ウォーム・アップ・ギグとして1972年10月27日,28日とスイスはモントルーのモントルー・カジノ公演を行った レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)は,11月25日英国レスターはデ・モンフォート・ホール公演を皮切りに,間に約1週間のブレイクを挟み 1973年1月30日プレストンのギルド・ホール公演まで,約 2ヶ月間の英国ツアーを行い,1ヶ月のブレイクを挟んで,3月2日デンマークはコペンハーゲンの K.B.ハレン公演から,4月1日フランスはサントゥアンのスポーツセンター公演まで,約 1ヶ月間の欧州ツアーを行います.

 本商品は 3月2日デンマークはコペンハーゲンの K.B.ハレン公演を皮切りに行われた欧州ツアーから,ツアー終盤に当たる 3月26日フランスはリヨンのパレ・デ・スポーツ公演のオーディエンス録音を収録し 2013年4月にリリースされた 『 Lyon 1973 (No Label) 』 です.

 音像は若干遠く,音も団子状態に近く,低音部を中心に篭っている感や,歪んでいる感があるのは否めませんし,ヴォーカルも聴き取り難い状況で,正直,コアなファンで無いと聴くに堪えない厳しい音質と言わざるを得ません(笑)
 当時,オープニングを飾った ”Rock And Roll” が未収録で,続く ”Over The Hills And Far Away” もカット・インで始まり,”Whole Lotta Love" も途中一部欠落しているのは残念で,上述したように音質にも難ありですが,コアなファンには楽しめる内容かと思います.

 メーカー情報では
 『1973年ヨーロッパ・ツアーの最終地、フランスにおける最初の公演となった3月26日のリヨン公演を収録。
 これまでフランスのラジオ局が放送したとされる、ショウ後半部のエアチェック音源しか存在しなかった公演ですが、今年に入って登場したオーディエンス録音でショウの全貌が明らかとなりました。低音のアドバンテージが強い録音でこもり感は否めませんし、プラントのボーカルが演奏に追いやられ気味なバランスです。とはいえ元々骨太なリズム・セクションが魅力な73年ZEPですので、ジョンジーのベースの迫力で十分に楽しめる音源です。
 残念ながらオープニングRock And Rollは未収録でOver The Hills And Farawayの途中から録音が始まりますが、既にあの凄まじい演奏の迫力が感じられるのが73ヨーロッパならではといえるのではないでしょうか。しかもSince I’ve Been Loving Youのようなジョンジーがキーボードを弾く曲では低音の音圧が弱まり、結果としてプラントの声も聴きやすくなります。そこでプラントが雄叫びを様子からも、この日は彼を含めた全員がトップ・コンディションにあったと思われます。
 この日以降のフランス公演はブッキングのトラブルなどから精彩を欠いた演奏も散見されたのですが、この日は初日ということでそのような様子はまったくうかがえません。
 むしろこの日は別の形で思わぬトラブルがZEPに振りかかってきました。このツアーでは毎晩壮絶な演奏が繰り広げられたDazed And Concusedですが、前半はこの時期ならではの激しい演奏が炸裂しました。San Franciscoセクションに入る前で聴かれるボンゾの激しいドラム・ロールなどはまさしく73ヨーロッパならではのものでしょう。ところが、この後の弓弾きが始まるかと思いきや、そこでなんと演奏が完全に中断してしまいます。しかもここでペイジは会場が騒然とする中で大胆にもギターのチューニングを開始。彼のレスポールに何かトラブルが起きたのだと思われる場面です。しかもチューニングの途中でプラントから場つなぎの展開が始まるというのが微笑ましい対応でした。しかし、この後のZEPはいつもの強靭な演奏に戻り、後半は短めではありますが、やはり73ヨーロッパならではなインプロビゼーションのキャッチボールがペイジやボンゾの間で繰り広げられます。
 しかし、この日のトラブルはこれだけに収まりません。今度はStairway To Heavenをいつもの流れで始めるのですが、演奏が進んで中間部、そこから演奏が盛り上がり始める!というところでこともあろうにボンゾ以外の音が出なくなってしまいます。当然ここでも演奏は中断の憂き目となった訳ですが、1973年ともなればアメリカやイギリスでのZEPのステージではまず起こり得ない事態。しかもそれがStairway To Heavenに降りかかったのだから驚きです。このような事態がアメリカで起きたら暴動になりかねません。しかし電力が戻り、ZEPは何と中断したところから演奏を再開させるからまた驚き。今まで聴くことが出来なかった部分でこれほどのハプニングが起きていたとは。
 そして終盤にもなると演奏のバランスも良くなり、それまでよりかなり聴きやすいコンディションとなります。ただしWhole Lotta Love Medleyの際にはカットが入るなど、この録音は全体的に通してZEPマニア向けな音源と言えるかもしれません。しかし今回のリリースに当たって全体的に低かったピッチの補正はもちろん、ショウ序盤における低めな音量と音源全体の入力レベルの調整、さらには中盤以降で頻発した曲が変わる際のギャップを取り払うなど、細心の注意を払って音源を調整してあります。ZEPの新音源ということで既に聴かれた方も居るかと思いますが、元の状態を知っているかたであれば、俄然聴きやすい状態に変化していてCD化されたことに驚かれること間違いなし。そしてなによりもStairway To Heavenでのありえないハプニング、これは全ZEPファン必聴だと断言します!3枚組プレスCDでリリース決定です。

