20080729 日本経済新聞 地方経済面

 東京都後期高齢者医療広域連合は二十八日、政府・与党が六月に決めた後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の保険料軽減策の見直しについて、必要な経費を国が全額負担するよう求める要望書を厚生労働省に提出した。電算システムの改修コストも国が全額負担するよう要請した。
 四月の制度開始時には保険料額などを巡り、自治体の窓口が混乱した。同連合は制度の理解と信頼を得るよう、積極的な周知活動や、周知に必要な準備期間を設けることも改めて要望した。





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20080728 日本経済新聞 朝刊

 生命保険会社が取り扱う個人年金保険に異変が起こっている。年金額が運用次第で変わる変額年金の人気が一服し、契約時に金額が決まる定額年金の販売が好調だ。昨夏以降の株価の低迷で、リスクの高い変額年金が敬遠されている。食品、ガソリンなどの値上げや景気の減速に伴う将来不安により、お金をより安全に運用する傾向が個人に出ていることを反映しているといえそうだ。
 生命保険協会によると、二〇〇七年度下期(〇七年十月―〇八年三月)の変額年金の販売額は約一兆五千三百億円で、同上期に比べて約二八%減った。一方、定額年金は二兆三千六百億円と同一二%の増加。この結果、個人年金に占める定額年金の割合は六一%と三年ぶりの高水準となった。定額年金は四―六月も好調だったという。
 ■長期金利の上昇影響 変額年金は〇〇年ころから出始めた商品で、〇二年十月に銀行でも販売されるようになった。日銀による超低金利政策で定額年金の魅力が薄れたこともあり、〇三年度に三〇%未満だった変額年金のシェアはじわじわと拡大。特に株価が上昇した〇五年度下期と〇七年度上期には五〇%を超えたほどだ。
 昨夏に米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が深刻になって日経平均株価は急落、いまも回復していない。変額年金は株価上昇による年金額の上積みをねらって購入する人も多く、株価低迷で魅力が薄れた。一方、定額年金は五―六月の長期金利が上昇したことで人気が高まった。
 定額年金のうち日本生命保険の主力商品「マイドリームプラス」は四―六月、前年同期の二・二倍となる五千六百件を銀行などで販売。特に六月は前年同月比で四倍も売れた。明治安田生命保険も四―六月の販売件数は前年同期の五・五倍に膨らんだ。
 昨年九月に完全施行した金融商品取引法で、元本割れのリスクがある変額年金はより丁寧な説明が求められるようになったことも影響した。「地銀などでは説明しやすい定額年金を勧める傾向が強まった」(大手生保首脳)という。
 ■定期預金も増加傾向 ファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんは「定額年金のほうが商品性がわかりやすく、顧客が負担する手数料も安い。変額年金と違い、年金保険料控除の対象になるなど税制面でも有利」と指摘している。
 年金以外でも家計の安全志向は強まっている。日銀の統計によると、五月の定期預金残高は前年同月比で五・四%の増加。財務省が十五日に発行した個人向け国債の販売額は、利率が上昇したこともあって前回(四月)の約三倍に増えた。






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20080728 日本経済新聞 朝刊

 ▼定額年金と変額年金 将来受け取れる基本的な年金額(基本年金)が契約時に決まるのが定額年金。利回り(積立利率)は長期金利とほぼ連動する。運用が予定よりうまくいくと年金額は上乗せされる。
 変額年金は契約時にまとめて払った保険料を株式や債券で運用し、その成果によって年金額が増えたり減ったりする商品。二〇〇二年に銀行での販売が認められてから市場が急拡大した。契約者が負担する手数料は定額年金より高いことが多い。






