Solidworksユーザー日誌 -2ページ目

設計テーブルに書き込むだけで10000極

●「設計テーブルに書き込むだけで10000極」


昨日24極以下決めうち案をブログに書いたんですが、やっぱりコンピューターの利点は自動化だろうと思い方針変更しました。

$2極

   これは2極。


これを設計テーブルを書き換えるだけで何極のモデルにもなる。そこまでやってはじめて使えるモデルかなと思いました。


モデリングのせつめい

●ケースのサイズは最初から目的のサイズにする
●穴はまず単純な直線パターンにできる4列分をあけ、極数によってパターンの数を変える。
 2~8極:抑制
 10~16極:パターン数2
 18~24極:パターン数3
 ・・・
 抑制は設計テーブルでエクセルの数式(IF文)を使って判定、パターン数は関係式で算出。
 削りすぎた分は、補修押し出しで補修。
●ピンは1列分作って、列数によってパターンの数を変える。


これを反映した関係式はこんな感じ

関係式追加



モデルができたら、最後に設計テーブルを追加。2個分だけ書いておいて、あとはオートフィルで。とりあえずデータシートにある24極目までつくりました。


オートフィル



エクセルのワークシート関数はこんな風に書きました。


ワークシート関数


とりあえず24極までは完成。


$生成されました


$24極






さて。ここからが本番です。



いよいよ10000極です!


と、言いたいところですが、こわいのでとりあえず1000極でやってみることにしました。


$1000極-テーブル



じゃじゃん!


どうだ!?




・・・




待つこと10分、砂時計。




・・・




15分・・・





20分。どうやら使用者に似て根性がないようです、このパソコン。



というわけで、300極で再チャレンジ。
こちらは2分くらいでできました。




じゃじゃん!(テンション下がり気味)



$300極




$300極-全体




(ノーコメントでお願いします)



おわり(笑)



●今回作ったファイルのダウンロードはこちら


設計テーブル挿入は最後

●設計テーブル挿入は最後


さて、MOLEXの5566です。と、その前に、先週JAEのIL-Gを作った時に得られた教訓がありましたので、先にまとめておきます。

設計テーブルはモデリングし終わってからつくる(設計テーブル挿入は最後)。 なぜなら、途中で作った平面とか軸とか、表示されたスケッチとかが表示のままになってしまって、非表示にするのがたいへんだから。


●作業手順まとめ

①下書きスケッチ
  ↓
②関係式
  ↓
③モデリング(寸法リンク)
  ↓
④設計テーブル



この順番で作っていきます。


$SolidworksユーザMEのこんなのありましたブログ


$SolidworksユーザMEのこんなのありましたブログ

$SolidworksユーザMEのこんなのありましたブログ



データシートのテーブルには

●極数
●寸法A
●寸法B

の三列あります。しかし、寸法Aも寸法Bも極数がわかれば計算して出せますね。極数をNとして、A=(N/2-1)*4.2, B=A+5.4。つまり、管理する変数は極数だけでよいことになります。AとBは関係式の中で算出します。


まずは①下書きスケッチ。


$下書きスケッチ



実際は極数だけを設計テーブルでコントロールし、寸法が入っている部分(図のB)は関係式で出した値をリンクします。


そして②関係式。


$関係式


下書きスケッチのBをリンクしておきます。


$リンク値


さて12種類のつくりわけです。本当はパターンで作りたかったんです。データシートには24極までしかなくても、モデルは設計テーブルをちょいと書き込むだけで10000極だってできるよ!!っていう状態にロマンを感じるじゃないですか(無駄)。


でもパターンで作ろうとすると、どうしてもパターンを4つ作る以外の方法が思いつかず、実用範囲(12種類)では無駄が多すぎるので、諦めました。


最初に24極分の穴を開けておいて、あとから減らすことにします。


これが負け組のスケッチ!(家形のかどはあとで面取りフィーチャーをひとつづつ入れました・・・屈辱。)


$直線パターン


MOLEXのコネクタをパズルにする

●MOLEXのコネクタをパズルにする


おはようございますこめです。

いきなりどうでもいい質問で恐縮ですが、コンピューターの利点とはなんだと思いますか?


