前の記事

 

 

 

 

冒険ガイド 虹色の枝の手がかりを求めて新たな土地を冒険しよう。
 

グロッタの町


シルビア:ついに 来たわね!
屈強な男たちが集まる町 グロッタ!

カミュ:チッ! ここでも グレイグが
英雄扱いされてるってワケか。
まったく むなくそ悪いぜ。
グレイグ像 DQ11
バニーガール:ハ~イ カッコイイ お兄さんたち。
格闘大会には 興味が おありかなっ?
今度 仮面武闘会っていう
すっごい大会が 開かれちゃうの。
ウデに自信があるなら 参加してみてね~。

カミュ:なになに……。血わき肉おどる タッグマッチ
仮面武闘会開催の お知らせ。
優勝者には 豪華賞品を贈呈! か……。

ベロニカ:てっきり 踊るほうの 舞踏会かと思ったけど
戦うほうの 武闘会なのね。
でも 仮面って なんのことかしら。

セーニャ:屋上にある コロシアムでやると
書かれてあります……
あの建物の頂上に あるのでしょうか。
 



ベロニカ:あっ 主人公! あれ 見て!
あれって 虹色の枝じゃない!?

ベロニカ:サマディーの王さまが 行商人に売った
虹色の枝が めぐりめぐって
この大会の優勝賞品に なってたのね。

セーニャ:ということは お姉さま。
あの枝が手に入れば 大樹への道が……。
そうね! 絶対 優勝するしかないわ!
この仮面武闘会に参加して なんとしてでも
虹色の枝を 勝ち取りましょ!
 



受付:ようこそ いらっしゃいました 旅の方。
手に汗握る 仮面武闘会に参加するなら
こちらで 受け付けておりますよ。
仮面武闘会とは 仮面をつけた闘士たちが
タッグを組んで戦う 格闘大会のことです。
誰とタッグを組むかは 抽選で決まります。
パートナーが 誰になるか
わからないなんて 面白いでしょう?
これが グロッタ名物 仮面武闘会なのです!
今年は 優勝賞品も 超豪華!
町長じきじき あるスジから高値で手に入れた
最高級の逸品……虹色の枝を差しあげます!
見たところ お客さまも
ずいぶん ウデに自信がある ご様子……。
ぜひ 仮面武闘会に ご参加ください!

受付:おお! それでは こちらをどうぞ。
試合の時に身につける 仮面と
パートナー選びに必要となる 抽選番号です。

主人公は 参加者資格である 仮面と
11と書かれた抽選番号を手に入れた!


受付:これより パートナー選びの
大抽選会が始まります。心の準備ができたら
3階の闘技場に向かってください。
闘技場は この受け付けの裏にある
エレベーターから行けますからね。
では がんばってください……ご武運を!
 


 

グロッタの町


司会:レディース アンド ジェントルメン!
今年も ホットな季節が やってきたぞ!
準備はいいか!? 今こそ 戦いの時!
この戦いの聖地 グロッタ闘技場で
今年は どんな名勝負が生まれるのか!?
グロッタ名物 仮面武闘会 いよいよ開催です!
それでは さっそく……皆さま お待ちかね!
誰が パートナーになるか ハラハラドキドキ!
運命の 大抽選会を 行います!
私が この箱から ボールをふたつ取りだし
数字を読みあげます! 呼ばれた その2名が
晴れて パートナーとなります!
仮面武闘会は 2対2で戦う タッグマッチ!
選ばれたパートナーと チカラを合わせ
優勝を 勝ち取ってください!
それでは 始めます!

司会:番号11! おーっと 最初に選ばれたのは
初参加の 11番の方でした!
さあ 11番の方 ステージにどうぞ!

司会:さあさあ 誰だ 誰だ!
11番のパートナーは 誰になるのか!?
8番! 8番が選ばれました!
それでは 番号8の方 ステージにどうぞ!

マルティナ:よろしくね。

ロウ:ちょっと 待ったぁ!!


ロウ:どこのウマのホネかも わからんヤツに
姫の相棒など まかせられん。
この抽選は 取りやめてもらおう。

司会:し……しかし そう言われましても
これは 規則ですので……。

司会:えっ!!
ただ今 聞いてまいります!

司会:と……特別招待枠として 8番の選手は
この ご老人のパートナーに決定いたしました!
11番のパートナーは 選びなおしとなります!

出場者:おい! いったい どういうことだ!
きたねえぞ! 公平に やりやがれ!

