みなさま、こんにちは
今朝の情報番組で中村江里子とパリの映像が流れていて、夜間公開日のルーヴル美術館でドラクロワの「民衆を導く自由の女神」が映っていました
色彩の鮮やかさと美しさが際立ち、もう1度見たくなってしまいました
さて、ウジェーヌ・ドラクロワ美術館の後に訪問した、サン・シュルピス教会。
映画「ダ・ヴィンチ・コード」の舞台になった教会としても有名です。
手前にあるのは、ルイ・ヴィスコンティ作「四人の枢機卿の噴水」です。
ルイ14世の時代の枢機卿(すうききょう)、ボシュエ、フェヌロン、フレシエ、マシヨンの彫像が四面に鎮座しています。
枢機卿とは、カトリック教会において教皇に次ぐ地位にある称号のことです。
99年もの歳月を経て1745年に完成するも、1762年には火災に、1770年には落雷により破損しては数々の修復を繰り返して来ました。
近年に修復が終わったと思われる、繊細な美しさの天井のレリーフ。
細部まで本当に細かい装飾が施され、ずっと天井を眺めていました。
この教会へ来た最大の目的は、ドラクロワの壁画を見る事でした
1855年からこの壁画の制作を担っていたドラクロワは、結核性咽頭炎を患い、自宅から教会まで通う事が大変負担になっていました。
友人エティエンヌ・アロを通じて1857年に教会近くの住居に移り住んだのですが、その場所が現在は「ドラクロワ美術館」として公開されています。
ドラクロワ美術館を訪れ、ドラクロワのアトリエや数々の作品、画家の命でもあるパレットを見たり、美しく緑いっぱいのお庭で癒されました。→ click
その後、毎日ドラクロワが通っていた道のりを、同じようにたどって教会へやって来ました。
病に冒され、老体に鞭打ち心血を注いだ壁画の制作。
当時のドラクロワに思いを馳せながら歩いた教会までの道のりに、胸が一杯になりました。
「神殿を追われるヘリオドロス(1861年)」
「悪魔を退治する聖ミカエル」
こちらは、2枚の壁画のちょうど真ん中にある天井画です。
ミカエルは、ガブリエルやラファエルと並ぶ「三大天使」の1人です。
モン・サン・ミッシェルの修道院の屋根で金色に輝いているのも、同じミカエル(サン・ミッシェル)像です
見上げる程高い天井、長い回廊と細部に渡る繊細な彫刻。
レ・ミゼラブルの作者ヴィクトル・ユーゴーが、1822年にこの教会で結婚式を挙げました
ジャン・バティスト・ピガール作の、大理石の聖母像です。
周りの薄いグレーのマーブル状の大理石も美しかったですが、聖母像のこの柔らかな乳白色の大理石がとても温かみがあり、マリア様の優しい微笑みに心が満たされました。
この説教壇は、キリスト教会で教役者が礼拝を導き説教を行う場所です。
最近修復したようで、金色に輝く彩色が美しかったです
高い天井と長い奥行きの回廊の突き当たりにある、6588本ものパイプで作られた世界最大級のパイプオルガン。
パリで2番目に壮大な教会ですが、パイプオルガンも教会の規模同様に大変大きくて立派でした。
1862年にアリスティド・カヴァイエ・コルによって制作されたパイプオルガン。
日曜日のミサに参列すると、パイプオルガンの演奏を聴く事ができます
ミサに参列して賛美歌を歌い、パイプオルガンの演奏を聴き、ドラクロワの壁画を鑑賞したらきっと胸一杯になるでしょうね。