ウォーム・アップ・ギグとして1972年10月27日,28日とスイスはモントルーのモントルー・カジノ公演を行った レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)は,11月25日英国レスターはデ・モンフォート・ホール公演を皮切りに,間に約1週間のブレイクを挟み 1973年1月30日プレストンのギルド・ホール公演まで,約 2ヶ月間の英国ツアーを行い,1ヶ月のブレイクを挟んで,3月2日デンマークはコペンハーゲンの K.B.ハレン公演から,4月1日フランスはパリのサントゥアンにあるパレ・デ・スポーツ(スポーツ・センター)公演まで,約 1ヶ月間の欧州ツアーを行います.

 本商品は,3月2日デンマークはコペンハーゲンの K.B.ハレン公演を皮切りに行われた欧州ツアーから,ツアー中盤に当たる 3月17日ドイツはミュンヘンのオリンピアハレ公演のオーディエンスを収録した 『 Munich 1973 (No Label) 』 で,今回もマスタリングには定評のある Graf Zeppelinレーベルがリマスターしています.

 音像は若干遠目で,ホールの関係で残響音感はあるものの,各パートの出音も割とクリアで,全体を通して,高音質のオーディエンス録音と言えますし,オーディエンス・ノイズも殆ど無いで,全体を通して楽しめます.
 1973年といっても,この欧州ツアーでは,”Whole Lotta Love" のメドレーを 25分~28分近く演奏しているケースも多々あり,この日も ”Everybody Needs Somebody To Love” から ”Going Down Slow” まで,間に”I Can't Quit You Baby” や ”The Lemon Song” 等を含んで演奏されており,他の欧州ツアー同様に,素晴らしい演奏を展開しています.

 メーカー情報では
 『ZEPの名演量産期である1973年ヨーロッパ・ツアー。その黄金期は幸いにも音源に恵まれており、いくつかの公演では白熱の極みであった「Dazed And Confused」のインタープレイ・チェック用と推測されるPAアウトのサウンドボードまで存在する程ですが、ピュア・オーディエンス録音に関しても非常にクオリティの高い音源が居並んでいるのは有難い限り
 3月17日のミュンヘンもそんな上質オーディエンスが残された典型的な一日でして、音像の距離感が絶妙。おまけに演奏の輪郭をぼやけさせないホールエコーが合わさって独特な聞きやすさが魅力のモノラル・オーディエンスでした。
 それ故いくつものアイテムがリリースされ、中でもCDアイテム「STURM UNDDRANG」や「PUREPERCY」などがその代表格かと。しかし10年前にリリースされたGraf Zeppelinプロデュースの名盤「HAVING A PARTY」が音源を細部までこだわった丁寧な収録を実現させて決定版となったように思えます。そんな名盤のリリースからも10年が経過して入手も困難、そこでGraf Zeppelinが新時代のスタンダードとなるべく新たなリリースに着手してくれました。
 もちろん今回も基になったのは「HAVING A PARTY」と同じマスター(複数流通する、オリジナルマスターからのデジタル化のうちの一つで現状ベスト)からのバージョン。ヘッドフォンで聞いて分かるレベルの違いではあるものの、前回のリリースではテープの経年による左右のばらつきが散見されましたので、今回は完全モノラル化によってすっきりとした安定感を実現。さらに「Bron-Y-Aur Stomp」終演後で目立っていたカット個所も補填し、パッと聞いた感じでは「カットあった?」と聞き過ごしてしまいそうなほどなめらかな状態へとレストア。

 それら以上に重要なのは、本音源最大の汚点であった「Dazed And Confused」15分台におけるカット。というのもボウイング・セクションが終わって演奏が激しくなったところでの欠損という興ざめな状態が残念過ぎたのです。この問題に関して過去のアイテムでは放置プレイだった場合も多かったのですが、そこもサブソースにて補填してみせた点にもまた「HAVING A PARTY」(以下“既発盤”と称します)の偉大さがあった。
 ところが、そこで使われたサブソース(メインと同じ音源だがジェネ落ち音源だった)の音質が粗く、低域もスカスカのため補填の違和感がどうにも否めない。既発盤においてソースの切り替えこそ非常になめらかで、遂にジミーが弾きまくる場面がノーカットで!とマニアを喜ばせたのもつかの間。音質の違和感は仕方ないとして、本編の音源に戻るところ(ボンゾが「The Crunge」風リズムを叩き始めた場面)がいかにも「音源が切り替わりました!」的になってしまったのが惜しまれた点でしょう。
 この違和感を生じさせる最大の元凶であったサブソースの音質ですが、今回はネット上にない同ソースのさらに枝葉違いのMaster原本からのデジタル化バージョンを独占入手。さすがにベターコピーだけあって、このパートの音質が既発盤とはまるで別次元。その上で丁寧な補填を施した結果、遂に違和感の全くない状態でハイエナジー・パートを聞き通せるようになったのです。スピーカーから鳴らすのはもちろん、ヘッドフォンでじっくり聞いてみてもびっくりするほどのなめらかさ。本音源における最大の問題が遂に解消されました。

