身の回りで起きている天災と思われる事故が、実は大気汚染からくる「酸性雨」の影響で引き起こされているのではないかと思われるものをいくつか取りあげてみます。皆さんは、酸性雨という言葉を聞いたことがありますか?

 

酸性雨が実のなる木を枯らしている現実、酸性雨の説明はこちら⇒☆


                         

こんにちは!群馬の花咲爺さんこと川嵜(かわさき)です。

日々、弱ってゆく樹々を元気にしてゆく活動を続け現在、83歳です。

樹の再生、森の再生に興味のある方に自分の経験が役立つことを祈ってブログを書いています。

 

クマ大量出没の原因を分析すれば!

 

例年より早くナラ枯れが目立っている大山|鳥取・大山でナラ枯れ発生 県が… 写真1/1|産経ニュース     

     例年より早くナラ枯れが目立っている大山(鳥取県提供)

 

このように花咲爺さんの考えています

 

 この写真は、奥山でクマの居住地域で餌とのるドングリを実らせるミズナラの木が大量に枯れていることを訴えている写真です。このナラ枯れを始めコナラ等のドングリを実のらせる樹が枯れる現象が全国で起きているのは、長年降り注いでいる「酸性雨が根本の原因」です。

 

このことが、クマ等の餌となる樹木を枯らしているから餌がが不足し、里に下りてきている最大の原因であると花咲爺さんは考えております。

 

 自然保護団体や新聞、多くの識者がこれらの樹木の枯れに対して何故発言をしないのか、クマ生息地の森林の崩壊現象に何故触れないのか、全く不思議な現象です。これを許すことは奥山に棲むクマを始めとする野生動物の絶滅の危機が迫っていると考えるのは過大でしょうか。

 

長文ですが最後までお読みになり、クマ出没の原因を分析し、花咲爺さんの考えと比較をお願いします

 

 以下、日本で最大と自称する自然保護団体やマスコミ、識者が出没原因をどう考え、伝えているのかを調べてみました。「餌の不足」には触れていますが、餌を実らせる「樹木の枯れ」に全く触れていないのです。これは、根本の原因の追究に対して何らかの力が働き、忖度しているものと思わざるを得ません。考えすぎでしょうか。

 

1.(一財)日本熊森協会  2023.07.08

  日本熊森協会は、昨今のクマと人間の軋轢に関する報道を見て、クマ問題はクマに原因があるので駆除しなければならないという人間中心の結論が先行しているように感じる。当会の調査によるクマ問題が深刻になっている地域の原因に共通点があるとして、

1.果樹が放置されている

2.過疎化高齢化で人の移動(活動)が少なくなった。

3.耕作放棄地が年々広がっている

4.河川敷など、草刈りが成されず、草が生い茂っている場所が何キロも続いている。

5.駆除された動物の死骸や生ごみが放置された場所がある。

 

 空き家や耕作放棄地が動物の通り道や餌場になる項で、

1.人が里山を利用しなくなっり、耕作放棄地が増えた。

 

2.銃を持った狩猟者が山に出入りしなくなったことで、クマが里周辺で生活できるようになり、平地は肥沃で植物の生育も良く、実りも多く移動も楽であるからである。

 

3.里に移動したクマは、人を良く見かけるようになり、人間に恐怖心を抱かなくなり、完全に人慣れしたクマは基本的に人身事故を起こさないと思われる。

 

4.人の生活の変化に合わせ、クマも土地利用を変えてきたとおもわれる。

 

5.大型野生動物と人が共存するには、棲み分けが必要と思われます。

 

6.軋轢が大きくなったのは、生息地の奥山に、拡大造林政策による人工林化や道路開発、再エネ発電事業開発で人間が破壊しただけでなく、里での人間社会の産業構造の変化など、人間側にも原因があります。

 

(全ての原因は人間側にある。クマにも責任があるような意見は自然保護団体として、失格である)

 

人とクマが共存するには

1.奥山に放置された人工林は、国策として自然林の戻すこと。

 

2.奥山にまで張り巡らせた道路を閉鎖して、奥山には原則人が入らないようにすること。

 

3.山の尾根筋に巨大な風力発電施設を造ったり、森林を伐採し太陽光パネルを張るなどもっての他です。

 

4.放置された農地をどうするのか、早急にみんなで考えることが必要です。

 

2.WWFジャパン 2012.01.19

 

クマとの共存を目指して

 

クマは森林生態系を代表する動物で、クマが生息していることは、それだけ豊かな森が残っているといえる。

(もう豊かな森は残っていません、残っていないから里に出没しているのに?)

