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認知症に関する記事シリーズ。今日は、徘徊SOSネットワークについて書いていきます。

 

認知症により記憶力や判断力の障害が出てくると、時間や場所が分からなくなるというのは以前に書きました。そのため、家に帰ろうとして道に迷う、家にいるのに「家に帰る」と言って外に出てしまうこともあります。それが徘徊の症状です。

 

そのような方を、地域全体で発見・保護につなげられるように作られたのが、徘徊SOSネットワークです。

 

 

 

このシステムを早い時期に作ったことで有名なのが、北海道・釧路市です。平成6年に釧路地区障害老人を支える会(たんぽぽの会)が中心になって立ち上げられました。

 

平成2年、会員さんのお母さまが行方不明になりその後遺体で発見されました。これをきっかけに同会では、徘徊高齢者と家族の支援を関係機関に要望したと言います。それから関係機関(警察や保健所など)との会議が何度も持たれ、平成6年にSOSネットワークがスタートしました。

 

その後同様のネットワークが各地に作られ、平成17年度の厚生労働省の調査によれば、全国の560の自治体で整備されているそうです。

 

この数字を見た時に、「意外に少ないな」と感じました。もっと広がれば、徘徊して行方不明になっている方をより多く救えます。今後このネットワークが自治体で整備されることを願っています。

 
今日の記事は、こちらのサイトを参考にしました。
 
 
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認知症について書いているシリーズ記事。今日はBPSD(行動・心理症状)についてです。

 

BPSDは、記憶障害などの中核症状に加えて、その人の性格や身体や精神状態、ストレス、生活環境などが影響して出てくる症状です。

・徘徊

・幻覚や幻聴

・うつ状態

・不安や焦り

・暴言や暴力

といったものがあります。

 

徘徊と聞いて思い出すのは祖父のことです。祖父はお店を経営していました。経営を後継者に引き継いだこと、引っ越しをしたことがきっかけで認知症が進みました。「お店に行く」と言っては、毎日のように家の近所、時にはかなり遠くまで歩き回るいたと聞いています。幸い、お店のお客さんなど知り合いの方が見つけてくれて一緒に帰ってくれることが多く、大事には至りませんでした。でも次の日にはやっぱり外に出てしまっていました。

 

 

そのころは認知症が痴呆と呼ばれていた時代。今みたいに介護保険もなかったし、介護に対する知識をみんなが知っているわけではありません。なので私の両親やおじおば達は大変だったと思います。

 

 

こうやって徘徊と書いていますが、本人には目的があるのです。ただ、時間や場所が分からなくなるという見当識障害があると、今自分がどこにいるのかや帰り道がが分からず結局徘徊になってしまうのです。

 

あとは、今いるところが安心できないから「家に帰る」と訴えたり外に出ようとする人もいます。デイサービスの利用者さんでも、そういう人は多いです。また、自宅にいるのに家に帰ると訴える人も多いと聞きます。住み慣れた家のはずなのに、何かが不安なのでしょう。その「何か」を特定するのはとても難しいです。

 

徘徊していた方が行方不明になったり、亡くなられたりすることもあります。そのようなことが怒らないように、徘徊SOSネットワークというものが全国で作られつつあります。次のブログでは、このことについて書いていきます。

 

 

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昨日に引き続き、今日も認知症の中核症状について書いていきます。

 

昨日のブログはこちらです。

下矢印

 

中核症状の3つ目は、理解と判断力の障害です。

 

物事を考えるスピードが遅くなったり、2つ以上のことを同時に処理できなくなることです。例えば車の運転や料理。これらは複数の動作を必要としますが、それがうまく出来なくなったりします。また、長い話を理解できない、ささいな状況の変化も理解できず混乱するといったこともあります。

 

4つ目は実行機能障害です。計画を立てて実行することができなくなります。言葉を変えると、物事の手順・段取りが分からなくなってきます。

 

そのため、お風呂に入る、顔を洗うなどいつもやっていることが難しくなります。今までできていた、料理や洗濯、掃除などの家事もスムーズに行えなくなってきます。でも手順を1つ1つ伝えることで、できることもあります。

 

余談ですが、複数の動作がうまく出来ない・ささいな状況変化にも混乱するといったところは、私の特性と似ているなあと感じました。(あくまで私の場合です。医学的に証明されているものではありません)

 

こうやって振り返ると、認知症の人は本当に混乱した世界の中で生きているんだなあって実感します。

 

 

 

これらが認知症の中核症状です。次からはBPSD(行動・心理症状)について書いていきますね。

 

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先日から、認知症についての記事を連続で書いています。

 

今日と明日は、昨日のブログで紹介した「中核症状とBPSD」のうち、中核症状について書いていきます。

 

中核症状には、(1)記憶障害、(2)見当識障害、(3)理解や判断力の障害、(4)実行機能障害があります。

 

まず最初は記憶障害。ざっくりと言えば物忘れのことです。

 

 

私の父もそうですが、誰でも年を重ねれば物忘れが出てきます。ただし認知症の場合、「体験したこと全体を忘れる」、「物忘れをしている自覚がない」、「日常生活に支障をきたすようになる」という特徴があります。

 

また、新しいことが覚えられなくなり、自分の言動や行動も忘れてしまいます。だから何回も同じ話を繰り返したりします。ついつい「さっきもその話しましたよ」と返したくなりますが、本人にとってはあくまで初めて話すことで、わざとではないんです。そこを知っておくだけでも違うと思います。

 

次は見当識障害。これは、時間や場所、人が分からなくなる状態です。その結果、今の季節が分からなくなる、道に迷ったりトイレやお風呂の場所が分からなくなる、自分の家族のことを忘れるといったことが出てきます。家族のことを忘れる。これはとても辛いことです。実は私の父方祖父母も認知症でした。やっぱり家族のことが分からなくなり、父はとても辛かったそうです。きっと今、その状況で苦しんでいる方が多いと思います。

 

長くなりましたので、中核症状の残り3つは次のブログで書きますね。中途半端でごめんなさい。しばらくお付き合いくださると幸いです。

 

 

 

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先日のブログでは、物忘れと認知症の違いについて書きました。そこで今日は、改めて認知症とは何かを書いてみます。

 

 

認知症とは、「脳の働きが低下して、自分自身のことや周りの状況を把握するのが難しくなり、生活に支障をきたす状況が6ヶ月以上続いている状態」を言います。以前は痴呆と言われていましたが、2004年に認知症という名前に変わりました。

 

認知症の症状は「中核症状」「行動・心理症状(以下、BPSD)」に分けられます。

 

中核症状は、脳の障害によって起こる直接的な症状です

(1)記憶障害、(2)見当識障害、(3)理解や判断力の障害、(4)実行機能障害があります。

 

BPSDは、徘徊や幻覚、妄想、暴言や暴力、情緒不安定といった症状です。こちらは、その人の性格や生活環境、体調、人間関係といったことが原因の症状なので、本当に1人1人違います。この「1人1人違う」ところが治療を難しくしているとも言えます。

 

 

明日以降は、認知症の症状について少しずつ書いていきます。続けて読んでいただければ幸いです。

 

 

 

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