 演奏の方は何しろ稀代の名演ウィーンの翌日ということもあり、悪いはずがない。魅力満載の73ヨーロッパの中において、ボンゾのドラミングが独特のヘヴィネスで響き渡るのもこのツアーならではといえ、それがまた本音源のような良好オーディエンスだと実に生々しく伝わってくる。一方この日はZEP登場前のオープニングから録音されているのが貴重で、そこでは所謂「今後の予定」がアナウンスされています。トラフィックから始まってウエスト・ブルース&レイングといったグループがコールされるのですが、そんな中でEL&Pの名前が挙がるとひときわ歓声が大きくなるのが当時を偲ばせてくれる微笑ましくも牧歌的な場面。
 そこからのオープニング「Rock And Roll」や「Over The Hills And Far Away」などはロバートもメロディを下げた歌い方が板につき始めてきたのですが、これがライブ後半の「Stairway To Heaven」や「Heartbreaker」になるとまだまだ歌えてない感が露呈してしまう。だからこそボンゾやジミーの奮起が随所で捉えられているのが本ツアーの魅力であることは良く知られたところかと。
 実際この日も「Dazed And Confused」は壮絶の一言。序盤からジミーはアグレッシブなリフを弾いてバンドをリード。この時点で十分に振り切れていただけに、ボウイングの後の爆発ぶりが本当に際立っていた。そんな中で欠損が生じていたことはリスニング上において本当に大きなストレスでしかない。それだけに、単に補填されただけでなく、編集の違和感なしで聞き通せる今回の仕上がりが展開の凄まじさを完全に伝えきってくれる。正に73ヨーロッパらしいキレッキレの展開であり、なおかつアフター・ウィーンの名演としても文句のつけようがない。
 その点ライブ終盤は完全にボンゾの独壇場と化しており、これまたキレッキレなドラミングが壮絶の一言。キレキレ・ボンゾと言えば真っ先に挙げられるのが1977年の「エディ」な訳ですが、アレはドラッグという名の活性剤を伴った上でのハイ・ボルテージだったのに対し、ここでの彼のプレイはナチュラルに冴え渡る。これほどの人外ドラミングを連日やすやすと繰り広げていたのが73ヨーロッパを絶頂期と言わしめる所以でしょう。そんなハイテンションな演奏に水を差していたカットが見事に修復され、改めて名演をじっくり聞きこめるミュンヘンの新たな決定版!

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 REMASTERED BY GRAF ZEPPELIN
 (リマスター・メモ)

 ★前回版「Having A Party」と同じ音源がベース(Masterからのデジタル化)です。

 ★実質最新やり直し版と言った感じで、大きな違いはないのですが、既発と比べ、、、
 ・元々モノラル録音なので、今回は完全にモノ化。前回盤では左右の音量バランスが違う箇所(片方に偏る)などがあった。
 ・ハムノイズ(低周波ノイズ)の低減。曲間などでスッキリとし、静かな箇所の静寂感が増した。
 ・幻惑曲中のサブソースでの補填(幻惑のCDタイム15:05-15:44)は、メインソースとほぼ同等のマスター原本からの補填で、既発に比べ補填時の違和感度が殆どない。前回盤と比べればその差は歴然。
この部分がノーカットのタイトルも過去には出ているが、それはライブ全編の音が非常に悪いものであった。
つまり、全体に音の良いタイトルで、なおかつ補填パートも音が良いのは本盤が初。この補填パートはネットではない(ネットにこの補填パートの該当箇所が音の良い物はない)
 ・Daincing DaysとBron-Y-Aur Stomp曲間にあったカットも今回は絶妙な補填がなされ、殆ど問題なし
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Munich 1973 (No Label)
 
 Live At Olympiahalle,Munich,Germany 17th March 1973
 [UPGRADE]

  Disc 1
   01. Introduction
   02. Rock And Roll
   03. Over The Hills And Far Away
   04. Black Dog
   05. Misty Mountain Hop
   06. Since I've Been Loving You
   07. Dancing Days
   08. Bron-Y-Aur Stomp
   09. The Song Remains The Same
   10. The Rain Song
   TOTAL TIME (57:35)