 

出没の予防方法

 出没原因は山中に食物が不足していることが直接の原因である。また、中山間地域の高齢化、過疎化、耕作放棄地などが影響していると考えられる。

 

1.誘因物の除去

2.農地・果樹園への出没防止

3.電気柵の設置

4.周辺環境の整備(河川敷の下刈り・刈り払い)

 

遭遇を防ぐには

1.音を出す=自分の存在をアピールする

 

2.朝夕や天候の悪い日を避ける

 

3.クマの出没情報や痕跡に注意する

 

4.一人で行動しない、周りに気を配る

 

5.食料品やごみは持ち帰る

 

6.生息環境の整備

 クマは「アンブレラ種」といわれ、生息地面積要求の大きい種で、その種が生息できる環境を保全することは、他の種も生存できる豊かな森林環境を保全することになる。

 

7.里山の整備

 

8.奥山(恒常的生息域)の整備

 1950年代からブナやミズナラの自然林をスギやヒノキの人工林に変える「拡大造林政策」を国策として進めた1970年代には国産材の下落(国策)で、奥山の人工林の管理ができず放置された。管理されていない人工林を、ブナやミズナラの広葉樹林に変える取り組みが始まっている。クマの生息地が整備されてクマの生息数が増えると、それがまた人間との軋轢の増大に繋がる可能性がある

 

9.国有林の緑の回廊

 

クマと共存すること

1)野生動物であるクマの生態を知り、自身の社会の変化を知ること、そして両者のバランスを知ること

 

2)現時点で重要な要素

 

①科学的な調査とモリタリング

 

②効果がある手法の実行

 

③生息地の整備

人間もクマも森の恩恵を受けており、森林の適切な管理の推進、保護価値の高い森林の保全が重要。

 

④専門家の配置としています。

  

3.読売新聞は社説で 2023.10.20

「相次ぐクマ被害、人との距離保つ対策が必要」

人身被害の発生の原因として、餌となるブナの実が不作に加え、クマの個体数の増加が背景にある 

(個体数の増加が背景?)

 

1.主な原因は地域社会の変化として、クマの住む奥山と隔てていた里山の手入れが不足し「緩衝地帯」が減った。

 

2.狩猟者が減少し捕獲・駆除する体制が整えられていない

 

3.山に食べ物を捨てない。

 

4.電気柵の設置、耕作放棄地の管理の徹底

 

4.産経ニュースで  2023.10.25

「クマ被害の深刻化、『アーバンベア』が増えた、市街地進出防いで事故減らせ」

 

今年もドングリが不作だ。しかし今年のクマの大量出没の原因は別にある。 

 

1.農山村の衰退だ。働き手の都市への流出で人口が激減した。

 

2.緩衝ゾーンが奥山の領域に化し、クマが身を隠し集落に接近できるようになった。

 

クマの捕殺増も問題だ、森林の多様な機能へ負の影響を及ぼす

 

1.捕殺されたクマの数はおびただしい数に上る。環境省は10年前の調査で総生息数を1万5千頭前後と推定していたが、令和元年5,300頭、2年度は6,100頭、今年8月末で2,600頭になっている。

 

2.推定数との乖離が甚だしい。再調査を急がなければ過剰捕殺に陥り、地域個体群の崩壊を招きかねない。

(事実、この乖離は凄い。このままだと絶滅だ)

 

3.クマは日本の森林生態系の最上位に位置する雑食の大型獣だ。行動範囲が広く食べた植物の種子を播いて歩くなど、さまざまな役割を果たしている。

 

4.日本の国土面積の7割りは森林だ。クマの絶滅を招くと二酸化炭素の吸収源であり、水源でもある森林の多様な機能への負の影響を免れないだろう。

(クマの存在が自然環境の維持に大変重要です。クマのいない森林は既に多様な機能が失われつつあるのが実態です)

 

5.朝日デジタル 2023.10.26

過去最悪ペースで人を襲うクマ、「2010年問題」追う専門家に聞く」

大井徹石川県立大学特任教授(元森林総合研究所野生動物研究領域長など歴任)

 

出没原因を

1.被害が急増している地域はドングリが不作で、不作の年は強いクマが餌を独占し、弱いクマは強いクマに捕食されてしまう。

 

