20080809 日経プラスワン

 地方暮らしを希望する人が「自然の豊かさ」に次いで重視する「生活費の安さ」。実際のところはどうなのだろうか。
 例えば、北海道は本州方面からの移住促進策の一環として、年金受給者が首都圏と北海道で過ごした場合の月々の支出を試算している。光熱・水道費は道内の方がやや高いが、食料費などは低く、首都圏での消費支出(約二十六万六千円)に対し、約五万円安い二十一万七千円と、約二割少なくて済むという。
 ただ、向かい風となりそうなのがガソリン価格の高騰。公共交通機関が都市ほど充実しておらず、マイカー移動を前提とする人は少なくない。東京都から北海道に移住した七十代男性は「一台で済んでいた自家用車が(妻の分と)二台必要になった」と話す。
 総務省の家計調査で二〇〇七年の一世帯当たりの年間ガソリン消費金額をみると、東京都区部が約一万八千円なのに対し、札幌市はほぼ六万円、那覇市も五万円とそれぞれ都区部の三倍前後。それだけにガソリンの値上がりは日常生活に直接、響く。実際、地方暮らしを望む人の二三%が、移住に際して懸念すること(複数回答)として「ガソリン価格の高騰」を挙げた。
 「住居や生活費など目先のことにとらわれて見逃しがちなのが生命保険料の見直し」と語るのはファイナンシャルプランナーで自らも沖縄移住を目指す中嶋剛宏さん(30)。医療機関が少ない場所に移住するなら「通院や見舞いに来る家族の交通費など、意外とかさむ費用に充てられるよう、医療保険の保障を手厚くするべきだ」と強調する。








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20080809 日経プラスワン

 お盆期間を利用して帰省し、久しぶりに会う親にプレゼントやお金を渡す人もいるだろう。全国の既婚男女に親にお小遣いを渡したり、家計の一部を負担したりするなどの金銭的な支援を一カ月にいくらしているか聞いたところ、八割以上の人が「していない」と答えた。支援している人の中では「一万円以上三万円未満」が最も多かった。
 お金の渡し方では「毎月給料が出たら、定額を渡す」が最多で、三八%を占めた。
 お金を渡している人に共通するのは親への感謝の思い。「少ないながらも毎回渡すことで親孝行になるかなと思って。少なくても喜んでくれるのがうれしい」(会社員の男性、39)、「ボーナスの時に十万円渡している。とても喜んでくれて渡す方もうれしい」(会社員の男性、47)。
 一方、金銭的な支援をしていない理由としては「親の方が余裕がある」(専業主婦、35)との声が多かった。
 子からお金をもらっても、自分のためにはなかなか使えないのが親心だ。「親は支援をとても喜んでくれるが、それを貯金していて祝い事の機会などに自分に返してくれる。ありがたい」(専業主婦、51)と心温まるエピソードも寄せられた。
 調査の方法 調査会社のマクロミルに依頼し、インターネットで実施。対象は全国の既婚の成人男女で、有効回答は六百十八人(男女半々)。







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20080808 日本経済新聞 夕刊

 インフレに強い資産として忘れてはならないのが不動産です。安定した家賃収入を期待して、根強い人気がある不動産投資ですが、ワンルームマンションを購入するだけでも、何百万、何千万円というまとまったお金が必要になります。銀行融資を活用する手もありますが、空室リスクを考えると二の足を踏んでしまいます。
 不動産投資では、安定した収益の確保、いわゆるキャッシュフローを重視した運用になります。
 現役世代よりもリタイア世代に注目される投資先と思われますが、忘れてはならないのが課税関係です。賃料収入などは不動産所得になり、ほかの所得と合算して総合課税扱いになります。所得税は累進税制なので課税所得が増えるほど、納める税金は多くなるのです。また世帯の課税所得が増えると、国民健康保険や介護保険料も増えることがあるのです。安定した収益を得るはずが、所得税以外にも負担が増えるという、悪循環になるかもしれないのです。
 同じ不動産投資でも、上場不動産投資信託(J―REIT)を対象と考えてはいかがでしょう。投資家から集められた資金と借入金などで、オフィスビルや商業施設などへ投資して、その賃料収入や物件の売却益などを投資家へ配当金という形で還元する商品です。
 証券取引所に上場されているため、市場が開いていればいつでも売買ができます。二〇〇八年八月一日現在、四十二本の上場不動産投資信託が取引されています。今期の予想配当金を二倍した金額で配当利回りを計算すると六%前後。為替リスクなしで十年物米国国債を上回る配当収入を得られるのです。
 投資資金は十万円程度から最高でも百三十万円前後なので小口資金で投資することができます。不動産は公設の取引所がなく流動性が非常に劣る投資商品ですが、上場不動産投資信託は市場が開いていれば、いつでも売買することができ、売買が成立すれば四営業日目に受け渡しが完了するという流動性も高い商品なのです。
 気になる課税関係も株式と同じ。配当金に関しては、〇八年内であれば、一〇%の源泉徴収で済ませることができます。売却益(譲渡所得)も、今年であれば、一〇%の申告分離課税で済ませることができます。特定口座の源泉徴収選択口座(いわゆる源泉徴収あり)で売買をすれば、証券会社が税金の計算をしてくれ、納める税金があれば徴収までしてくれます。
 源泉徴収選択口座だけで売買をしており、かつ確定申告をしなければ、世帯所得が増えることはない、つまり、国民健康保険や介護保険料の負担が増えることもないのです。ただし、〇八年度の税制改正により、〇九・一〇年における軽減税率一〇%の取り扱いが一定額までとなっている点は確認を怠らないようにしましょう。(この項おわり)