  Disc 2
   01. MC
   02. Dazed And Confused
   03. Stairway To Heaven
   04. Whole Lotta Love
   05. Heartbreaker
   TOTAL TIME (75:24)

 Over The Hills And Far Away
 
 Dancing Days
 
 The Song Remains The Same
 
 Dazed And Confused
 

[参考]
 詳細情報
  Disc 2
   01. MC
   02. Dazed And Confused
       ⇒ ★15:05-15:44サブソースで補填
   03. Stairway To Heaven
       ::::

 Having A Party (No Label)
 

UK Tour 1972-1973
 [European Warm-Up Shows]
 Octorber
  27 The Casino,Montreux,SWITERLAND
  28 The Casino,Montreux,SWITERLAND

 [UK Tour]
 November
  25 De Montfort Hall,Leicester,UK
  30 Newcastle City Hall,Newcastle upon Tyne,UK

 December
  01 Newcastle City Hall,Newcastle upon Tyne,UK
  03 Green's Playhouse,Glasgow,UK
  04 Green's Playhouse,Glasgow,UK
  07 Hard Rock,Manchester,UK
  08 Hard Rock,Manchester,UK
  11 Capitol Theatre,Cardiff,UK
  12 Capitol Theatre,Cardiff,UK
  16 Odeon,Birmingham,UK
  17 Odeon,Birmingham,UK
  20 Brighton Dome,Brighton,UK
  22 Alexandra Palace,London,UK
  23 Alexandra Palace,London,UK

 January
  02 Sheffield City Hall,Sheffield,UK
  03 Guild Hall,Preston,UK
      ⇒ [Rescheduled To 30 January]
  04 St George's Hall,Bradford,UK
      ⇒ [Rescheduled To 18 January]
  07 New Theatre Oxford,Oxford,UK
  14 Liverpool Empire Theatre,Liverpool,UK
  15 Trentham Gardens,Stoke-on-Trent,UK
  16 King's Hall,Aberystwyth,UK
  18 St George's Hall,Bradford,UK
  21 Gaumont Theatre,Southampton,UK
  22 Southampton University,Southampton,UK
  25 Music Hall Aberdeen,Aberdeen,UK
  27 Caird Hall,Dundee,UK
  28 King's Theatre,Edinburgh,UK
  30 Guild Hall,Preston,UK

 [European Tour]
 March
  02 K.B. Hallen,Copenhagen,DENMARK
  04 Scandinavium,Gothenburg,SWEDEN
  06 Kungliga tennishallen,Stockholm,SWEDEN
  07 Kungliga tennishallen,Stockholm,SWEDEN
  10 Ekeberghallen,Oslo,NORWAY
  11 Ahoy Rotterdam,Rotterdam,The NETHERLANDS
  12 Vorst Nationaal,Brussels,BELGIUM
  13 Festhalle Frankfurt,Frankfurt,GERMANY
  14 Wiener Messehalle,Nuremberg,GERMANY
  16 Wiener Stadthalle,Vienna,AUSTRIA
  17 Olympiahalle,Munich,GERMANY
  19 Deutschlandhalle,West Berlin,GERMANY
  21 Musikhalle,Hamburg,GERMANY
  22 Grugahalle,Essen,GERMANY
  24 Ortenauhalle,Offenburg,GERMANY
  26 Palais des Sports de Gerland,Lyon,FRANCE
  27 Parc des Expositions,Nancy,FRANCE

 April
  01 Palais Des Sports (Centre Sportif),Saint-Ouen,Paris,FRANCE

[関連記事]
April Fools Day (Gift CDR)
 
Glasgow 1972 2nd Night (No Label)
 
Lyon 1973 (No Label)
 
Alexandra Palace 1972 2nd Night (No Label)
 
Sheffield 1973 (Gift 2CDR)
 
Glasgow 1972 1st Night (No Label)
 
Having A Party (No Label)
 
Nuremberg 1973 (LZSC-314)
 
Vienna 1973 : New 4 Source Matrix (No Label)
 
Stockholm 1973 (Gift CDR)
 
Live In Bradford 1973 (Gift CDR)
 
Offenburg 1973 (No Label)
 
Cardiff 1972 (Gift CDR)
 
Hamburg 1973 (No Label)
 
Lead Poisoning : Live In Vienna 1973 (LZSC-026)
 
Vienna 1973 (No Label)
 
Southampton University 1973:Multitrack Recording (Gift CDR)
 
Offenburg 1973 (No Label)
 


#2022-04-05