1970年春に エリック・クラプトン(:Eric Clapton)は デラニー&ボニー(:Delaney & Bonnie)で活躍していたベーシストの カール・レイドル(:Carl Radle),ドラマーの ジム・ゴードン(:James Beck Gordon),キーボードの ボビー・ウィットロック(:Bobby Whitlock)がバンドを脱退することを知り,彼らと共に新たなバンド:デレク・アンド・ザ・ドミノス(:Derek and the Dominos)を結成するも,オフィシャル・アルバム 『 Layla And Other Assorted Love Songs (いとしのレイラ) 』 を 1枚のみ残して解散.

 デレク・アンド・ザ・ドミノス(Derek and the Dominos)解散後の 1973年1月にリリースされたオフィシャル・ライヴ・アルバム 『 In Concert (イン・コンサート) 』 は,1970年10月23日と24日に ニューヨークのフィルモア・イーストで行われた公演のテイクを収録したものですが,実はその時点では デレク・アンド・ザ・ドミノス 唯一の アルバム 『 Layla And Other Assorted Love Songs (いとしのレイラ) 』 は,未だリリースされていない状況でした.

 本商品は 『 Layla And Other Assorted Love Songs (いとしのレイラ) 』 のレコーディング(1970年8月-9月)終了後,英国ツアーに次いで 10月15日ニュージャージー州ローレンスビルはライダー・カレッジ公演を皮切りに,12月06日ニューヨーク州セルデンはサフォーク・カントリー・コミュニティ・カレッジ公演まで行われた北米ツアーから,ツアー中盤に当たる11月26日オハイオ州シンシナティはシンシナティ・ミュージック・ホール公演のオーディエンス録音を収録し Beanoレーベルからリリースされた 『 Cincinnati 1970 (Beano-226) 』 で,マスター・テープをハイエンド機材を使用してデジタルトランスファーし,ネット上にアップされた過去最高音質のものを収録しています.

 音像は近めですが,曲によってはドラムとキーボードの音が若干引っ込んでいたりと,各パートの出音のバランスは今一感はあるものの,曲中のオーディエンス・ノイズも殆ど無く,録音された年代を考慮すれば,高音質のオーディエンス録音と言えます.
 先日,紹介した オールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band)の デュエイン・オールマン(Duene Allman)が参加した 12月1日フロリダ州タンパはカーティス・ヒクソン・コンベンション・ホール公演のパフォーマンスを収録した 『 Tampa 1970 (Beano-227) 』 の 5日前の公演です.

 メーカー情報では
 『【ドミノスのオーディエンス録音NO.1音源】
 今週は、エリック・クラプトンが自らのキャリア上で「最強」だったと認めたバンド、デレク・アンド・ザ・ドミノスの歴史的音源を2タイトル、プレスCDでリリースします!
 まず本作は、70年11月26日のシンシナティ公演を良好なモノラル・オーディエンス録音で完全収録したもの。本ソースは、ドミノスのオーディエンス音源としては比較的音質が良好なものとして、過去にもリリースされてきた定番音源ですが、今回オリジナルのマスターテープをハイエンド機材を使用してデジタルトランスファーし、過去最高音質を実現しているとの事。
 しかしながらネット上にアップされたファイルは、元テープの状態からピッチが半音の30%~50%も高かったり、後半部分の右チャンネルの音圧が低く、バランスが悪かったりしていました。当店ではピッチを正常に修正し、低かった右チャンネルの音圧もヒスノイズを増大させないレベルギリギリまで高めて、バランスを改善しました。ネット上のファイルからは大幅なグレードアップが図られている、当店だけの自信作です。本作の公演日は、オフィシャルでリリースされているフィルモア・イースト公演から約1ヶ月後、ツアーも終盤に入り、最も脂の乗っていた時期と言えます。改めてドミノス時代のナンバーワンオーディエンス録音音源でクラプトンの超絶プレイをお楽しみいただければと思います。

【オフィシャルライブ盤に比肩する素晴らしいパフォーマンス!】
 名作「LAYLA AND OTHER ASSORTED LOVE SONGS」をリリースするも、デレク・アンド・ザ・ドミノスが結成から1年ももたずに解散してしまったことは周知のことでしょう。ライブツアーとなると、たった一度の短期UKツアーと長期アメリカン・ツアーのみの活動でした。しかしこの短い活動期間にドミノスの魅力が爆発していたことも事実で、それはオフィシャルライブ盤『IN CONCERT』のみならず、本作でも実感していただけるところです。この機会にこの年のクラプトンの活動を俯瞰しておきますと、

