0-0の戦い 勝つための指導?負けないための指導?
こんにちは。
プレイフルコーチの
ヤディです。
先日、とある小学生の
サッカーの試合を観に行ってきました。
いつものように、
何気ない観戦のつもりだったのですが──
その日、ひとつの問いが頭に浮かびました。
「この指導は、誰のためのものなんだろう?」
今日はその日の出来事を、
少しお話したいと思います。
■ 試合前に見た、2つのチームの「違い」
白いユニフォームのチーム(以下「白」)。
練習開始の合図と共に、
コーチたちが指導の声を張り上げる。
選手たちは迷いなく動き、
シュート練習やパス練習を淡々とこなす。
"練習ってこういうものだよね"
そう言わんばかりの、見慣れたアップ。
一方、緑のユニフォームのチーム(以下「緑」)。
ベンチには監督とコーチの2名だけ。
ただ、誰一人として、
子供たちに声を掛けません。
代わりにピッチでは、
子供たちが自主的にアップを始めていました。
1対1の局面で
アタックとディフェンスを繰り返しながら、
まるで試合さながらの、
“本気”の空気が流れます。
保護者からの声援もなく、
選手同士で意思疎通。
静かで、でも熱量の高いチーム。
「こんなチームがあるのか…」
私は密かに、
緑チームに心を奪われていました。
■ いざ試合開始。点は動かずとも、心は動く。
試合が始まると、白が攻勢。
だけど緑もしぶとい守備で応戦。
これが、「0-0の戦い」。
応援は少なく、
静かな試合…
かと思いきや、
試合中、
緑のベンチから
突然大声が響き始めました。
『〇〇、そこでいいと思ってるの?』
『なんでそこにいるの? もっと前でしょ!』
無表情、強い口調。
試合前の静けさが嘘のように、
緊張がピッチを包みます。
良いプレーには声をかけず。
「ダメなこと」にだけ、声が飛ぶ。
その変化に私は違和感を覚えました。
■ ハーフタイム、「自由」から「管理」へ
前半は0-0で終了。
緑の選手たちは、
水を被ったり、
リラックスしながら過ごしています。
「このチームなら、選手同士で作戦会議とかするのかも」
胸が高鳴っていた時、
主審をしていた監督が戻ってきました。
『みんな、座って』
さっきまでの自由な空気は一転、
統制された時間に。
話し出す監督の言葉には、
こんなフレーズが並びます。
『相手の00番への対応、わかってるよね?』
『〇〇ができてなかったから交代』
『だから、ダメなんだよ』
一方で、そこに「子供の声」は
ありませんでした。
後半にベンチにいる子が
積極的に声を掛けます。
ただ、言われたことを
繰り返すだけのオウム返し。
それが「理解」なのかは、
わからない。
■ 試合後のやりとりに見えた「本質」
後半も決まらず、0-0のまま試合は終了。
監督は、選手たちに淡々と話します。
『なんでシュート焦るの? 周り、見えてた?』
『あそこはパスを出すところでしょ』
『でも、パスしか出せなくなるのもダメなんだ。
選択肢はいつも”二択”なんだよ』
理屈はわかります。意図も伝わります。
でも──それは、子供たちに届いていたか?
そう問いかけたくなる空気でした。
■ 言葉は届いているか?
大人は、わかっている気になってしまいます。
自分の理屈、経験、正解。
それを伝えるのが「指導」で、
理解して動けるかが「成長」だと。
でも、
もし 子供たちがただ言葉を覚えただけで、
意味を理解していなかったら?
その言葉を、
意味がわからないまま友達に使い、
トラブルになることすらあるかもしれません。
そうならないために必要なのは──
大人が『確認すること』
言葉が届いているか、『確かめること』
■ 親子の会話も、指導と同じ
この話、スポーツの指導だけではありません。
親と子の関係でも、
同じことが言えるのかもしれません。
「こうあるべき」
「ちゃんとしなさい」
「普通はこうでしょ」
そういった言葉に、
知らず知らずのうちに
子供は「従うこと」に慣れていきます。
自分の気持ちより、
正解を探すクセが身についてしまったら、
そこから抜け出すのは難しいですよね。
■ 子供の可能性を信じるために、できること
大人が変われば、子供も変わります。
だからこそ、
まずは大人が「アップデート」すること。
子供に伝わる言葉を選び、
信頼関係の土台をつくること。
「怒らずに」やる気を引き出す。
「正解探し」ではなく、一緒に対話する。
そんなことを心がけてみてはいかがでしょうか?
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プレイフルコーチ ヤディ
八所さんの息子さん?という呪縛。
こんばんは。
プレイフルコーチの
ヤディです。
私が社会に出たのは1992年。
就職活動もせず、大学を卒業した私。
世の中を甘く見ていました。苦笑。
コピーライター志望を掲げて
秋から学校に通うと決めて
その資金稼ぎにアルバイトを始めました。
都内にあるグラフィックデザインの
制作会社。
何かしらコピーに関連付けていたつもりでした。
でも、ここでの仕事はもっぱら原稿を届ける
トラフィック業務。
暇なアルバイト。
コピーライターになりたい!
