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プチャラオ村


男性:おい こんな所で ボサっとすんな!
ジャマだぜ どけどけ!

マルティナ:……この村の騒々しさは 相変わらずね。

ロウ:この村は 古代の遺跡が あることで有名でな。
以前 わしらは ウルノーガの情報を求めて
この村にも 立ち寄ったんじゃよ。

カミュ:……プワチャット遺跡の神秘
壁画にて微笑む 妖艶なる美女が
絵を見た者に 幸福を もたらす……
……だってよ。うさんくせーな。
じいさん こんな所で 何かわかったのか?

ロウ:ほほ たしかにのう。おぬしが 言うように
その時は なんの手がかりも 得られんかった。
……じゃが あの時とは 状況も違うからの。
今回は 主人公もおるし
改めて遺跡を調べれば
何か収穫が 得られるかもしれんぞ。

マルティナ:たしか 遺跡は まっすぐ道なりに進んで
奥の丘を越えた先に あったはずよ。
手分けして情報を集めつつ 行ってみましょう。
 


 


メル:パパ……。ママ……。
……ぐすっ。

シルビア:あら 主人公ちゃん。
ちょうど いいところに来たわ。
この子ったら 迷子みたいなのよ。

シルビア:……ほら 泣かないの。
大丈夫。アタシたちが ついてるわ。
ね? だから お名前を教えてちょうだい?

メル:……メル。
わたし メルっていうの……。
ここには パパとママと いっしょに
何日もかけて来たの……でも……。
へきがの ごりやくで お金もちになるんだって
……そう言って パパもママも
どこかに行っちゃったの……ぐすっ。
ねぇ お兄ちゃん おねがい……
メルの パパとママを……。

シルビア:大丈夫よ。安心なさい。
アタシたちが アナタのパパとママを
探してきてあげるわ。
アタシは 村の方を探すから
遺跡の方を見てきてくれないかしら。
いいでしょ 主人公ちゃん?

シルビア:さっすが 主人公ちゃん!
じゃあ 遺跡の方は ヨロシクね。
アタシも 村の方は探したら 後を追うから。

メル:……ぐすっ。
おねがい……お兄ちゃん。

シルビア:アタシは 村の方を探すから
遺跡の方を見てきてくれないかしら。
いいでしょ 主人公ちゃん?
 


 

プチャラオ村・プワチャット遺跡


カミュ:よお お前も来たのか。
このデカイのが ウワサの壁画だとよ。

カミュ:たしかに こいつは なかなかの迫力だ。
……でもって そこで笑ってる彼女が
オレらに 幸福をくださる美女……ってワケだ。

ベロニカ:ところどころ キズもあるけど
思ったより キレイな絵ね。

セーニャ:あれって……なんでしょう?
カギのように見えますけど
なんだか とても不思議な感じ……。

ベロニカ:……もしかして
あれ まほうのカギじゃない?

カミュ:おいおい ベロニカ。派手にハラなんか鳴らして
お前 そんなに ハラペコなのか?
……まぁ お子様は 食べるのが仕事だからな。

ベロニカ:あたしじゃないわよ 失礼ね!
……ふんっ。アンタこそ さっきから何よ。
壁画の美女なんかに 見とれちゃってさ!

ブブーカ:おおっ! これが夢にまで見た
幸福を与えてくれる 壁画の美女!
これで このブブーカさまも大金持ちに!

カミュ:おい なんだ あんたら!
オレたちが 見てたってのに!

ブブーカ:お前たちこそ なんだ!
さっきから 壁画を見てたくせに。
壁画の ご利益は みんなのものだぞ!

男性:そうですとも!
独占なんて ズルイですぞ!

女性:そうよ!
今度は 私たちが幸せになる番よ!

セーニャ:……主人公さま
いったん この場からは
離れたほうが よさそうですね。
 



ベロニカ:……ふぅ。
ここの壁画の人気 甘く見てたわ。

カミュ:……ん? どうした 主人公?
何か 言いたそうだな。

カミュ:……両親とはぐれた 女の子を見つけて
その親を探しているだって?
そいつは 大変だ。
みんなで手分けして 探してやらないとな。

シルビア:主人公ちゃーん!

