ニックスアンチの戯言 | バッタの一口馬主データ分析室

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 こっそり更新。そんなに多くの人の目に触れてほしい記事ではないので、書いているのは2024年7月8日ですが、時間をずらして公開します。

 「ニックス」について、世間一般で語られる見解とはかなり異なる見解を好き勝手に書きます。

 ニックスのことをこき下ろすので、ニックスが好きな人は読まないことを強く推奨します。

 

  ニックスとは?

 「ニックス」とは、簡単に言えば、相性の良い種牡馬の組み合わせのことです。

 「ニックス」の例としてよく挙げられるものとして、ステイゴールド×メジロマックイーンです。

 メジロマックイーンは、決して種牡馬として成功したわけではありませんが、ステイゴールドとの組み合わせでは、ドリームジャーニー、オルフェーヴル、ゴールドシップという3頭のGⅠ複数勝馬を生み出しました。

 

  ニックスアンチの戯言

 私は、「ニックス」というものにかなり懐疑的です。

 正確に言うと、相性の良い種牡馬の組み合わせは存在すると思いますが、「ニックス」として語られるそれは、出資馬を決定するに足りるほど信頼できる指標ではないと考えています。


 理由は2つあります。
 理由の一つ目は、「ニックス」の証明として語られるデータは、統計的な信頼性がおよそないわずかなサンプル数しかないからです。

 例えば、冒頭に紹介したステマ配合ですが、そのサンプル数はわずか41しか存在しません。

 95%信頼区間が必要とは言いませんが、分散が大きいAEIを測る上で、サンプル数41じゃ全く話になりません。

 正直、41あればかなりマシな方で、「ニックス」として語られるデータは、サンプル数が10とか場合によっては一桁なんでことがあります。

 それでは、傾向すらも分かりません。

 とてもではないですが、信頼に足りるデータとは言えません。

 

 理由の二つ目は、データスすら示されずに語られることが多いからです。

 例えば、「〇〇は、母にヌレイエフを持っている馬が走る」などです。

 大種牡馬は、その傾向を産駒に伝える力が強いため、3世代以上前であっても、一定の影響力があることは否定できないので、それを指標として用いることは否定はしません。

 しかし、「母にヌレイエフを持つ馬」という条件で統計を取るのが困難であるからか、このような場合、母にヌレイエフを持っている活躍馬を2、3頭挙げるだけで、

・活躍馬以外に父〇〇、母ヌレイエフを持っている馬はどれぐらいいるのか?

・それらの馬の勝上率、2勝率、3勝率、重賞好走率はどれぐらいなのか?

といった、当然精査すべきデータが示されているのをほとんど見たことがありません。

 

 これら2つの理由から、私は「ニックス」を信頼していません。

 話のネタとしては面白いと思いますが。

 

 

  もっと有用な指標はないか

 とはいえ、種牡馬によって走る産駒が出る組み合わせというものは確実に存在すると思いますので、もっと客観的なデータで語れる指標が欲しいところです。

 そこで、今考えているのは、どのような条件を得意にしていた母と相性が良いのかという指標です。

 例えば、ルーラーシップは、母が芝とダート、短距離と長距離どちらで走っている方が良い馬を出すのかという母の能力の方向性との「ニックス」という考え方です。

 これならば、短距離or中距離or長距離、芝orダートという6種類のファクターからデータを取れるので、正直これでもサンプル数は足りないと思いますが、方向性はそれなりに掴めそうです。

 というわけで、近いうちに、5歳以上の馬が1世代以上いる種牡馬(種牡馬7年目以上)で統計を取ってみたいと思います。