そんな気持ちはあったものの
実際は全くそれらしき勉強も環境も
意欲もなかったように思います。
コピーライターは
学校に通わなければなれない。
そんな前提がありました。
秋から開講するコピーライター養成講座に
通うための資金稼ぎだったのです。
本格的に勉強するのは学校に通い始めてから。
そんな甘い考えもありました。
学校に通う➡勉強する➡コピーライターになれる。
そんな思い込みがあったようです。
夢を語って現実は何もせず。
典型的な何も成果を出せないパターン。
そんな毎日に、父親が黙っていませんでした。
でも、父親は怒ることはしなかった。
「コピーを書く仕事ができる
会社があるけど行くか?」
そんな投げかけでした。
私は「うそ!!」と思いましたが、
父親の言うことは聞くという幼少期の習性が
未だ残っており、
その会社に行くことにしました。
父の強力なコネクション。
後にカリスマ美容師で騒がれる
美容業界で、美容室やメーカー相手に
イベントを実施する会社でした。
社長以下6名。
初日から「八所」の洗礼を受けます。
名刺を差し出すと
「ん?八所?聞いたことあるな」
と相手方。
すると上司はすかさず
「息子さんなんですよ」
「やっぱりそうなんだ。
お父さんにはいつもお世話になっています。」
どこにいってもお決まりのやり取りが
展開されるのです。
父親の業界での有名さは尊敬に値しますが、
息子扱いは嫌でしたね。
意識しなければよいのですが、
どうしても「八所」の看板がのしかかっている。
そんな日々でした。
同じ業界でも父親は出版、私はイベント。
会うことはほとんどありませんでした。
なのに、この居ずらい感じ。
結局9か月で退社するという結果に。
親は子供を心配します。
何とかしてあげたいと思うものです。
幼少期のスポーツしかり
進学しかり、就職しかり。
でも、子供は大人の意思とは違うベクトルを
持っていることがあります。
そして、それを言うことができぬまま
従うという傾向もあるような気がします。
自分で考えて自分で決める。
それからは、
全く違う世界を自分で決めて
自分の足で歩くというカタチを選択しました。
父はそれに関して何も言いませんでした。
スポーツ界でもよくありますよね?
二世選手。うまくいかずに早めに引退する。
子供にとって父親や母親の存在は特別です。
そして、子供は目に見えないプレッシャーが
かかっているんです。
無意識は知っています。
親子の関係は切っても切り離せない。
とてつもない強い結びつきがあるのです。
だからこそ、
一度関係性が崩れるとなかなか
修復が難しい。
幼少期の関係性創りが
大切なんだと思います。
今まで過干渉で関わっていて
急に突き放すとか、
その逆で、
今まで放任しておいて
急に口を出したりとか。
そういう転換は子供には
通用しないんです。
私の場合は、結果父親のフィールドで
仕事をしたくないと思ってしまった。
それはなぜなのか?
父親のレールはありがたかったが
長続きはしないという答えを無意識に
知っていたんだと思います。
でも、
指示待ちにならなかったのは
レールは引くがその上は自走しなさい。
引かれたレールの上では主体行動。
目的志向で動いていたように思います。
皆さんはどのような親子関係を
築いてきましたか?
また、親となった今は、
お子さんとどのように接していますか?
子供が与えられた枠組を信じてしまって
そこから前提を作っているとするなら
それは親が子供の可能性を
狭めてしまっているのかもしれませんね。
こうあるべきを捨てる勇気も大切かもしれません。
子供は与えられた枠組みを信じて、
その枠組みの中で考えることを覚えます。
親の「こうあるべき」は、多大に影響を与え、
それが狭ければ狭いほど
子供も狭い枠組の中でしか考えることが
できなくなる。
そんな傾向があるようです。
当たり前のように学校の勉強をする。
受験をする。
いい学校に入る。
そんな枠組みを与えたら
視野はその中にしかなくなる場合があります。
スポーツにも同じことが言えます。
野球をやらせる。バスケをやらせる。
そういう枠組みを作ってしまったら
他の選択肢は失われていくのです。
受け入れる方も同じかもしれません。
塾やスポーツチーム。
どちらも狭い枠組みで受け入れる。
ひたすらスパルタで勉強を教え、
難関校に合格させることを使命とする。
スポーツなら一つの競技をとにかく極める。
他の競技は見ないやらないやらせない。
大人はいつしか無自覚に
子供の可能性を奪っているかもしれませんね。
子供の可能性について、
振り返る機会があるといいですよね?
自分たちはよかれと思っていても
そうではないかもしれない。
そして、自分たちが引いたレールに
子供がうまく乗らない場合に
ついつい大きな声を出してしまったり、
ついつい縛り付けてしまったり
してしまうのかもしれません。
どうやって子供と本当の信頼関係を築けるのか?