シルビア:ダメ。こっちは収穫なし。
主人公ちゃんの方は?

シルビア:彼女のご両親 どこに行っちゃったのかしら。
……メルちゃんも ひとりで心細いだろうし
もう一度 彼女に会ってみましょう。
 


 

プチャラオ村・宿屋


店員:おはようございます。
昨晩は ぐっすりと お休みでしたね。
では いってらっしゃいませ。
……そういえば ウチに泊まっている
ブブーカさんという方が
昨日から 戻ってこないんですよ。
ずいぶん 遺跡の壁画に ご執心でしたけど
ケガなどされていなければ よいんですが……。
お客さまも 観光の際は お気をつけて。
 



メル:……………………。
……………………。

 


 

プチャラオ村・プワチャット遺跡


シルビア:あら 誰もいないじゃない。
さっき メルちゃん
こっちの方に 歩いてこなかった?

カミュ:たしかに 変だな。
あの迷子は どこに行ったんだ?

ベロニカ:……ねぇ。
ちょっと あれ見て。

セーニャ:壁画の絵……前に見た時と
少し 違いませんか?

カミュ:なあ 変なこと言うようだが……
ここに描かれてるヤツら なんとなく
昨日の連中に 似てないか?
ほら。オレらともめた ブブーカって野郎だよ。
たしか 昨日から 宿にも戻ってないって
宿の女将が 言ってたよな?

ベロニカ:……なんだか イヤな予感がするわ。
早く ここから出ましょう。

ロウ:いかん!
様子が おかしいぞ!

シルビア:見て! 壁画が!?

カミュ:なっ!?

ベロニカ:きゃあーーーっっ!!
 


 

壁画世界

 


カミュ:……なんだ この奇妙な場所は?
夢の中……ってワケでもないよな。

セーニャ:本当……おかしな感じがしますね。
まるで 画の中に入ってしまったよう……。

カミュ:……………………。

ベロニカ:……………………。

カミュ:……おいおい。マジか?

シルビア:ねぇ。もしかして……
メルちゃんも この場所に
連れてこられてるんじゃ ないかしら?
どのみち いつまでも ここにいても仕方ないし
探してみましょう 主人公ちゃん!
 



カミュ:……あそこにいるのは
例のブブーカって ヤツじゃないか?

カミュ:おい あんた!
そんな所で 何してんだ!?

ブブーカ:…………。

セーニャ:皆さんは ここに集まって何を……。
それに この女性の絵……遺跡の壁画にも
描かれていましたが どなたなのでしょう?

ベロニカ:どこの誰だか 知らないけど
ちょっと自己主張 激しすぎじゃない?

メルトア:カカカ この美しさが わからぬとは
子供とはいえ おろかよのう……。

メルトア:カカ どこを見ておる?
こちらじゃ おろか者どもよ。

カミュ:おい! みんな 見ろ!

ベロニカ:え 絵が!?

セーニャ:動きましたっ!

メルトア:ひい……ふう……みい……。ふむ 7色か。
カカカ 汚い色ばかりで 飽いていたところだ。
歓迎するぞ。ようこそ 我が世界へ。
特に 手にアザのある お前……
お前は 他の者とは 違うな……。
カカ なかなか よい色になりそうだ。
先だって わらわに魅了された者ども 同様
残らず 吸収し わらわの美を支える
一部としてくれよう。

カミュ:お前が 吸収……だと?
おい そりゃどういうことだ!

メルトア:どのような色になるか 楽しみにしているぞ。
カカカッ! カッカッカッ!

セーニャ:……ああっ いけません!
皆さん 待ってください!

シルビア:……危険なニオイが プンプンするわ。
早く メルちゃんを見つけて
ここから出たほうが よさそうね。
 



セーニャ:これは……いったい何を?
……なんでしょう とても嫌な感じがします。

ベロニカ:なっ なんなの コイツ!?

カミュ:チッ! 気をつけろ こっちにも来るぞ!

ロウ:ぬう……。もしや こやつらのエサとするために
あの者たちや わしらを この世界に
引きずり込んだというのか……?

マルティナ:くっ……! 主人公……!

カミュ:おいっ 主人公! あっちだ!
 