今は「パソコンが使えたらいいなあ」というときの動機は、主に情報とか、コミュニケーションのイメージが大きいですが、私の考えるコンピューターの利点は、


同じ作業を高速に、かつ正確にこなせることです。 


コンピューターに単純作業をやらせたら、スピードも正確さも、人間の手ではかないません。


だから、コンピューターにできることは、コンピューターにやらせるべきだ、と思います。



何が言いたいかというと、つまりそういうわけで、一箇所の変更で複数個所を修正しなくても良いようにトップダウン設計にこだわるし、一箇所の変更で複数ファイルを修正しなくてもいいように、今日も必死になって同シリーズ製品を一つのパートファイルに全部つめこもうとするわけです(笑)。


今週は、MOLEXの図面から、5566シリーズコネクタを作ってみたいとおもいます。


ところで、さすがMOLEXは3Dモデルwebにおいてあります。しかもIGESもSTEPもです(さすが)。なので、自分で作る必要全くありません。


じゃあ何で選んだのかと言われると、……パズル感覚ですね。ちょっとこれ見てください。


$SolidworksユーザMEのこんなのありましたブログ



なんか、見た感じパズルっぽくないっすか?


この(微妙に)不規則な穴があいた12種類を、どうやって一つのパートファイルのコンフィギュレーション違いで作り分けるか!?

どうやって最小労力で12種類全部作るか!?


いや、まじめな話考えてみるとけっこう楽しいですよ。


これがコタツの中でできて、解けたあかつきには懸賞に応募でもできりゃ趣味にできるんですけど。


どうやってモデリングするかは、今晩あたりにでも考えます。もし明日更新がなければ(あるいはこの記事を隠滅してたら)、できなかったということでお許しください・・・・・・

公差方式が明記されてない図面の公差解釈(ISO)

●公差方式が明記されてない図面の公差解釈(ISO)

以前、図面の読み方についてJISに変なことが書いてあるという記事をかきましたが、間違ってるのか間違ってないのかずっと気になってたので、図書館に見に行ってきました、参照もとのISO(我ながら勤勉、というかオタクか…)。

まずはおさらい。JIS B0401-1では、

穴の場合:最大内接完全円筒径が最大実体許容寸法(=許容最小径)より小さいとダメ
軸の場合:最小外接完全円筒径が最大実体許容寸法(=許容最大径)より小さいとダメ


両方小さいとダメ となっていました。これでは、穴と軸ははまらなさそうです。


そして、ISO 286-1ではどうなっていたかというと(こちらも少し略して引用)

For holes: The diameter of the largest inscribed perfect imaginary cylinder should not be smaller than the maximum material limit of size.
For shafts: The diameter of the smallest circumscribed perfect imaginary cylinder should not be larger than the maximum material limit of size.


これは穴のほうはJISと同じですが、軸のほうは大きいとダメです。これなら普通の包絡の条件なので、JISは誤訳のようです。


まとめ

図面に公差方式の指定がない場合、

スマイル ISOでは、包絡の条件(=一番感覚的な読み方)で読むよう定められている。
スマイル JISでは、穴と軸がはまらないようなよくわからない読み方が定められている(おそらく誤訳)。
スマイル 包絡の条件を適用したいときは、図面に「公差表示方式 JIS B0024」を書いた上で、一般公差クラス指定に、包絡の条件を示す"-E"をつける(B0419 6.3)とよい。


●関連記事
公差方式が明記されてない図面の公差解釈(JIS)

IL-Gコネクタってこんなんだったっけな

こんばんは、こめです。

レンダリングもしてみました。

$SolidworksユーザMEのこんなのありましたブログ

今回はなんとなくJAE日本航空電子のIL-Gシリーズのストレートタイプコネクタを作ってみたんですが、何回もデータシートの図面(らしいもの)を見ていて、私はMOLEXのコネクタの図面を見て感動したのを思い出しました。

IL-Gと同じような小さなコネクタで、もう15年以上も前に描かれた図面なのに、幾何公差方式で抜群に見やすくて感動した記憶があります。

というわけで、次に作るのはMOLEXのコネクタでいいのを探してみます。


(モデリング稽古に良い題材が思い当たる方は教えてください!!ぜひ!!)

今回作成したIL-G風モデルのダウンロード(Solidworks Partファイル)はこちら