皆さん、こんにちは。

とうとう大晦日。

初詣も今年の年末年始は極力やらない方向になりそうですが、そもそもバカみたいに寒い中行列に並んで寺社に拝みに行くのがなんというかあんまりいい事と思えなかったのでむしろそれは歓迎しています。

 

さて、今回は1年の総まとめとして、今年観た映画の個人的なランキングを発表したいと思います。

今年は毎週最低1本は映画館に行って新作映画を鑑賞する「毎週映画チャレンジ」を個人的に行ってきました。

新型コロナウイルスの関係で映画館が閉まったり、一時期ほぼ旧作のみで映画館を回していた時期があったり、個人的に非常に忙しい時期があったりで実はできてない週もあるのですが、結果として

 

新作(映画館+Netflixオリジナル作品)45本、

旧作(一部再上映作品)17本の

 

計61本と、まずまずの成果になったのではないかと思います。

 

今回はこの中から今年観た新作のベスト10(+α)とワースト3、旧作のベスト5を発表したいと思います。

 

というわけで早速、新作ベスト10を1作ずつ紹介していきます。

 

 

 

第10位:窮鼠はチーズの夢を見る

 

 

 

9月16日鑑賞。

大倉忠義・成田凌主演作.です。

 

異性愛と同性愛に存在する境界線を描きつつ、最終的には両方を普遍化してみせるその見せ方が巧みで、また恋愛の駆け引き的なやり取りのもたらす緊張感も非常に楽しく良い作品だったと思います。

成田凌の小動物感もさることながら、女性陣が皆魅力的なのも大きいです。タイプの違った美男美女を虜にする流され侍・大倉忠義のどこか疲れたようなイケメン感も見事。

特に大きな加点要素となったのがラストカットのキレイな収まり具合。この静かな終わりがもたらす収まりの良さは必見です。

男同士のベッドシーンがどうしても無理という方以外はご覧下さい。

 

第9位:スパイの妻 劇場版

 

 

10月23日鑑賞。

蒼井優・高橋一生主演、NHK制作の長編ドラマの劇場公開版です。

 

この作品の良かったところは全編にわたる緊張感の演出です。

何も知らない蒼井優を困惑させる男性陣の不穏さと迫力がとにかく妖しく恐ろしい。

高橋一生は『岸辺露伴は動かない』でも見事な演技力を発揮していましたが、本当に人に不安を与える表情や目の動きが上手い。

東出昌大のどこか無機質な雰囲気も日本軍人のイメージにぴったりでこれ以上無いはまり役でした。

2時間があっという間に感じられるほどこの先はどうなるんだ……?という不穏な展開が続き、積もり積もった要素が最後に爆発した時の蒼井優の演技も正に「お見事!」といった出来。

後から考えると少し疑問を抱く部分もあるにはありますが、演出の巧みさでこの順位までたどり着いたという感じです。

 

 

第8位:ザ・ハント

 

 

 

11月2日鑑賞。

ブラムハウス・プロダクション製作、本国では上映禁止となったアクション・スリラー映画。

 

改めて思いますが意地の悪い映画ですね、本当に。

セレブ層のショートメールから始まる風刺劇としての面白さが表層的でなくしっかりと作り込まれていたと思いますし、その上で全てをぶっ壊すバイオレンス描写にスカッとする。

やはり暴力。暴力は全てを解決する…!

 

エンタメとしてはジャンル映画的な部分を逆手にとって凄く主役っぽい見た目の人から手当たり次第にぶっ殺していく一幕目の大虐殺ぶりが楽しかったのと、クライマックスの中年女性同士の実質レズセックスと言ってもいい殴り合いが非常に良かったです。

その間もサスペンス要素であまり中弛みせず進み、いざ戦ったら無敵モード全開な主人公の女ターミネーターぶりに痺れました。

 

しかしまあなんというか、大画面で見る血しぶきは最高ですね!

 

第7位:仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ・マジェスティ

 

 

3月1日鑑賞。

『仮面ライダージオウ』TVシリーズの後日談。

Vシネマの先行上映ということで、60分程度と短い作品ながら6位という大健闘を果たしました。

 

これだけシリーズものとしての要素も入ってくるのですが、「あの」本編最終回からやらなければいけないことを短い尺で全部やり切ったのがもう最大の評価点ですね。

その上で単品の映画作品としても纏まりが良く、爽やかな青春ものとして見られる出来なのが見事。

1年間の演技経験を経て垢抜けた芝居を見せてくれるメインキャスト達の活きの良さも味わい深かった。

ギャグ描写も「スッと出てくるカフェオレ3つ」など粋なものが多く、歴代のライダーVシネの中でも秀逸な部類の作品です。

 