司会:ど……どうか お静かに!
こちらは 決定事項ですので
もう くつがえることはありません!
そ…それではっ
11番のパートナーを選びなおします!
7番! 7番の方 ステージにどうぞ!

ハンフリー:やあ オレみたいだな。

ガレムソン:ハンフリーだと……?

司会:な…なんと 前大会のチャンピオンである
ハンフリー選手が 11番の選手の
パートナーと なりました!

ハンフリー:やあ よろしく。一緒に がんばろうな。

抽選は その後も続き 司会が読みあげる数字に
ある者は よろこび ある者は なげき
会場は 熱気に包まれたまま 抽選は終わった。


司会:以上をもちまして 抽選会は終了です!
選手の皆さんは パートナーの方と協力し
優勝を目指して がんばってください!
 



セーニャ:聞きましたわ 主人公さま。
パートナーが 前大会のチャンピオンとは
ツイていましたわね。
でも 私は 主人公さまなら
おひとりでも優勝できると 思ってますわ。
ねっ お姉さま……
あら? さっきまで ご一緒でしたのに……。
外が 騒がしいですね。
なんだか イヤな予感がします……。
 


 


ベロニカ:ちょっと! どこ見て 歩いてんのよ!

ガレムソン:ったく うるせえガキだな。
てめえがチビなのが いけねえんだろ!

ベロニカ:ハァ!? なに言ってんの この筋肉ダルマ!
そっちから ぶつかってきたんでしょ!
ゴメンのひとつも 言えないの!?

ガレムソン:チっ! クチの減らねえガキだ!
オレは 抽選会が 最悪の結果に終わって
むしゃくしゃしてるんだよ!

ハンフリー:いい大人が 八つ当たりとはな。
見苦しいぜ ガレムソン。

ガレムソン:ああん!? 誰だ!?
チャ…チャンピオン……。

ハンフリー:抽選の結果が 望ましくなかったからといって
子供に あたるなんて みっともないぜ。
パートナーが誰であろうと
闘士なら 全力で戦うのみ……だろ?

ガレムソン:あ……ああ そうだな。
チャンピオンの あんたが そう言うなら……。
へへっ。悪かったな お嬢ちゃん。
それじゃ オレは このへんで……。

セーニャ:お姉さま! おケガは ないですか!?

ハンフリー:よお 相棒。
このコ あんたの知り合いだったんだな。
この通り お嬢ちゃんは 無傷だ。
何事もなくて よかったよ。
それじゃ 子供たちが ハラをすかせて
待ってるんで これで失礼するよ。
明日から始まる武闘会 絶対に優勝しような!

ハンフリー:そうそう! 明日の試合前には
宿屋まで迎えにいくから ちゃんと寝て
しっかり 体調をととのえるんだぜ!
 


 

ハンフリー ドラクエ11
ハンフリー:おはよう 主人公!
今日は 予選試合だ!
さっそく 闘技場に行こうぜ!
 


 

グロッタ闘技場


司会:お待たせいたしました!
ただ今より 予選第1試合を 行います!
ハンフリー・主人公チーム!
ガレムソン・ベロリンマンチーム!
舞台へ!!

ハンフリー:ほお ガレムソンか。
この間の一件といい つくづく お前とは 縁が あるようだ。

ガレムソン:チッ いきなり チャンピオンが相手か。
オレっていうヤツは
どこまでも ツイてないぜ……。
おい 相棒。作戦は わかってんな?
チャンピオンのほうは 後まわしにして
まずは あの兄ちゃんを たたきのめすんだ。
チャンピオンひとりなら まだ勝機はある。
キングスライム級の重量を誇る オレらのケツで
ハンフリーの野郎を 押しつぶしてやろうぜ!

ベロリンマン:ベロッ ベロッ ベロロ~ッ。
大会に優勝したら 女子にモテるベロン。
だから がんばるベロ~ン。

司会:両チーム 気合い十分!
準備も ととのったようです!
それでは 予選第1試合……
はじめ!!

司会:そこまで!! 勝者!!
ハンフリー・主人公チーム!!

ハンフリー:やるじゃないか 主人公!
思った以上の強さだな!
あそこまで戦えるとは 思わなかったぞ!
 



ハンフリー:次の試合が 始まったみたいだな。

観客:おお すごいぞ! あの女武闘家!

カミュ:くそっ! 脚が見えねえ!
こいつ なにもんなんだ!?

カミュ:チッ! あのジジイ 余裕かましやがって!

マルティナ:スキだらけよ 坊や。

司会:そこまで!! 勝者!!
ロウ・マルティナチーム!!

