今週はUCCとAntitrustという大型科目の期末試験がありずっと身動きが取れずにいましたが、しかし今日から5月ということで、先ほどFedExで出願書類を出してきました


NY Barの出願は、まずオンラインで手続する必要がありますが、これは4月1日の受付開始早々に済ましていました。これはそんなにややこしくはないのですが、日本の大学の卒業年月日を記入したりするところがあって、正確に言うと初日は学校でやろうとして断念し翌日4月2日に完了しました。
なお、この段階でクレジットカードで受験料250ドルを支払いました


次に紙の証明書を送るのですが、LLMの証明書はBUから直接送るそうなので(申請が必要)、ここでは日本の大学からもらった証明書と、あと筆跡証明書なるものを送ることになります。あ、ちなみに受験資格の事前確認制度は、私は利用しませんでした(うだうだしてたら時機を逸しただけ)。

筆跡証明書というのは、所定の文章を所定の様式に公証人の目の前で手書きで記入し公証してもらったもので、BUでは公証はLLMオフィスでやってくれるので便利です。
あとは、適当なカバーレターをでっちあげて、いちお一式コピーを取ってから送ればオッケー。

こうして書いてみると、なぜこれだけのことに1ヶ月もかかったのか我ながら不思議ですが、周りにもまだ送ってないという人はけっこういるので、めんどうくさそうなことはつい後回しになるのが世の常、人の常ということで。

今日は月曜日ですが当地は休日で、有名なボストンマラソンが(リアルタイムで)開催されています。今朝家を出ると、すぐそばの大通りBeacon Streetは風船などで楽しげに飾りつけられ、空にはデモフライトのジェット戦闘機が行きかい、華やかなムードに包まれていました。が、そんな中、私はもうひとつのボストンマラソンに参加しております。

ケースブックという果てしなき荒れ野を走る、ファイナル(期末試験)へ向けての試験勉強という名の過酷なマラソンに(涙)。


なにしろこのマラソンはある程度の順位で完走しないとシャレにならないことになる。ましてや、棄権するわけには絶対にいかないのです。

特に、UCCがヤバ~イ!!!

今期はAntitrustとPatentという大型科目を取るので、UCCならContractsの延長線上でイケルかなと思ったのですが、これが大誤算でした。

他の学校、他の先生のことはわかりませんが、Miller先生の講義は2条の売買にふれるのはほんのちょっとで、半分くらいは9条の担保取引の話。あとは、小切手とか電子送金とかの決済システムについてと、要するに金融系なのです。このあたりは私の現在の仕事とは直接関連しないので、なかなかツライものがあります(逆に、このへんをじっくり押さえたいという方は、Bankruptcyと一緒に取ると、全体像が見えてよいかもしれません)。

たぶんUCCもひとつひとつ丁寧に読んでいけばわかるのでしょうが、それをやっていると他の科目をやる時間がまるでなくなるので、重要そうなところを選んで時間の許す限り勉強する、ということをやっています。マラソンなのに綱渡り(笑)。


しかも、ファイナルが終わったらすぐにバーの勉強を始めなければなりません。これはもう、42.195キロ走った直後にトライアスロンしろと言ってるようなもんであります。

もう、息も絶え絶え

み、水~!

今学期はUniversity of Texasで客員教授として(実質的なお試し期間の意味合いで)教鞭を取っておられたわれらがボーン教授が、ひさびさにBUに還ってこられました!なんでも、初代のRobert Kent Professorship in Civil Procedureなる称号というか賞(研究費付の、ということと思われる)を受けることとなったということで、先ほどその記念講演があったのです。


金曜日の午後4時といえば、いつもならばロースクール内は閑散としているものですが、講演会は立見が出る盛況。1階のあまり広くないホールで開催するのはマチガイでは?と思っていましたが、案の定です。

ボーン教授から通年のCivil Procedureの授業を引き継いだコリンズ教授はもちろんのこと、ローソン教授、ミューラー教授、ファーンズワース教授など、BU教授陣の有名人が前のほうの席にずらりと陣取ります。

ボーン教授が登場すると、一同スタンディングオベーションで拍手が鳴り止みません。これにはボーン教授も、「私はふだんspeechlessになることはないので有名なのだが。。。」とユーモアたっぷりに返しながらも、少なからず思うところがあった模様。


