20090221 日経プラスワン

 貯金箱は子供から大人までコツコツお金をためられる身近な手段。現在、いくらくらい入っているか尋ねたところ「千円以上一万円未満」が三割で、最も多かった。次いで「一万円以上三万円未満」(一五%)。貯金箱を持っていない人も全体の三分の一を占めた。
 貯金箱でためる目標額を決めているのは四割弱と少数派。決めている人の中では「百万円」と大きな夢を描く回答も寄せられた。
 小銭とはいえ、コツコツ続ければ結構たまる。「財布の小銭を毎日瓶に入れていた。ある時数えたら四十万円近くになっていた」(東京都の会社員女性、49)という“貯金箱長者”もいる。
 長く続けるコツは、まず「簡単に開けられない貯金箱を選ぶ」(大阪府の会社員男性、59)こと。自分なりのルールを決めるのも長続きの秘訣のようだ。滋賀県の専業主婦(37)は「一日の終わりに財布に二百円だけ残して後はすべて貯金箱に入れる。枚数が百枚を超えたら銀行口座に入金する」という。
 岩手県の専業主婦(45)のように「飼い猫の健康保険代わり。二が付く日に二千円あるいは五百円玉二枚など、鳴き声の“にゃー”に引っかけている」と楽しみながらためる人もいる。
 調査の方法 調査会社のマクロミルに依頼し、インターネットで実施。対象は全国の成人既婚男女で、有効回答は六百十八人(男女半々)。

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20090221 日経プラスワン

 二〇〇八年十―十二月期の実質経済成長率がマイナス一二・七%(前期比年率)と約三十五年ぶりの景気悪化に直面する日本経済。株価や地価のさらなる下落が懸念され、個人の金融資産を取り巻く環境は厳しさを増している。家計はこの局面にどう対処すべきか、専門家に聞いた。
 見解を求めたのはファイナンシャルプランナー(FP)の深野康彦氏、畠中雅子氏、内藤真弓氏と田辺経済研究所代表の田辺孝則氏。運用環境の現状と見通し、個人の保有資産の見直し法や防衛術、家計管理のポイントなどを尋ねた。
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 四氏にほぼ共通する認識は、今回の景気悪化は通常の景気循環の中での一時的な落ち込みとは状況が異なるという点だ。深野氏は「経済危機の根は予想以上に深く、景気の底入れにはまだ二―三年はかかる」と予想。田辺氏は「米国の大恐慌時のように景気が底割れする可能性が一割はある」として、最悪シナリオに備える必要性も指摘する。
 畠中氏も「景気が上向けば何とかなるという過去の経験則に基づく甘い考えは通用しない」と主張。内藤氏は「右肩上がりの時代は終わった。個人の資産運用環境は劇的に変化した」としたうえで「回復の見込めない資産は処分する方がよい」と助言する。
 では、景気の一段の悪化に備え、個人はどのように金融資産を管理したらよいか。田辺氏は「生活防衛などを考えて、常に現金や預貯金を確保しておくことが重要」と話す。畠中氏もリストラや収入減、勤務先の倒産といったいざという場合に対応するために「最低でも年収の半分、できれば年収と同額の預貯金を持つことが大切」と指摘する。
 相場の急落で株式を保有する個人の大半は多額の含み損を抱えている状況だろう。内藤氏と深野氏はまず「自らの資産状況を正確に把握することが重要」と強調。損失が広がると多くの人は資産の現状を見なくなり、塩漬けにしてしまう傾向が強いためだ。畠中氏は「できるだけ元本保証のあるものにシフトする」ことをすすめる。
 一方で、すぐに必要としない余裕資金は「経営破綻リスクの小さい個別株を四―六月にかけて時間分散して少しずつ買っていく」(田辺氏)など、長期的な視点での運用は継続した方がよいとの意見が多かった。畠中氏は自身で「株主優待でお米がもらえる銘柄を買っている」と、値上がりよりも株主還元を重視した銘柄選びを実践している。
 深野氏は「潜在成長力が高い新興国株のウエートを高める」ことを助言。深野氏が現時点で理想とする資産配分は現預金四五%、先進国株式一五%、新興国株式一五%、残り二五%を債券などで運用する形だ。
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 家計防衛の観点からは「生活水準のコントロールも重要」との指摘も目立った。内藤氏は家計の中で保険の無駄が多いことを強調。「保険は最低限必要な大きなリスクに備えるものに絞り、できるだけ保険料を下げる形で契約を見直すべきだ」と訴える。
 畠中氏は「収入に見合わない額の教育費を支出している人が多い」と懸念。収入が増えない中では生活費の節約に加えて「教育費という“聖域”に切り込む勇気が求められる」と強調する。不況期の個人の資産・家計管理には発想の転換も求められるようだ。
(長谷川岳志、大角浩豊)

