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命の大樹

 

カミュ:グッ……。
あの 真っ黒いオーラのせいで
ちっとも 歯が立たねえ……

ロウ:その 異様なまでのチカラ……
まさか……まさか おぬしが……!

ホメロス:これが 大樹の魂か……。
これさえあれば 世界をどうすることも
思いのまま……。

グレイグ:待て ホメロス!


グレイグ:王よ……見ていましたか 今の戦いを。
ホメロスのチカラこそ 闇のチカラ……。
私たちは ずいぶん 長い間
大きなカン違いを していたのかもしれません。
ホメロスこそ この大地に あだをなす者……!

グレイグ:ホメロス! なにゆえに 魂を魔に染めたっ!
もはや 弁明などさせぬ!
ホメロスよ! 王の御前で成敗してくれる!

グレイグ:ぐっ! がはっ……!

デルカダール王:今までご苦労だったな グレイグ。

グレイグ:王よ……これは いったい……?

ウルノーガ:そして……ホメロス。
よくぞ 勇者をしとめてくれた。
ほめてつかわそう。


ホメロス:おお……なんと ありがたきお言葉……。
……我が主君 ウルノーガさま。

ロウ:お前が ウルノーガ……!
まさか王に 取り憑いていたとは!

ウルノーガ:主人公よ。
今こそ 我が手中に落ちる時……。
そのチカラ いただくぞ。


ウルノーガ:ほう これが 勇者のチカラ……
これさえあれば……

ウルノーガ:そして これが 勇者のつるぎ……
だが 我は 魔王なり!

セーニャ:勇者のつるぎが 魔王の剣に……?

ウルノーガ:生命の根源 大樹の樹
そのチカラ 我がもらった!

ベロニカ:そんな 命の大樹が……
このままだと 世界が……

ドラクエ11
ウルノーガ:グオオオォォォッ……!
 


 

主人公の夢


ぺルラ:おやおや 主人公 眠れないのかい?

主人公:…………お母さん。

ぺルラ:さては……エマちゃんとケンカしたね?

主人公:だって エマが ボクのアタマをたたいたんだ!
ちょっと……ふざけて……
ルキに マユゲを書いただけなのに!

ぺルラ:フフッ アハハハ。

主人公:……笑いごとじゃないんだ!
見てよ! おっきなタンコブが出来てる!!

ぺルラ:それで 主人公は やり返したの?

主人公:…………。

ぺルラ:いいかい 主人公?
これからも 同じようなことは きっとある。
だから 今から言うことを 覚えておいて。
どんなに イヤなことがあっても
苦しいことをされても
ただ やり返すのは カッコ悪いことだよ?

主人公:ボクは……エマと仲直りしたいんだ。
お母さん。ボクは どうすればいい?

ぺルラ:まずは キチンと お話をするのさ。
その人が何を感じて なぜそうしたのか。
そしたら きっと その人のことが見えてくる。
それからあとは とってもカンタン。
笑って……握手をするだけさ。
うん さすがアンタは 私の子だ。
さあ もう眠る時間だよ。

主人公:おやすみなさい お母さん。

ぺルラ:おやすみ 主人公。
なにも こわがることはないさ。
……朝が来たら すべてがよくなるよ。
おやすみ おやすみ 大樹の子らよ。
静かな 静かな夜が来た。
光の御子が 目を覚まし
暗闇をはらって 光ある明日がくるまで……。
 


 

海底王国ムウレア


魔王:……勇者は 見つかったか?

「いえ 魔王さま。
世界中 どこを探しても
勇者の姿は 見当たりません。」

魔王:……そうか 死んだか。
勇者は もういない……。
この世界……我のものなり!!
 



勇者のチカラが 失われてしまったようだ。

トウジン:おおっ! 目覚めた 目覚めおった!
勇者さまが お目覚めじゃあっ!!

トウジン:一時は エラ 皮膚ともに呼吸停止。
ピクリとも 動かんかったというにっ!
……まさに奇跡っ! 女王さまに報告じゃっ!
 



セレン:……主人公が お目覚めになったのね。
こうしてはいられない……時は満ちましたわ。

セレン:クッ……!

トウジン:陛下!!