 ・1970年1月:デラニー&ボニー&フレンズと共にソロアルバム「ERIC CLAPTON」のレコーディングをLAにて行なう
 ・1970年2月2日~22日:デラニー&ボニー&フレンズのメンバーとして北米ツアー 
その後、バンドを脱退し、イギリスに戻る
 ・1970年5月5日:イギリス、オックスフォードにて行なわれた旧友スティーヴ・ウィンウッド率いるトラフィックのコンサートに飛入り。
 ・1970年6月14日:ロンドン中心街のホール、ライシアムにてデレク&ザ・ドミノスのデビュー・コンサートが開かれる。
 ・1970年6月18日:ロンドンにてファースト・シングルTell The Truth c/w Roll It Overをレコーディング
≪1970年8月1日:初のソロアルバム「ERIC CLAPTON」リリース、シングルTell The Truthもこの月リリース≫
 ・1970年8月1日~22日:短期イギリス・ツアー 
 ・1970年8月23日~9月中旬:アルバム「LAYLA AND OTHER ASSORTED LOVE SONGS」をマイアミにてレコーディング
 ・1970年9月20日~10月11日:ヨーロッパ・ツアー
 ・1970年10月15日~12月6日:長期全米ツアー
≪1970年12月1日:「LAYLA AND OTHER ASSORTED LOVE SONGS」リリース≫
 ・1970年12月18日:オリンピック・サウンド・スタジオでレコーディング中のローリング・ストーンズが開催したキース・リチャーズのバースデイ・パーティに出席。ストーンズと共に「Brown Sugar」のスタジオライブ・バージョンをレコーディングする

 アルバム「LAYLA~」のレコーディングを挟み、そのリリースを待たずにツアーを敢行していたことがお判りいただけるでしょう。クラプトンは初めて結成した自分のリーダーバンドの実力をライブステージで証明したくて堪らなかったのです。その結果は、オフィシャルライブ盤のみならず、本作にも明らかです。このファイルをアップした人物は、この日のGot To Get Better In A Little Whileがドミノスのライブ史上最高のテイクだとコメントを記しています。Roll It Overは、クラプトンが展開を間違えたため、通常なら一度のギターソロが二度聴けるという美味しい構成になっていますし、Blues Powerからメドレーされるブルースは、フィルモア・イーストではHave You Ever Loved A Womanでしたが、ここではボビー・ホイットロックがボーカルをとるStormy Mondayになっているという変化があります。注目すべきはチャック・ベリーのカバーLittle Queenieをプレイしていることです(後半は同じくロックンロールナンバーのSweet Little Rock'n' Rollerにメドレーされます)。この曲はフィルモアでは演奏していなかったレアナンバーです。こうした純ロックンロールナンバーでも冴え渡るクラプトンのソロは素晴らしいものですが、ツアーも中盤を過ぎ、なぜこの曲をセットに加えたのか?クラプトンは9月22日にパリでのバディ・ガイ&ジュニア・ウェルズのステージに飛入りしたのですが、実は彼らのステージはローリング・ストーンズのオープニングアクトでした。そしてストーンズが当日この曲をプレイしていたのです。旧友ストーンズのパフォーマンスを久々に目の当たりにし、クラプトンは自分のバンドでもやってみたくなったのではないか。そんな風に想像するのも楽しいものです。Tell The Truthのギターソロでは、ギターフレーズにクラプトンが呼応して歌う「一人コール・アンド・レスポンス」が聴ける、フィルモアの2倍熱いテイクになっていますし、Let It Rainはジム・ゴードンのドラムソロのない、コンパクトながら情熱的なバージョンになっています。つまり、フィルモアと同じくらいクオリティが高く、楽しめる日だということです。

【アンコールにはB.B.キングが飛入り!】
 この音源が歴史的価値を有する所以の一つは、アンコールにB.B.キングが飛入りしていたことです。67年、クラプトンのクリーム時代に初めてニューヨークで共演して以来、B.B.はクラプトンのプレイテクニックとブルース・スピリットを高く評価し、目をかけていました。二人の親交は、以降40年以上に亘り、B.B.が亡くなるまで続いたわけですが、知り合って3年、クラプトンのステージにわざわざ駆けつけるほどの友情が既に育まれていたことが、この音源で証明されています。クラプトンもB.B.のレパートリーを取り上げ、両者はボーカル、ギターソロ両方で共演しています。二人のプレイの聴き分けは、この音質ならバッチリ可能です。オフィシャルではこの時期の二人の共演はリリースされていないだけに、大注目の瞬間でしょう。

 ドミノスの定番オーディエンス音源が当店だけのグレードアップバージョンで登場。どうぞお見逃しなく。

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(リマスター・メモ)
 ★半音の30-50%程度速いピッチを修正。
 ★Disc2の中盤以降は右チャンネルが小さくなるので、
ヒスバランスが極端にならない程度に右チャンネルの音圧を上げました、
 併せてDisc1と比較して音圧が小さいので全体を上げました。』

Cincinnati 1970 (Beano-226)
 
 Live At Cincinnati Music Hall, Cincinnati, OH, USA
 26th November 1970
 [UPGRADE]

