落とし込み仕掛けの自作(アンダーベイト) | T.Tの釣行記録

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趣味の釣りのブログです.主に船釣りの釣行記録を載せています.

今シーズンの7回の落とし込み釣り(アンダーベイト)では,自作の落とし込み仕掛けを使いました.落ち着いた先を記録として残しておきます.

 

自作落とし込み仕掛け

 

自作している落とし込み仕掛けの構造を下図に示します.最初は5本針や6本針を使っていましたが,ベイトが掛かるのは決まって一番下の針です.まれに,下から2番目やその上に掛かる程度で,一番上の針に掛かることはほとんどありませんでした.そこで,徐々に針数を減らしていき,最終的には3本にまで針数を減らしたところ,魚の取り込みがしやすくなり,手返しも良くなりました.お祭りが起きてもすぐに解くことができました.ただ,ちょっと減らしすぎかも・・・.和歌山の中紀~南紀では,4本針ぐらいがちょうど良さそうに思います.針数が少ないとベイトが掛かる確率が減りますので..仕掛けの長さは,3m前後が基本で,長くても4mです.仕掛けが短い方が魚を取り込みやすいですが,短くし過ぎると探る棚の範囲が狭くなってしまいます.エダス間隔については,仕掛けの長さと針数から決めます.50cmより短くしない方がいいと思います.エダスの長さについては,市販仕掛けを参考にしてください.以前の市販仕掛けはエダス長10cm弱のものが多かったのですがが,最近は15cmのものが増えてきていて,徐々に長くなってきています.幹糸の太さについては,御坊の船では10号,みなべでは12号が指定されました.そのときに釣れている魚の大きさに合わせます.事前に船長に確認してください.

※ 図をクリックすると大きな画面が開きます.

 

幹糸へのエダスの付け方は,交換可能な構造(下図(a))と,一体構造(下図(b))があります.強度は,一体構造の編み込み型が一番良さげですが,アジが暴れてエダスが幹糸に巻き付いてチリチリになった場合にその部分だけの交換ができません.エダスのフロロを引っ張って真っ直ぐに伸ばして修正するのですが,徐々にそれも効かなくなってきます.

利昌丸での落とし込み釣行において,高仕掛けのように箱掛けでエダスを取り付けても強度的に問題がないことが解り,それ以降は,エダスが交換できるように箱掛けで固定するようにしました.エダスが上下にずれないように2個の結びコブが必要です.下図(a)左側のように幹糸をチチワで連結している場合は2本のチチワの糸に箱掛けして上下のチチワの結びコブで固定してもいいですし,幹糸のチチワ連結の輪っかに通して箱掛けで固定してもいいです(後者は下に写真あり).下図(a)右側のように添え糸を添えて2個のエイトノットを作って固定してもいいです(下に写真あり).私は,加太の漁師さんから教えていただいた結びコブを採用しています(ご厚意で教えていただいたことなので図・写真は載せていません).なお,編み込み型を除いて,強度的にはどれも大差はないように思います.

 

エダスの付け方について写真でも示しておきます.解りやすいように30号の太い糸で撮影しています.

【チチワ連結構造】下の写真では,上図(a)左のように,上下の幹糸とエダスの3本を箱掛けで接続しています.エダス間隔を決めてから両端がチチワの幹糸の断片を作ります.これを,箱掛けで連結して,1本の幹糸にします.エダス間隔は,ハリスの長さの2倍以上にします.そうしないと,針と針が絡みますので注意してください.幹糸の箱掛けでできた二重の輪に,エダスのチチワを箱掛けします.この方法は,完全自作 沖釣り仕掛け(出版社:釣り情報編集部)の「カッタクリ仕掛け」のページ(pp.112-113)でも紹介されています.また,いくつかの船の船頭仕掛けでも見られます.ただ,エダスは幹糸の周りを回転できませんので,ヨレには弱くなります.

【添え糸構造】下の写真では,上図(a)右のように,幹糸に添え糸を添えて2個のエイトノットを作り,その間に,エダスのチチワを箱掛けしています.落とし込み仕掛けは高仕掛けと違って長さが短いので,このように添え糸構造で製作しても短時間で作ることができます.また,ビーズ構造のように,エダスが幹糸の周りを回転できます.強度的にも問題ありませんが,不意な大物が掛かると固着する可能性があります(今のところ,自分は経験なしです.実験だけで確認できている現象です).

どちらの方法も,エイトノットだけを使っています.エイトノットは失敗が少なく,誰が結んでも安定してそれなりの強度が得られるのでオススメです.それに,これらの構造にしておくと,簡単にエダスを交換できます.釣行中,針先が鈍ったりエダスのフロロがチリチリになったら,エダスのチチワをはさみで切って取り外し,新しいエダスを箱掛けします.このとき,エダスのチチワの1本だけを切ってください(急ぎの場合を除く).糸ゴミが散らばらず,お勧めです.

 

ライン結びに自信がない私は,仕掛けの上下のスイベルもチチワの箱掛けで留めています.このため,下の写真(左側)のように大きいサイズのスイベルを使用しています.落とし込み仕掛けの幹糸は10~12号と太いです.小さいスイベル(下の写真の中央)では,アイが小さいためにエイトノットの結びコブが通りませんし,また,箱掛けしたときにラインがスイベルの胴体に当たってしまって,うまく回転しません.ライン結びに自信のある人は,下の写真の右側のように,完全結び,(ダブル)ユニノット,(ダブル)クリンチノットなどで金具のアイに直接仕掛けの幹糸を結んでください.ラインがスイベルに干渉する問題はなくなります.

 

針について

 

針は,細長い形状のベイト針が基本です.強靱イサキ針が有名ですが,最近の市販仕掛けでは,キツネ針なども使われています.

