1972年10月27日,28日にスイスはモントルーのカジノ公演をウォーム・アップ・ギグとして,約1ヵ月後の11月30日英国ニューカッスル・アポン・タインのニューカッスル・シティ・ホール公演を皮切りに1973年1月30日プレストンのギルド・ホール公演まで行われた英国内ツアー.
 その後,約 1ヵ月のブレイクを挟んで 3月2日デンマークはコペンハーゲンの K.B.ハレン公演を皮切りに,4月2日のフランスはサントゥアンのスポーツ・パレス公演まで行われた欧州ツアー,そして再度約 1ヵ月のブレイクを挟んで 5月4日米国ジョージア州アトランタのアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアム公演を皮切りに 『 The Song Remains The Same (永遠の詩 -狂熱のライヴ-) 』 が生み出された怒涛の北米ツアーが開始されます.

 本CDは,3月2日から開始された欧州ツアー終盤に当たる 3月24日ドイツはオッフェンブルクのオルテナウハレ公演をオーディエンス収録した 『 Offenburg 1973 (No Label) 』 です.
 元々 2015年9月にリリースされた 『 Offenburg 1973 (No Label) 』(1st プレス) は,リリース告知 2日後に予約完売となり,市場から姿を消して久しい関係もあってか今回の再リリース(2nd プレス)に至ったもの.
 因みに今回の再リリースに当たってはマスタリング自体は変更されていないようですが,1st プレスと差を付ける目的なのかジャケットの色が異なっています. 

 全体を通して,音が定位置では無く(左チャンネルが不良),パンしてしまうのは昔からで,本マスターの他に音源ソースが発掘されていないからしょうが無いのでしょう.
 録音された年代を考慮すれば,相応に良いのですが,1973年は北米ツアーから,かなりの数の SBD(:Soundboard)音源,高音質オーディエンス音源が出回っていますので,音を楽しむ方には本作は厳しいかも知れません.

 しかし,この欧州ツアーは,1ヶ月のブレイクを挟んで 5月4日のジョージア州アトランタのアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアム公演を皮切りに行われる北米ツアーと比較すると,演奏が非常に素晴らしく,数多くの名演を出しているのも事実.
 メーカー情報にも記載されていますが.ジョン・ボーナム(John Henry Bonham)の叩く切れ味の凄まじいドラムに,ジミー・ペイジ(Jimmy Page)のギターが反応し,またそれがバンド全体に派生して,バンドが一つの生き物のように,一体となった,素晴らしい演奏が繰り拡げられる欧州ツアー.
 特に,この日のオッフェンブルク公演も,3月17日のミュンヘン,3月21日のハンブルグ,3月22日のエッセン,3月16日ウィーン公演等とならぶ,あるいはそれ以上の素晴らしい演奏を展開しています.

 "Dazed And Confused" も 30分弱演奏されますが,中弛みしないスリリングな展開で,また "Whole Lotta Love" メドレーも "Cold Sweat" ~ "Everybody Needs Somebody" ~ "Boogie Chillun'" ~ "Baby I Don't Care" ~ "Let's Have A Party" ~ "I Can't Quit You" ~ "Lemon Song" を含んで,27分強中弛み無く演奏されます.

 それにしても,本作(2nd プレス)もリリース告知 3日で 100枚って..流石の人気ですね.
 「 4/5 ★レッド・ツェッペリン「OFFNEBURGH 1973」のナンバー入りシール・ステッカー付きは完売致しました。お問合せ多数の為、急遽20セット(No.101~120)を用意させて頂きました。
 これも間も無く Sold Out になりそうな気配です.

