20090103 日本経済新聞 朝刊

 厚生労働省は中小企業などに普及している税制適格年金が二〇一二年三月末に廃止になるのに伴い、他の企業年金制度への移行を促すための支援本部を九日に設立する。運営を受託する金融機関などに参加してもらい、どんな移行支援が必要かを検討する。
 参加するのは企業年金連合会のほか、日本経団連などの経済団体、信託協会、生命保険協会など。企業年金連合会に事務局を置き、企業からの相談を受け付ける。企業への啓蒙(けいもう)活動も手掛ける方針だ。
 税制適格年金は一定の利回りを約束する確定給付型の一種。積み立てにかかる拠出金の全額を税務上損金として扱えるため、中小企業に普及している。だが年金財政を監視する仕組みが不十分で、多くの企業で積み立て不足が発生。加入者保護の観点から廃止が決まった。
 ただ他の企業年金への移行や解散が済んでいない適格年金が〇八年三月末時点で約三万三千社にのぼっている。

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20081225 日本経済新聞 地方経済面

 横浜市の二〇〇九年度の単年度収支不足額が当初予想より百億円増え、二百七十億円程度になる見通しであることが二十四日、分かった。景気後退で市税収入が一段と落ち込むことが主因とみられる。市は現在、〇九年度の予算編成を進めているが、財源不足がさらに深刻になれば医療や福祉、教育など重要施策に影響を与えるのは必至だ。
 減収分の百億円のうち、市は特に法人税収が想定より落ち込むとみている。不動産会社の相次ぐ倒産や、自動車関連メーカーを中心とする製造業の不振が響く。個人消費の低迷などでサービス業も振るわない。固定資産税や都市計画税も〇八年度比で減収を見込んでいる。
 横浜市は九月、〇九年度の市税収入は〇八年度見込み額より五十億円減の七千二百七十億円と五年ぶりの減収になる見通しを立てていた。県税交付金などの減少も響き、〇九年度の単年度収支不足は百七十億円とみていたが、その後の景気後退によって足元の財源不足はさらに深刻になっている。
 横浜市は人件費削減や事業の見直しに取り組んでいる。現状では財政再建を堅持するため、市債発行額の削減は続ける考え。〇九年に迎える開港百五十周年の記念事業への影響は「過去五―六年で積み上げた基金を活用する」(中田宏市長)ため、限られるという。


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20081225 日本経済新聞 地方経済面

 静岡経済研究所(静岡市、古知弘行理事長)が静岡県内の主婦を対象に実施した「二〇〇九年の消費動向アンケート調査」によると、景気が「悪くなっている」と感じる人の割合は八四・九%で前年に比べ五四・七ポイント上昇した。一方、「良くなっている」は〇・一%で三・八ポイント低下した。同研究所は「主婦の景況感が急速に悪化している」とみている。
 生活レベルの満足度については、「不満」と「やや不満」を合わせた不満足派が、「満足」と「やや満足」を足した満足派を一〇・八ポイント上回った。前年は二・〇ポイント上回っており、不満足派が増えた形だ。
 現在の家計支出の状況をみると、一年前に比べ「かなり引き締めている」と答えた割合が一四・五%、「多少引き締めている」が五五・五%だった。今後についても「かなり引き締めたい」が二七・二%、「多少引き締めたい」が五四・五%に達し、倹約志向が強まっている。
 調査は県内のサラリーマン世帯の主婦を対象に十一月に実施、千三百四十二人から回答を得た。


