1970年8月15日米国コネチカット州はニューヘイブンのイェール・ボウル公演を皮切り,9月19日ニューヨークの マディソン・スクエア・ガーデン公演(『 Madison Square Garden 1970 (No Label) 』)で幕を閉じた レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の 1970年夏の北米ツアー.

 そのツアーから約半年振りに行われた 1971年のツアーは,3月5日アイルランドはベルファストのアルスター・ホール公演を皮切りに,3月23日英国はロンドンのマーキー公演まで行われた 春の UKツアー(「 Back To The Clubs Tour 」),その後は,8月15日カナダはブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーのパシフィック・コロシアム公演を皮切りに行われる北米ツアーまでの間は,1回~2回/月程度で単発的にライヴを行う程度でした.
 当然,同時並行で行っていた 『 IV 』 のレコーディング作業が佳境を迎えた時期なので,頻繁にはライヴを行える状況でも無かったはずですね.

 本商品は,1971年11月にリリースされる 『 IV 』 のレコーディングの終了間際か,終了後の,丁度,ツアーとツアーの間に,単発的にライヴを行っている時期の音源で,5月3日デンマークはコペンハーゲンの K.B.ハレン公演のオーディエンス録音を収録した 『 Copenhagen 1971 (No Label) 』 です.
 ファンの方であれば,1971年のコペンハーゲン公演と言えば,”Four Sticks”,”Gallows Pole”,”Misty Mountain Hop” が演奏されたレアな公演と直ぐにピンと来ると思います.

 今回,2010年にリリースされた 『 Stick Out! 』 に収録された音源を元に,マスタリングには定評のある Graf Zeppelinレーベルがリマスターを行っているとの事.
 それにしても,最近は,Graf Zeppelinレーベルによるマスタリングが多いですね.

 音像は若干遠目ではありますが,各パートの出音のバランスも良く,ホール独特の残響音感はあるものの,全体を通して高音質のオーディエンス録音と言えますし,”Four Sticks” 等を聴くことができる公演として,ファンならば必聴の公演日だと思います.
 現時点で市場では珍しくなった本公演日がリリースされるのは嬉しい限りです.

 メーカー情報では
 『歴史的名盤「IV」や稀代の名曲「Stairway To Heaven」が生み出され、さらには伝説の初来日公演が行われるなど非常に華々しい印象のある1971年のZEPですが、実は4月のBBC収録の後、先のアルバムの仕上げが優先されたこともあって夏までの間が大きな空白地帯となっている。
 この時期にもグループは散発的なライブを行っていたのですが、存在する音源が極めて少ない。そんな中で唯一と言える貴重なオーディエンス録音が5月3日のコペンハーゲン。ZEPの新章が始まろうとしている時期、まだリリースどころか完成直前だったアルバム「IV」収録曲の試験投入を行った大胆なステージのドキュメントとして今も昔もマニアに重宝されています。

 そんなテスト段階を物語っていたのが後に「IV」でリリースされることになる「Four Sticks」。この曲がライブで披露されたのは後にも先にもこの時だけ。もう一つの貴重なレパートリーが前作からの「Gallows Pole」。
 今でこそこの曲は同年後半にも何度かステージ披露していたことが判明していますが、「Four Sticks」と同様にライブ演奏されていたという事実が発覚したことは世界中のマニアを驚かせたものです。実際、この日の音源を最初にリリースしたのはこれら二曲だけをA面にまとめたアナログ10インチで、振り返ってみると目玉の曲だけを収めるという商魂たくましいアイテムでした。
 この日の全貌が明らかになったのはCDの時代になってからで、縦長デジパックが懐かしい「POLES AND STICKS」を始めとして多くのアイテムを生み出すことになります。いざ聞いてみればモノラルで音像は遠めながらも思いのほか聞きやすく、例の二曲どころかライブ全体が非常に貴重な内容であったことを思い知らされたのでした。ところがリリースされたアイテムはピッチや編集など、どこかしら問題を抱えたリリースばかり。

