“昭和の呪い”を解く―― スポーツ現場に残る指導のカタチ
◆なぜ大人は子どもを叱るのか?
昭和の指導現場から
スポーツ指導の現場では、
いまだに“昭和のやり方”が
根強く残っている場面に
出会うことがあります。
あるセミナーで、
コーチから
「昭和のやり方なので
ピンときませんでした」
と言われたことがありました。
厳しくする、
罰を与える、
指導者の言うことは絶対。
軍隊から体育、そして部活動へ――
この流れの中で
「肉体と精神を徹底的に鍛えることが
人間の成長につながる」という理屈が、
昭和のスポーツ指導の根底にありました。
◆“気合と根性”が美徳だった時代
50代、60代、70代、
そして40代くらいまでの世代は、
この“気合と根性”を叩き込まれて
育った人が多いはずです。
ロジックや対話で解決しようとしても、
結論が見えないと苛立ってしまい、
気づけば大きな声で“熱く語る”――
これが昭和のコーチングの特徴であり、
怒鳴ることで指導した気になってしまう
“楽な方法”でもありました。
◆スポーツ界だけじゃない“昭和の呪い”
この体質はスポーツ界だけでなく、
学校や芸能界、
社会全体にも蔓延。
「強者と弱者」
「支配する者とされる者」
上下関係が当たり前のように存在し、
理不尽なヒエラルキーが
“我慢すること”とセットで
受け入れられてきました。
◆今、必要なのは“対等な関係性”
しかし、昭和のやり方は
今やさまざまな問題を生み出しています。
「スポーツは厳しくなければ強くなれない」
という前提を手放すことが必要になります。
まずは“承認・信頼関係”を築き、
対話を重ね、
許可を与えたうえで“厳しさ”を示す。
この順番が大切です。
大人と子ども、指導者と選手、
先生と生徒、親と子――
上下ではなく“対等”という
視点を持つこと。
大人も指導者も先生も親も、
偉いわけではありません。
◆変化する勇気と覚悟を
今こそ、私たち大人が変化する
勇気と覚悟を持つべき時。
スポーツ指導の現場でも、
子どもたちが“自分で考え、
判断し、行動できる”環境をつくることが、
本当の成長につながると私は信じています。
昭和の“呪い”から一歩抜け出し、
新しい時代のコミュニケーションと
信頼関係を築いていきましょう。
あなたは昭和のコミュニケーションになっていませんか?
少年野球チームが子どもたちに与える “気づき”とは?
◆試合前のルーティンに見えた“チームの色”
先日、
ある少年野球チームの
試合を観戦しました。
11年ほど少年野球に携わっていた経験から、
試合前の雰囲気や親御さんの様子を見るだけで、
そのチームの“色”がなんとなく伝わってきます。
低学年チームの試合。
片方のチーム(N)は
円陣を組み、
歌を歌い始めました。
ルーティンとして
定着しているようですが、
どこか“楽しさ”より
“義務感”が先立つ様子。
歌い終わると保護者から拍手が。
大人は盛り上がりますが、
子どもたちはどこか淡々と…。
もう一方のチーム(D)は、
静かに練習。
監督やコーチもおとなしめで、
特に目立った指導もなく、
“普通”という言葉が
ぴったりの雰囲気でした。
◆試合で見えた“判断力”の差
試合が始まると、
両チームの違いは明らか。
Dチームは監督が何も言わず、
子どもたちが自分たちで
判断しながら動いています。
一方のNチームは、監督さんのサインの基、
確実にゴロを打ち、
盗塁やエンドランを駆使して
得点を重ねていく。
気づけば3回までで0-9。
この大差はどこから生まれるのでしょうか?