本日の演題は"Which Way is Up? Thirty Years of Procedural Reform"というもので、frivolous lawsuitsやcomplex litigationの研究で知られるボーン教授ならではの示唆に富んだたいへん興味深い内容でありましたが、ここで私が中途半端に紹介することは避けたい。

代わりに、BUロー関係者がどんなにボーン教授の帰還を心待ちにしていたかを、お話ししましょう。


この講演会が告知された直後に、BUロー生に学生会から一通のメールが回りました。

"PROFESSOR BONE LETTER CAMPAIGN"なる件名のそのメールの内容は、ボーン教授の完全移籍を思いとどまらせるためにみんなで手紙を書いて渡そうというもの。

なんだか小学生みたいですがみんな真剣で、メールは"Professor Bone stands out as one of our most skilled, distinguished and popular faculty members, at a school that is filled with them, so this would be a tremendous loss for the BU Law Community."だから、"do what we can to make his decision to leave BU Law that much more difficult."と呼びかけます。"Professor Bone is a pretty sentimental guy, so we feel that this very tangible outpouring of support and appreciation could have a big impact on his decision."というのが笑えますが、まったく同感です。


それにしても、大学レベルでこれほどまでに学生に慕われる先生というのは、なかなかいないのではないでしょうか。

私自身の中にも、ボーン先生は手続(法)のエキサイティングさに気づかせていただいた師として、たぶん一生印象に残るでしょう。

そして、ボーン先生のこの日の講演も、いつもと変わらずエキサイティングなのでありました。

たった今、PMBRからすごいメール が来ました。

PMBRというのはBarBriに次ぐバーイグザム受験生相手の大手予備校で、かなりの数のロー生は両方とも受講するのですが、今年は不況でPMBRに申し込む人が減ってるのですかね?

しかし、さすがアメリカというか、こんなの日本じゃありえないですよね。不正競争で訴えないのかしらん?

つうか、こんなメール出してるヒマがあったら、早く教材送ってこいっ!

2月も半ばというと「バレンタインデー」ではなく「確定申告」を思い浮かべるようになってしまったのは、いつの頃からだったでしょうか(遠い目)。・・・そんなことはどうでもいいとして、アメリカでは、確定申告(tax returnとかtax filingとか言われている)の期限は、通常4月15日(消印)なのだそうです(いろいろ読んでみるとこれも微妙なところがあるようだが、本稿のテーマではないので割愛)。BUのビザ関係を扱うオフィスからメールは来ていたのですが、例によって期限がいよいよ差し迫ったところでようやく重い腰をあげて、作業に取りかかりました。まずは折にふれ集めておいた使えそうな資料を読破することから始めるわけですが、まったく税というやつは、洋の東西を問わずややこしくてウンザリします。法律家とか、そういうの関係ないです。


結論としては、ふつうに日本人留学生としてくらしている限り、Form 8843というのを提出しておけばよいようですね。
銀行預金の利息はどうなるのかという点にもっとも関心があったのですが、これは非課税・申告不用ということでよさそうです。
IRS(アメリカの国税庁みたいなもん)のウェブサイト に、


If the interest income is paid by a U.S. bank, a U.S. savings & loan company, a U.S. credit union, or a U.S. insurance company to a nonresident alien, it is nontaxable and nonreportable (no 1099 or 1042-S reporting) unless the interest income is effectively connected with a U.S. trade or business.


と書いてありますし(Fビザで滞在5年以内なら非居住者扱いという前提がある)、同じくIRSの外国人学生・研究者の確定申告に関するパンフレット にも、


2. Filing is not required by nonresident alien students and scholars who have income only from:
a. Foreign sources,
b. Interest income from:
i. A U.S. bank


ともっとわかりやすく書いてあります。
あ、私は税についてはまったく専門外ゆえ、質問は一切受け付けませんので、そこんとこヨロシク(笑)。


ひととおり自分のステータスを把握したら、次は申告書を作成
こういうところはいつもBUってすごいなと思うんですが、BUの外国人学生・研究者は申告書作成用のソフトウェアを無料で使うことができる のです。
しかし、このソフトは注意書きや記入項目が多くて、残念ながらあまり使い勝手のよいものとは言えませんでした。申告の必要な所得があり複数の書類を作成しなければならないような場合は便利なのでしょうが、Form 8843を出すだけなら、始めから直に記入してしまったほうが早いかもしれません。