 そうした状況にようやく終止符を打ってくれた決定版がGraf Zeppelinの前身によってリリースされた「STICK OUT!」。それ以前のアイテムが抱えていた問題をすべて解消し、リリースされるやいなやコペンハーゲンの決定版としてマニアから高く評価されたタイトルもリリースから早10年以上の歳月が経過、何より入手困難となって久しいアイテムとなっていました。本タイトルが市場から消えてしまったせいで、そもそも71年コペンハーゲン自体を聞いたことがない人も少なくないはず。正に再リリースが待たれていた名盤と呼べるでしょう。
 そこで今週、Graf Zeppelinの肝いりで世界中のマニアが待ち望んだ新世代決定版が限定プレスCDにて遂にリリースされることになりました。とはいっても「STICK OUT!」自体が非常に完成度の高い仕上がりを見せていましたので、今回は音源の完全モノ化から始まるオーバーホール最後の一手を加えるだけに留まっています。
 また前回と比べて高音の抜けがナチュラルに良くなっている点にも違いが生まれており、今回のすっきりとした感触を好まれるマニアも多いのでは。
 そしてピッチの狂いに関しても洗い直し、特にライブ終盤で散見された不安定さも最新技術を駆使して解消。レア曲やレアな場面が続出する場面を今まで以上に落ち着いて聞きこめるようになったのも今回の再リリースにおける重要なポイントかと。

 最初に触れたレア曲についつい目が行きがちなこの日ではありますが、さらにこの日がZEPのライブ記録として非常に重要な点として、ロバートが「IV」収録曲をほぼ完全にアルバム・バージョンのメロディラインで歌いあげてくれているということ。「Black Dog」などは早くも夏の時点で歌詞の終わりの部分のメロディを下げて歌われるようになってしまうのですが、この日はそこも難なく歌ってみせるのが頼もしい。そこにこの日がBBCの収録以来のステージという事も合わさり、ロバートのスクリーミング・ボイスはエンジン全開。「IV」収録曲をアルバム・バージョンとまったく同じ旋律で歌い切った日というのは非常に貴重で、その点でもこの音源が重要な意味を持つのです。
 この時点ではリリース前の新曲であった「Stairway To Heaven」でもロバートが序盤からハイトーンで攻めまくり、エンディングも完全ハイトーンでフィナーレとなる様子は聞いていて鳥肌が立ちそうなほど。この時点で数回ライブ披露していたとはいえ、まだまだ初々しい雰囲気が本当に尊い。ジミーのギターソロもまたしかり。
 そしてライブ終盤は先の「Four Sticks」を皮切りとしたレア・ナンバーのオンパレード。同曲はリズムのカオスとでも呼びたくなるような雰囲気が異色である一方、アルバムとは違ったライブ用のアレンジが練り切れていない感が否めず、それがこの日だけの披露に終わってしまったのでは。さらにプラントが全編を通してハイトーンで歌い切らなければならない点も仇となったか。
続く「Gallows Pole」はイントロの音色からしてジミーがダブルネックの12弦で弾いていることが明らかですが、これは71年から導入したダブルネックSGを使ったさらなるレパートリーとして試したのでしょう。ところがこちらもアレンジが練り切れてないのが明白な演奏で、前の曲よりは弾きやすい、あるいは歌いやすい曲調であったことから後のUKツアーで再度のトライが試みられたのだと思われます。
 そして攻めまくったセットリストの一日に相応しく、締めくくりもリリース前の「IV」収録曲が立て続けに披露。まだ「Rock And Roll」はBBCの前からステージで試されていましたが、何と言っても「Misty Mountain Hop」の71年リアルタイム・ライブ演奏はこの日だけ。こちらは後の扱いからも解るようにライブ向けなレパートリーだった訳ですが、ここではいかにもライブ初演らしくロバートが歌のタイミングを見失いがちで、それが71年はこの日だけの披露に終わった理由なのかもしれません。しかも今回はテープのヨレが解消されてさらに聞きやすくなりました。
 それでもなおロバートは最後までハイトーンで歌い通しており、これまた非常に貴重なライブバージョンとなっています。それに音像自体は距離感がありながら、彼の歌声に関しては大きなバランスで捉えてくれており、彼のスクリームが会場に響き渡る様があまりに生々しい。これもまた本音源の大きな魅力。ZEPの歴史においてもこれほどまでにリリース前の新曲を立て続けに披露した日というのは非常に珍しく、なおかつ非常に聞きやすい状態で記録されていたのは奇跡でしょう。それ故にマニアから愛された日の新たな決定版がGraf Zeppelin自身によって刷新されました!

