20081212 日本経済新聞 夕刊

 自民、公明両党は十二日夜、二〇〇九年度の与党税制改正大綱を決定する。過去最大規模の住宅ローン減税や土地譲渡益課税への非課税措置の創設など、景気後退局面に備え減税策を多く盛り込んだため、増税分を差し引いた実質的な減税規模は国税と地方税の単純合計で八千億―一兆円(平年度ベース)となる見通しだ。低公害車への自動車重量税の軽減措置をすでに販売済みの車にも広げることなども決めた。
 実質的な減税規模は国税が五千億―六千億円、地方税が三千億―四千億円の見通し。税制改正の効果が出尽くした場合の規模で、初年度はこれより小さくなる。
 道路関係税制を巡っては、自民党が自動車重量税と自動車取得税について、低公害車を新車で購入する場合に限って、五〇―一〇〇%の軽減措置を三年間設ける方針を提示。公明党は重量税の軽減対象を既に販売済みの車にも広げるよう主張し、自民党が受け入れた。
 与党合意では車検時にかかる自動車重量税も、燃費や有害物質の排出量などで一定の環境水準を達成すれば新たに軽減する。軽減期間は自民党案通り三年とする。
 大綱は十月末に決めた追加経済対策の具体化が柱。同対策の目玉だった過去最大の住宅ローン減税に関しては一般住宅よりも寿命が長い「長期優良住宅」について所得税と住民税を合わせて十年間で最大六百万円控除する方針を明記。
 中小企業対策では資本金一億円以下の企業の所得金額のうち年八百万円以下の部分に適用される二二%の軽減税率について、来年度から二年間、一八%に下げる。低迷する株式市場対策として、上場株式などの譲渡益と配当への一〇%の軽減税率(本則は二〇%)を一一年まで継続する。
 十二日夜の与党政策責任者会議で大綱を正式決定する。麻生太郎首相は今後の税制改革の全体像を示す「中期プログラム」に三年後の消費税増税の方針の明記を求めたが、公明党などが強く反発したため見送った。
 大綱では消費税増税の時期について「経済状況の好転後に速やかに実施し、二〇一〇年代半ばまでに持続可能な財政構造を確立する」という表現で決着した。

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20081211 日本経済新聞 地方経済面

 石油情報センターが十日発表した新潟県内のレギュラーガソリン価格(一リットルあたり、八日時点)は百十九・三円と、一週間前より四・三円値下がりした。値下がりは十八週間連続で、百十円台となったのは二〇〇五年三月以来およそ三年九カ月ぶり。
 県内のレギュラーガソリン価格は八月四日に百八十五・一円となり、調査開始以来の最高を記録した。その後は世界的な不景気を背景とした原油価格の急落を受けて、じわじわと下げ続けている。
 灯油の配達価格(十八リットルあたり)は千四百七十八円と一週間で四・九%下がった。値下がりは十七週間連続。今後寒さが厳しくなるなかで家計や企業の負担は少し軽くなりそうだ。
 ハイオクガソリンは百二十九・六円と四・六円の値下がり。軽油価格は百十二・九円と四・一円下がった。


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20081211 日本経済新聞 大阪夕刊

 緊急融資を利用した職員の話からは、倹約に苦心する様子や「超安定型」のはずだった将来設計への不安ものぞく。
 「収入は減るのに出費は増える一方。生活設計も狂ってきた」。四十代後半の男性職員が最も気掛かりなのは、来春に高校進学を迎える次女らの学費。高校二年の長女の大学進学の夢もかなえてやりたい。「すぐに現金が必要なわけではないが、低利なので備えとして借りた」
 月に七万円の住宅ローンは支払期間が十七年余り残る。月の手取り額が約三万円減ったため繰り上げ返済する計画を中止した。家計を預かる妻から月四万円の小遣いを減らすという通告はないが「やぶ蛇になりかねないので、妻にやり繰りの内容はとても聞けない」という。
 五十代前半の男性幹部職員は月の手取りが四万円余り減ったため、月の小遣いは五万円から一万五千円に。これまで外食だった昼食を愛妻弁当に変えた。
 八年前に高齢の母親と同居するために建てた二世帯住宅のローンは、繰り上げ返済の計画を中止。数千万円のローン返済は退職金が頼みの綱だが、橋下改革で「退職金の五%カット」も始まるため悩みは尽きない。
 自身の二人の子供は社会人になっているものの「学齢期の子供を抱える若い職員の士気をどう維持するかが組織としての課題だ」と懸念する。
 五十代後半の男性幹部は月の手取りが六万円以上減った。三十万円は父親の世話をするために購入したマンションへの転居費用などに消えた。ローンが残る元自宅の売却の行方は決まっていない。
 部下らを飲みに誘いにくくなった。「考えが古いかもしれないが、飲み会も円滑な職場運営のために必要なのだが」という。