Form 8843の各項目へ記入したら、忘れず署名して(コピーも取って)、郵便局からAustin, TexasのIRSに発送して終了。なお、Form 8843は家族分は別個に作成する必要がありますが、発送も別々の封筒で行うことという指示があり、面倒に輪をかけています。BU内の郵便局は、このところ連日明らかにtax return関係の人々で長蛇の列ができていたのですが、これ以上先延ばしにできないのでガマンして並んで、期限前日の昨日4月14日、ようやく提出しました。
あー、時間かかったなぁ・・・。

以前書いたスーパー88閉店のネタは、結果的にガゼになってしまって申しわけありませんでした(まだ営業してます)。こんどは、いろんな人が言ってるので、どうやら本当のようです。


あらためて情報をまとめますと、ボストン唯一の日系スーパー寿屋 が、5月10日ごろをもって閉店するそうです。ショックなのは、同じビル内に何軒かある日本食レストランなども同時に閉店する公算が高いのだとか。寿屋の向かいの居酒屋は、来てすぐに一回行っただけですが、なかなかいい感じだったんですがねぇ。


さびしいですが、困るかと言われると、我が家はここのところもっぱらSomervilleの韓国スーパー リライアブルばかりなので、そんなには困らない気もします。そのあたりが、閉店の原因かもしれませんね。


寿屋は新しいオーナーのもとでMedfordの日本語学校の近くに再オープンするという情報もあるようです(オーナーも場所も代わるならそれはもはや寿屋ではない気がするが)。リライアブルも日本語学校の近くも、T(地下鉄)の駅すぐにある寿屋と違い交通の便はあまりよくないので、これからのボストン生活、特にお子さんのいらっしゃる方などは、クルマがないとツライかもしれませんね。

今日は全面的にグチなので、朝香り高いエスプレッソ片手にオフィスに着いたところでさわやかな気分を害されたくないという方は(そんなヒトがこんなもの読んでるのかどうか知らんが)、どうぞ飛ばしてください。


昨日大家が来たんですよ。
しかも、アポなしで。
しかも、自分の持ってるカギでアパートのメイン玄関のドアを開けて、いきなり部屋のドアをコンコン
・・・こっちはパジャマですわ。まったく。「ハァ~イ♪」じゃねぇっつうの。


玄関で、どこか調子の悪いところはないかとかなんとか二、三、会話したと思ったら、「ちょっとこないだ水周りを直したキッチンだけ見たいんだけど、いいかしら?」ときた。
え?入るの?!それはちょっと・・・とかなんとか言ってると、おかまいなしにずかずか入ってきて、「あ、ここはOKみたいね。」
イヤ、OKはOKだけど・・・つーか、アンタがOKじゃゃないだろ、と微妙なリアクションをしていると、こんどはさくさく別の部屋も見回り始めました。
さすがにここに至っては私もカチンと来て、
「アンタ、キッチンだけって言ったろう。寝室とか、洗濯物だって置きっぱなしなのに、勝手に入るんじゃないよ!」
と・・・言えないでしょ。アメリカ生活にだいぶ慣れたとはいえ、日本人ですから
呆然としている私を尻目に、大家はなおも勝手に戸棚まで開けたりなどしだして、せめてクツぐらい脱げと言う気力もありませんでした。


なにがショックだったかって、いきなりプライバシーに文字通り土足で踏み込まれたこともさることながら、毅然として拒絶できずにオロオロしてしまった自分に、落ち込みました。英語けっこう勉強してるのに・・・。トラブル解決みたいな仕事もしてるのに・・・。この大家とはこれまでわりあい友好的な関係を保っており、昨日も向こうはまったく悪びれもせずに来たもので(実際まったく悪いという意識はないと思う)、ついつい相手のペースに乗せられしまいました。日本人としてのメンタリティは、わずかな期間の留学などで変えられるものではない、という現実を突きつけられた瞬間でした。