  Disc 1
   01. Got to Get Better in a Little While
   02. Roll It Over
   03. Blues Power
   04. Stormy Monday
   05. Why Does Love Got To Be So Sad
   TOTAL TIME (50:23)

  Disc 2
   01. Little Queenie
   02. Tell The Truth
   03. Let It Rain
   04. Everyday I Have The Blues (with B.B. King)
   TOTAL TIME (34:53)

 Eric Clapton : Guitar, Vocal
 Bobby Whitlock : Keyboards, Vocal
 Carl Radle : Bass
 Jim Gordon : Drums

 Got to Get Better in a Little While
 
 Tell The Truth
 
 Everyday I Have The Blues (with B.B. King)
 

[参考]
 1970 Tour Dates
 June
  14 Lyceum Ballroom,London,UK

 August
  [UK Tour / 1st Leg]
  01 Roundhouse,Dagenham,London,UK
  02 The Place,Hanley,Stoke-On Trent,Staffordshire,UK
  07 Mayfair Ballroom,Newcastle-Upon-Tyne,UK
  08 California Ballroom,Dunstable,Bedfordshire,UK
  09 Mothers Club,Birmingham,UK
  11 Marquee Club,London,UK
  12 Speakeasy Club,London,UK
  14 Winter Gardens,Great Malvern,UK
  15 Tofts Club,Folkestone,Kent,UK
  16 Black Prince,Bexley,London,UK
  18 Pavilion,Bournemouth,Dorset,UK
  21 Town Hall,Torquay,Devon,UK
  22 Van Dyke Club,Plymouth,Devon,UK

 September
  [UK Tour / 2nd Leg]
  20 Fairfield Halls,Croydon,London,UK
  21 De Montfort Hall,Leicester,Leicestershire,UK
  23 The Dome,Brighton,East Sussex,UK
  24 Philharmonic Hall,Liverpool,UK
  25 Greens Playhouse,Glasgow,UK
  27 Colston Hall,Bristol,Gloucestershire,UK
  28 Free Trade Hall,Manchester,UK

 Octobar
  04 Redcar Jazz Club,Windsor Ballroom,Redcar,UK
  05 Town Hall,Birmingham,UK
  07 Winter Gardens,Bournemouth,Dorset,UK
  08 University Of Leeds,West Yorkshire,UK
  09 Penthouse,Scarborough,North Yorkshire,UK
  11 Lyceum Ballroom,London,UK

  [North American Tour]
  15 Rider College,Lawrenceville,NJ,USA
  16 Electric Factory,Philadelphia,PA,USA
  17 Electric Factory,Philadelphia,PA,USA
  21 Lisner Auditorium,Washington,DC,USA
  23 Fillmore East,New York City,NY,USA
  24 Fillmore East,New York City,NY,USA
  29 Kleinhans Music Hall,Buffalo,NY,USA
  30 University Gym,SUNY-Albany,Albany,NY,USA
  31 Virginia Beach Dome,Virginia Beach,VA,USA
 
 November
  01 Civic Auditorium,Jacksonville,FL,USA
  05 Ryman Auditorium,Nashville,TN,USA
  06 McFarlin Auditorium,University Park,TX,USA
  07 Houston Music Theatre,Houston,TX,USA
  09 Sacramento Memorial Auditorium,Sacramento,CA,USA
  11 Mammoth Gardens,Denver,CO,USA
  12 Santa Monica Civic Auditorium,Santa Monica,CA,USA
  13 University Of Nevada,Reno,Reno,NV,USA
  14 Utah State Fairgrounds Coliseum,Salt Lake City,UT,USA
  17 Sacramento Memorial Auditorium,Sacramento,CA,USA
  18 Berkeley Community Theatre,Berkeley,CA,USA
  19 Berkeley Community Theatre,Berkeley,CA,USA
  20 Santa Monica Civic Auditorium,Santa Monica,CA,USA
  20 Santa Monica Civic Auditorium,Santa Monica,CA,USA
  21 Pasadena Civic Auditorium,Pasadena,CA,USA
  22 Golden Gym, California Western College,San Diego,CA,USA
  25 Auditorium Theatre,Chicago,IL,USA
  26 Cincinnati Music Hall,Cincinnati,OH,USA
  27 Kiel Auditorium,St. Louis,MO,USA
  28 Allen Theatre,Cleveland,OH,USA
  29 Painters Mill Music Fair,Owings Mills,MD,USA
 
 December
  01 Curtis Hixon Convention Hall,Tampa,FL,USA
  02 Onondaga War Memorial Auditorium,Syracuse,NY,USA
  03 Eastown Theatre,Detroit,MI,USA
  04 Capitol Theatre,Port Chester,NY,USA
  05 Capitol Theatre,Port Chester,NY,USA
  06 Suffolk County Community College,Selden,NY,USA
 



















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#2022-09-14