足のスポーツ疾患第4弾、

今回からは「シンスプリント」です。

スポーツをしている中高生や、

スポーツに携わる保護者や監督の間では

馴染みのある言葉だと思います。

では、シンスプリントとはどのような状態なのでしょうか?

定義や症状、リハビリのコツまでご紹介します(^_^)

 

Q.シンスプリントとは?

シンスプリントとは、別名を脛骨過労性骨膜炎と言い、

内スネの骨(脛骨)に付いている骨膜の炎症です。

スネ内側にはヒラメ筋後脛骨筋長趾屈筋などが通過し、

脛骨と筋肉の間には薄い骨膜があります。

何らかの原因によって筋肉が骨膜を牽引し、

微細損傷(骨膜炎)をきたすことで痛みが発生します。

 

シーズンインやスポーツ初心者に起こりやすい事から、

「初心者病」と呼ばれることがあります。

スポーツ中の走る跳ぶなどの動きを繰り返すことで

骨膜が擦れるため、

オーバーユースとされる事が多い障害です。

 

練習量を落とすと痛みが落ち着き、

練習を再開すると再発するケースをよく耳にします。

症状に波があることから、

練習中止の判断を誤る選手・監督も少なからずいるため、

重症化して疲労骨折となる事もあります。

 

〜シンスプリントの好発〜

シンスプリントの好発スポーツは、

陸上競技やバスケットボールなどの

「走る」「跳ぶ」競技です。

走る・跳ぶと言ったスポーツ中の動きは、

骨膜が擦れるのを助長します。

スポーツで同じ動作を繰り返すことで何度も骨膜が擦れ、

結果としてシンスプリントとなります。

 

それ以外の要因に、

「初心者」「シーズンイン」などの時期が関係してきます。

特に、中学や高校からスポーツを始めた学生に

発症することが多いです。

身体ができていない初心者が、

練習量が増加するシーズン初期である春に部活に入部する。

その状況で先輩と同じメニューをこなそうとすると、

相対的にオーバーユースになります。

初心者病と呼ばれるのには、このような理由があります。

 

Q.シンスプリントの原因とは?

シンスプリントが発生する原因は、

内的要因と外的要因に分けられます。

〜内的要因〜

①.筋肉の問題

シンスプリントの鍵になる筋肉

★足関節底屈筋

・下腿三頭筋(特にヒラメ筋

後脛骨筋

長趾屈筋/長母趾屈筋

上記の筋が過伸張することで生じるのが、

後方型シンスプリントです。

ジャンプやランニング時の衝撃吸収力の伝達

重心移動時に上記の筋が牽引されます。

特に後脛骨筋ヒラメ筋は、

荷重時に強制的に伸張性収縮を余儀なくされるため、

骨膜のスレが起こりやすくなります。

それ以外にも、

下記に示す扁平足や回内足(プロネーション)が

牽引を助長します。

 

★足関節背屈筋

前脛骨筋

前脛骨筋過収縮することで生じるのが、

前方型シンスプリントです。

ランニング動作の沈み込みなどで、

前脛骨筋収縮が繰り返されることが要因となります。

 

下肢の筋肉以外にも、

大腿部の筋肉や股関節の筋肉も関係してきます。

大腿四頭筋腸腰筋など、

骨盤の動きに関係する筋肉の異常も、

シンスプリントの原因となります。

 

②.アライメント不良

人の体は真っ直ぐな状態であれば、

本来のパフォーマンスを発揮しやすく、

故障のリスクも少なくなります。

例えば、

回内足(プロネーション)

扁平足

O脚

トゥーアウト

下肢のアライメント異常は、

スネ周辺の筋肉に負担がかかりやすくなります。

もっと言うと、大腿部や股関節からの

アライメント異常も筋肉の負担になります。

 

アライメント異常は、

衝撃吸収機能の低下骨膜の牽引

起きやすい状態になります。

結果として、シンスプリントを

引き起こす原因として十分に考えられます。

 

また、止まった状態のアライメント以外にも、

動いている時の異常を発見・改善することも大切です。

例:ランニングフォーム・ジャンプの着地姿勢など

 

③.運動量や内容の変化

運動量の増加や練習内容の変更が、

原因としてよく挙げられます。

よくある要因は、

・新しいチームでポジションが変わった

新しい種目・競技に挑戦し始めた

シーズンイン冬季練習で練習量が増えた

などです。

 

練習のダメージが足に直接加わるのではなく、

間違った動き痛みを誘発する動き繰り返す事に

問題があります。

つまり、練習量を調節するだけでは、

本当にシンスプリントの原因を

取り除いたことにはなりません。

体の状態を整えている期間に、

それに見合った練習量を考察・実践することが

大切だと思います。

 

〜外的要因〜

①.練習環境

例えば、土のグラウンドとアスファルトでは

どちらが足の負担が大きいと思いますか?

もちろん、アスファルトのほうが練習の負担は

大きくなります。

それ以外にも、

固いグラウンド不整地な路面は足の負担を大きくします。

 

練習環境一つで、

足の疲労感や負傷のリスクが大きく変わってきます。

結果として、痛みを誘発や、悪化させることに繋がります。

 

②.シューズの問題

同じシューズを履いていると、

アウトソールのすり減りなどでクッション性の低下や、

踵のアンバランス感が出てきます。

それにより、本来できている正常な動きに影響を及ぼし、

足の負担が大きくなります。

例:すり減って傾いたシューズ

 

どれだけストレッチやセルフケアができていても、

機能を果たせていないシューズで練習していては、

シンスプリントに繋がってしまいます。

 

このように、シンスプリントの原因は多数あるため、

しっかりと見極める必要性があります。

原因が一つとは限らないため、

リハビリや治療が複雑になるケースも多いのが実際です。

 

シンスプリントの怖い点は、発症するリスクが高いこと、

悪化すると疲労骨折に繋がることです。

そのため、好発年齢に相当する選手、

選手に関わる監督やコーチ全員が、

危険性を知っておく必要があると思います。

 

私もシンスプリントを経験しているため、

痛みやリハビリに取り組んだことがあります。

その経験を踏まえながら、

話を掘り下げていきたいと思います。

 


 

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