実はこの大家は昨年も来ていて、その時は私はいなかったのですが、妻の話ではノックに反応しなかったらいきなり自分のカギを使って入ってきたようです。この分じゃ、知らない間に入ってる可能性も否定できません
そういえば、昨年物件探しをしているときに、家主、不動産屋がまだ入居者のいる物件を実に気軽に内見させてくれるので驚いたのですが、このへんの感覚が日本と違うのは、どうやら間違いないようです。
だからって、連絡もせずに来てずかずか入ってきていいかどうかは、別の話。いちおう、毎月の家賃を送る(小切手)機会に、以後こういうことは困ると書いて送っておきましたが、どうなることやら。


今のアパートは建物自体とか場所とかはたいへん気に入ってるのですが、設備や家具(も付けて借りている)などが次々と壊れてやたら面倒くさいのと、あと管理人のおばちゃんの態度がヒドイ。なにしろ初めて会った時に、大家からもらったカギでアパートのメイン玄関のドアを開けようとしたらなかなか開かず、ここはどんなふうに開けたらいいか(注:アメリカのカギは全般に精度が甘く、昔のポルシェのマニュアルトランスミッションなみに繊細なコントロールを要求されることがしばしばあるのです)と聞いて返ってきた言葉が、「知らない。それは私の仕事じゃない。あなたの家主が説明しておくべきことだ。」その瞬間から、ちょっとおかしなヒトだなと思ってましたが、この「私の仕事じゃない。」というのはこのヒトの口ぐせで、その後何を聞いてもこの調子。あげくのはてには、受付で預かってもらった宅配便を取りに行くのが2、3日遅くなっただけで「ここはあなたの倉庫じゃないのよ。」などと言い放たれ(スペースはいっぱい空いてるのに・・・)、その後はなるべく顔を合わせないようにしてすごしているのです(日本人ですから・・・)。


もっと長く住む&ヒマがあるならば、あれもこれも戦うんだけど。
う"~、夏までの、ガマンガマン

アメリカでは、買った物に特に問題がなくても一定期間内なら自由に返品できるというルールがふつうらしく、みんな実に気軽に返品します。
観察していると、店員のほうもレシートと箱の中身をチラ見するだけで、キズとか動作とかろくに見もせず売り場に戻すようなので、逆に物を買う時は箱のテープをとめ直してないかとか気をつけておかないと、ヘンな品物をつかまされることになります。まぁ、そうなっても返品は受けつけてもらえるんでしょうが(笑)。


思いおこせば、以前友人と買い物に行ったとき、となりの店の方が安かったというだけの理由で返品していました。なにしろつい5分前に買った物なので、さすがに店員が"You just bought it! Is there anything wrong with it?"と聞いたのですが、友人は"Oh, there's nothing wrong because I haven't even opened it yet."と涼しい顔で答えていました。はたでこのやりとりを聞いていた私は、スゲェな、日本じゃありえんな、とおおいに驚いたものでした。


ところが、先ほどもっとすごいヒトを見つけてしまいました。
アメリカのアマゾンのカスタマーレビューに書きこんだこの人 、A社のBlu-rayプレーヤーを買おうと思ってお店に行ったら店員にB社のを勧められたので、"I decided to purchase both players, try then both out, and then return the looser."ということにしたのだそうです。
オイオイオイ。そんなことしてて、販売店とかメーカーとかの商売は大丈夫なんでしょうか?おかげでライバル機種をじっくり比較してのレビューは参考になったけど。


早くも薄れつつある契約法の授業の記憶をたどってみると、コモンローの一般的原則として契約成立後の返品(解除)が広く可能、というふうにはなってなかったと思うので(むしろ逆だから、契約成立時点とか黙示の保証とかを細かく争うことになったと記憶している)、これは純粋にマーケティング上(CS上)の考慮にもとづく慣行なんでしょうかね。あるいは、州レベルの消費者保護法とかあるのかも。


本題とはあんまり関係ないけど、日本では海外のBlu-rayソフトを買うのが流行ってるらしいですね。今日知ったのですが、DVDと違って日本でも再生できるものが多く、しかも日本語字幕・吹替えまでついていて、さらにはネダンもだいぶ安いから送料・関税を考慮してもオトクって言うじゃないですか!それなら海外にいる我々がそのメリットを享受しないテはないと思い、安いプレーヤーを物色していたのでした。