 メーカー情報では
 『ZEPのライブ史における名演の宝庫である1973年ヨーロッパ・ツアーの中でも最高峰の一つ、3月24日のオッフェンバッハ公演の再リリースが決定しました。そもそも聞き応えたっぷりの名演がゴロゴロと転がっている時期ですが、ことオッフェンバッハに関しては一連のサウンドボード録音の流出集中期の後で大きな存在感を放つ良質オーディエンス録音としてマニアから揺るぎない評価を得ています。例のサウンドボード音源はどれも「Dazed And Confused」以降の録音となっており、昨年リリースされた「HAMBURG 1973」などは正にそうした録音をフィーチャー、残りをオーディエンス音源にて補ったアイテムの典型でした。
 そんなサウンドボードでの記録でなくとも、最高のオーディエンス・アルバムとして記録された名音源が今回のオッフェンバッハ。このツアーのオーディエンス録音としては、これまた「VIENNA 1973」をリリース済の3月16日と並んで非常に良好なクオリティを誇ります。16日のウィーンはモノラルでオンな骨太感でしたが、オッフェンバッハはステレオで広がりのある音質が魅力。それ故にアナログLPの時代から現在に至るまで多くのアイテムを生み出してきた名録音な訳であり、この「recorder 1」をメインとしつつ、それでいて随所に「recorder 2」をパッチしたネット上の最長バージョンを元にしたのが2015年にリリースされた「OFFENBURG 1973」でした。「recorder 1」に生じていたいくつかのカットがその編集によって見事に埋められたのはもちろん、同音源におけるジレンマだった「Dazed And Confused」における音像の揺れを補正していたことが大きなポイントかと。

 このバージョンを元にし、さらにプレスCDでのリリースに際して超高域のヒスノイズを抑え、より聞きやすく仕上げたのが「OFFENBURG 1973」。元々1973年ヨーロッパ・ツアーにおける名音源のベスト・バージョンへと昇格した本タイトルは瞬く間にSold Out。改めてオッフェンバッハの人気の高さを思い知らされた次第です。
 Sold Outしてしまったアイテムに再発の声が寄せられることは当然ですが、それと同時に「VIENNA 1973」と同様、こうしたZEP名ライブ音源は常に入手しやすい状況として流通させるべき。実際に先のウィーンや「L.A. FORUM 1971」といったタイトルは再発したことが多くのマニアを喜ばせました。これらと同じようにZEPライブ音源の定番です、ましてや「オッフェンバッハ」という地名を上げただけでもマニアには1973年アノ名演だと通じてしまうほど。そのベスト・バージョンとなればアイテムの安定供給は必須だと言えるでしょう。よって2015年のリリース時にアイテムとして完成されていたこともあり、今回の「OFFENBURG 1973」は新たに手を加える箇所もなく、あくまでストレートな再発となります。

 とにかくオッフェンバッハは本当に演奏が素晴らしい。この後のアメリカ・ツアーと違い、聞いていてはっきりわかるほどナチュラルなテンションの高さ(つまり薬臭くない)は73年ヨーロッパどの公演でも大きな魅力ですが、それ以上にこの日はショーの序盤からペイジとボンゾは絶好調。「Over The Hills And Far Away」のギター・ソロからして二人の阿吽の呼吸が絶妙で、なおかつテンションが超高い。ペイジの織りなすフレーズに対して臨機応変にリズムで応戦するボンゾという構図はもはや芸術の域。ここを聞くだけでも他の日以上に抜きん出た演奏の一日となった理由が分かってもらえるはず。また一曲だけのアコースティック・パート「Bron-Y-Aur Stomp」演奏中では「That’s The Way」のフレーズが盛り込まれる場面からもペイジの余裕が伝わってくるというもの。
 そんな彼らが爆発するのがおなじみ「Dazed And Confused」。ここオッフェンバッハではサンフランシスコ・セクションに到達する前でもペイジとボンゾが一戦交えており、しょっぱなから激アツな演奏。その後のジミヘン「Machine Gun」風の展開は1973年ヨーロッパにおいて定型のバトル・パターンですが、さらにプラントのスキャットも加わった三位一体インプロヴィゼーションのパートでもペイジとボンゾの駆け引きは壮絶。特に前者のギター・プレイの技巧にはあ然とさせられるほど。そして「Whole Lotta Love」の5分辺りでボンゾが炸裂させたアッパーなリズム展開も強烈でした。
 こうした一点の曇りもない彼らの技巧ばかりに聞き入ってしまいがちですが、体調的に問題を抱えていた73年初頭と違い、もはや変わってしまった声質なりに力強い唱法をものにしたプラントの存在感もこの日は大きな役割を果たしています。おかげで激しい演奏の駆け引きだけでなく、ライブ全体の完成度が高いというのもオッフェンバッハの大きな魅力。そして前回のリリースからも早くも三年以上が経過し、本タイトルを探し求めていたマニアも多かったのでは。今度こそ、1973年ヨーロッパ・ツアー稀代の名演のベスト・バージョンをどうぞお見逃しなく!』

Offenburg 1973 (No Label)
 
