今日からしばらくは、私のカウンセリングルーム「フロースリィ」で用いている技法について、詳しい説明を書いていきたいと思います。

 

といっても、実際になにを書くかは心に聞いて決めているので、本当にそのシリーズがしばらく続くかどうかはわかりません。

 

さて、第1回目の今日は、その「心に聞く」と「中指ビンゴ」について。

 

この2つはFAP療法を実践する上での基本であり、FAP療法が他の精神療法と一番違う点って、この2つの技法を使っているところにあるんじゃないのかな? とさえ思っています。

 

 

まずは参考書というか、元ネタの紹介を。

 

 

「心に聞く」は大嶋信頼先生のいくつかの本で紹介されていますが、一番詳しく書かれているのはこの「リミットレス!」です。

 

 

 

「中指ビンゴ」のほうは、この本に詳しく書かれています。

 

ちなみにこっちの本は、FAP療法の初級として扱われている内容とほぼ同じものが載っていて、こちらはセルフケアとしても使えるので、それ目的で買うのもオススメです。

 

 

「心に聞く」も「中指ビンゴ」も、簡単に言えば、「本来の自分にアクセスする方法」となります。

 

本来の自分というのは、他人の考えに振り回されていない、オリジナルの自分を指します。

 

人間として生きている以上、他人の影響はどうやっても受けるので、そういう意味では完全オリジナルの自分というのは存在しないのかも? とはなります。

 

ただ、本当はやりたくないことを、「でもやらないと親に怒られるから」「世間の常識ではこうなっているから」といった理由で嫌々やっている、ということはよくあります。

 

こういう動機で動いていることを自覚すらできず、それこそ無意識にやっていることも珍しくありません。

 

そういった外部の影響を排除して、本来の自分はなにを望んでいるの? というのを確認するのが、「心に聞く」と「中指ビンゴ」になります。

 

 

例えば私は、このブログでなにについて書くのかを、毎回「心に聞く」でテーマを確認して決めています。

 

今日、こうして「心に聞く」と「中指ビンゴ」について書く、というのも心に聞いて従った結果なんです。

 

そうした日常生活におけるあれやこれやについても聞けますし、例えば転職を考えてるけどどうすればいいの? といった結構大きな問題についても、心に聞くことができます。

 

その結果、どんな答えが返ってくるかはわかりません。

 

自分が意識で考えていたことと同じような答えが返ってくることもありますし、全く予想外の答えが返ってくることもあります。

 

その心の答えに従うも従わないも自由ではありますが、思い切って従ってみると、結構面白い展開になったりする、というのはよくあります。

 

 

さて、今回はカウンセリングの技法としての紹介なので、そちらの話に行きますと、まずはカウンセラー側が「心に聞く」や「中指ビンゴ」を使うメリットについて。

 

この最大のメリットは、意識の束縛を外す、というところにあるんじゃないかなと思います。

 

カウンセラーはクライアントに対して、予断や偏見を持たず、中立的な立場で接すること、というのが「カウンセラーのあるべき姿」というふうになってはいます。

 

とはいっても、カウンセラーも所詮は人間なので、クライアントに対する好き嫌いもありますし、相手の話を自分の常識で勝手に判断してしまう、というふうについやってしまいがちなんです。

 

その罠から逃れるために、「心に聞く」や「中指ビンゴ」は有効なんじゃないのかな、と思います。

 

私がクライアントの話を聞いて思ったことについて、心に確認してみると、私が思っていたのと全然違う! という答えが返ってきたりする。

 

その答えが正しいという保証はないけれど、少なくとも私が思ってもいなかった意見を聞けたことで、「自分が最初に考えていたことは思い込みだったのかも?」という疑問を持つことはできる。

 

そんなことを思いながらクライアントの話を続けて聞いていると、本当に心の言った通りだったのかも! となることはよくあるんです。

 

 

次に、クライアント側が「心に聞く」や「中指ビンゴ」を使うメリットについて。

 

私のカウンセリングでは、それこそ心に聞いた結果としてこれらの技法をクライアントに教えたほうがいいとなったり、クライアントの側からリクエストがあれば、やり方やコツをクライアントに教えることもあります。

 

これらをクライアントが使うメリットもやはり、自分の意識では考えもしなかった意見に触れられる、というのがかなり大きいんじゃないのかなと思います。

 

なぜなら、カウンセリングを受けに来る人というのは、当然ながら悩みを抱えているわけですが、その悩みは意識によって生まれているものだから。

 

カウンセリングの手法においては最もメジャーであろう認知行動療法が言うところの、「認知の歪み」というやつです。

 

とはいえ、カウンセラーという他人から、あなたの認知は歪んでますよ、なんて言われても、「私はちゃんと現実を認識している!」と反発するのが自然な心理というものです。

 

けれど不思議なことに、心に聞いた結果同じ答えが返ってきた場合は、そうなのかも? と受け入れやすくなるんです。

 

それは「心に聞く」が本来の自分の意見を聞くということであるのだから、当然なのかもしれません。

 

なんにせよ、そうやって自分の悩みについて心に聞いたり、中指ビンゴで確認したりを繰り返すだけで、気づけば解決していたということもあったりします。

 

 

さらにいうと、重度の悩みを抱えていて、それこそ精神疾患のレベルで苦しんでいる人だと、なにかを考えて決定するということ自体が大きなストレスだったりします。

 

なにかを決断するときに悩んだり、決めて実行したことについて「本当にこれでよかったのか?」と後悔したりといったことが、精神的に元気な人に比べて、非常に起きやすくなる。

 

そういうときに、「心に聞く」や「中指ビンゴ」で考えること自体を任せちゃえるのって、ものすごく楽なんです。

 

そもそも頭でいろいろ考えたって、わからないものはわからない。

 

わからないことについて、それでも延々と考え続ければ、ストレスになるのは当たり前なんです。

 

それを、わからないから心に聞いちゃえ! というふうに投げることができるというのは、実に大きい。

 

もっとも、どんなに苦しくても自分自身で考え抜くのが大事なんだ、という価値観も世の中にはあって、その影響を受けている人は多いかと思います。

 

けれど最初に書いたように、自分自身で考えているつもりでも、実はその思考のベースは親や世間の影響を強く受けていて、本来の自分の考えとは違っている、といったこともまた多いんです。

 

自分がやりたいことを考えているのに、自分以外の価値観に基づいて考えちゃっているという矛盾が生まれているから、いくら考えても自分の納得行く答えは出て来ない。

 

なので、そういうよそからの影響を排除して、「心に聞く」や「中指ビンゴ」で確認しよう! とすると、面白い流れになったりするんです。

 

 

「心に聞く」も「中指ビンゴ」も、非常に奥深い技法であり、深く語っていくとまだまだいくらでも話せることはあるのですが、キリがないので今回はここまでにします。

 

とりあえず興味を持った人は、最初に紹介した大嶋先生の本を読んで、実践してみてください。

 

その上で、やってはいるけどうまくできない! という人は、ご希望があれば、私のカウンセリングを申し込んでいただければ、それこそ私の心に聞きながらコツなどをお教えします。

 

 

 

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