さらに関係ないけど、先ほど(現在木曜日午後3時)メールで追い打ちをかけるようにお知らせが来て、これで明日金曜日は補講が3つも!1150-13 UCC、1230-14 Civil Procedure、1530-1630 Patent・・・って、かぶってるじゃん!!!
試験も1ヶ月後に迫り、だれもLLMの都合など考えてる余裕はないようです。単位が取れなかった科目は返品してなかったことにできないかしら、などと愚にもつかないことを考える今日この頃。。。

もう終わってしまいましたがこの春休み、比較的暖かいある一日に、ずっと気になっていた近所の自動車博物館に行ってきました。ボストン郊外というか、住所は自宅と同じBrooklineなので、ほんとにすぐ近くです。

Larz Anderson Auto Museum という名前が示すとおり、オハイオの裕福な家庭に生まれ、駐伊、駐日大使などを務めたLarz Andersonさんと、同じく裕福な家庭に生まれた妻Isabelさんによって創設された小さな博物館ですが、古風なお屋敷を改造した(?)本館の裏手には芝生の丘が広がり、夏場に犬など連れてきたら気持ちよかろうというようなところです。

なお、館内はフラッシュ使用禁止ゆえ、写真が手ブレ気味なのはご容赦ください。


館内に入るとまず出迎えてくれるのが、フェラーリF2002。このころのフェラーリはボーダフォンがスポンサーをしており、サイドポンツーンに例の一筆書きの白いまるがでっかく描かれていたので、我々一部F1マニアは「白鶴」 と呼んでおりました。あぁなつかし。
アメロー

反対側には超極上コンディションの1962年製フェラーリ250"Lusso"が。持って帰りたい。。。
アメロー


見落としてたけど、F2002の横にあるのは水平対向エンジンから察するにモトグッツィでしょうな。Lussoの横にあるのはドゥカティですね。このふたつはまだわかるけど、このMVアグスタの最新モデルにはおどろいた!こいつは珍しい。アメリカでは初めて見ました。
アメロー


奥に進むと、戦後のスポーツカーコーナーが(チンクェチェントは戦後でもスポーツカーでもないけど)。個人所有の個体が好意で貸し出されている例が多いようです。
アメロー


中でも目を引いたのが、これ。おぉ!これこそは、ついこの前NAVI2月号(はるばるボストンから定期購読しておりますです)の、お気に入り企画「徳大寺巨匠といくエンスー・ヒストリックカー・ツアー」で、担当シオミ氏が「正直言ってカッコイイのかそうじゃないのかビミョー」と言っていたアルファロメオ・モントリオールそのものではないですか!!!う~む、たしかにビミョーと言えばビミョーだ。ダルマセリカや同時期のギャランGTOをカッコイイと思っていた私としては、カッコイイほうに分類してよいと思うけど。
アメロー


階下に下りると、本格的にクラッシクカーコーナーになります。これはC.G.V.という1908年ごろの大型乗用車両。ごめんなさい、このころになってくるとよくわかりません。さすがにそこまでマニアじゃないので(じゅうぶんマニアだとのうわさもあるが)。このクルマはアメリカで大量生産されていたようですが、ボンネットフードとラジエーターのラインがおもしろいなと思って撮りました。
アメロー


白いスリックタイヤ(?)も凛々しいこのクルマは、Winston "40 HP Racer"と言って、1901年にオハイオで生産された、最初の市販レースカーと言われているものだそうです。デトロイトのダートトラックで、アレキサンダー・ウィンストンというヒトがこのマシンを駆ってヘンリー・フォードとレースしたのだそうな。ホンマかいな。
アメロー


