという御指摘であります が、現在までの調査結果によりますと、激甚地では、被害本数率が大体5%以上のところでございますけれども、大体3年でよかろう、それから虫害地では、1%から5%の間でございますから、2年ぐらい、微害地では、被害本数が1%未満のところでは、大体1年間継続して実行いたしますれば、私どもが考えております終息型の微害、これは被害本数1%未満の森林にするということでございますけれども、大体そういう形になるであろうと言うふうに調査いたしております。
(途中略)
日本のマツは的確に保持できるという調査研究に基づきまして早急に対応し、できるだけ早く日本のマツを健全なものにしていこうという考え方で、この5年間で早急に実施するという体制をとっておるわけでございます。
(コメント:調査の結果5年間まけば終息型の微害に持っていけると言明した。
肝6:5年で本当に効果があるのかという御指摘でありますが、現在までの調査結果によりますと、激甚地では、被害本数率が大体5%以上のところでございますけれども、大体3年でよかろう、それから虫害地では、1%から5%の間でございますから、2年ぐらい、微害地では、被害本数が1%未満のところでは、大体1年間継続して実行いたしますれば、私どもが考えております終息型の微害、これは被害本数1%未満の森林にするということでございますけれども、大体そういう形になるであろうと言うふうに調査いたしております。
鈴木善幸農林水産大臣
この激甚な松くい虫の被害が進行している中で他に有効な具体的な方法がありますれば別でございますけれども、いまのところこのスミチオンの空中散布が効果的であり、これによって激甚なこの被害が防止できる、こういう考え方で進めておるわけでございます。
(コメント:林業試験場が「松くい虫防除特別措置法」提案の4年前(1974年)から現在までの令和5年(2023年)までの50年間、マツ枯れに対して「薬剤を空中散布」しても、「樹幹注入」をしても、全く効果がないばかりか、弊害ばかりの薬剤散布は一日も早く中止し、法律を恒久法である「森林業害虫等防除法」に戻し「特別防除」「特物伐倒駆除」を削除し、真に現状に見合う法律に戻すべきと考えます。)
肝7
肝7:林業試験場が「松くい虫防除特別措置法」提案した4年前(1974年)から現在までの令和5年(2023年)の50年間、マツ枯れに対して「薬剤を空中散布」、「樹幹注入」しても、全く効果がないばかりか弊害ばかりでした。薬剤散布は一日も早く中止し、法律を恒久法である「森林業害虫等防除法」に戻し「特別防除」「特物伐倒駆除」を削除し、真に現状に見合う法律
に戻すべきと考えます。
なお、この法案に添付された、空中散布すれば85%前後の効果があるとした資料は、捏造された資料であることが後日判明、農林水産大臣が謝罪しましたが、法律は廃棄されることなく3度の延長で20年間生き続け、その内容は「森林業害虫等防除法」を改正して引き継がれました。この法律に対して何の反省もなく、全く批判されることもなく、殺虫剤を撒き散らしておるのです。
参考図書:松枯農薬空散反対広島県民会議編「松からの警告」 1992年発行
松本文雄著「松枯れ白書」 1998年発行
第80回から第96回国会と「マツ枯れ」が止まらない理由を検証するを続けて記事にしておりますので是非お読みくださいね。
第80回の議事録(花咲爺さんのコメント込)はこちら⇒☆
第96回の議事録(花咲爺さんのコメント込)はこちら⇒☆
身の回りで起きている天災と思われる事故が、実は大気汚染からくる「酸性雨」の影響で引き起こされているのではないかと思われるものをいくつか取りあげてみます。皆さんは、酸性雨という言葉を聞いたことがありますか?
酸性雨が実のなる木を枯らしている現実、酸性雨の説明はこちら⇒☆
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このブログをお読みになって、樹木の集団枯死でお困りの地方自治体の担当者の方々、自然保護団の方からのコメントも受け付けております。共に「効果のある樹の再生」について歩みましょう。