シューズが原因となるシンスプリント、足の裏や膝の痛みについて、散々書いてきましたが、
今年ほど、酷い年はありませんでした。
ナイキの厚底をはじめとする、シューズの設計が大きく変わったからです。
3月初旬の記事:厚底シューズに思うこと の中で、
「新しいモノが作られると、新しい痛め方みが増えかもしれないので・・・注意が必要です。」
そんな事を書きました。
去年の冬から・・・嫌な予感がしてたんだよ。
参考記事:イイねや読者登録ありがとうございます。
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結論から先に書きます。プロネーションを起こしている足です。
シンスプリントや足底筋膜炎で悩んでいるランナーの足は
だいたいこのように壊れて動いています。
参考記事:世界中が解らなかった問題の答えが解けた│シンスプリント疲労骨折の治し方
見慣れていない人の為に、正常な足首も掲載します。形の違いが判るでしょうか??
シューズを履いて走ってみます。
シューズの中で、変わらず足首は倒れ込んでいます。
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●素足のランと、シューズ着用時での膝の比較
※走行時に垂直レーザーを照射しています。(赤い線)
さらに、倒れ込んだ所に、当時シューズの内側に装備されていた “足の倒れ込みを防ぐため”の硬い素材が、足の裏の筋肉や、舟状骨を突き上げました。
※現在のGTは改善されています。
各メーカー、同じような設計思想で、とにかくシンスプリントの来院が多い年でした。
ずいぶんヒールが細くなりました。
JAPANも細いシューズだな。。って思ったけど、ジールはもっと細くなりました。
今年のナイキは、ジールよりも更にスリムになりました。そして、GTよりも底が厚くなりました。
フロント着底で走ればそれほど影響はありませんが、ヒールから着底に入ったときや、体のセンターに足が入ってしまった時にシューズのヒールが素足の踵よりも随分先にコンタクトを起こします。
素足の状態ではまだ踵が地面に着いていない(左)タイミングで、
シューズの踵が地面に着き始めました。踵が厚いので、当然と言えば当然ですが。
シューズが倒れ込み、膝の捻じれが始まりました。
●ドロップ角度が膝に及ぼす影響
通常、シューズは踵側からつま先側にかけて高低差があります。これをドロップ角度と言います。
(フラットシューズでも高低差は5mm程度あります)
なぜか?若葉治療院には、靴屋も持っていないようなデータがたくさん蓄積されているわけですが・・・
今年のナイキFLY系は靴底が厚いだけじゃなく、ドロップ角にも癖がありますよね。
つま先が前方を向いて着底した場合、足の指の関節が曲がってくれるので
さほど影響がないのですが、
トゥ・アウト(つま先が外を向いている)を起こしている足や、
シューズの倒れ込みによって、トゥ・アウトを起こした場合、
ドロップ角度がきついシューズでは前足部が過度に倒れ込み、
足底筋膜炎やシンスプリントを引き起こします。
これは、ナイキの厚底に限らず、今まで多くありました。
しかし、トゥーアウトを起こした足で、ドロップ角度が更にきつくなったシューズを着用したばあい、
ジョーンズ骨折や、第一中足骨の骨折を引き起こしやすくなります。
今年は、中足骨の骨折、疲労骨折・亀裂も目立ちました。
そして、捻られることによって起きる、半月板損傷、腓骨の疲労骨折が目立つ年でした。
今年は、膝の手術が必要になるような損傷が多く、
私が知る限り、今年が一番最悪な・・・年しでした。
まだまだ解らない事がいくつもありますが、