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20080808 日本経済新聞 朝刊

 楽天は生命保険事業に参入する。無認可共済から衣替えするアイリオ生命保険(東京・港)に、月内に一四・九%出資する。独自の生保商品を共同開発し、仮想商店街「楽天市場」で販売したりする。生保業界ではインターネットで生保商品を販売する新会社の設立が相次ぐ。グループで四千万人の会員を抱える楽天が参入することで、ネットと生保の融合が加速しそうだ。
 楽天の子会社が運営するファンドがアイリオ生命の第三者割当増資に応じて二十億円を出資する。出資比率は議決権ベースで一四・九%にとどめるが、将来は比率を引き上げて連結対象にする可能性がある。社外役員の派遣も検討する。
 楽天は代理店として生損保商品を販売している。アイリオへの出資で、販売だけでなく生保商品の開発にもかかわる。アイリオは楽天向けの専用商品を開発する方向だ。楽天は二〇〇六年にアメリカンホーム保険と提携し、ミニ保険会社の設立をめざしたが〇七年に断念していた。
 アイリオ生命の前身は一九九六年に設立した無認可共済のエキスパートアライアンス。死亡、医療、がん保険などを販売し、〇八年三月期の保険料収入は約三百億円。保険業法改正による規制強化で無認可共済は存続できなくなり、一日付で生保会社の免許を取得した。
 最近はネット生保が相次ぎ誕生。四月にはSBIアクサ生命保険、五月にライフネット生命保険がそれぞれ開業した。大手生保などは営業職員による対面販売が中心だが、ネット生保が拡大すれば営業体制見直しを迫られる可能性もある。







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20080808 日本経済新聞 朝刊

 住宅ローンやクレジットカードなど、民営化後に日本郵政グループが始めた新規事業の出足が低調だ。住宅ローンの六月末までの融資残高は、初年度目標二千百億円の一・五%にすぎない三十二億円にとどまる。カードの発行枚数は初年度目標の百万枚に対して三万枚と低迷している。郵便などの既存事業が先細りになるなか、新規事業の拡大は成長に不可欠。二〇一〇年度を目指す株式上場を前に、日本郵政は危機感を強めている。
 〇七年十月の郵政民営化から十カ月が過ぎ、提携などによる新規事業への進出が一巡。いち早く進出を果たした事業の実績が見えてきた。
 将来の収益の柱として特に期待が大きいのが、ゆうちょ銀行が五月に始めた住宅ローン、クレジットカード、変額年金保険の三事業。住宅ローンはスルガ銀行と組み、同行のローン商品を窓口で扱う事業を始めたが、融資残高は目標を大きく下回る。カード事業も低迷し、計画達成に黄信号がともり始めた。変額年金保険の収益への貢献はこれからだ。
 ライバルの銀行は新規事業の低迷を冷ややかに見つめている。あるメガバンク幹部は「後発組なのに明確な販売戦略が見えない。うまくいかないのは予想通りだ」と指摘。「住宅ローンやクレジットカードなどは市場がほぼ飽和状態。独自の強みを大々的に訴えなければ、今後も厳しいだろう」と予想する。
 低調なのは金融分野だけではない。郵便局会社が八月から始めた小型コンビニエンスストア「JPローソン」の展開や、引っ越しなどの生活サービスの取次業務も「今年度は試行の段階で収益性は不透明」(担当者)。郵便事業会社と電通グループの共同出資会社が始めるダイレクトメールサービスは、初年度の売上高が約五億円にとどまる見込みだ。
 新規事業はすぐに利益を生むものではないが、日本郵政グループの幹部は現状に危機感を抱く。成長シナリオを描けなければ、上場が難しくなるからだ。
 日本郵政は現在、民営化後に混乱した郵便局の運用改善など既存事業の効率化に懸命。新規事業の販売促進などは後回しになりがちだ。今後は住宅ローンの紹介を工務店に依頼するなど、徐々に新規事業に力を入れる考えだ。
【図・写真】ゆうちょ銀行は住宅ローンの販売に乗り出した(東京都立川市)




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