男性:こいつは たまげた……。
あの姉ちゃん 相当できるぜ……。

男性:なあ ハンフリー。
さすがの あんたも
うかうかしてられねえんじゃねえか?

ハンフリー:ああ そうだな……。

その後も 主人公とハンフリーは
あぶなげなく 予選を勝ち進み
ついに 決勝トーナメントへと進んだ!
 



司会:予選を突破し 決勝トーナメントに
勝ちあがったのは このチームです!
ハンフリー・主人公チームが
このまま 勝ち進み
チャンピオンの座を 防衛するのか!
それとも 華麗な足わざで
他を圧倒した 今大会のダークホース
ロウ・マルティナチームが 阻止するのか!
果たして 優勝の栄冠を勝ち取るのは
どのチームなのか!? それでは 皆さま!
決勝トーナメントを お楽しみに!

ハンフリー:あんたと組めたのは ラッキーだったぜ。
おかげで 今回も 優勝できそうだ。
それじゃ オレは これで失礼するぜ。
孤児院で 子供たちが待ってるんでな。
 



ベロニカ:ちょっと アンタ 何やってんのよ!
あんな女に 負けちゃってさ!
予選落ちなんて 見損なったわ!

カミュ:待て待て! 相手が強すぎたんだ!
あの女 タダモンじゃなかったぞ!

ベロカミュ DQ11
ベロニカ:ふ~ん。そんなこと 言っちゃってさ。
ホントは 見とれてたんじゃないの?
あの人 すごいセクシーだったし……。

セーニャ:お姉さま……! あの方たち……!

ロウ:すまんのう おぬしたち。
ちょいと 道を開けてくれんか?

ベロニカ:あっ! ごめんね おじいちゃん!

ロウ:姫よ。では 行くとしよう。

マルティナ:ハンフリーに 気をつけなさい。
主マル DQ11
ベロニカ:ハンフリーに 気をつけなさいって
いったい どういうこと?

セーニャ:もしかして 今 この町で話題になってる
行方不明事件のことでしょうか……。
今 グロッタでは 大会に参加している闘士が
次々と 姿を消す事件が起きているそうです。
もし ハンフリーさんの身に何かあったら……。

カミュ:行方不明事件なんて はじめて聞いたぜ。
やっかいなことが 起きなきゃいいが……。
主人公。お前は パートナーの
ハンフリーのとこへ行って
ちょっと 話を聞いてみてくれ。
 


 

グロッタの町・孤児院


ハンフリー:おおっ!? なんだ あんただったのか。
悪いヤツに つきまとわれてるかと思ったぜ。
最近 行方不明事件とかあって ぶっそうだろ?
ちょっと ピリピリしてたんだ。
おどろかせて すまなかったな。
まあ 立ち話もなんだし
中に入ってくれ。

男の子:おかえり ハンフリー兄ちゃん!

ハンフリー:お前たち いい子にしてたか。

男の子:その人 だーれ?

ハンフリー:この人は 大事な お客さんだからな。
ジャマしないで いい子にしてるんだぞ。

ハンフリー:ここは オレが生まれ育った孤児院でな。
武闘会で かせいだ 賞金をやりくりして
なんとか やっているんだ。
オレは 武闘会で勝って 勝って
勝ち続けて……賞金を かせがないといけない。
あいつらの笑顔が オレのすべてだからな。
まあ ウデの立つあんたが いることだし
今回も 優勝は 間違いないだろう。
ははは! 頼りにしてるぞ 相棒!

主人公も その後も
ハンフリーの とりとめのない話に
耳をかたむけた。


ハンフリー:ありゃあ……。もう こんな時間か。
すまん すまん。
すっかり 話し込んじまったな。
ところで 主人公。
お前 オレに 用があって来たんじゃ……

ハンフリー:今 オレの部屋のほうで
物音がしたような……。

ハンフリー:間違いない!
オレの部屋に 誰か いやがる!
 


 

ハンフリーの部屋


ハンフリー:くそっ! 賊に入られたか!
賊めっ! オレの大事な孤児院に
盗みに入るとは いい度胸してやがる!
大会が終わったら とっちめてやるからな!

ハンフリー:とにかく 今は 明日の試合に集中しよう。
……そうだ 主人公。今日は遅いし
うちに 泊まっていったらどうだ?

ハンフリー:明日の朝になったら 起こしてやるよ。
決勝トーナメントに そなえて
ゆっくり 身体を 休めておくとしよう。

ハンフリー:起きろ……起きろ 主人公!
今日から 本戦だぞ!
よーし 起きたな!
さっそく 闘技場に向かおうぜ!
 