セレン:フフッ。大丈夫よ……。
わたくしには まだ やることがある。
それまでは……。

セレン:……あら おはよう 主人公。
フフッ。その姿……とっても お似合いよ。
いつにもまして かわいらしいわ。
ドラクエ11 セレン
セレン:キズは だいぶ癒えたようですね。
王国の民が あなたを運んできた時には
難破船みたいに ボロボロだったのですよ。
魔王は あなたを死んだものと思っていました。
わたくしは 魔王の目を あざむくために
あなたを 魚の姿に変えていたのです。
あれからもう 数か月に なるかしら……。
わたくしの魔法で 魚の姿になった あなたは
今まで こんこんと眠り続けていたわ。
キズが 完全に癒えれば
やがて 人間の姿に戻れるでしょう。
それまで ムリは 禁物ですよ。
フフッ。これで あなたも
釣られる お魚の気持ちがわかるかも
……ですね。フフフッ。

セレン:……聞きたいことが たくさんある。
そんなカオをしていますね。
あなたが挑んだ あの戦いのこと。
共に戦った お仲間のこと。
……わたくしは すべてを見ていました。

セレン:主人公。
すべてを受け入れる 覚悟が出来たら
……わたくしに ついて来なさい。
 


 

守り人の海


セレン:人間を連れてきたのは 何百年ぶりかしら。
ここは 守り人の海。海底おうの王たる者だけが
立ち入ることを 許された海。
これは王家に伝わる 千里の真珠。
川や湖 一滴の朝つゆ あらゆる水に魂を乗せて
地上の様子を見ることができる 秘宝です。

セレン:……地上に こっそり 雨を降らせました。
今なら この雨を通じて
世界を見ることが できるでしょう。
さぁ 主人公。準備は いいですか?
今 世界は どうなっているのか……
千里の真珠に触れるのです。

セレン:これが 今の ロトゼタシアの姿。
あなたが 魔王ウルノーガに挑んだ あの日
世界は 死んだのです。
熱をおびた 猛烈な爆風が 世界を駆けぬけ
草木を焼きはらい 水を干あがらせた。
空からは 燃えさかる大岩が降りそそぎ
山脈を崩し 大地を砕いた。
……魔王ウルノーガは
多くの生命を 一瞬にして奪いさったのです。
絶望が新たに生みだすものは 悲しみだけ……。
わたくしは すべてを見ていました。
しかし どうすることも出来なかった……。
 



少女:たす……て……
……だれか……たすけてっ……。

少女:そこに……だれか いるの?

少女:たすけて……。


男性:もう 帰る家もねえ 家族もいねえ。
だけど 命が まだ あるじゃねえか。
それなら 歩け 歩きつづけろ!

女性:そうよ 英雄についていきましょう!
デルカダールの南に 最後の砦があるの。
あそこなら 私たちを守り 助けてくださるわ。

男性:あきらめるな。英雄は 僕たちを見捨てない。
最後の砦に行けば 何かが変わる。
絶望してはいけない……生きるんだ!

男性:歩け。歩きつづけろ。
デルカダールの南に 最後の砦があるっ……!



セレン:絶望の中にも 希望は残っています。
この世界のどこかに
彼のような希望の炎を いくつか感じます。
しかし その炎も いま消えようとしている。
誰かが灯してやらなくては。
……それは 他でもない あなたの役目。

セレン:世界の意志たる 命の大樹は地に落ちました。
そして今 世界を統べるのは
悪しき天空魔城に住まう 魔王ウルノーガ。
魔王は 命の大樹の魂を
吸いとるだけでは 飽きたらず……
この世の すべての命を つみとり
悪しきチカラに 変えようとしているのです。
……あれをご覧なさい。

セレン:あれは……わたくしたち 海底の民の命を狙う
魔王ウルノーガの手の者です。
海底王国は わたくしが作った 結界で
魔王の目をあざむき 難を逃れてきました。
……けれど それももう 限界です。
魔王のチカラは わたくしのチカラを
はるかに しのぎます。
……まもなく 結界は砕け
海底王国は 魔物に飲み込まれることでしょう。

セレン:……もう あまり時間が ありません。
主人公 王国へ戻りましょう。
 


 

海底王国ムウレア


セレン:……不思議な人。
あれほどの 世界の惨状を目にしても
そのひとみに浮かぶ光は 消えてはいませんね。

セレン:主人公よ。これまで 多くの災いが
あなたに 襲いかかってきました!
しかし その災いを いくどとなく打ち砕き
多くの命を奪った あの破滅の最中にいながらも
あなたは こうして 生きています!
そう……それは いまだ あなたが
魔王の戦う運命の中にあると
大樹が 告げているのやもしれません。

セレン:勇者 主人公よ。
世界に ふたたび 光をもたらすために
希望の炎を灯しなさい。
希望の炎は あなたの仲間たちと共にある。
あなたの仲間たちに宿る その炎が照らす先に
歩むべき 正しい道が示されるでしょう。

セレン:すべては大樹の導きの……。

トウジン:見ろ! 結界が!!

セレン:フフッ。ウルノーガは せっかちなのね。
別れの言葉も 言われてくれないなんて……。

セレン:前を向きなさい。
振り返ってはなりません。
勇者とは……
……勇者とは!
最後まで けっして……
あきらめない者のことです!

ジャコラ「……海底王国の民どもよ。
その命……魔王さまのため もらいうける……!」

 

 

 

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