ただやっぱりコロナの影響なのか、Vシネ第2弾はやらないっぽいのが悔しいところですね。

サブスクオリジナルで新作をやってくれるのはありがたいのですが。

 

第6位:透明人間

 

 

7月20日鑑賞。

ブラムハウス・プロダクションによる、ユニバーサルの『透明人間』の現代版リメイク。

 

DVに遭っていた女性がその後も苦しめられる姿のリアリティが凄まじく、決定的に立場を悪くする場面は「あっ」と思わず声が漏れてしまうほどショッキングな瞬間でした。

透明人間に殴られ引きずられる演技をする役者さん達の体の張り具合もメイキング動画からうかがい知れますし、これが低予算で作れてしまった事実にも脱帽です。

ラストの反撃は自分はちょっと引いたものの、今までやられていたことをやり返す因果応報としては素晴らしく、紛れもなくエンタメとして楽しめる快作だったと言ってよいでしょう。

 

第5位:初恋

 

 

 

3月9日鑑賞。

三池崇史監督にしては珍しいオリジナル作品。窪田正孝と『ケータイ捜査官7』以来のタッグとなりました。

 

とにかくアホ、下品、暴力的!

なのにどうしようもなく笑えて最後はどうしようもなく綺麗な恋愛ドラマとして幕を引くそのバランス感覚が見事。

キャラとしてはベッキーと染谷将太の二強でしたね。とにかくこの2人が暴れまわっているカットは全部面白い。

ヒロインの子も新人ながら染谷将太の股間に落ちた白い粉をかき集めるなど体当たりでヤク中を演じていて、非常に好感が持てました。

映画の楽しいところを贅沢に盛り込んできてるので15歳以上の方は絶対に見て下さいおすすめです!

 

第4位:カセットテープ・ダイアリーズ

 

 

 

7月9日鑑賞。

イギリスのパキスタン移民がブルース・スプリングスティーンにハマるというストーリーが話題となりました。

 

青春映画としては今年『ブックスマート』がかなり話題となりましたが、本作も最高に良かったと思います。

ミュージカルのちょいダサい感じも垢抜けない子供たちの青春模様を映す手法として面白おかしく見ることができ、親子の葛藤と夢をめぐるストーリーの大人な着地がまた程良い余韻を残してくれて、健やかな気持ちで劇場をあとにした作品でもあります。

実話を基にしてはいますがブルース・スプリングスティーンがどんな人かとかは劇中でちゃんと紹介されますし、当時の社会体制も「サッチャー政権で国がめちゃくちゃ」ぐらいの認識で全然楽しめるのでそういう意味でも親切に作られています。

是非一度ご鑑賞下さい。

 

 

 

第3位:ワンダーウーマン1984

 

 

12月31日鑑賞。先ほど見たばかりの作品。

公開が延びに延びたDCエクステンデッドユニバース最新作です。

 

「微妙」という評価も割と聞こえてきますが、ドラマ面に物凄く気合いが入っていて僕は超楽しめました。

ダイアナはバーバラとの社会人百合は悶えるくらいお互いにキュートでしたし、戦時中からそのまま生き返ったスティーブとは前作から認識が逆転して彼を着せ替え人形にする場面もあったりととにかくカップリングで魅せてくれました。

ヴィランもドナルド・トランプ的というか、資本主義に取りつかれすぎた人間という感じで同情もできれば同時に憎たらしくもある小悪党っぷりが絶品。

スティーブとの「別れ」までのやり取りは全て魅力的であり同時に感動的でしたが、クライマックスは悪くはないもののちょっとウェットすぎるかな……という気持ちにもなりました。

あのゴールデンアーマーのちょっと無理矢理な感じとバーバラとの関係とか「その後」の描き込みがちょっと足りないと感じた部分がちょっともったいないかな、とは思いました。

 

梅田ブルクのドルビーシネマの大画面と音響も功を奏したというべきでしょうが、ガル・ガドットが2時間半色んな姿で拝めるだけで全地球人は鑑賞すべきなんですよこの作品は!!

というわけでまだ観ていないという方、新年映画初めに是非ご覧下さい!

