京都芸術大卒業制作作品「ROLL」でなら国際映画祭2020 NARA-wave観客賞を受賞した「赤い惑星」などの村瀬大智監督・脚本が、同映画祭の映画製作プロジェクトNARAtive(ナラティブ)2022にて手がけた人間ドラマ。
12歳のイヒカ(三宅朱莉)は、奈良県南東部の山々に囲まれ、かつては商店や旅館が連なり登山客などで賑わったある集落で代々旅館を営む家に生まれた。
数年前から父・良治(三浦誠己)とは別居。
母・咲(水川あさみ)は良治の父・シゲ(堀田眞三)と旅館を切り盛りしていた。
そんなある日、シゲが姿を消してしまう。
旅館に存続の危機が迫る中、イヒカたち家族は変化の時を迎える。
なら国際映画祭2022にてプレミア上映。
出演は、主人公のイヒカをオーディションで抜擢された奈良県出身の三宅朱莉が、イヒカの母・咲を「喜劇 愛妻物語」などの水川あさみが、イヒカの父・良治を「ケイコ 目を澄ませて」などの三浦誠己が、イヒカの祖父・シゲを「みとりし」をはじめ数々の作品に出演する堀田眞三、「のさりの島」などの杉原亜実など。
エグゼクティブプロデューサーは、「あん」などの河瀬直美。
音楽は、「赤い惑星」の梅村和史。
2023年作品
日本映画
配給はナカチカピクチャーズ
製作会社はなら国際映画祭
上映時間83分
村瀬大智監督の舞台挨拶付きで鑑賞。
監督は中学校で非常勤の教師をされているそうです。
驚きました。
お、これはなかなか面白かった。
思わぬ拾い物。
拾い物と言ったら失礼か。
とても、良かったです。
奈良の山々の風景がとても美しいです。
とても静かな映画ですが、絵的にもなんか力強さを感じる作品でした。
全体的に、色々と繊細な感じが伝わってくる。
愛おしさも感じる。
老舗旅館の佇まいの雰囲気もいいですね。
私は個人的に、奈良の山奥にゆかりがあるので、リアルな風景と佇まいをリンクさせる事が出来た。
しょっちゅう生の奈良の山奥を見ているので、この映画からは匂いや風すら感じる事が出来る。
ロケ地の川上村もよく行くんです。
奈良の南部は、ほんとすごい山奥なんですよ。
限界集落の感じも最高にいい感じです。
画面のサイズがスタンダードサイズにしているのも、絵には見えない部分が見えそうな感じを醸し出していましたね。
映像自体も、色合いがあまり引き立たないモノクロ的な世界観も良かった。
奈良の山奥といい、絵といい、なんとなくの雰囲気といい、河瀬直美監督をすぐに思い出したけど、ちゃんとエグゼクティブプロデューサーに名前がありました。
「萌の朱雀」となんとなく通じるものがあったように思える。
物語自体に起伏はあまりないですが、ファンタジックでもあり、ノスタルジックでもある全体的な雰囲気はともて心を穏やかにさせてくれました。
特異な世界観でもなく、ある意味、ありきたりではあるけれど、少ない登場人物の奥深くを静かに描き出す様、本当に素晴らしいと思いました。
水川あさみのキャスティングは、ちょっと浮いてしまうんじゃないかと思いましたが、全然そんなことはなくがっちりと作品の中に溶け込んでいました。
繊細な人物描写も含め、村瀬大智監督の表現力の静かだけれど豊かさあふれる才能を見せてもらう事が出来た。
村瀬大智監督は今作が商業映画デビューということです。
これはこれからが楽しみな監督がまた一人増えましたね。
ただ、まあ、起伏の少ない静かな映画なので、万人受けする作品ではありません。
垢抜けたポップな映画や、大作、派手な映画をお好みの方は、寝てしまうかもしれません。
でも、ちゃんと画面に映っていないところが見えてくる作品でした。
こう言う感覚、すごく創作意欲が掻き立てられる。
思いがけず、素晴らしい映画に出会えました。
これだから映画はやめられない。
■興行収入予想
現段階では上映館数21館と少ない。
4月19日(金)からの全国順次公開中。
この手のインディーズ系の作品が大きなヒットになるのは厳しいですかね。
でも、かなりいい作品ですけどね。
作品の出来からして、ミニシアターランキングでも上位には入ってきてもいいと思うのですが。。。
奈良では3つのシネコンで上映されますが、地元で動員出来るでしょうか。
初登場圏外スタートと予想しましたがそうでした。
最終興行収入は1,200万円と予想。
星4つ(5点満点)
★★★★
「霧の淵」公式サイト
「霧の淵」のチラシです!
河瀬直美監督作「萌の朱雀」のDVDです!
河瀬直美監督作「萌の朱雀」のパンフレットです!
私も持ってます!
奈良・吉野関連の書籍『奈良そして吉野・大峯奥駆道を巡る』です!
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奈良関連の書籍『奈良のトリセツ』です!
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