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20081225 日経産業新聞

 政府は二十四日、景気回復に軸足を置いた二〇〇九年度予算案を閣議決定した。製造業の景況が日を追って厳しさを増す中、注目は一足先に需要が冷え込んだ住宅市場だ。大手分譲会社の在庫処分セールを通して、おぼろげながら売れ筋価格が見えてきた。建築資材の価格が下落。〇九年からは住宅ローン減税も拡充される。分譲各社はこの機を逃すまいと懸命だ。
 総額五億円をプレゼント――。オリックスグループでマンション分譲事業を手掛けるオリックス不動産。一等賞は一千万円のマンション割引券、二等賞は五百万円、三等でも三百万円を割り引く大型キャンペーンを打ち出した。
 会員でなくてもインターネットや郵便はがきで申し込むことが可能。オリックス不動産のマンションを見たことがない人でもキャンペーンに当選してから検討することができる。最終の締め切りは〇九年一月末だが「想定以上の応募者が殺到している」(同社)
 千葉県松戸市の郊外。中堅マンション分譲会社のアンビシャス(東京・新宿)が手がけるファミリーマンション「アンビシャスパーク新松戸」(総戸数三十一戸)。郊外型マンションは「徒歩七分圏内が売れる限界」とされるが、同物件はJR新松戸駅から徒歩十三分。立地条件は決して良くないが、これまでに二十九戸が売れた。
 最大のポイントは価格。三・三平方メートル当たりの平均価格は約百六十万円。3LDKなら約三千五百万円で、最近のピークの〇七年前半に比べると「二〇―三〇%低い水準」(業界関係者)だ。
 十―十一月の二カ月間で一千戸――。「ライオンズ」ブランドの大京は金融危機で日増しに景気が悪化するのを尻目に、驚異的ともいえる販売実績をあげた。
 二〇〇九年三月期で棚卸し資産の評価損を計上。マンション物件の簿価を切り下げ、完成在庫を市場価格に合わせて値引き販売したからだ。今秋からの新規発売物件についても当初計画を修正し、「順調に契約をとっている」(大京)。十一月から発売した亀戸レジデンスも七十戸すべてを完売した。
 マンション価格は〇六年から上昇を始めた。用地取得費と建築費の高騰が背景にあったが、値上がりを待つ「売り惜しみ」も出た。不動産経済研究所(東京・新宿)によると〇八年一―十一月の首都圏のマンション発売価格は平均四千八百六十三万円。〇五年比で約二割も上昇。供給側の理屈だけで高騰したマンション市場から消費者は離反していった。
 「消費者の購買意欲は冷え込んでなんかいない」。調査会社トータルブレインの久光龍彦社長はこう言い切る。過去三年分の下駄(ゲタ)を外した“二〇〇九年版・新価格”なら消費者層が買いに動く可能性があると指摘する。
 住宅ローン減税の拡充もプラス材料だ。一般の住宅・マンションでは〇九、一〇年に入居するとこれまでの二倍以上にあたる最大五百万円(年間五十万円)の控除を受けられるようになる。
 恩恵を丸々、受けられるのは年収一千万円近く(妻、子供二人)の富裕層で「効果は限定的」(石沢卓志・みずほ証券チーフ不動産アナリスト)との分析がある。だが低所得層にも住民税減税を併用して控除額を積みますなどの措置が盛り込まれており「効果はかなりある」(不動産経済研究所)との見方も多い。
 分譲会社に問われているのは、市場が求めている物件を的確に供給できる能力だ。この数年間のマンション価格上昇と、新規供給物件の減少は買い手の購買行動を変化させた。リクルートによると、首都圏では住宅購入者が物件を従来より遠い地域にまで広げて探す傾向が強まっている。
 買い手の「移動距離」を調べたところ、二〇〇五年にもっとも多かったのは「狭域」(市区内)で五三%だったが、〇八年は三一%へ減少。代わって「広域」(都県内)が〇五年の二倍の三七%になった。それだけマンションの売り手が潜在顧客を探し出すのは難しくなっている。
 キーワードは「近居」。第一次住宅取得者の主役は団塊ジュニア世代(一九七一―七四年生まれ)。子世代は住宅購入のため共働きを続ける必要があり、親の近くに住めば女性にとって育児と仕事を両立する上で頼もしい助っ人となる。都や県の境を超えて「親世帯のそばに子世帯がすり寄っていく『近居』の傾向は今後も強まりそうだ」(住宅情報タウンズの池本洋一編集長)という。
 マンション不況からすでに一年半。トンネルを抜け出すことができるか、注目される。(前野雅弥、高橋香織)


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20081225 日本経済新聞 朝刊

 少子化対策では、出産から子育てまで幅広く予算が配分された。二〇〇九年度予算案の目玉は出産一時金の引き上げ。四万円引き上げて四十二万円にするため、約七十九億円の出産費用補助を盛り込んだ。
 現在は病院に出産費を払った後、医療保険を通じて本人に出産一時金を支払う仕組み。この支払い方法も見直し、健康保険組合などから病院に直接支払うようにするので手元にお金がなくても出産できるようになる。厚生労働省は公立病院などでの出産費用は一時金でまかなえるとみている。
 二次補正予算で手当て(七百九十億円)された十四回分の妊婦健診の無料化と合わせ、健診から出産までの一貫した支援の仕組みができあがる。子どもを産みたくてもお金がなくて産めない環境を解消する。
 保育士らが自宅で乳幼児を預かる「保育ママ」を支援するための費用も約十四億円盛り込まれた。保育ママ制度は一〇年四月から国の制度になり、今後、ゼロ歳児など乳幼児の保育の担い手として期待されている。
 このほか地域の子育て支援拠点の設置などに約百億円、保健師らが乳児のいる家庭を訪問し育児の悩みなどを聞く「こんにちは赤ちゃん事業」の拡充などに八百七十七億円の予算を配分した。
 二次補正予算では、出産子育て支援合計で二千四百四十一億円を計上。保育所や幼稚園と保育所の機能を併せ持つ「認定こども園」を整備するための一千億円の「安心こども基金」設立のほか、子育て世帯を応援するための手当に六百五十一億円などが盛り込まれた。


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