2.山に餌がないからクマは人里に下ります。多く栄養が必要な親子熊も人里に出てきます。子供が捕食される可能性があるので、人里に逃げているのではという説もあります。柿・栗はドングリより粒が大きく、御馳走です。クマからすると人里は「天国のような場所」と言えます。

 

(え、「人里は天国」?餌を求め死を課して里に下り、無残に殺害されているのに)   

注:2010年問題とは、2010年代から起こったクマの生活圏の変化おいう。

 

6.野口健氏、クマ駆除への抗議問題 2023.11.08

「住民の命を優先は当たり前」同時に「森づくり」も提案

 

クマ駆除に対するクレーム問題について私見を述べ、「泣きながら行政に抗議の電話をされる方は、是非森づくりの活動に尽力される方が建設的」と呼びかけた。「クマに罪はない」が里に降りてきてしまった駆除も「人命を優先するならば、やむを得ない」と駆除対応を支持。一方「クマが森の中で生きていける環境を整えるのも重要」と森づくりの活動に尽力された方が建設的とした。

 

7.クマ被害激増はドングリ凶作説では説明できない       

クマに9回襲われて生還した識者が緊急解説  2023.11.10

 

この記事は、日本ツキノワグマ研究所の米田一彦理事長へ、ダイヤモンド・オンラインの取材記事から抜粋しました。米田氏はクマに9回襲われ、そのたびに生還した経験をお持ちです。

 

「ドングリ凶作説」だけでは、被害増の理由を説明できず

 林野庁は「クマのエサになるドングリ(ブナの実)の大凶作が影響している」と説明しているが、それだけではないと考えます。

 クマによる人身被害が「過去最多」となった理由は他にもあるはずです。クマが出やすい地域の過疎高齢化や、温暖化に伴う猛暑および少雨の進行なども関係しているでしょう。

 

 被害増の理由を「ドングル凶作説」だけで説明できたのは、2004年頃まで、それ以降は要因が多様化し、研究者でもなかなか意見を統一できていない。

 

この中で有力な要因は

1)クマの生息域の広がりで「里山文化」が失われ管理が放置されるようになった。その結果、里山の自然が手つかずになり、木々がまるで奥山のように立派になった。この「里山の奥山化」になり、クマが住める環境が広がり、市街地近くまで拡大した。

((え、奥山から市街地まで根腐れで倒木だらけ、倒木で死者まで出ているのに)

 

2)里山と奥山で暮らしているクマの属性が異なります。クマの世界にも階級や力関係があり、奥山は力の強いクマが牛耳り、弱いクマは自分の居場所を探して1990年代から里山に付近に急速に下りて来た。

 

3)クマも人間側の対策が不十分になると増長します。過疎高齢化によってハンターの数が減ったり、イヌが飼われなくなったり、自動車が市街地を頻繁に走らなくなったりした地域では、クマの警戒心が薄れます。

(え、里から山奥まで観光等で自動車が溢れ、森林を枯らしているのに)

 

4)高齢化した重要が市街地周辺の草を刈らなくなった。

 

5)高齢化でクマの食べ物になりそうな果実を定期的に収穫できなくなった。

 

6)人間側に「森に押し返す力」が弱まった地域にクマが出て、その地域に棲んでいる人間を襲った結果、被害者が高齢だった という順序が正しいと思われます。

 

インタビューの最後に 

 米田氏は再来年(令和25年)は今年のようにクマ被害が多く発生する可能性がある。というのも、今年はクマの出生数が多く、過ってないほど「赤ちゃんクマ」が生まれたとみられます。こうした子熊が2歳になり、自立して自由に徘徊しはじめるのが25年です。数が増えるかもしれず、警戒が必要です。

 

           今回はこれまでです。お読みになって有難うございました。

 

 お読みになってお解りと思いいますが、重要なことに意識的と思われるほど全く触れていないのです。それは、野生動物たちの生息域で、彼らの食料資源であるブナ科のミズナラ、コナラ、マテバシイ等の樹木が、冒頭の写真で確認できるように大量に枯れが発生していることです。

 クマを始めとする野生動物の里への出没の原因は、凶作をもたらし、枯れの原因となる「酸性雨」に意図的と思われるほどに記述を避けているのです。

 

 

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 このブログをお読みになって、クマの大量出没、松枯れ、ナラ枯れ等、樹木の集団・個体の枯損でお困りの地方自治体の担当者の方々、自然保護団の方からのコメントも受け付けております。共に「効果のある樹の再生と生態系の保全」について歩みましょう。