経営革新計画策定フローの続き、そして売れプロブログへの感謝 | 『売れプロ!』ブログ -「売れる」「稼げる」中小企業診断士に-

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 売れプロ12期生で中小企業診断士の原口卓也です。

 これまで経営革新計画をテーマに取り上げ、以下のような内容をお届けしてまいりました。

  2/9経営革新計画の制度概要
  3/8経営革新計画のメリット、策定方法
  4/5経営革新計画策定フロー_現状分析(外部環境編)

 早いもので、今回が当方の売れプロ12期生ブログ最終回となります。売れプロについての振り返りは、前回の「養成課程出身の中小企業診断士と売れプロ」に記しました。マスターコースや研究会を探していらっしゃる方は是非お読みください。
 今回は前々回に引き続き、フレームワークを活用した「経営革新計画フロー_現状分析(内部環境編)」について、以下の構成でお届けします。実際の支援事例を基にしたケーススタディから、現状分析の重要性を改めてご理解いただきたいと思います。最後に、売れプロブログへの感謝を通じてその魅力をお伝えいたします。
 少し文量がありますが、最終回も是非最後までお読みください。


【目次】


 1.内部環境分析_ヒト・モノ・カネ・情報
 2.現状分析のケーススタディ
 3.まとめ_新事業と現状分析
 4.売れプロブログへの感謝

 

 

  1.内部環境分析_ヒト・モノ・カネ・情報

 

1)3M 

 ヒト(Men)・モノ(Materials)・カネ(Money)といった、経営資源を過不足なく調達し効果的に活用できているかを分析します。経営における相対的な重要度が高まっていることから、データとナレッジ(知識)で構成される情報が4つ目の資源として加わりました。時代とともに、何を経営資源として捉えるかが変化していることに留意しましょう。
 

 
2)4P


 商品(Product)・価格(Price)・流通(Place)・販促(Promotion)の4つの切り口から、優れた商品を求める顧客の手に届ける売れる仕組みを考えます。4Pを買い手の視点(4C:価値、コスト、利便性、コミュニケーション)で補完すると、よりMECEで多面的な現状分析を行うことができます。
 
【代表的な分析要素】


 商品:機能、性能、品質、デザイン、パッケージなど
 価格:定価、卸売価格、小売価格、値引き、契約条件など
 流通:販売地域、販売ルート、流通網、在庫リードタイムなど
 販促:広告宣伝、口コミ、陳列、接客、サンプルなど

 

 
3)VRIO


 経済価値(Value)・希少性(Rarity)・模倣困難性(Imitability)、組織(Organization)の4つの切り口で洗い出した経営資源と活用能力(ケイパビリティ)から、競争優位性とその持続性を分析します。さらに、バリューチェーンなどの経営資源に関するフレームワークと組み合わせて、経営資源について漏れなく分析し総合的に評価します。
 

 

 

  2.現状分析のケーススタディ


 経営革新計画の新事業における現状分析の重要性をより強くご認識いただくことを目的に、私が実際にご縁をいただいた企業をモデルとしたケーススタディを通して、フレームワークを活用した現状分析の具体例を紹介します。新事業の評価項目は「経営革新計画のメリット~実際に計画を作成した事業者の声より~」の第3章で紹介した、新規性と実現可能性です。


 ケース①は運送業を営みながら、夜の飲食店向け衣装レンタル事業をやりたい経営者です。ケース②は既存の飲食業は順調だがこのままで大丈夫かと不安な経営者です。
 

 ケース①では、軽貨物の運送業が夜の飲食店で働く女性向けの衣装をレンタルする事業を興すため、既存事業とは無関連な多角化であり、自社にとって新しいサービスの提供に該当します。一方で、無関連な多角化であるが故に、新事業を実施するためのノウハウなどの経営資源が不足しており、さらに当該業界は参入障壁が低く競合が多いため儲かりにくい経営環境です。したがって、ケース①の新事業について、新規性は評価できるが、実現可能性は評価できません。
 