 ★beatleg誌 vol.156(2013年7月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
 1973年3月26日、フランスのリヨン公演を収録している。
 フランスのシャトネ=マラブリー公演と同じく2013年3月に公開されたもので、それまでネット上で部分的に出回っていたものとは異なるオーディエンス音源である。それとの違いについては特集記事の方を参照いただくとして、ここに収録されている「I Can't Quit You Baby」以降以外の曲が初登場となるテイクであり、もはやツェッペリンのライヴ音源は大半が初登場というだけで充分に受け入れられてしまうのだろう。
 間違いなくオープニング・ナンバーだったと思われる「Rock And Roll」は未収録で、「Over The Hills And Far Away」の途中からカット・インでの収録となっている。「The Rain Song」が終わったところでリール・チェンジが入るが、その部分は曲の途中ではないのでナーバスになる必要はないだろう。「Dazed And Confused」の途中で弓弾きソロが始まるかと思いきや、ジミー・ペイジはまるで曲の途中ではないかの如く、堂々とチューニングを行っているのが恐ろしい。
 続く「Stairway To Heaven」は、おそらくPAのトラブルかと思われるが、前半のスロー・セクションが終わろうとするところで音が全て消えてしまい、演奏を再開するまで2分17秒もの空白(トラック・タイム6分05秒から8分21秒)が生まれている。つまり、異例中の異例となる途中で分断された「Stairway To Heaven」が生々しく記録されているのである。
 「Everybody Needs Somebody To Love」は妙にテンポが速く、しかもサビは歌われずに終わってしまうという珍しい展開も聴ける。「Let's Have A Party」が始まったところでリール・チェンジが入るため、トラック・タイム11分39秒に若干の欠落部が生じている。音質はこれまで出回っていたソースよりは良く感じられるが、それでもなかなか苦しいものなので、マニア向けの範疇であることは否めない。しかし、元ファイルで生じているノイズや音圧等の細かな瑕疵と微妙に低いピッチが、ここで修正されていることはコアなマニアにとってはポイントだろう。プレス盤。』

Lyon 1973 (No Label)
 
 Live At Palais de Sports, Lyon, France 26th March 1973

  Disc 1
   1. Over The Hills And Far Away
   2. Black Dog
   3. Misty Mountain Hop
   4. Since I've Been Loving You
   5. Dancing Days
   6. Bron-Yr-Aur Stomp
   7. The Song Remains The Same
   8. The Rain Song
   TOTAL TIME (51:20)

  Disc 2
   1. MC
   2. Dazed And Confused
   3. Stairway To Heaven
   TOTAL TIME (45:39)