ベロニカ:……何かしら これ。
ここだけ 壊されてるみたいだけど。

セーニャ:ええと……。
どうやら この壁画を発見した人が
遺したものの ようですわ。

『私が 偶然にも 村のそばで発見した
数百年前に滅亡した 古代プワチャット王国の
不思議な壁画……。
これで 人も集まり 村も栄えるはずだった。
……しかし それは 大きな過ちだった。
壁画は 邪悪に呪われていたのだ。
壁画は 人間の命を自らの糧とするため
人々の欲望を不思議なチカラでかなえ 惑わし
その御利益に あやかろうとする者を吸収する。
また 欲深くない者の前には 少女の姿で現れ
人の善意につけ入って あざむき
壁画の中に引きずり込むのだ……。』

シルビア:少女の姿……。
それって メルちゃんのこと?

カミュ:つまり……オレらは まんまと
罠にハメられたってことか。

ベロニカ:主人公 行きましょう。
早く ここから出なきゃ!

セーニャ:主人公さま
これは いったい……。
この裂け目……もしかして 外の壁画に
ついていたキズじゃないでしょうか?

ベロニカ:きっと そうに違いないわ!
だったら ここから外に出られるかも。

カミュ:考えていても 仕方ねえ。
……さあ 行くぜ!
 



シルビア:アイタタタ……。
全員 無事かしら……?

ベロニカ:ええ。なんとか。
どうやら 戻ってこられたみたいね。

セーニャ:この壁画の おそろしい真相を
早く 皆さんに知らせなくては。
主人公さま 村に戻りましょう。
 


 

プチャラオ村


シルビア:見て! あそこ!

老人:……ふーむ。壁画のウワサを耳にし
旅のついでに 立ち寄ってはみたが……。
お嬢ちゃん それは本当なのかの?

メル:ウソじゃないよ おじいちゃん。
あの へきがを見たら わたしの病気
すぐに なおっちゃったんだ!
へきがの ごりやくで
おじいちゃんも ぜったい元気になれるよ!

老人:ほうほう ナルホド……。
こりゃ 行ってみるしか ないのう。
ありがとうよ お嬢ちゃん。

シルビア:……あら それで元気になるのは
あの おじいさんじゃなく お腹を
満たした 壁画の方じゃないかしら?

メル:ウソ どうして ここに……。
わたしの かわいい触手たちが
とり逃がしたというの……?

セーニャ:あなたが……
言葉たくみに 人々を誘導して
皆さんを 壁画に閉じ込めていたんですね?
……お願いします。
もう こんなことはやめて 壁画の中に
捕らわれている 皆さんを解放してください!

ベロニカ:アンタの正体は もうバレてんのよ。
おとなしく 降参しなさい。

メル:あは……あはは……!
はは……かか……カカカ! カカカカカ!
せっかく捕らえた 獲物を解放しろだと?
調子に乗るでないぞ たかが塗料風情が!
この すばらしきチカラは
愛しき あの方より いただいたもの。
人間ごときに 指図される覚えはないわ!
不服があるなら 我が世界に来るがいい。
今度は わらわ自ら 歓迎し
キレイに まる飲みにしてやろう♪

ロウ:待て! あの方とは いったい!?

メル:カカ! カカカカ!

ベロニカ:みんな 壁画に向かいましょう!
これ以上 アイツの好きにさせて
たまるもんですか!
 


 

壁画世界


回目の侵入後にイバラ地点まで進んだ時
どこからともなく
不気味な声が ひびいてくる……。


メル:カカカ よくぞ来た……
身のほど知らずの塗料どもよ。
もし無事に 我がもとへ たどり着けたなら
その時こそ わらわ自らが
貴様らを まる飲みにしてくれようぞ♪
……カカ! カカカカカ!
 



ベロニカ:追いつめたわよ!

メル:追いつめた……だと?
カカカ 何をカン違いしているやら。
わざわざ エサの方から ディナーの皿へ
載りに来ただけというのに……
カカ 本当に おバカな子供よのう。

メル:わらわは 美と芸術の化身 メルトア!
その真の姿を 貴様らのまなこに
焼きつけるがよい!

ベロニカ:やっと 元凶のおでましね。人をだまして
絵の中に引き込み 丸のみにして吸収する……
ふん やっぱり悪趣味よ アンタ!

