20090108 日本経済新聞 朝刊

 内閣府が試算する二〇一〇年代の財政見通しで、国と地方を合わせた基礎的財政収支が一一年度に名目国内総生産(GDP)比で二%超の赤字になることが分かった。景気後退に伴って税収が大きく落ち込むためだ。一一年度に黒字化する政府目標の達成は一〇年代後半にずれこむのが確実で、政府は目標の見直しを迫られそうだ。
 政府は中長期の経済運営方針を示す「進路と戦略」を引き継ぐ閣議決定文書として、「経済財政の中長期方針と十年展望」をまとめ、月内に正式決定する。内閣府の見通しは中長期方針の参考数値として添付され、政府の公式な財政予測になる。
 基礎収支は行政サービスにかかる経費を新たな借金に頼らずに税収などで賄えているかどうかをみる指標。政府は〇六年にまとめた経済財政運営の基本方針(骨太方針)で一一年度の黒字化を目標に設定した。
 内閣府は一一年度の名目経済成長率を二%程度とし、消費税率を一%上げると仮定。ただ景気が後退局面にある〇九年度までは税収の落ち込みが大きく、一一年度の基礎収支は名目GDP比で二%超、十兆円台半ばの赤字になると試算した。消費税率を毎年一%上げて一五年度に一〇%としても、収支の黒字化は一〇年代後半になる。



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20090107 日本経済新聞 地方経済面

 神奈川県横須賀市は六日、保護者が保険料を滞納して「無保険」になっている未就学児に、二月から二カ月間有効の短期保険証を交付すると発表した。
 四月の改正国民健康保険法の施行に先駆けて実施する。
 対象は無保険状態の小学校就学前の乳幼児。同市によると昨年十二月十二日時点で七十九人いる。無保険状態では医療機関にかかった際、全額負担となるが、短期保険証があれば国民健康保険が適用される。
 国は同法に基づき四月から、中学生以下の無保険状態の子どもに一律に短期保険証を交付するが、同市は「乳幼児は体が弱く、医療の必要性が特に高い」(健康保険課)として、先行して保険証を発行することを決めた。
 事業費は「インフルエンザが流行するなどして、多く見積もって数千万円」(同)としている。




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20090107 日経MJ(流通新聞)

産地・添加物不安も要因
(1)食費全体の傾向では、「外食」が減って自宅で作る「内食」が増加
(2)「中食」の購入は若い女性や中高年男性は増加傾向で、四十代女性や主婦層などは減少傾向
(3)中食購入の増加理由、減少理由の両方に節約志向が影響している
 景気後退で節約志向が強まる昨今、右肩上がりで伸びて来た弁当や総菜などの「中食(なかしょく)」市場が踊り場を迎えたことが、日経産業地域研究所の調査でわかった。調査では消費者が過去一年に中食にかけた費用は前年に比べて「増えた」と「減った」が拮抗(きっこう)。増えた・減った理由のそれぞれで節約意識が目立ち、特に主婦層が中食を減らしている。
 本社産業地域研究所が首都圏の消費者に、食費や日ごろの食生活について聞いた。まず目立ったのが、食品の値上がりや不景気などによる生活防衛意識の高まりだ。全体で外食が減り、家庭での手作り料理(内食)が増えるといった「外から内」への流れがある。
 「食費全般」をみると「やや増えた」も含め「増えた」人が合計で三三・四%で、減った人の合計(一六・七%)の二倍だ(図表1)。日常的な食品が値上がりし、普段の買い物全般で支出増になったとの意識が強い。個別のジャンルごとにみるとより費用がかかりがちな「外食」を減らし、手作りの「内食」を増やしている姿が明らかだ。
 外食と内食の間にあたる「中食」は、増加と減少がせめぎあい方向感が定まらない。増えた人の合計と、減った人の合計とを比べると一・八ポイントの小差で、わずかながら増えた方が多い。ただ、「増えた」と断言した人(二・四%)と「減った」人(一〇・一%)とでは、「減った」方が約四倍と多く、減少の勢いの方が強かった。
 性年代別でも増減傾向は異なった。過去一年の中食購入の増減で、増加合計から減少合計を引いたポイントを出すと、増加傾向が目立ったのは、まず中高年男性や若い女性だ(図表2)。四十代や六十代男性に加え、女性は二十代や未婚者が中食の費用を増やした。世帯年収が高く、比較的生活に余裕がある層も中食費を増やしていた。
 一方、中食の購入の減少比率が高かったのは、四十代女性や専業主婦などで、内食が増えた層と重なる。手作りして、外食も中食も減らす本格的な節約をする時間も調理技術もあるためだろう。
 ただ、中食の購入が増えた人でも減った人でも、それぞれの理由で節約志向が強く出ていた。
 中食費が増えた人に理由を聞いたところ、一位は「忙しくて料理の時間が減った」(四四・九%)だ(図表3)。中食は時間節約といった利便性がもともと高く、特に働き盛りで「時間がない」世代でもある三十―四十代で五割を超えた。三十―四十代の働く女性の場合は六割近くに上った。
 似たイメージの「料理や片付けが面倒になった」も二八・六%で三位だが、こちらは未婚女性で比率が五割弱と高い。
 節約を理由にして、中食の購入を増やす動きも見られた。例えば中食費が増えた理由でも、「材料をそろえるより割安」が四〇・八%で二位だ。五十―六十代では五割以上だった。実際に総菜売り場でも「三十品目のサラダ」など、多くの材料を使う商品が人気だ。「外食を減らした」という理由も、中食を増やした人の一九・四%と二割が回答した。外食を減らして中食を増やす流れも一定程度ありそうだ。
 一方、中食費が過去一年で減った人の理由では、もちろん節約が大きい(図表4)。一位が「家計を引き締めるようになった」(六七・〇%)で、二位には中食は「家で作るより割高」(五八・二%)が続き、まさに生活防衛で総菜を買うこともやめている格好だ。
 ただ、三位は「素材の産地や添加物が気になるようになった」(五三・八%)で、特に女性で五七・九%と比率が高い。産地を表示する野菜など生鮮品に比べて、弁当や総菜などの加工品は一部の主要材料で表示する例はあるが、大半は記載がない。有害物質混入や産地偽装など食の安心を揺るがす出来事が続き、加工食品への眼が厳しくなったことが、静かな中食離れを起こしている様子もうかがえる。
 別途、「二、三年前に比べ食品購入で安全性をより意識するようになった」に「あてはまる」と強く肯定した人は、全体が五六・〇%のところ、中食費を減らした人では七四・七%と高い。
 外食産業総合調査研究センターによると、中食市場は一九九四年の五兆円弱から二〇〇七年は六兆四千九百八十七億円と伸びてきた。ただ、〇七年の伸びは〇・九%にとどまり、〇八年はまだ集計がまとまっていないが、初の前年比マイナスの可能性もある。
 中食でも地元の食材を利用した「地産地消」弁当など国産素材を主に利用し、それを前面に打ち出す動きも広がる。消費者の節約志向は今後も一段と強まるなか、コストを抑えながら「安心」を確保できる商品力やマーケティングが課題だ。
(日経産業地域研究所
研究員 伏見小百合)
▼調査の方法 首都圏に住む二十―六十九歳の男女六百人を対象に、二〇〇八年十月に郵送法で実施した。回収率は六九・〇%。