 

グロッタ闘技場


司会:さあ 始まりました!
仮面武闘会 決勝トーナメント!
栄えある 最初の試合は……
優勝候補の筆頭……
ハンフリー・主人公チームと……
グロッタが誇る お色気美人コンビ!
ビビアン・サイデリアチームとの戦いだ!

ビビアン:ビビアンでーす

サイデリア:サイデリアでーす

観客:うおおおおおおおーーーーー!!
いいよーーー!! ビビアンちゃーーーん!!
サイデリアちゃーーーん!!

司会:お色気美人コンビの登場に
会場は 大いに盛り上がっております!
私のテンションも 最高潮です!
両雄 並び立たず!!
果たして 勝つのは どちらなのか!?

ハンフリー:主人公。色香に 惑わされるなよ。
決勝トーナメントまで 勝ちあがった相手だ。
本気で いくぞ。

司会:それでは 決勝トーナメント第1試合……
はじめ!!
 



司会:そこまで!! 勝者!!
ハンフリー・主人公チーム!!
 



司会:いよいよ 大会も大詰め!
準決勝 第1試合を始めます!
まずは 優勝候補の筆頭……
ハンフリー・主人公チーム!

司会:対戦チームは……これまた 異色のコンビ!
まさか ここまで勝ちあがるとは
誰が 予想できたでしょう!
レディ・マッシブ アーンド
マスク・ザ・ハンサムチームーーー!

レディ・マッシブ:おーっほっほ!! アタシなら ここよ!!

レディ・マッシブ:ふふ~ん! 主人公ちゃん!
やっぱり 勝ちのこると思ってたわよ!
今こそ このシルビ……
い…いや このレディ・マッシブと
どちらが上か 白黒つけようじゃない!

ハンフリー:おっ? なんだ 主人公。
今度の対戦相手は お前の知り合いなのか?

レディ・マッシブ:おほほほほ! 知り合いじゃないわよ!
まったくもって 知り合いじゃないわ!


レディ・マッシブ:だって アタシの名は レディ・マッシブ!
そして こっちが マスク・ザ・ハンサム!

ハンフリー:やれやれ にぎやかな人たちだな……。

レディ・マッシブ:ともかく! やるからには 真剣勝負!
手は抜かないから 覚悟しなさい!

ハンフリー:ふっ 無論だ。手など抜かないさ。

ハンフリーは 小さいビンを取りだすと
中身を 一気に飲み干した!


ハンフリー:ああ 気にしないでくれ。
試合前に こいつを飲むと 調子がいいんだ。
さあ 行くぞ! 主人公!

司会:それでは 準決勝 第1試合……
はじめ!!

司会:そこまで!! 勝者!!
ハンフリー・主人公チーム!!

レディ・マッシブ:こ…この シルビ……いや
レディ・マッシブを 打ち負かすなんて
やるわね 主人公ちゃん……。
でも アナタにだったら 負けて悔いなし!
最高の勝負ができて よかったわ!
アディオス! 主人公ちゃん!

ハンフリー:なんだったんだ あの人は……。
 



司会:皆さま お待たせいたしました!
いよいよ 仮面武闘会 決勝戦!
勝ちあがったのは この2チームです!
ハンフリー・主人公チーム!
舞台に お上がりください!

司会:優勝候補の筆頭! 堂々とした歩きぶりです!
まさしく 王者のカンロク! このまま
チャンピオンの座を守りきれるのでしょうか!?
ロウ・マルティナチーム!
舞台に お上がりください!

司会:あまり動かない老人と 豪脚一閃の女闘士!
すべてが謎に包まれた 異色のコンビは
果たして 新チャンピオンと なれるのか!?

ハンフリー:オレも 格闘家のはしくれだ。
こいつらの強さを ひしひしと感じるぜ……。
主人公。気を抜くなよ。

ハンフリーは 小さいビンを取りだすと
中身を 一気に飲み干した!


ロウ:……姫よ 見たかね?

マルティナ:はい。間違いないかと。

ハンフリー:さあ 主人公!
勝てば 優勝だ! 全力で いくぞ!

ロウ:さて お手並み拝見じゃな。

司会:それでは 仮面武闘会 決勝戦……
はじめ!!

マルティナ:ロウさま!!

マルティナ:そ……そのアザは!

ロウ:な…なんということじゃ……。
おぬしは まさか……。

ハンフリー:スキあり!!