セーニャ:で でも……
どうして こんなことを!?

メルトア:カカカ 人間など わらわを彩るための
塗料にすぎぬ。美の一部となれる奇跡に
むしろ 感謝すべきであろう。
……ああ。あの方より たまわった
次元を超え 人間どもを吸収するチカラ
その なんとすばらしいことか。
わらわは このチカラを使い いつの時代も
浅ましき欲望にあらがえぬ おろかな人間どもを
救ってやっているのだ。そう……!
わらわという 至高の芸術を彩れること
……これぞ 壁画が与えし
まことの幸福と 知るがよい!

セーニャ:来ます!
主人公さま お気をつけて!
 



メルトア:バ……バカな。貴様ら いったい……?
お おのれ……。
……だが まだ終わらぬ。
我が創造主たる あの方が……
偉大なる ウルノーガさまが
おられる限りは……!

ロウ:ウルノーガじゃと!?

メルトア:カ カカ……。
ウルノーガさまの世が 実現さえすれば
いずれ わらわも ふたたび……。

マルティナ:待ちなさい!
あなたは ウルノーガを知っているの!?

メルトア:カカカ……。貴様らに 壁画の呪いあれ。
ウルノーガさま どうか宿願を……
永遠なる命のチカラを その手に……くああっ!

ロウ:まさか ここでウルノーガの名前を
聞くことになるとは……。
ヤツは かつて とある王国の宰相に取り憑き
その国を滅ぼしたというが……
プワチャット遺跡の文明が そうであったか。

マルティナ:永遠なる命のチカラと 言っていましたね。
それこそが ウルノーガの狙い……
ヤツめ いったい 何を企んでいるの……?

ロウ:これは……まほうのカギか。
これを使えば 今まで開けられなかった扉も
開けられるようになるじゃろう。

主人公は まほうのカギを 手に入れた!
カギのかかった 赤い扉を
開けられるようになった!


ロウ:予想外の収穫もあったし 上出来というべきか。
……それに まずは ここから脱出せねばな。
では 行くとするかの 主人公。
 


 

プチャラオ村・プワチャット遺跡


カミュ:やれやれ……
ひとまず 一件落着ってトコか。

ボンサック:なんだ なんだ!?
いきなり ほこらから人が
あふれてきたが……
……って なんだこりゃ!?

ボンサック:あ あんたたち!
壁画の絵を どうしちまったんですか!?

ブブーカ:う うーん……。

ブブーカ:た 助かった……。助かったんだ!
元の世界に 戻ってこられた!
ハ ハハハ……。ざまぁーみろ 壁画め!

ボンサック:……元の世界? 壁画?
いったい何が あったんです?

ボンサック:……な なんだって!
この壁画が そんな おそろしいことを!?
いや なんと お礼を言えばいいのやら。
……さぞ お疲れでしょう。
せめて ウチの宿に泊まっていってください。
 


 

プチャラオ村・宿屋前


ボンサック:ああ 忙しい。忙しい。
……おや 主人公さん。
もう ご出発ですか?

ボンサック:いやー。あなた方には 感謝してますよ。
おかげで 村は大助かり!
新しい商売も 始められそうです!
幸福を招く壁画……ってのは もう古い!
これからは 人々を閉じ込めた呪いの壁画!
これですよ。刺激的な売り文句でしょ?
おっと こうしちゃいられない。
夜なべして作った 壁画の複製
旅人たちに 売り込んで いかなきゃ!

ロウ:やれやれ あんな事件が あったというのに
この村は変わらず たくましいのう……。
わしらも この活気に負けず 先へ進まねばな。
まほうのカギにより 新たな道も開かれよう。
……それに 今回の件で 確信も得られた。
この地で起きた悲劇と 今のデルカダールは
よう似ておる。あの国に ウルノーガの魔手が
伸びているのは 間違いないじゃろう。
……そういえば ネルセンの宿屋の近くにある
バンデルフォン王国跡に まほうのカギで開く
扉があったな。まず そこで扉を探すとしよう。

マルティナ:お父さま……。
……行きましょう 主人公!
永遠の命のチカラ……何かは わからないけれど
ウルノーガの野望は 私たちで 止めなくては。

 

 

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