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20090107 日経産業新聞

 有楽土地はマンション販売をテコ入れする。これまで子会社に委託してきたマンション販売事業のうち完成済みマンションの販売を自社で引き取り、市況の変化に応じて値引きや家具を付けるサービスなどを実施、販売のスピードを引き上げる。新築マンションについても同様に一部自社販売に変更、顧客対応力を高めて営業力の底上げを狙う。
 有楽土地本社で販売を引き取ったのは千葉県柏市や神奈川県相模原市で手掛ける完成済みなどの三物件(計七十戸)と、今後に完成する二物件(計七十六戸)。いずれも他社との共同プロジェクトではない同社の「オーベル」ブランドのマンションだ。
 これらの物件については、有楽土地の開発本部内に約三十人で設立した「セールスプロモーション室」が顧客ニーズを受けながら販売を進める。これまで有楽土地の全額出資子会社である有楽土地住宅販売(東京・中央)がマンション販売を担当してきたが、顧客から値下げ要請を受けても本社の了承を取り付ける必要があった。
 販売部隊を本社で取り込めば、顧客の値引き要請を受け即断即決できる体制が整う。値下げの可否や値下げ幅、家具を付加するサービスが可能かなどの意思決定スピードが「これまでの二倍程度に上がる」(同社)見通しという。
 建築確認の審査を厳しくする改正建築基準法の施行や米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を契機とした消費者心理の減退でマンション市況は低迷、〇九年も厳しい状況が見込まれる。有楽土地の販売子会社も年間一千戸を発売、首都圏を中心に強い営業力を維持してきたが、本社と販売面で歩調を合わせ営業力の一段の向上を目指す。



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20090107 日本経済新聞 朝刊第2部

 苦境に立たされている米カジノ各社。二〇〇八年前半の原油高、後半の景気減速などの影響で客足が鈍っている。地元議会に規制緩和を働きかけたり、新たなショーの誘致に努めたりするなど、なんとか踏ん張ろうとしている。
 「競争激化と喫煙規制の影響だ」。東海岸地域では最大級規模を誇り、西海岸のラスベガスと並び称されるアトランティックシティー(ニュージャージー州)でホテルやカジノを運営するトランプ・エンターテインメント・リゾートやハラーズ・エンターテインメントはこう口をそろえる。
 最近はペンシルベニアやニューヨークなどアトランティックシティーの近隣州に拠点を構えるカジノが増え、集客競争が激しくなった。これに加えて〇八年四月の州法改正で「カジノは全面禁煙」と定められ、客が近隣州の競合カジノへ流れた。
 カジノ企業は客離れを抑えようと必死だ。十月半ばにいったん施行された喫煙規制法に激しく反発した。その結果、市議会は施行からわずか二週間弱で同法を無効にすることを決めた。
 景気悪化や住宅の値下がりで家計は支出を引き締め、先行きは依然厳しい。トランプではコスト削減のため従業員の五%減給に踏み切った。集客を活発化させるため前衛的な出し物で有名なサーカス団「シルク・ドゥ・ソレイユ」の公演を誘致するなど、模索が続く。(ニューヨーク=蔭山道子)



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