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20080728 日本経済新聞 朝刊

▼「最も気になるのは年金行政。どう改善するかはきちんと示されず、先の見えない負担増ばかりではついていけない」(男性、28)
▼「厚労省は負担と給付の因果関係をわかりやすく示し、いくら払えばどれだけの恩恵が得られるか、逆にいくら以下では恩恵にあずかることができないのか説明してほしい」(男性、59)
▼「公的年金はまったく信用できない。老後の資金は自分で用意するので、今まで払ってきた年金を返してほしい」(女性、49)
▼「民間の年金システムはずっと優秀と思われるので、厚労省にも導入を検討してほしい」(女性、27)
▼「行政は年金受給額と生活保護のバランスをきちんと考えてほしい。生活保護の方が多いなら、正直者がバカを見る」(男性、42)
▼「年金資金で国債を大量に購入するのではなく、もっと効率の良い運用をすべき。国民優先の改革をお願いしたい」(男性、56)
▼「政府は公務員の共済年金を含む一元化を必ずやるべきだ」(男性、49)
▼「社会保険庁の不祥事を見ていると年金保険料が正しく運用・利用されているとは思えない。国民から集めた資金の流れの透明化を求めたい」(女性、30)
▼「年金について国民が納得できる仕組みを説明しないと現状の納付率がどんどん悪くなる」(男性、49)
▼「今の高齢者は、将来の私たちよりは優遇されている気がする。いずれは今の高齢者への負担も減らすことになるのだろう。それでも若い世代は今の負担も増えて、しかも将来は一段と不安、という状況は不公平ではないか」(女性、35)
▼「これから年金を受け取る世代に入るが、若い世代が子どもを生み育てることの負担の大きさ、就労の困難さに心悩ませるのでは、と心配。中年以上の人は老後について自助努力をすべきだ。若い世代も老後を早く考えるようになり、いい循環になる」(女性、47)







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20080728 日本経済新聞 朝刊

 公立病院を経営する地方自治体(一部事務組合を含む)の二〇〇六年度の病院会計を分析したところ、全体の七割強、四百七十七団体で累積損失が前年度より増加したことが分かった。地方財政健全化法の施行で自治体財政は連結ベースで評価され、経営難の病院の放置は難しくなる。自力で経営改善できない病院に対し、自治体は税金投入を増やすか医療サービスの水準を下げるかの決断を迫られそうだ。
 〇六年度に公立病院を経営していた六百六十九団体うち、赤字が積み上がって累積損失を抱え込んでしまっているのは五百五十三団体ある。
 公立病院は民間病院と比べ職員や看護師の人件費が高い、建物や設備にカネをかけているため減価償却負担が重い、などといった問題がある。医師不足も重なって一病床あたりの収入は低く、赤字体質が染みついてしまった。
 「高度医療や救急は赤字でもやめられない。国や自治体は、まじめに取り組んでいる病院にカネをきちんと入れるべきだ」。全国自治体病院協議会の辺見公雄会長は話す。
 少なからぬ自治体が十分に財政支援をしていないため、公立病院の経営状態は深刻だ。財政支援が不足
 累損が拡大した四百七十七団体を対象に、一般会計から病院会計への出資や貸し付けを使って、赤字を解消できるか計算してみた。
 その結果、三百四十九団体が単年度の赤字を穴埋めできないことが判明した。一般会計からの繰り入れ不足額は神奈川県横須賀市と沖縄県、松江市で二十億円を超え、全体では一千億円にも達する。
 横須賀市は〇六年度から将来の退職金支払いに備えた引当金の計上を開始。過去分の二十四億円を一括計上したため、最終赤字が二十九億円弱に膨らんだ。公立病院は民間企業同様に貸借対照表(バランスシート)を作成しながら、必ずしも退職金の引き当てをしていない。他の団体も同じ処理をすれば、赤字が拡大する公算が大きい。
 沖縄県は一般会計が六十八億円強を投入してもなお二十二億円弱不足する。累損は五百十九億円弱だ。県病院事業局では「人件費が医業収益の七割を占めるなど高コスト体質が原因」と分析。材料費を削減するため、今年四月から納入業者との価格交渉を始めた。経営見直しも
 自治体から最低限の財政支援すら受けられないため苦境に陥っている公立病院も多い。国は自治体に一定の支援を義務づけ、病院会計が返済する借金の三割を地方交付税で配るなどしている。だが、自治体によってはもらった交付税を一般会計で使ってしまい病院会計に回していない。
 総務省の資料によると、大阪市で三十億円、名古屋市で二十億円それぞれ病院会計に対する繰り出しが国の基準より少なかった。全国では二百四十五団体で財政支援が不十分だった。
 公立病院の問題は、病院長をはじめとする現場に権限が移譲されておらず、かといって首長が経営を掌握できているわけでもないところにある。一生懸命働いても待遇や評価が変わらなければ、医師はやる気を失う。
 総務省の公立病院改革懇談会座長だった長隆公認会計士は「独立行政法人化するなどして医師に働くインセンティブを与えれば、病院の経営は改善する」と断言する。独法化は公務員の身分を失う職員などからの抵抗も強いが、検討する自治体は増えている。赤字体







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