夕日の扉 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 扉の前で二人の調査員達が話し合っていた。

 「『夕日』と書かれていますね。どういう意味でしょうか?」

 「きっと扉の向こう側の世界は常に夕暮れなのでしょう」

 「太陽がずっと地平線の近くに留まっているのですかね?」

 「或いは、時間が停止しているのかもしれません」

 「時間が停止しているとすると厄介ですよね。私達も調査活動ができなくなりますよ。しかし、おそらく時間は停止していないのではありませんかね?」

 「どうしてですか?」

 「時間が停止しているとすると光の運動も止まっているはずでしょう?すると、太陽の位置がわからなくなるのですから夕日ではなくなりますよ」

 「なるほど。時間が流れている可能性が高そうですね。それで、どうしますか?今すぐにこの扉を開けて夕日の世界に行ってみますか?」

 「ええ。扉の前で憶測を立てているだけでは実際に調査が進展したという評価を得られませんからね。とりあえず扉を開けてみましょう」


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