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20090221 日経プラスワン

 大きな買い物となるマイホーム。住宅ローン減税が拡充される一方、価格の下落が進む現状は、購入のタイミングとしてどうだろうか。インターネット調査会社のマクロミルを通じ、住宅購入を検討中の二十代後半から四十代の男女に尋ねた(二月上旬実施、有効回答数千三十四)ところ「買い時だとは思わない」と答えた人が五六%だった。
 リクルートによると、一月の三連休に首都圏のマンションモデルルームを訪れた人の数は、前年の同じ時期に比べて約三割増。野村不動産アーバンネットの林陽平さんは「ここ一、二年購入を検討しながらも、物件価格が高く手を出せなかった人たちが動き始めている」と解説する。
 とはいえ「相場の下落=買い時」と見るのは早計だ。まずは、自身のライフスタイルや求める条件を再点検。周囲に高い建物が建つ可能性や、家族構成の変化に応じた間取りの可変性も確認しよう。「用途地域の違いや建築構造などは、本や情報誌などで最低限の勉強をしておいた方がいい」(リクルート「住宅情報ナビ」の川本広二さん)
 資金計画では、物件価格に対し売り主物件で三―四%、仲介物件だと七―八%かかる諸費用(ローン保証料や仲介手数料など)についても意識を。購入を決めたら、重要事項説明書など契約の際に署名なつ印する書類に目を通し、見落としをなくそう。

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20090220 日経産業新聞

燃油税上げも追い風
 日産自動車は中国で低燃費車を積極投入する。燃料消費効率を一〇%前後改善できる無段変速機(CVT)の搭載車を現地の合弁会社で生産。販売量に占める搭載車比率を二〇一二年に五〇%に引き上げる。中国では今年から燃料に課される税負担が重くなったため、低燃費車への関心が高まっている。日産は環境に優しい「エコカー」の入門版とも言われるCVT車で需要取り込みを急ぐ。
 日産系の変速機メーカー、ジヤトコ(静岡県富士市)が中国・広州市にCVT工場を〇九年半ばに稼働するのを受け、現地でのCVT搭載車の量産を本格化する。ジヤトコの工場の生産能力は年十四万台。広州には日産の乗用車合弁、東風日産乗用車の主力工場があり、現地調達によるコストダウンが見込める。
 東風日産では現在、多目的スポーツ車(SUV)「キャシュカイ(日本名、デュアリス)」「エクストレイル」や高級セダン「ティアナ」、中型セダン「シルフィ」などでCVT搭載車を展開している。搭載車比率は〇七年時点で一〇%超だった。今後も、中国市場に投入する新モデルでも搭載車種を増やしていく方針だ。
 中国では国家統制されているガソリンの価格は諸外国に比べれば安いものの、一般消費者は価格上昇には敏感。税制改革の一環で、今年一月から道路整備費などに充てられる燃油税が従来の一リットル〇・二元(約三円)から一元に引き上げられたこともあり、購入者は低燃費車への関心を高めている。
 CVTは一対の滑車と滑車同士にかかる金属製ベルトを利用して動力を伝える。なめらかな変速が可能になり、歯車(ギア)の組み替えで変速する自動変速機(AT)に比べて、燃費効率が高まるのが特徴。ガソリン価格の高騰を受けてから日本の乗用車市場でも普及期を迎えている。
 中国ではこれまでは排ガス規制対応を優先する傾向が強く、CVT搭載車に力を入れるメーカーは外資系を含めて少ない。日産の積極投入で、今後、中国でも低燃費車を巡る販売競争が激しくなりそうだ。

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20090220 日本経済新聞 朝刊

バラマキ懸念も
 農林水産省は生産調整(減反)などのコメ政策を見直すのにあわせ、生産調整に参加する農家の所得補償を拡充する検討に入った。現在の所得対策である「水田・畑作経営所得安定対策」を拡充したり、新しい交付金を設けたりすることを検討する。ただ財務省は必要な財源の増加に慎重で、政府内の調整が難航する可能性もある。
 農水省は五年に一度の農政の基本計画の見直しに着手している。石破茂農相は四月にも農政改革の方向性を示す考えで、所得対策の見直しも盛り込む見通しだ。
 政府は農家の収入補てん費として、二〇〇九年度予算案に七百五十八億円を計上した。農水省は一〇年度に向け対策費を増額したり、交付金を創設したりする方針。具体的な制度設計や拡充の額などは今後詰める。
 現在、コメの生産調整には約三割の農家が参加せず、不公平感が強い。このため農水省は農家が減反するかどうかを自主的に判断する「選択制」への移行などを検討している。選択制にするとコメが大量に生産され、米価が下がる可能性があるため、農水省は生産調整に参加した農家への所得補償を手厚くし、経営を安定させる考えだ。
 農水省は豊作でコメ価格下落の可能性が大きくなった〇七年、〇八年産と緊急に備蓄米としてコメを買い入れた。その結果、価格は下げ止まったが財政負担は増えた。
 生産調整について選択制に移行しない場合でも、豊作時に政府が緊急にコメを買い支えることをやめれば、米価が下がる可能性がある。農水省はこうした場合にも農家への所得補償を拡充する必要があるとみている。
 「コメの価格維持」から「農家への所得補償」への移行は、政府の経済財政諮問会議の民間議員も提案した。高いコメを買う「消費者負担」から、値段が下がる代わりに税金で所得補てんする「納税者負担」の色彩が強まることを意味する。
 自民党農林族からは米価維持を続けながら、所得補償を拡充すべきだとの声も上がる。だが野放図に所得補償をすると、財政負担が膨らむうえ農家へのばらまきになりかねない。農家が生産性を高める意欲をそぐことにもつながる。例えば米価が下がるなど、消費者・納税者にも利点があるように制度を変えないと国民の理解は得にくい。
 民主党は農家への戸別所得補償制度を打ち出している。農家の生産コストと販売額の差額を補てんする仕組みだ。農水省は過去の収入額と比べて減った分を補てんし、民主党案と基準が異なる。民主党案が小規模な農家まで幅広く対象にする見込みなのに対し、農水省は原則として大規模農家を中心に補償したい考えだ。

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