ハンフリー:どこ見てんだ!
試合中だぜ! お嬢さん!

ハンフリー:主人公! 今だ!

司会:しょ……勝負あり!!
勝者!!
ハンフリー・主人公チーム!!

司会:優勝は このチームに決定しました!
これより 表彰式を始めます!

ハンフリー:やったな 主人公!
ついに 優勝したぞ!
今回は どの対戦相手も 手強かった。
もし お前が いなかったら
優勝することは できなかっただろう。
優勝賞品は 虹色の枝という貴重な物らしい。
売れば 結構な金に なるだろうからな
そいつを ふたりで山分けしよ……
うっ……………!!
 



受付:主人公さま 優勝おめでとうございます!
しかし 表彰式の途中で ハンフリーさんが
倒れてしまうとは 災難でしたね……。
ハンフリーさんの容態ですが
命に別状なし……ということだそうです。
おそらく 試合の疲れが出たんでしょうな。
本日 行われるはずだった 表彰式の継ぐ気は
ハンフリーさんの 様子を見て
後日 行われることになりました。
主人公さまには 申し訳ありませんが
こちらで 宿屋に部屋をお取りしましたので
今晩は そこで お休みくださいませ。
 


 

​​​​​​グロッタ宿屋


ロウ:ロウじゃよ。
おぬしに 用があって来たんじゃ。
開けては もらえぬか?

ロウ:ふむ。おぬし ひとりだけか。
すまんが 仲間を呼んでくれんか。
おぬしらに 話があるんじゃ。

ロウ:仮面武闘会で わしのパートナーであった
マルティナ姫が 行方不明になってしまってな。
町中 どこを探しても 見つからんのじゃ。
おそらく 何か事件に巻き込まれたんじゃろう。
そこで 相談なんじゃが……
おぬしら 姫を探すのに 協力してくれぬか?

ロウ:ふむ 恩に着るぞ。大会優勝者のおぬしと
その仲間たちが いれば 百人力じゃ。
必ずや 姫を見つけられるじゃろう。
マルティナ姫が 消息を絶ったのは
ハンフリーの孤児院の近くじゃ。
まずは そこに行ってみるとしよう。
 

 


 

​​​​​​グロッタ地下遺構


ハンフリー:アラクラトロさま!
新しい獲物を 連れてきました!

アラクラトロ:シュルルルル……。
今日の獲物は そやつか……。
ほほう……。これは 極上の女戦士だな。
そやつのエキスも しぼりだしてやろう。
ハンフリーよ。我に 差しだすのだ。

ハンフリー:はっ!
マルティナ ドラクエ11
マルティナ:ふっ 姿を現したわね 黒幕。
わざと 捕まったかいが あったわ。
16年前に 町を襲った魔物の群れは
グレイグによって 倒されたと聞いていたけれど
生き残りが こんな所に いたなんて……。

ロウ:ふむ 姫よ。
ごくろうであったな。
ハンフリーよ。すまんが
おぬしの部屋を 調べさせてもらった。
決勝戦の直前で おぬしが飲んでいたもの……。
あれこそが 闘士たちから
しぼりだされたエキスだったのじゃな。

ハンフリー:そうか……。オレの部屋に侵入したのは
あんたらだったのか……。

アラクラトロ:シュルルルル……。その通りだ 人間よ。
16年前 我は 憎きグレイグによって
キズを受けた……。そのキズを 癒やすための
エキスを集めるために この男を利用したのだ。
強い人間のエキスを飲めば 我がキズは治る。
そのエキスを 人間が飲めば
無敵の身体になれる。
その誘いに この男は乗ったのだ……。

ハンフリー:勝ち進んで 金を手に入れるためには
強者のエキスが 必要だったんだ。
孤児院を守るためなら なんだってするぜ。
すまない! この秘密を 知られたからには
お前たちを 生かしておくワケにはいかん!

ハンフリー:くそっ……。こんな時に……。

ロウ:やれやれ……。おろか者め……。
自分の身体のことも わからぬとはな。
おぬしの身体は あのエキスのせいで
すでに ボロボロじゃ。そうして
立っていられるだけでも 奇跡といえよう。

ハンフリー:ふふ……。情けないな。
これも 魔物のチカラに頼った報いか……。

アラクラトロ:シュルルルル……。
これ以上は 使い物にならんか。
しょせんは 軟弱な人間よ……。
ならば このアラクラトロさまが
直々に 貴様らを始末してくれるわ。

マルティナ:私は みんなを救出する!
魔物のほうは あなたたちに まかせたわ!