 Live At Ortenauhalle,Offenburg,GERMANY 24th March 1973

 Disc 1
  1. Intro.
  2. Rock And Roll
  3. Over The Hills And Far Away
  4. Black Dog
  5. Misty Mountain Hop
  6. Since I've Been Loving You
  7. Bron-Y-Aur Stomp
  8. The Song Remains The Same
  9. The Rain Song
  TOTAL TIME (51:24)

 Disc 2
  1. Dazed And Confused
  2. Stairway To Heaven
  3. Whole Lotta Love
  4. Heartbreaker
  TOTAL TIME (75:36)

 ※)1st プレスとマスタリングに変更は無いようなのでサンプル音源は過去のブログ 『 Offenburg 1973 (No Label) 』 を参照して下さい.

[参考]
Offenburg 1973 (No Label)
 

Custard Pie (RSR 3224)
 

Sweet At Night (TDOLZ VOL.040)
 

Not Warm, It's Hot (TDOLZ VOL.97)
 

Custard Pie (001)
 

Cold Sweat ‎(LR-04031)
 

永遠の詩 (狂熱のライブ)
<2018リマスター>(スーパー・デラックス・ボックス・セット)




 1972–1973 Tour Dates
 1972
 ::
 [European Warm-Up Shows]
  October
   27 The Casino,Montreux,SWITZERLAND
   28 The Casino,Montreux,SWITZERLAND

 [1972–1973 United Kingdom Tour]
  November
   30 Newcastle City Hall,Newcastle upon Tyne,UK 

  December
   01 Newcastle City Hall,Newcastle upon Tyne,UK
   03 Green's Playhouse,Glasgow,UK
   04 Green's Playhouse,Glasgow,UK
   07 Hard Rock,Manchester,UK
   08 Hard Rock,Manchester,UK
   11 Capitol Theater,Cardiff,UK
   12 Capitol Theater,Cardiff,UK
   16 Odeon,Birmingham,UK
   17 Odeon,Birmingham,UK
   20 Brighton Dome,Brighton,UK
   22 Alexandra Palace,London,UK
   23 Alexandra Palace,London,UK

 1973
  January
   02 Sheffield City Hall,Sheffield,UK
   03 Guild Hall,Preston,UK
      [Cancelled,Concert Postponed until 30 January]
   04 St George's Hall,Bradford,England
      [Cancelled,Concert Postponed until 18 January]
   07 New Theatre Oxford,Oxford,UK
   14 Liverpool Empire Theatre,Liverpool,UK
   15 Trentham Gardens,Stoke-on-Trent,UK
   16 King's Hall,Aberystwyth,UK
   18 St George's Hall,Bradford,UK
   21 Gaumont Theatre,Southampton,UK
   22 Southampton University,Southampton,UK
   25 Music Hall Aberdeen,Aberdeen,UK
   27 Caird Hall,Dundee,UK
   28 King's Theatre,Edinburgh,UK
   30 Guild Hall,Preston,UK

  March
   02 K.B. Hallen,Copenhagen,DENMARK
   04 Scandinavium,Gothenburg,SWEDEN
   06 Kungliga tennishallen,Stockholm,SWEDEN
   07 Kungliga tennishallen,Stockholm,SWEDEN
   10 Ekeberghallen,Oslo,NORWAY
   11 Ahoy Rotterdam,Rotterdam,NETHERLANDS
   12 Vorst Nationaal,Brussels,BELGIUM
   13 Festhalle Frankfurt,Frankfurt,GERMANY
   14 Wiener Messehalle,Nuremberg,GERMANY
   16 Wiener Stadthalle,Vienna,AUSTRIA
   17 Olympiahalle,Munich,GERMANY
   19 Deutschlandhalle,West Berlin,GERMANY
   21 Musikhalle,Hamburg,GERMANY
   22 Grugahalle,Essen,GERMANY
   24 Ortenauhalle,Offenburg,GERMANY
   26 Palais des Sports de Gerland,Lyon,FRANCE
   27 Parc des Expositions,Nancy,FRANCE

  April
   01 Centre Sportif,Saint-Ouen,FRANCE
   02 Centre Sportif,Saint-Ouen,FRANCE

[関連記事]
Live In Bradford 1973 (Gift CDR)
 
Cardiff 1972 (Gift CDR)
  
Hamburg 1973 (No Label)
 
Vienna 1973 (No Label)
 
Southampton University 1973 (No Label)
 
Offenburg 1973 (No Label)