20081225 日経産業新聞
政府は二十四日、景気回復に軸足を置いた二〇〇九年度予算案を閣議決定した。製造業の景況が日を追って厳しさを増す中、注目は一足先に需要が冷え込んだ住宅市場だ。大手分譲会社の在庫処分セールを通して、おぼろげながら売れ筋価格が見えてきた。建築資材の価格が下落。〇九年からは住宅ローン減税も拡充される。分譲各社はこの機を逃すまいと懸命だ。
総額五億円をプレゼント――。オリックスグループでマンション分譲事業を手掛けるオリックス不動産。一等賞は一千万円のマンション割引券、二等賞は五百万円、三等でも三百万円を割り引く大型キャンペーンを打ち出した。
会員でなくてもインターネットや郵便はがきで申し込むことが可能。オリックス不動産のマンションを見たことがない人でもキャンペーンに当選してから検討することができる。最終の締め切りは〇九年一月末だが「想定以上の応募者が殺到している」(同社)
千葉県松戸市の郊外。中堅マンション分譲会社のアンビシャス(東京・新宿)が手がけるファミリーマンション「アンビシャスパーク新松戸」(総戸数三十一戸)。郊外型マンションは「徒歩七分圏内が売れる限界」とされるが、同物件はJR新松戸駅から徒歩十三分。立地条件は決して良くないが、これまでに二十九戸が売れた。
最大のポイントは価格。三・三平方メートル当たりの平均価格は約百六十万円。3LDKなら約三千五百万円で、最近のピークの〇七年前半に比べると「二〇―三〇%低い水準」(業界関係者)だ。
十―十一月の二カ月間で一千戸――。「ライオンズ」ブランドの大京は金融危機で日増しに景気が悪化するのを尻目に、驚異的ともいえる販売実績をあげた。
二〇〇九年三月期で棚卸し資産の評価損を計上。マンション物件の簿価を切り下げ、完成在庫を市場価格に合わせて値引き販売したからだ。今秋からの新規発売物件についても当初計画を修正し、「順調に契約をとっている」(大京)。十一月から発売した亀戸レジデンスも七十戸すべてを完売した。
マンション価格は〇六年から上昇を始めた。用地取得費と建築費の高騰が背景にあったが、値上がりを待つ「売り惜しみ」も出た。不動産経済研究所(東京・新宿)によると〇八年一―十一月の首都圏のマンション発売価格は平均四千八百六十三万円。〇五年比で約二割も上昇。供給側の理屈だけで高騰したマンション市場から消費者は離反していった。
「消費者の購買意欲は冷え込んでなんかいない」。調査会社トータルブレインの久光龍彦社長はこう言い切る。過去三年分の下駄(ゲタ)を外した“二〇〇九年版・新価格”なら消費者層が買いに動く可能性があると指摘する。
住宅ローン減税の拡充もプラス材料だ。一般の住宅・マンションでは〇九、一〇年に入居するとこれまでの二倍以上にあたる最大五百万円(年間五十万円)の控除を受けられるようになる。
恩恵を丸々、受けられるのは年収一千万円近く(妻、子供二人)の富裕層で「効果は限定的」(石沢卓志・みずほ証券チーフ不動産アナリスト)との分析がある。だが低所得層にも住民税減税を併用して控除額を積みますなどの措置が盛り込まれており「効果はかなりある」(不動産経済研究所)との見方も多い。
分譲会社に問われているのは、市場が求めている物件を的確に供給できる能力だ。この数年間のマンション価格上昇と、新規供給物件の減少は買い手の購買行動を変化させた。リクルートによると、首都圏では住宅購入者が物件を従来より遠い地域にまで広げて探す傾向が強まっている。
買い手の「移動距離」を調べたところ、二〇〇五年にもっとも多かったのは「狭域」(市区内)で五三%だったが、〇八年は三一%へ減少。代わって「広域」(都県内)が〇五年の二倍の三七%になった。それだけマンションの売り手が潜在顧客を探し出すのは難しくなっている。
キーワードは「近居」。第一次住宅取得者の主役は団塊ジュニア世代(一九七一―七四年生まれ)。子世代は住宅購入のため共働きを続ける必要があり、親の近くに住めば女性にとって育児と仕事を両立する上で頼もしい助っ人となる。都や県の境を超えて「親世帯のそばに子世帯がすり寄っていく『近居』の傾向は今後も強まりそうだ」(住宅情報タウンズの池本洋一編集長)という。
マンション不況からすでに一年半。トンネルを抜け出すことができるか、注目される。(前野雅弥、高橋香織)
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