 

第2位:パラサイト 半地下の家族

 

 

2月7日鑑賞。

アカデミー作品賞獲得、ポン・ジュノ監督最新作です。

 

これはもう全部のレベルが抜群に高かった。

あまりにもテンポよく話が進み、進むたびに韓国の格差社会へと切り込む深度を増していくという点でこれに勝るものはなかったでしょう。

後半のスタイリッシュ麺づくりの場面といい、ごく小さな出来事を壮大に見せる手際も最高に良い。

これはもうポン・ジュノ監督という天才が映画という芸術の面白さを理解しつくした上で手掛けた代物と言って間違いありません。

チョン・ジェイル氏の手掛けたサントラも最高。映画音楽でここまでバキバキに決まった作品もそう無いでしょう。

サブスクで配信されますし、金曜ロードショーでも放送するので、見てないという方はこの機会に是非!

 

 

 

 

 

第1位:ジョジョ・ラビット

 

 

1月20日鑑賞。

『Thor;Ragnarok』のタイカ・ワイティティ監督最新作。アカデミー脚色賞を受賞しました。

 

……はい、5月の時点で第1位に挙げていましたが、結局これが今年ベストとなりました。

『パラサイト』同様映画としてのレベルがまず非常に高いですが、評価の分かれ目となったのは「おねショタの可愛さ」これに尽きます。

とにかくジョジョ君(10)とエルサちゃん(17)の恋愛模様がひたすらに可愛く、ジョジョ君がスカヨハお母さんやサム・ロックウェルとの触れ合いを経て敗色濃厚のドイツを生き抜き、エルサちゃんと愛を育んでいく様に涙が止まりませんでした。

人種差別を乗り越えるドラマ、一見コメディのようなやり取りから命をかけた駆け引きに突然繋がるジェットコースターぶりと展開が終始面白く、冷たくもどこか温かい空気が全体に流れていました。

困ったことにラストシーンまで素晴らしいのがこの作品のニクイところ。しっかり伏線も回収してくれるアフターケアの素晴らしさに拍手を送りたくなったところです。

意外と世間の認知度が低いっぽいですが、もうこれは人類全員見て下さい。

 

 

……というわけでベスト10まで一気に駆け抜けましたが、皆さん引っ掛かる作品はございましたでしょうか。

実はこれに加えもう1本、「特別賞」を発表させていただきたいとも思います。

 

 

 

 

 

 

 

特別賞:Fate/stay night [Heaven's Feel] 

     Ⅲ.spring song

 

 

 

 

8月15日公開。

2017年から展開されている[Heaven's Feel]三部作、その最終章です。

 

これは「単体の作品としてどうしても評価できない」「しかし何か評価しておくべきである」ということから、ベスト10からは外す措置を取らせていただきました。

メディアミックスの1つの形として、このコロナ禍で『Heaven's Feel』というルートが興行収入20億越えの大ヒットを飛ばしたことがもう快挙ですし、何より三部作としてとにかく最高の出来だったことに最大限の感謝を述べたいです。

ufotableさん、今年は『鬼滅の刃』が凄いことになっていますが、僕は断然こっち派だぜ!ということを改めて今年の最後に言わせていただきます。

 

 

ちなみに旧作ベスト5は以下の通りです。

 

第5位:風の谷のナウシカ

第4位:ワンダーウーマン

第3位:ディザスター・アーティスト

 

 

第2位:プロメア

第1位:イップ・マン序章

 

『ナウシカ』と『プロメア』は再上映を機に鑑賞しましたが、観ておいて良かったと心から思えた作品でした。

特に『プロメア』は『君の名は。』と『天気の子』の間に鑑賞しましたが、ダントツでこれが一番燃えるし楽しい映画でした。

『ディザスター・アーティスト』はNetflixでの拾い物でしたが、感想記事に結構注目いただいて嬉しかったのは覚えています。

『ワンダーウーマン』は新作の予習としてようやく見たものの、アメコミ映画としてだけでなくシンプルに映画として出来が良く、パティ・ジェンキンス監督は自分のツボをことごとく突いてくるなぁと嬉しくなりました。

『イップ・マン』シリーズはNetflixに上がってる分は外伝の『マスターZ』まで全部観ましたが、『序章』が一番楽しかったです。戦闘シーンの描き方と並べ方がとにかく全編にわたって素晴らしく周到に出来上がっており、ドニー・イェンにつくづく惚れ込んだ次第です。

 

 

 

……はい、というわけで、『ワンダーウーマン1984』を鑑賞してその日に突貫で書き上げているこの記事、なんとか年末に間に合わせることができました。

毎週観ていく中で色んな発見がありましたし、もっと色んな作品が観たかった思いもあります。

友人から『ナイヴス・アウト』を勧められたりもしているので、三が日の間にでも観てみます。

コロナで応援上映等は未だ行えませんが、来年も素敵な映画ライフを過ごしていきましょう。

 

それでは今回はここまで。

お相手は私、たいらーでした。

皆さん、よいお年を!