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REMASTERED BY GRAF ZEPPELIN
(リマスター・メモ)

 ★既発は 「STICK OUT!」 
 前回盤と同様トレーダー間に流通するMono Aud MasterからのCD化。
 但し枝葉違いで音源は複数存在するため、今回は高域の出ているバージョンからのCD化。
波形の見た目は前回盤よりも間違いなく良いです(中心軸に対してキチンと対象である)。

 ★ピッチ修正のうえ、完全モノ化。
 ピッチは、チューニングの狂いが大きく、判然としませんが、前回盤では若干低かったと判断し補正。

 ★今回は鮮度を重視しヒスリダクション等掛けてません。
----------------------------------------』

Copenhagen 1971 (No Label)
 
 Live At K.B. Hallen,Copenhagen,Denmark 03rd May 1971
 [UPGRADE]

  Disc 1
   01. Introduction
   02. Immigrant Song
   03. Heartbreaker
   04. Since I've Been Loving You
   05. Dazed And Confused
   06. Black Dog
   07. Stairway To Heaven
   08. Going To California
   09. That's The Way
   TOTAL TIME (65:33)

  Disc 2
   01. MC
   02. What Is And What Should Never Be
   03. Four Sticks
   04. Gallows Pole
   05. Whole Lotta Love
   06. Communication Breakdown
   07. Misty Mountain Hop
   08. Rock And Roll
   TOTAL TIME (56:28)

 Immigrant Song
 
 Four Sticks
 
 Communication Breakdown
 
 Misty Mountain Hop
 
 
[参考]
  Stick Out!
 

1971 Tour Dates
 March
    [UK Tour / Spring]
  05 Ulster Hall,Belfast,UK
  06 National Boxing Stadium,Dublin,UK
  09 Leeds University,Leeds,UK
  10 Kent University Rutherford College,Canterbury,UK
  11 Southampton University (The Old Refectory Student Union Building),Southampton,UK
  13 Bath Pavillion,Bath,UK
  14 Trentham Gardens,Stoke-on-Trent,UK
  18 Mayfair Ballroom,Newcastle,UK
  19 Manchester University,Manchester,UK
  20 The Belfry,Sutton Coldfield,UK
  21 Boat Club,Nottingham,UK
  23 Marquee,London,UK

 April
  01 Paris Cinema Theatre,London,UK

 May
    [European Tour / Spring]
  03 K.B. Hallen,Copenhagen,DENMARK
  04 Fyens Forum,Odense,DENMARK
  10 Liverpool University,Liverpool,UK

 July
  05 Vigorelli Velodrome,Milan,ITALY

 August
  07 Montreux Casino,Montreux,SWITZERLAND
  08 Montreux Casino,Montreux,SWITZERLAND

    [North American Tour]
  19 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  21 The Forum,Inglewood,CA,USA
  22 The Forum,Inglewood,CA,USA
  23 Tarrant County Convention Center,Fort Worth,TX,USA
  24 Memorial Auditorium (Dallas),Dallas,TX,USA
  26 Sam Houston Coliseum,Houston,TX,USA
  27 Convention Arena (Municipal Aud),San Antonio,TX,USA
  29 Municipal Auditorium (LA),New Orleans,LA,USA
  31 Sports Stadium,Orlando,FL,USA

 September
  01 Hollywood Sportatorium,Pembroke Pines,FL,USA
  03 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  04 Maple Leaf Gardens,Toronto,ON,CANADA
  05 Chicago International Amphitheatre,Chicago,IL,USA
  07 Boston Garden,Boston,MA,USA
  09 Hampton Roads Coliseum,Hampton,VA,USA
  10 Onondaga War Memorial,Syracuse,NY,USA
  11 War Memorial Auditorium,Rochester,NY,USA
  12 Community Theatre,Berkeley,CA,USA
  14 Community Theatre,Berkeley,CA,USA
  16 Civic Auditorium (Honolulu),Honolulu,HI,USA
  17 Civic Auditorium (Honolulu),Honolulu,HI,USA

    [Japan Tour]
  23 Budokan Hall,Tokyo,JAPAN
  24 Budokan Hall,Tokyo,JAPAN
  27 Municipal Gymnasium,Hiroshima,JAPAN
  28 Festival Hall,Osaka,JAPAN
  29 Festival Hall,Osaka,JAPAN

 November
    [UK Tour / Winter]
  11 Newcastle City Hall,Newcastle upon Tyne,UK
  12 Sunderland,Locarno Ballroom,UK
  13 Caird Hall,Dundee,UK
  16 St. Mathew's Baths,Ipswich,UK
  17 Kinetic Circus,Birmingham,UK
  18 Sheffield University,Sheffield,UK
  20 Empire Pool (Electric Magic Show), London,UK
  21 Empire Pool (Electric Magic Show), London,UK
  23 Preston Public Hall,Preston,UK
  24 Free Trade Hall,Manchester,UK
  25 Leicester University,Leicester,UK
  29 Liverpool Stadium,Liverpool,UK
  30 Kings Hall (Belle Vue),Manchester,UK

 December
  02 Royal Ballroom,Bournemouth,UK
  09 Lacarno Ballroom,Coventry,UK
  15 City Hall,Salisbury,UK
 







 
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#2022-03-29