2日ほど前のブログで、産経が海江田氏の過去の号泣を批判しているのに、今の首相が、「過去にお腹いたで政権を投げ出した人については、叩かない」と書いたとところ、「私は、安倍総理と同じく、国指定の難病である『潰瘍性大腸炎』の患者」さんから抗議がきた

私の言いたい趣旨とははずれるが、私は、産経新聞が、地に落ちた民主党をさらに叩き、憲法改正でもさせたいのか、一党独裁を目指すのか、さらに過去をとりあげて民主党の党首がダメということを批判したかったわけだが、別に安倍氏がこの病気で政権を投げ出したことについては、かつて叩かれたほどは悪く思っていない

私の書き方が差別的だったら、というか、この人が傷ついたのなら素直に謝るが、むしろ、この読者の方が抗議すべきなのは、安倍氏ではないのか?

彼はしきりに病気が完治したことをアピールし、カツカレーまで食べた

これこそ、この病気がまだ治っていなければ、首相がつとまらないということを公知しているようにみえる

「この病気を抱えていても、首相はつとまります。少しお休みをいただくときがあるかもしれませんが、そのときの代行体制もしっかり考えていますし、病を抱えながら、このような職につくことはユニバーサルデザインの趣旨からしても、間違ったこととは思いません」とでも言うべきなのではなかったのか?

私は完治しているのかどうかわからない。まだ薬を飲み続けているという情報は得ている。

前に、やめたのは腸の病気ではなく、うつ病のせいではないかと疑ったが(少なくとも診断基準に当てはまるように見えた)、それにしても、心の病の偏見をとるために、ノルウエーのボンデビック元首相のように、告白して休職という対応をすべきだと思った

そこら辺をあいまいにして、きちんとけじめをつけていない(病名もかつては機能性大腸障害と言っていた)ことが問題であって、体調が悪い時に、それを理由に首相をやめることは悪いと思わない。

産経が過去を持ち出して、この人には資格がないと断罪するのが許せなかっただけだ

とにかく、安倍首相には、病気を抱えていても職務をまっとうできることを身をもって示してもらって、この病気への偏見を少しでも薄めてもらいたい。ただ、いっぽうで、それをやりすぎると同じ病気で調子の悪い人間が休む時、首相の激務でもこなせるのだから、お前はさぼりだと言われるのが心配だ

はらいたでという書き方は悪かったが、機能性大腸障害という当時の言い方は、器質的なものでないという意味だったから、単なるはらいたと同じような言い方を彼自身がしていたことは忘れないでほしい

もう一つ、抗議がきた

私の早稲田嫌いと、慶応ひいきについて

そんなつもりはないことは断っておきたい

私はかねてから、大学入学資格試験を作るべきだと思っている

フィンランドにはそれがあって、それに受からないとスポーツ選手でも大学に行けない

ただし、職業大学というのがあって、それに受からなくても行ける

日本も大学入学資格試験をきちんと作って、その上で、スポーツで受かった人は、職業大学扱いにすればいいと思っている

それだけのことで、別にスポーツができる人間が、金を稼いだり、テレビに出たり、女性にもてたり、いい思いをするのは勝手だが、大学スポーツと名がつく以上、大学入学資格のある人に名乗ってほしいだけだ

もっとも、今はスポーツ選手でなくても、大学資格試験を作ったら大学生になれない人が半分くらいいるのだから、スポーツができるだけはるかにましかもしれない。

ただ、日本人の学力回復のためには、そういう資格試験は必要だと思っている。今の高認試験と、センター試験の間くらいのレベルでいいのではないかと思っている

で、私としては、学生スポーツの点では、早稲田も慶應も批判的だが、大学そのものについては、学生が両方受かったら慶応に行くようになって以来、また明治に受験者数で抜かれて以来、早稲田にも危機感がでてきて、かなり改革が進んでいると聞いている

それでも、私が早稲田の教員に呼ばれることはないだろうが(業績的には足りていると思うが、呼ばれるとしたらものすごい改革の意識があるということにはなると思う。金子勝氏も本当は早稲田に行きたかったというのを聞いたことがある)、早稲田の将来には期待したい

さて、ものすごく前置きが長くなったが、本日のお題は、アベノミクスでインフレが起こるかということをもう一度考えてみたい

アメリカの財政の壁が回避されたので、ドルが下がって、輸入品、つまり材料費が上がるので、さらにインフレの可能性もでてきた

ただ、私は、日本の企業がものすごく工夫をする体質がついてしまっているので(実際、円高になるたびに、結果的に外国向けに値下げする形になっていったが、それでもどうにかコストダウンで耐えてきた)、また勝間和代さんが言っていたが、日本の株主はものすごく粗利率を低くしても、売れれば許すところがあるので、円安の材料費とか、消費税アップをカバーしてしまうのではないかという気がする

もちろん、政府がインフレターゲットを決めているので、公然と2%の値上げを許すことになるだろうが、それをやる企業とやらない企業が出た時に、今の消費者なら、やらない企業のものを買う気がする

スーパーだって、家電量販店だって、よそがやるまで2%の値上げなどしないで、むしろメーカーに泣かせるだろう

インフレになれば賃金が上がるというが、会社の経営者だって、強欲になっているだけでなく、自分も零細企業をやっていてわかるが、一時的に景気がよくなっても、人があまっている限り、あるいは、将来もこの好景気が続くという見込みがない限り、給料を上げると思えない

給料が上がるとインフレになる。これは、高度成長期のセオリーだった

しかも給料上昇にみあって、ものがそのまま上がるのではなく、人々が高くてもいいものを買うといういい流れで、給料上昇よりインフレ率のほうが低いから人々の暮らしがよくなっていった

インフレになると給料が上がるというのも過去のセオリーだったが、やめてもらっては困る人の給料は上げるだろうが、安くて済む人の給料を今の経営者が上げるだろうか?

アメリカですら、かなり不完全な形だが、金持ち優遇税制が廃止になった

多少、景気がいいという雰囲気になっても、将来不安が残り、モノ余りが続き、そして、日本の企業が値下げ圧力に耐えられるような経営努力だけはやたらにうまい限り、インフレが本当に起こるかわからないし、人々の給料が本当に上がるのかは、もっとわからない

経団連もインフレターゲットに最大限協力するというのなら、加盟企業に、ちゃんと給料を上げろというのがいちばん手っ取り早いだろう

経団連を見ていていつも感じるのだが、こんなに消費者のことがわかっていない人間が、日本の会社では出世で来て社長になれるのが不思議で仕方がない