<アラクラトロを やっつけた!>
 



カミュ:これで一件落着だな……。

ハンフリー:仕方なかったんだ……。
オレのような 三流闘士の かせぎでは
子供たちを養うことが できなかった……。
ここは 孤児院の真下に当たる場所でな。
ある日 金が底をつき アタマを悩ませていると
アラクラトロの声が 聞こえてきたんだ。
チカラが 欲しくないか……?
欲しかったら 我のもとに来いと……。
仮面武闘会で 賞金を かせぐために
オレは チカラを 手に入れることにした。
ヤツの道具になる道を 選んだ……。
ろくでもない契約なのは わかっていた。
だけど オレの育った場所……孤児院と
子供たちを守るためには こうするしか……。

ロウ:その決意を まっとうな努力に向けず
魔物の甘言に乗ったのは おぬしの弱さ……。
しかし まだ やり直せるはずじゃ。
わしは ここの町長に ツテがあってのう。
孤児院については 悪いようにはせん。
なんとか手を打つよう はたらきかけてやる。
だから 安心して 人生をやり直すがよい。

ハンフリー:すまない……。本当に すまなかった……。

こうして グロッタの行方不明事件は解決し
主人公たちは 宿屋で ひと晩を明かした。

 


 

​​​​​​グロッタ宿屋


シルビア:主人公 起きて……。
ねえ 起きて……。
起きてったら!

シルビア:主人公ちゅわ~~ん!

カミュ:よお 主人公。
お目覚めのところ すまないが
闘技場に急いだほうが よさそうだ。
おあずけになった 表彰式を
今日 やるんだとよ。
さあ はやく行こうぜ。

シルビア:表彰式 がんばってね 主人公ちゃん!
観客席から 勇姿を見守ってるわ!
 


 

​​​​​​グロッタ闘技場


司会:大いに盛り上がった 仮面武闘会も
いよいよ 終わりの時を迎えました!
それでは 改めて
表彰式を 行います!
ハンフリー・主人公チーム!
どうぞ 舞台へ!

司会:それでは 優勝賞品の……

ハンフリー:ちょっと 待ってくれ!!
本来 表彰式ってのは
場が あったまってる時に やるものだ。
お客さんも これじゃ 盛り上がらない。
そこで 提案だが……
主人公! 優勝賞品をかけて
エキシビジョンマッチを やろうぜ!
どちらが上か 白黒つけようじゃないか!

司会:まさかの エキシビジョンマッチの提案に
会場も 大いに盛り上がっています!
さすがは チャンピオン! 心得ています!

ハンフリー:これで もう 後には引けなくなったな。

ハンフリー:なーんてな……。
もう オレは エキスなんかには頼らない。
正々堂々 勝負するとしよう。
行くぞ 主人公!
勝っても負けても 恨みっこなしだぜ!
 



司会:勝負あり!!
勝者!! 主人公!!

観客:ハンフリー……。なんだか 弱くないか?

観客:いったい どうしちまったんだろう。

ハンフリー:お見事……。エキスを飲まなかったら
オレの実力なんて こんなもんだ。
観客のみんなも わかっただろう。
チャンピオンという名誉を 受け取れるほど
オレは 実力もなければ 立派な人間でもない。
賞品は お前が受け取るほうが ふさわしい。
お前たちのおかげで 格闘家としての良心を
取り戻せたような気がする。
気づかせてくれて ありがとな……

観客:……ハンフリー かっこよかったぞ。

観客:ハンフリー!! 今まで
いい試合を見せてくれて ありがとな!!

観客:あんたは 立派なチャンピオンだったぜ!!

観客:ハンフリー! ハンフリー! ハンフリー!

司会:それでは チャンピオンである
主人公さんに 優勝賞品である
虹色の枝の贈呈を……

係員:た……大変です!!
虹色の枝が 盗まれてしまいました!
虹色の枝があった場所には
この仮面が……。
この手紙は あなた宛てのようです。

手紙(主人公。ユグノア城跡にて おぬしを待つ。
見せたいものが あるでな。
それまで 虹色の枝は おあずけじゃ。)

司会:な……なんと 最後に 思わぬ大波乱!!
優勝賞品の 虹色の枝が
ロウ選手によって 盗まれてしまいました!
果たして 主人公さんは
ユグノア城跡で 虹色の枝を
取り返すことが できるのでしょうか!!

シルビア:ユグノア……。それって
主人公ちゃんの 故郷なんじゃ……。

 

 

 

次の記事