  Disc 3
   1. MC
   2. Whole Lotta Love
   3. Heartbreaker
   TOTAL TIME (36:44)

 Misty Mountain Hop
 
 Dancing Days
 
 Dazed And Confused
 
 Whole Lotta Love
 

[参考]
UK Tour 1972-1973
 [European Warm-Up Shows]
 Octorber
  27 The Casino,Montreux,SWITERLAND
  28 The Casino,Montreux,SWITERLAND

 [UK Tour]
 November
  25 De Montfort Hall,Leicester,UK
  30 Newcastle City Hall,Newcastle upon Tyne,UK

 December
  01 Newcastle City Hall,Newcastle upon Tyne,UK
  03 Green's Playhouse,Glasgow,UK
  04 Green's Playhouse,Glasgow,UK
  07 Hard Rock,Manchester,UK
  08 Hard Rock,Manchester,UK
  11 Capitol Theatre,Cardiff,UK
  12 Capitol Theatre,Cardiff,UK
  16 Odeon,Birmingham,UK
  17 Odeon,Birmingham,UK
  20 Brighton Dome,Brighton,UK
  22 Alexandra Palace,London,UK
  23 Alexandra Palace,London,UK

 January
  02 Sheffield City Hall,Sheffield,UK
  03 Guild Hall,Preston,UK
      ⇒ [Rescheduled To 30 January]
  04 St George's Hall,Bradford,UK
      ⇒ [Rescheduled To 18 January]
  07 New Theatre Oxford,Oxford,UK
  14 Liverpool Empire Theatre,Liverpool,UK
  15 Trentham Gardens,Stoke-on-Trent,UK
  16 King's Hall,Aberystwyth,UK
  18 St George's Hall,Bradford,UK
  21 Gaumont Theatre,Southampton,UK
  22 Southampton University,Southampton,UK
  25 Music Hall Aberdeen,Aberdeen,UK
  27 Caird Hall,Dundee,UK
  28 King's Theatre,Edinburgh,UK
  30 Guild Hall,Preston,UK

 [European Tour]
 March
  02 K.B. Hallen,Copenhagen,DENMARK
  04 Scandinavium,Gothenburg,SWEDEN
  06 Kungliga tennishallen,Stockholm,SWEDEN
  07 Kungliga tennishallen,Stockholm,SWEDEN
  10 Ekeberghallen,Oslo,NORWAY
  11 Ahoy Rotterdam,Rotterdam,The NETHERLANDS
  12 Vorst Nationaal,Brussels,BELGIUM
  13 Festhalle Frankfurt,Frankfurt,GERMANY
  14 Wiener Messehalle,Nuremberg,GERMANY
  16 Wiener Stadthalle,Vienna,AUSTRIA
  17 Olympiahalle,Munich,GERMANY
  19 Deutschlandhalle,West Berlin,GERMANY
  21 Musikhalle,Hamburg,GERMANY
  22 Grugahalle,Essen,GERMANY
  24 Ortenauhalle,Offenburg,GERMANY
  26 Palais des Sports de Gerland,Lyon,FRANCE
  27 Parc des Expositions,Nancy,FRANCE

 April
  01 Centre Sportif,Saint-Ouen,FRANCE

[関連記事]
Alexandra Palace 1972 2nd Night (No Label)
 
Sheffield 1973 (Gift 2CDR)
 
Having A Party (No Label)
 
Nuremberg 1973 (LZSC-314)
 
Vienna 1973 : New 4 Source Matrix (No Label)
 
Stockholm 1973 (Gift CDR)
 
Glasgow 1972 1st Night (No Label)
 
Offenburg 1973 (No Label)
 
Live In Bradford 1973 (Gift CDR)
 
Cardiff 1972 (Gift CDR)
 
Hamburg 1973 (No Label)
 
Lead Poisoning : Live In Vienna 1973 (LZSC-026)
 
Vienna 1973 (No Label)
 
Southampton University 1973:Multitrack Recording (Gift CDR)
 
Offenburg 1973 (No Label)
 






#2020-11-03 #2013-04