胴突き仕掛けの強度測定(ビーズと箱掛けによるエダス固定の比較) | T.Tの釣行記録

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自作の胴突き仕掛けにおいては,イカ釣りではビーズによるエダス固定を,高仕掛けのマダイ釣り落とし込み釣りでは箱掛けによるエダス固定を用いています.ふと気になって破断強度について確認しておきました.測定結果を,記録として残しておきます.

 

お断り: 通常の釣りではこのような限界ギリギリの負荷をかけることはないと思います.このデータは参考程度としてご理解ください.

 

測定に用いたラインは太めの12号です.最初に,直線強度を測定しました.測定にはディジタルフォースゲージ(IMADA社製 ZTS-500N)を用いました.1秒あたり1000回測定し(1msのサンプリング周期で測定し),張力のピーク値を記録できるものです.50kgまでの試験に使えます.測定結果を下図に示します.数字が読みにくい場合は図をクリックして拡大してください.

5回測定し,ライン部分で切れたのが2回でそのピーク張力の平均は18.045kgでした.これをラインの直線強度とします.2回だけという回数不足の点はご容赦ください.

 

続いて,仕掛けの強度を測定します.測定系を下図に示します.ビーズのサイズはLL(12号のラインが通るサイズ)です.

 

まず,ビーズによるエダス固定時の胴突き仕掛けの強度測定結果を下図に示します.

3個の新品のビーズを使って測定しています.それぞれのビーズが壊れるまで破断試験を繰り返しています.破断箇所と強度と,直線強度(18.045kg)に対する割合を示しています.おおむね67~81%の強度が得られていますが,幹糸のビーズ留めのエイトノットが切れることが稀にあり(図中の黄色の部分),このときの強度は50%近くにまで落ちています.ビーズが割れるまでの回数は新品であっても1~6回とバラバラでした.かなり丁寧に結んだつもりでしたが,どうしてもバラツキが出てしまいました..

 

次に,箱掛けによるエダス固定時の胴突き仕掛けの強度を測定します.破断試験をすると箱掛けのチチワが固着してしまったので,念のため,毎回新しい仕掛けで測定しました.3回の測定結果は下図の通りです.


8の字で切れた回数が1回(83%の強度),ラインで切れた回数が2回(93~98%の強度)で,強度は安定していました.高仕掛けで広く用いられている理由も納得ができました.自作の落とし込み仕掛けにも充分使えそうです.安心しました.

 

なお,ビーズ固定にはビーズ固定の良さがあります.エダス交換が簡単ですし,回転性能が良いので,エダスが幹糸に巻き付いてチリチリになりにくいです.負荷の小さいイカ釣りや,エダスの長いヒラメ仕掛けなどで広く用いられています.適材適所だと思います.

 

写真集

 

上は破断したビーズ,下は欠けて(ひび割れて)使えなくなったビーズです. 実際の釣りではここまでの負荷が加わることはありません.

 

優秀だった箱掛けによるエダス固定仕掛けの測定結果です.しかし,エダスの回転性能は良くありません.また,破断するまで張力をかけた後はエダスが固着しやすいです.エダスを編み込みで固定すれば固着とは無縁になると思われます..

 

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