 ケース②は、ジビエ料理を提供するフレンチレストランが鹿や猪の革を活用した製品を製造販売する事業です。原材料で既存事業と関連する多角化であり、提供する製品は自社にとって新しいものです。そして、デザイナーの参画など、新事業の実施体制が整っていること、農作物の鳥獣対策という社会的課題の解決に共感する消費者の購入が見込めることから、ケース②の新事業は新規性、実現可能性共に評価できます。
 

 ケース②の新事業がケース①に比べて評価されるのは、新事業における新規性と実現可能性が現状分析によって担保されているためです。ケース②では、新事業の根拠とするべく、5Fを活用して、その外部環境を分析しました。
 

 
 さらに、3M+情報の切り口で当該企業の内部環境を分析しました。
 

 
 これらの分析結果を、さらに新事業を検討するためのフレームワークに落とし込んでいきます。


 
 ケース②の企業には、新事業を遂行・実現するだけの経営資源が過不足なく揃っていて、それらを活用して製造した新製品は、競争優位なポジションで消費者のニーズを売上につなげられることが期待できました。クロスSWOT分析において、強み(S)を機会(O)にぶつける積極化戦略に基づく新事業は実現可能性が高いと評価されています。
 

 
 ケース②の既存事業は、食に対して貪欲な近隣住民へ新鮮なジビエで創るフレンチレストランです。当該企業が消費に対する付加価値を求める消費者へ、材料の製造過程で発生する皮革で製造した鞄などを販売する小売店というような、新しい製品を新しい顧客へ提供する、アンゾフの成長マトリクスにおける多角化戦略は、新規性に富んでいると評価されています。
 

 いかがでしょうか。ケース②の新事業が評価される理由をご理解いただけたでしょうか。なぜその企業がこのような新事業を遂行したいのか、はたまたそれが実現できるのか。企業と新事業を現状分析がつなげてくれます。
 

 

   3.まとめ_新事業と現状分析

 

 最後に、経営革新計画策定フローにおける現状分析についてまとめます。
 

 
 現状分析の概要は、経営者が描く会社のありたい姿との差異を正しく測る、また、その差異を埋めるために起こすべき施策を検討することでした。そして、現状分析の重要性は、経営革新計画の新事業における新規性と実現可能性の要件を満たしているかを検証するためでした。最後に、現状分析の方法は、多面的にこれまでを振り返り、これからを見通すために、会社を取り巻く経営環境を内部と外部に切り分けて、フレームワークを駆使することでした。

 

  4.売れプロブログへの感謝

 

 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。当方のブログ最終回における締めくくりとして、売れプロブログへの感謝を述べさせていただきます。読者の方におかれましては、売れプロブログの魅力と置き換えてご覧いただけますと幸いです。

 売れプロブログでは、いいねやアクセスの数から、客観的にまた定量的に自身の記事を評価できます。読者はどのような属性で、どのような内容を求めているのか、その反応を次回へ活かしてまいりました。ブログ自体が売れるプロのコンサルタントになるためのプロモーション/ブランディングツールです。このような取り組みができたのも、青木先生や売れプロのブランドから売れプロブログには相当数のフォロワーや読者の方々がいらっしゃるおかげです。自身がゼロから始めたブログではこのような経験はできません。

 また、売れプロブログでは、塾生同士が記事を校正し合います。当方の拙い文章も、大手外資系コンサルファームの第一線で大活躍されている花村先生が毎回丁寧にご指導くださったおかげで、文章作成力を高めることができました。この場をお借りしまして、花村先生へ御礼申し上げます。

 そして、同期12期生の記事は当方もいち読者として、毎日楽しみに拝見しておりました。少しでも読者の方のお役に立てるよう、塾生それぞれが強みや実績に基づく内容をお届けされてました。その記事からは沢山の学びと刺激をいただきました。これだけ多様なテーマで専門性の高い内容を毎日配信しているブログは少ないのではないでしょうか。

 最後になりますが、青木先生、事務局の先生方、そして、12期生の皆さんとの出会い、売れプロでの経験は一生の宝物です。誠にありがとうございました!また、先に申し上げました通り、本ブログでは読者の皆様あってこその得難い経験をさせていただきました。沢山の感謝を胸に、一つでも多くの中小企業のお役に立てるよう、さらに精進してまいります。今後とも宜しくお願いいたします。
 

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