大きいの扉 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 扉の前で二人の調査員達が話し合っていた。

 「『大きい』と書かれていますね。どういう意味でしょうか?」

 「きっと扉の向こう側の世界では色々な物体がこちらの世界の何倍も大きいのでしょう。ひょっとすると、何百倍も、何万倍も、大きいのかもしれません」

 「色々な物体が大きいのだとすると世界自体も大きいのですかね?調査に時間が掛かりそうですよね。大きい人類はいますかね?」

 「大きい人類ですか。人類に似た種族が生息しているとしても体格が人類の何倍も大きいのだとしたら人類の同種ではありませんよ。そもそも他の世界で生きている人類に似た種族は人類の近縁種ではないのですよ」

 「わかっていますよ。しかし、意志の疎通が可能な相手がいるかどうかという問題は重要ですよね?」

 「もっと根本的で重要な問題があるでしょう?私達はこの扉の向こう側の世界にどのような危険がありそうかという問題について考えなければなりません。仮に元素などがこちらの世界よりも大きいのだとすると私達は呼吸さえできなくなるかもしれません」

 「とりあえず扉を開ける前に酸素ボンベを用意しましょう」

 「ええ。そうですね」


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