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20081211 日本経済新聞 大阪夕刊

 二〇〇九年度与党税制改正大綱の最終案が十一日、判明した。年間百万円を上限に最長五年間、総額で五百万円までの株式投資について配当と譲渡益を非課税にする制度を一二年から導入する。中小企業の法人税の軽減税率は現行の二二%を〇九年度から二年間一八%に引き下げる。社会保障費の財源として焦点になっているたばこ税増税については与党は同日、見送りの方針を固めた。(最終案要旨2面に)
 最終案は同日午前の自民党税制調査会(津島雄二会長)の幹部会に提示された。同日午後の党税調小委員会、与党税制協議会を経て、十二日に正式決定する。
 たばこ税を巡っては、社会保障費の伸びを年二千二百億円に抑える目標を緩めることに伴う財源として増税する案が政府内で浮上。十一日、津島自民税調会長は幹部会の中で「絶対に上げるなと皆さんに言われている。今後の検討課題として考えたい」と述べ、〇九年度税制改正大綱には盛り込まない方針を示唆した。幹部会終了後、自民税調顧問の町村信孝前官房長官は「今回の改正ではたばこ増税はない」と明言した。
 自民党の保利耕輔、公明党の山口那津男両政調会長は同日午前、都内のホテルで来年度予算編成を巡って会談し、「社会保障費に充てる目的でたばこ税を引き上げるのは望ましくない」との認識で一致した。
 松本純官房副長官は十一日午前の記者会見で、「最終的に大綱が出てくれば尊重しながら検討を進めたい」と述べた。松本副長官は来年度予算編成での社会保障費の扱いについて「大綱が出た後に考えたい」と語った。
 少額投資優遇税制の創設は個人の金融資産を貯蓄から株式市場に振り向ける狙い。一方で、来年度税制改正では、株式投資の譲渡益や配当にかかる税率を一〇%(本則二〇%)に軽減している現行の措置を〇九年以降も三年間継続する方針。少額投資優遇税制はこの軽減税率の適用がなくなる一二年からとする。
 具体的には年間の新規投資額で百万円を上限に、一人あたり一つの非課税口座を持てるようにする。二十歳以上が対象で、同口座から投資した上場株式などの配当や譲渡益が非課税になる。非課税期間は十年間。年間一人一口座を五年間開設できるようにする。毎年の新規投資額の合計ベースで最大で五百万円が非課税対象になる。


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20081211 日本経済新聞 地方経済面

企業向け融資鈍る
 名古屋銀行、大垣共立銀行など中部三県(愛知、岐阜、三重)に本店を構える地方銀行が相次ぎ住宅ローンの相談窓口を拡充する。景気後退で住宅需要は鈍化が見込まれるものの、企業向け融資と比べて住宅需要は底堅いと判断。土日営業など顧客の利便性を高めた相談窓口を新興住宅地などに新設して住宅ローンを取り込む。
 名古屋銀行は二〇一一年三月期末までに、住宅相談窓口の「ローンプラザ」を二店舗新設する計画。候補地は、名古屋市内と愛知県三河地区などで検討している。
 同行は今月四日、八店目となるローンプラザを愛知県豊田市に開設した。これまでは支店内に相談窓口を配置していたが、土日も営業する独立型の店舗にした。今後新設するローンプラザも独立店舗にする。同行は製造業などの事業融資に力を入れてきたが、開拓余地がある住宅ローン事業をテコ入れする。
 大垣共立銀行は二十二日、名古屋市熱田区に十七カ所目のローンプラザを新設する。愛知県での顧客開拓が奏功し、同行の住宅ローン残高は約八千億円(九月末)と一年間で一二%伸ばしており、さらに上積み目指す。「需要が見込める場所には積極的に出店していく」(土屋嶢頭取)方針だ。
 十六銀行は十一月中旬以降、名古屋市名東区と豊田市に住宅ローンの相談窓口を設けた。「支店と比べて開設費用が少なく、今後も柔軟に出店したい」(経営企画部)という。愛知銀行は住宅展示場などにローンプラザを十一店持つが、今後は新興住宅地などに出店していく。
 中部地銀九行の九月末の住宅ローン残高は三兆八千五百億円と、一年前に比べて七・五%増加した。好調が続いた中部景気にも減速感が強まり、今後伸び率は鈍化する可能性があるが、各行は相談窓口の増設で住宅ローンを一段と拡大したい考えだ。


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