 

針の結び方について

 

こちらの記事「落とし込み仕掛けの針結び」をご覧ください.皆さんが結びやすいと思う針結びをお勧めします.

 

仕掛けの強度について

 

こちらの記事「胴突き仕掛けの強度測定」をご覧ください.チチワの箱掛けでも大きな問題は無さそうです.

 

仕掛けの運び方

 

私の場合は,幹糸とエダスは別々に運んでいます.針数が4本程度ですので,現地で取り付けてもそれほど時間はかかりません.現地で海況を確認してから,その日に使う針を選べるという利点も得られます.箱掛けするとき,精密作業に適した小さいプライヤがあると便利です.私は,HOZANの使い古したプライヤP-51またはミニチュアプライヤP-35(Amazonで1500円程度)を持参しています.

 

まず,幹糸の運び方についてです.落とし込み仕掛けは,幹糸が10~12号と太く,長さも短いので,わざわざ仕掛け巻きに巻かなくても絡むことがありません.100円均一のチャック付きポリ袋(サイズはA6やB6)に入れて運んでいます.スイベルやスナップなどの金具も現地で取り付けています.たくさんの仕掛けを作ってしまうと,それだけの金具が必要になります.現地で取り付けることで,金具の管理が楽になりますし,持ち物も少なくなります.

 

ハリスの運び方については,下の写真のようにメイホウのフライケースFに,ハリスの太さや針の種類(大きさ,針種)の別に分類して入れています.1箱に4種類を分けて入れられます.高仕掛けと違ってハリスが太く短いので,扱いが非常に楽です.15cm以上のエダスは,100円均一のA5サイズのチャック着きポリ袋に入れています.


 

シラスファイバについて

 

針にシラスファイバを付けないとベイトが掛からないポイントがあります.逆に,カラ針が有利な場合もあります.地域やポイントによって有利な針やシラスファイバの有無は異なるようです.ファイバ付きとカラバリの両方を準備するか,事前に船長に相談してください.

 

シラスファイバを針に取り付ける場合ですが,売られているままの状態で使うと,ファイバの量が多い(束が太い)と思います.1.5m巻きと短い場合は,一旦全部をほどいてから,1/3あるいは1/4に分けて別のスプールにまき直してから使うとちょうど良さそうです.下の写真は,そのままの量を巻いた失敗例(?)です.明らかにシラスファイバの量が多いです(苦笑).. 多めにつけて現地まで運び,現地で散髪してもOKです.糸屑ゴミは養生テープにくっつけて持ち帰っています.バケットマウスの側面の何カ所かに養生テープを貼って,ゴミ箱代わりにしています.

 

オモリの運び方

 

落とし込みでは号数の大きい重たいオモリを使用します.裸の状態で運んでしまうと,タックルボックスの中でオモリがリールなどに当たって道具を傷つけてしまいます.多くの方はビニール袋などに入れて運んでおられるようですが,私の場合は,メイホウのパーツケースBM-100に入れてから,タックルボックスの中に収めて運んでいます.

パーツケースBM-100は,本来はバケットマウスの外側に取り付けて使うものですが,内部の小分け用に使っても,使い勝手は良いです.売価200円程度であること,フタが開きにくく丈夫であること,そして船上で整理して置いておける便利さから,重宝しています.

 

スイベルの運び方

 

スイベルを運ぶためのパーツケースについては,第一精工のケース75Rと,ダイワの防水ユニットケースに落ち着きました.ケース75Rには新品のスイベルを入れています.防水ではないので100均のジップロックに入れて運んでいます.ユニットケースについては各メーカーから発売されていますが,壊れにくさ,薄さ,防水性,フタの透明度(中身の見やすさ)を総合的に判断して,ダイワ製になりました.これには中古スイベルも収納しています.ダイワの防水ユニットケースについてはラインナップが豊富ですが,私の場合は,薄型,マグネット付きの一択です.マグネット無しでも良いのですが,使い分けを考えるのが面倒なので,マグネット付きしか買っていません.区切り数は9区切り(900JPマグネット付き)の一択です.まれに,これに入らない大きい部品があるので,3区切りの300JPマグネット付きに入れて運びます.300JPにはアネロンがちょうど入ります(下の写真).あと,コマセマダイ用の12号の大きい針も900JPには入らないので,600JP(6区切り)を1個だけ所有しています.

 

皆さまのご指導のおかげで,今年はようやくここまでたどり着くことができました.この仕掛けで,カンパチクエ,メジロ,ハマチを釣ることができました.お礼申し上げます.

 

釣果について(2022年10月追記)

 

紹介した落とし込み仕掛け(チチワ連結構造,及び,添え糸構造)を使い続けていますが,全く問題なしです.ビーズなどの部品が不要で,ラインの結びだけで作られていますのでシンプルです.現場でのエダス交換も簡単に行えます.

2022年は,カンパチ・シオの当たり年で大漁でした.皆様にもいいことがありますように..

 

2022年9月4日は,カンパチ・シオが16匹釣れました.

 

2022年10月4日は,シオ5匹と青物10匹以上が釣れました.

 

仕掛けの幹糸とハリスには,安価なナイロンラインを使っています.気に入らなかったら気軽に作り直せます.ナイロンなので一度海水に浸けたら廃棄していっています.ナイロンラインの仕掛けの保管には防湿庫を使っています.写真機材を湿気から守る保管庫で,カメラ,レンズと一緒にナイロン仕掛けも入れています.湿気の多い地域にお住まいで防湿庫をお持ちでない場合は,幹糸とハリスはフロロカーボンラインの方がいいと思います.

 

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参考文献