こちらは思わず馬に牽かせたくなる形をしていますが、立派な自動車です。
アメロー


近づいてみると、トレッドパターンの代わりに"NON SKID"の文字が刻まれています!冗談としか思えません。。。
アメロー


これは、いわゆるキックボードにエンジンをつけたもの。このテのものは、そうとう昔からあるんですね。
アメロー


館内の一角には、お約束のお子さまコーナーも。おかげでじっくり見れました
アメロー

Miller先生のCommercial Code(UCC)の授業は、始めのうちこそふんふんと聞いていたのですが、話が難しくなるにつれ、あまりの早さと分量の多さ(case bookに昔の有斐閣判例六法サイズのcode bookを併用)に圧倒され、だんだんついていけなくなってきました。この先生は、"That's the whole point! That's it!"が口ぐせで、このセリフが出たところを必死に書き取っているのですが、最近はそれもあまりに連発するのでよくわからなくなってくる始末。
この授業は幸か不幸か休講が多く(ご高齢のせいか、あまり体調がよろしくないようです)、その埋め合わせの授業が春休み明けから大量に予定されているので、そこでどうにか追い付こうと画策しています。そのために、この春休みはいろいろな資料をぼちぼち読んでいました。
なお、この前フリで明らかなように、私はUCCの勉強を始めたばかりで専門家でもなんでもないので、今から書くことの正確性についてはいつも以上にアヤシイと思っておいてください。


さて、UCCとは統一商事法典と訳されるように、アメリカにおける商取引の基本法なのですが、その第9章はSecured Transectionsと題され、担保取引を扱っています。ここで念頭に置かれているのは主として動産、証券、債権などで、これを担保に取る方法というか、法律用語で言うところの対抗力を具備する方法としては、原則としては日本でもおなじみのUCCファイリング、つまり登録によることとされています。

もう少し詳しく言うと、登録はfinancing statementというものを各州の登録機関に提出することによって行われます。financing statementは契約書より簡素なもので(書式がある)、①債務者の名前、②担保権者の名前、③担保物の表示の記載が必要とされています。逆に言うと、被担保債権等の記載は必要ないわけで、ほんとに簡素なものなのですが、これは、登録は担保物の調査者に対して手がかりを与えることを目的としており、調査者がそれ以上の情報を欲する場合は債務者に問い合わせるべきである、という考え方に基づいています。言わば債務者を公示機関とすることによって、登録機関・手続をミニマムにし、もって大量の登録事務の迅速かつ低廉な処理を達成しているわけで、その意味で、債務者の名前というのは非常に重要な記載事項ということができます。


ところが。
506条に、こんなことが書いてあります。


(a) [Minor errors and omissions.] A financing statement substantially satisfying the requirements of this part is effective, even if it has minor errors or omissions, unless the errors or omissions make the financing statement seriously misleading.


はあ。"substantially"、"minor"、"seriously"と抽象表現の大安売りですが、要は軽微な誤りはオッケーということですね。


(b) [Financing statement seriously misleading.] Except as otherwise provided in subsection (c), a financing statement that fails sufficiently to provide the name of the debtor in accordance with Section 9- 503(a) is seriously misleading.


これは上で言ったように債務者の名前は重要ということですね。でも、(c)ってなんだろう?


(c) [Financing statement not seriously misleading.] If a search of the records of the filing office under the debtor's correct name, using the filing office's standard search logic, if any, would disclose a financing statement that fails sufficiently to provide the name of the debtor in accordance with Section 9- 503(a), the name provided does not make the financing statement seriously misleading.


・・・"standard search logic"ってなんじゃ???
コメント(UCCには各条に起草者の解説が付いている)にも詳しい説明はありませんが、調べてみると、どうやらコンピューターの検索システムの、自動的に誤りを修正する機能のことのようです。ホラ、グーグルとかで"MacDonald"って入力するとハンバーガーの"McDonald"が出てくるじゃないですか。ああいうもんらしいっす。
つまり、コンピューターで検索することを完全に前提としたうえで、その恩恵として生じる誤記の許容範囲まで、条文レベルで規定しているわけですね。こういう法令って、日本ではなかなか珍しいんじゃないでしょうか。


要は、「わかればいい」ということですが、はてさて、これをアメリカならではの実質、合理性を重んじた制度とみるか、それともアメリカではその程度のミスは日常茶飯事なのでいちいち問題にしてたらキリがないという現実の反映みるかは意見の分かれるところでしょうが、アメリカに住んでの実感としては、後者のように思えてなりません。。。
日本では、登記と言えば、司法書士とか登記官とかいった有能な人たちが提出書類を微に入り細に入り確認したうえで行うものであって、誤りはあってはならない、ありえない、というのが一般的な認識かと思いますが、ここアメリカでは、誤りはあることが前提かのような仕組みとなっているのが、興味深いところです。