昨年の特別拝観では息子が 朱印係 として奮闘しておりましたが 今春から1年間の僧侶修行に出ている為、 今年は娘がお仕事の休日に ご朱印書きを担ってくれております。
今日は お寺の娘同士で馬の合う 娘の旧友のお嬢さんも助っ人に参戦して下さり、 朱印所になっている台所が パッと華やかに…。 そうそう、このキャスティングは2015年に放送された「京都人の密かな愉しみ 〜縁結び編」のメンバーですね。
この番組のファンは多いようで、今でも大黒様を目当てに来山される方は多いのです。
インタビューで [お坊さんを見る目は肥えている] とキャプションを付けられた娘たちは 相変わらず京都の生活を謳歌しており…。 着物姿でも 歌って踊れる 多才な二人は 23日(火)も揃ってご朱印を書いてくれる予定です。 リクエストすれば、大黒さまの説明も上手にしてくれるかもです。
ライトアップ拝観の2日目。紅葉は日いちにちと赤みを増して美しくなっていきます。
先日(11月18日)のNHK「京いちにち」の紅葉中継では リポーターの大森華子さんと庭園デザイナーの烏賀陽百合先生が雲龍院の庭園鑑賞の仕掛けを解き明かして下さいました。
烏賀陽さんは 今までにも何度かご来山されておりますが、魅力的な視点での解説をして下さるので 大好きな先生です。
リポーターの大森さんと二人で 雲龍院を中継地として決めて下さったようで、大森さんは 限られた時間でどの場所を皆さまに紹介しようかと… 真摯に考えて下さる姿に おばちゃんファンはすっかり胸を打たれたのでした。
テレビでの放送は京都府だけでしたが、ネットでの動画が見られるようです。
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11月18日(木)放送『雲龍院 室内からめでる紅葉』
お薬師さまは菩薩だった修行中に、12の誓いをたてられました。それは
* 病気を治す
* 悩みを解決する
* 衣食住を整える
* 地獄に落ちないように導く
などです。
お薬師さまは左手に薬壺 ( やっこ ) を持ち、右手は施無畏印 ( せむいいん ) を示されております。
「怖がらなくていいんだよ」と寄り添い、お悩みに添った薬を処方して下さるのです。
お薬師さまは現世利益の仏様。なぜ 私達の希望を叶えて下さるのでしょうか?
病気を治し 命を延ばすのは 一秒でも長く生きてもらう為です。病気が治った人が仏教を聞き、学ぶことで 本当の幸せになることを願われているのです。輪廻転生 ( りんねてんしょう ) をしている私達ですが、仏教は人間に生まれた時にしか聞けません。 せっかく生まれがたい人間に生まれても、病気になったり 心がささくれていては仏教に耳を傾けることが出来ません。だからお薬師さまは病気を治して 命をのばそうとされているのです。
お薬師さまの前では静かに手を合わせ 心の中でご真言を3回唱えて下さい。
おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
西の方角の 極楽浄土 にいらっしゃる 阿弥陀如来さまに対して、お薬師さまは東の方角にある 瑠璃光浄土(るりこうじょうど)に住んでいらっしゃいます。なので 雲龍院の本堂は西向きに建てられているのです。
瑠璃とは仏の世界の荘厳に使われる宝石のことで、仏の世界の宮殿は金、銀、瑠璃、水晶、貝、珊瑚、メノウなどの宝石でできているそうです。
瑠璃はエメラルドのような青緑色の光で、これは薬師如来さまが放つ光。東の空に陽が昇る時に 青緑色の澄んだ光を放つ その先にあるのが東方の[ 瑠璃光浄土 ] という事です。
想像しただけで ゾワゾワっと嬉しくなってしまいます。
秋の特別拝観中は 瑠璃光浄土をイメージして宝石をばら撒きたい気持ちでいっぱいですが 俗世の都合上 それは叶わず…。
そこで 令和2年 2月に (株)まるやま 安田 豊 様・田辺 賢一 様、 典雅きもの学院 生見 浩 様 が和装業界の発展と織物・友禅の技術継承を祈念して奉納して下さった [几帳 ]を飾らせていただきました。
時代劇などの豪華な衣装を手掛ける 京都の有名な 山口美術織物さんで作られた品で、[ 天恵日輪雲龍華文 ] と [ 天恵月煌雲龍文 ] の2基を置くと重厚な煌びやかさに お薬師さまも 大層ご満足なご様子です。
そして、お薬師さまカラーをイメージして特別朱印も出ております。
こちらは娘が紙や青墨を吟味して整えました。 娘目線の美しいお薬師さまの特別朱印は無くなり次第 終了致します。