親子のコミュニケーションを楽しむことができれば
スポーツも勉強も納得するカタチが
見えてくるんじゃないでしょうか?
プレイフルコーチ ヤディ
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スポーツのナショナリズムからスポーツと社会を関連付ける
こんばんは。
プレイフルコーチの
ヤディです。
2025年7月5日
ラグビー日本代表が、
ウェールズ代表から勝利。
30度を超える気温の中
2013年以来の2勝目を上げました。
成果を出すことは重要です。
2年目のエディジョーンズジャパンは
成果を出しました。
大きな弾みとなることは間違いありません。
国の代表としてどのように闘うか?
これからも尽きない課題ですが、
JAPANが強くなることで
その競技のステータスも変わります。
世界ランキング12位のウェールズと13位のJAPAN。
ナショナリズムを高揚させる戦いだったなと実感します。
ただ、JAPANのゴールはもっと先にある。
そのためにここからチームはどう変化するのか?
それが楽しみでもあります。
時は同じ頃、
ニュージーランドのダニーデン地方。
気温は7度。吐く息も白い中
世界ランキング
2位のオールブラックスと
4位のフランスが
対戦しました。
オールブラックスは3連敗中。
フランスはノンキャップ5人を投入し、
若手中心のメンバー構成。
これに対しニュージーランド国内では、
「敬意の欠如」。と評されました。
フランス代表のガルシエヘッドコーチは
優しく反論した。
過密スケジュールによる
選手の疲労を考えての人選。
選ばれた選手を信頼しベストパフォーマンスで
臨むと発言した。
NZのスコットロバートソンは
フランス劣勢と報じるメディアに対して
「そんなことを言える権利はない」
とあくまでフランスは強いチームだと
はっきりと言った。
よみがえるのは1999年。
第4回ワールドカップの準決勝を思い出します。
史上最強と言われたNZオールブラックスが
フランスに31‐43で敗れるという
波乱がおきました。
準決勝の4か月前、54‐7と大勝した相手。
前半も14点のリードで折り返した。
オールブラックスは油断したのかもしれない。
後半に入るとフランスのキック攻撃に
楕円球が味方をした。
後半だけで33点を取ったフランスが
逆転で決勝進出を決めた。
噂によると、試合前に決勝の日のスケジュールを
配っていたとも言われている。
完全に足元を救われたゲームだった。
自信と過信は紙一重。
これが蘇る。
いつも万全な準備と適度な緊張感が必要だと
思い知らされる試合だった。
今回もフランス劣勢。1999年と同じだ。
ワールドカップの準決勝とテストマッチは
状況は違うが、
国のナショナリズムをかけて戦う
試合には違いない。
総キャップ数(代表の公式戦に出場した選手の回数)
でいけば、858と322。
経験値は圧倒的に違う。
でも、フランスは大健闘。
総キャップ数など意味はないのかもしれない。
終わってみれば27‐31の4点差。
オールブラックスは、
ビデオ判定(TMO)によって3回のトライキャンセル。
不運に見舞われたが、勝ちを引き寄せた。
ベテランのボーデンバレットやウィルジョーダンが
再三再四チャンスを作り、ピンチをしのいだ。
やはりキャップ数は少し関係あるのかもしれない。笑
勝者はオールブラックス。
国の代表戦というものは
こういうものなのだ。
プライドをかけて戦う。
負けるわけにはいかない。
オールブラックスは、
ハカに「ガパオパンゴ」を選んだ。
本当に大切な試合にやる「ガパオパンゴ」
4連敗は許されない。
薄氷を踏むような試合。
4点差にどんな意味を持つのか?
国の代表として戦うことの尊さを、
チームとしての成熟度を。
一般社会でも日々行われている
チームビルディング。
こうしたラグビーのナショナルチームの
「それ」を参考にすることは
できるかもしれませんね。
どのようにしてチームは作られるのか?
現代のリーダー像やメンバーのポテンシャル。
そして、進むべき方向。
とても興味深いものであります。
そして、再びエディジャパン!
内容で言えば、
スクラムの安定とラインアウトディフェンスが
相手を上回った。
サインプレーからトライも生まれた。
国の代表として、
選手たちが体を張っている姿は美しいと思いました。
プロップの竹内選手がスクラムを組む前の動作。
あのルーティンにはどんな意味があるのか?
ちょっと気になりました。
ここから進むべき方向はどこなのか?
ラグビーという競技を通じて
日本の社会にもたらす影響はどの程度あるのか?
どうしても結びつけたくなる感情があります。
それは明確な役割と個性の重要性。
強みを最大限に活かすコンテンツ。
ここにラグビーの魅力は詰まっています。
そして、スポーツは幅広く人の心を揺さぶるのです。
JAPAN対ウェールズ。
オールブラックス対フランス。
どちらも第2戦にどんなドラマが
繰り広げられるか?
想定を超えてほしいと願います。
プレイフルコーチ ヤディ