◆“ゲーム性”を理解することの大切さ
野球は対戦型のゲーム。
一球ごとに状況が変わり、
その都度「何が必要か?」
を考える力が求められます。
確率のゲームでもあり、
駆け引きも重要。
この“ゲーム性”を
どれだけ理解しているかが、
実はチームの強さや子どもたちの
モチベーションに大きく影響します。
基本動作やスキルはもちろん大切。
でも、どの子も基礎練習は経験しているはずです。
それでも差がつくのは、
ゲームそのものをどれだけ
“自分ごと”として捉え、
攻略しようと考えられているかどうか。
◆“考える時間”が子どもを伸ばす
指導者がまず伝えるべきは、
「この競技はこんなに面白い!」
というゲーム性や魅力。
その上で、
「どうやったら攻略できるか?」
をワクワクしながら考える時間を
設けてみてください。
型にはめると子どもは戸惑いますが、
自由にゲームの主旨だけを伝えると、
子どもたちの発想力や行動力は
想像以上に伸びていきます。
◆“良好なコミュニケーション”が生まれる瞬間
子どもたちに十分に考える時間を与える。
それが、
良好なコミュニケーションや
チームワークにつながります。
少年野球チームが
子どもたちに与えてくれるのは、
スキルだけでなく
「考える力」や「ゲームを楽しむ心」。
その価値を、
これからも大切にしていきたいですね。
プレイフルコーチ ヤディ
“競技に敬意を払う“ スポーツの新しい視点を見つける
こんばんは。
プレイフルコーチの
ヤディです。
◆「競技に敬意を払う」という言葉
みなさんは、
ジム・トンプソン著『ダブルゴールコーチ』を
ご存じでしょうか?
彼が語った「競技に敬意を払う」
という言葉――私はとても好きです。
スポーツをする時、
その競技にどれだけ思い入れがあるか?
この姿勢が、実はとても大切だと感じています。
◆ゲーム性を理解することの大切さ
スポーツは“ゲーム”です。
だからこそ、
その競技のゲーム性をしっかり理解する。
「できる・できない」ではなく、
どう攻略するか?
どんな駆け引きがあるのか?
そんな視点で向き合うと、
スポーツの見方が変わってきます。
例えば野球。
一球ごとに状況が変わり、
味方と密にコミュニケーションを取りながら、
相手とも駆け引きを
繰り広げる“対戦型のゲーム”です。
サッカーやラグビーは、
動きの中で瞬時に判断し、
味方と目まぐるしくやり取りしながら
ゴールを目指す“ゴール型ゲーム”。
バスケットボールは
24秒ごとの
非言語コミュニケーションが命。
対話だけでは追いつかない
スピード感があります。
そしてテニス。
ティモシー・ゴールウェイの
『インナーゲーム』にあるように、
相手との戦いと同時に、
自分自身との“内なるゲーム”も繰り広げられます。
◆ゲーム性とコミュニケーションの関係
スポーツにおけるコミュニケーションは、
ルールや状況、空間とも“対話”しながら、
どうやってゲームを攻略するかを考える――
この発想が、
勝利至上主義では見えない
“本当の面白さ”を引き出してくれます。
指導者と選手は、
同じゲームを攻略する仲間。
信頼関係がなければ成り立たないし、
司令塔(指導者)と実践者(選手)は、
対等な立場で知恵を出し合う存在です。
◆“怒り”ではなく、“共に攻略する”姿勢を
スポーツの現場で、
指導者が感情的に怒りをぶつける場面――
実は、ゲーム性を理解していれば、
そんな発想にはなりません。
「どうやったらこのゲームを攻略できるか?」
「どんな工夫ができるか?」
この視点で関われば、
スポーツはもっと面白く、
指導者と選手の関係も
“人と人”として豊かになります。
◆スポーツの本当の価値を味わおう
競技に敬意を払い、
ゲーム性を理解し、
その中でコミュニケーション力を磨く――
これが、スポーツの本当の価値を引き出すコツです。
ぜひ皆さんも、
スポーツを“攻略するゲーム”
として捉え直してみてください。
きっと、
今までとは違う景色が見えてくるはずです。
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